定着から放浪へ 放浪から定着へ

自転車の旅、そのほかの旅について書いています。

Triabunnaのドクター 2008年12月15日

 

今日はとてもいい天気だ。
快晴と言える晴れはタスマニアに来て初めてではないだろうか。 
 

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だか今日は走らない。

昨夜から腹痛と熱っぽさが抜けず、調子が悪かった。
まだ走り出したばかりだが、先のことを考えるとちゃんとしたほうがいい。
一日休息を取り、念のため医者に行くことにした。
 

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Triabunnaのキャンプ場。居心地が良かった。
 
キャンプ場のオーナーに連泊することを伝え、病院の場所を教えてもらう。
 
 

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Myテント

自転車の一人旅だというと、オーナーの奥さんが感激したのか、宿泊費をまけてくれた。
全く現金な話だが、これは嬉しかった。

病院、というかTriabunnaの診療所はキャンプ場の裏手にあった。 
 

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Triabunnaの海
海のそばの素敵な建物だ。
診療所で状況を話すと3時45分にまた来て、と言われてしまい、また出直す。

街で少し買い物をする。 
 

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Triabunna 海沿いの小さな街だ
 

小さなスーパーでフルーツを少し買った。

レジには見るからにティーンエイジャーの女の子がいた。
スーパーの娘だろうか。退屈そうに店番をしていた。 
 

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トリアブナは小さな街だ。
普通の旅行者はホバートからこの先の国立公園フレシネ半島まで一気に行ってしまうだろうから、
わざわざ寄らない場所だろう。お客は地元住人がほとんどではないだろうか。
気だるそうな彼女を見て、ふとそんなことを思った。 
 
 

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NZを旅したころからのパンの定番お供
 

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毎朝、紅茶に多めの砂糖を溶かし、走行中のドリンクを作る。ちょっとした節約。
 

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キッチンの建物
 
 

キャンプ場に戻り、キッチンのソファでお茶を飲んで休んでいると
バックパックを背負った女性が入ってきた。

年齢は50代くらいだろうか、白人女性ながらよく焼けた肌。
同じくらいよく焼けた背中の大型のバックパックが目を引く。

ベテラン、という言葉が相応しい旅人だ。


無駄な肉がなく引き締まった体型のその人は旅する者の一つの理想に見えた。


”Hi.”私は軽く手を上げた。
彼女は大きな瞳でこちらに笑顔を見せて”Hi!”と答えると、
キッチンを見回し、満足そうに出て行った。



あぁ、あんな旅人がいるんだ。


わずかな時間であったが、そんな出会いがあったことに感謝した。 
 

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キャンプ場のキッチン
 
2014年の現在でも時折、彼女は今どんな旅をしているんだろうと思うことがある。

連絡先を知るわけでもない、こうした人のことがときどき思い出される。
これも旅のよさだろう。


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キッチンにあったマグカップ

 

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その日の食事。トーストにはピーナツバターとハチミツにシナモンがふってある。
 
 
 

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海辺で風を浴びる
 
 
時間になったので診療所に行くと
白いヒゲをたくわえたメガネの「いかにも」という風貌の初老の男性ドクターが診察してくれた。

診察室に入るとドクターが「カプチーノ飲ませて」と
大きなマグに入ってきたカプチーノを美味そうに飲んだ。
大らかだな。いい。


診察が始まったが、知ってのとおり私の英語は褒められたものではない。

私は辞書片手に一生懸命説明したが、肝心な質問を私が理解できずにドクターは困り果てていた。


しばらく考えた後、ドクターはジェスチャーと擬音語で質問を再開した。

「口から『ウベベベベ-』か?おなかは?『ジャー』?」
先生はそう言いながら吐くまねとお腹から下に激しく両手をふった。


きっと幼児にはこうやって説明するんだろうな。。。

『ウベベベベー』はノー、『ジャー』はヘビーかマッチと言った気がする。


「ごめんよ。私は日本語は『コンニチハ』しか知らないんだ。」
とドクターは本当に申し訳なさそうに言った。


ドクター、アホな私が悪いんだ。あなたは悪くないです。



これほど英語ができないのを悔んだことはない。


ドクターは強い薬を処方してくれたらしく、ファーマシーで出された薬はよく効いた。



ドクター、ほんとうにありがとう。

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心やさしいドクターのいるTriabunnaの診療所
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