「行くぞ!」ハッチの開いたプロペラ機から、あっけなく私は空中に放り出された。
すさまじい速度で落ちていく、いや飛ばされていく感じだった。
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8時20分にスカイダイビングの会社が、キャンプ場まで迎えに来てくれるはずだったが、時間になっても、一向に迎えが来ない。
どういうことかと思い、キャンプ場のフロントで聞くと、スカイダイビング会社に連絡してくれた。
曇りで朝一番のフライトはなくなったそうだ。次の時間11時20分のフライトに変更してもらう。キャンプ場の人が親切で本当によかった。自分では何もできない。
空いた時間を利用して午前中は街で必要なもの買い求めた。
書店でおしゃれな手帳見つけ、購入。
日記は日記で書いているが、それとは別にその日の出来事を一言、二言で簡単に書くのには使えるだろう。
自転車屋にも行くが、期待したほどの品揃えではなかった。ニュージーランドのデザインのレザージャージが売られていて、そのうち1着買いたいなと思った。
それから学生時代から愛用していたビンディングのサンダルがだいぶボロボロになってきていたので、warehouseに行き、削れた靴のかかとを直すパテのようなものを買って、サンダルを直した。
キャンプ場に戻り、スカイダイビングの会社が迎えに来た。
フライトの前にいろいろ説明されたが、私には英語が難しくて、ほとんど良くわからなかった。
料金に応じて1,500フィートと1,200フィートのコースがあり、私は1,200フィートのコースを選んでいた。
1,500フィートのコースの後、1,200フィートのフライト始まるまでだいぶ待たされた。
出番が来たようだ。
飛行機に乗り込み、すぐにフライト開始。どんどん高度が上がっていく飛行機から景色を見ているだけですごい、と思ったが、そこからがもっとすごかった。
やがて飛行機のドアが開かれ、意外とあっさりと、他のお客さんが順番に飛び出していった。私は飛行機で1番最後だった。私といっしょに飛ぶインストラクターのグレッグがカメラを回しながら行くぞと言った。
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案外あっさりと飛行機から飛び出したものの、落下中、思った以上に体が動かない。
自由落下が終わりやがてパラシュートが広がる。
落ちるスピードがゆっくりになって、ようやく落ち着いて景色が見られるようになった。レイクタウポが眼下に見える。
ああ、あれが私が越えてきた山々だ。美しいな。
グレッグはパラシュートの紐を引くと言うので、言われた通り紐を引く。するとパラシュートが旋回し始めた。回りすぎてちょっと胃が気持ち悪くなってしまった。
だがそうした状況の中で、もっと楽しみたいというが気持ちとせめぎあう。思えばスカイダイビング本当に一瞬だったと思う。
地面がだんだん近づいてくる。
そして、無事に着地。
終わった瞬間はもうこんな怖いこと言わないんだろうな、と思ったがしばらくすると思い出してゾクゾクする。
また機会があったらきっとやるに違いない。
スカイダイビングの興奮が冷めやらぬまま、午後は手紙と日記を書きにバーに行った。
昼間の静かなバーで1人、ハイネケンを注文し、手紙を書き日記を書いた。
そして、スカイダイビングが終わった後にもらった証明書を眺めていると、それを見たバーの女性が、「スカイダイビングやったの?」と聞いてきた。「そうだよ」と答えると、「私はいいわ」と言って彼女は笑った。
一杯飲んだらで店を出るつもりであったが、一杯目を飲み終わった瞬間、彼女が「ハイネケン、おかわり?」と言うのでつい注文してしまった。
いい店だ、また来よう。