定着から放浪へ 放浪から定着へ

自転車の旅、そのほかの旅について書いています。

Binalongbay 2008年12月19日

 


St.Helensのユースホステルの朝は静かなものだ。



電気ポットでコーヒー用のお湯を沸かし、ポップアップトースターでトーストを焼く。
ニュージーランドタスマニアも大抵のユースやキャンプ場にこの二つのキッチン家電はある。

こちらで売られているトーストは厚さ2cmぐらいの薄切りのものが
一斤で売られているのがほとんどで、自転車のサイドバッグに入れていると
必ずと言ってほど、潰れてクタクタになってしまう。

そのため、焼く前に形を直して、トースターにセットするのだが、
変形しているおかげで、焼けても「ポンッ」と出てこない。

よくキッチンでいっしょになった客に
「おまえのトーストはグニャグニャだなぁ」とからかわれた。


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今朝はピーナッツバターを塗ったトーストとフルーツ。
窓際の席に腰を下ろし、地図を眺めながら朝食を食べた。

今日は荷物を宿に置いて、セントへレンズから程近い
bay of fireの北、Binalongbayで一日過ごす予定だ。

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ちなみにbay of fireとはタスマニア東海岸の岩が赤い地域一帯のこと。
この赤い岩を見るたびにタスマニアだなと思う。

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facebookページ「discover Tasmania」より




窓の外には素晴らしい快晴が広がっていた。
海で泳ぐのもいいかもしれないな。

朝食の皿を洗い、私は宿を出た。


荷物がほとんどないマウンテンバイクは軽い。
いつもこうだといいんだが。

ビナロングベイには南部から走ってきたハイウェイを離れて、田舎道をゆく。
タスマニアはハイウェイでものどかだが、このあたりはさらに何もない。
いい朝だ。

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ビナロングベイは幾つかのアコモデーションとレストランがある程度の小さな街。


ピクニックエリアにマウンテンバイクを置き、ビーチに向かう。

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小道を進むと、真っ白な砂の向こうに青い海が見えた。

白い砂浜に足を踏み入れると砂がキュっと音をたてた。



なんて素晴らしい場所なんだろう。

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私はしばらく海を見て立ち尽くした。

こんなに素晴らしい場所なのにほとんど人はいなかった。
こんな場所があるんだな。

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お昼時になり、レストランに入る。
ビナロングベイを見ただけでもう満足だが、今日の目的は実はランチである。

今日はたくさんお金を使うことになってもいいからクレイフィッシュ(イセエビ)を食べるのだ。
ニュージーランドを旅したときにカイコウラという街に着いたら食べるつもりでいたら、
急遽きこくすることになって食べられなかった、ということがあり、
名物と言うのでここで食べようと決めていたのだ。

選んだ店は先ほどのビーチが見下ろせるレストランで、シルバーとブラックの内装がオシャレな店だった。

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私はレーサージャージにパンツだったので、入り口で出迎えてくれた店の女性に「こんな格好だけどいいかな?」と聞くと、「もちろんよ!海が見えるテラスの席が空いてるからそこに座るといいわ」と案内してくれた。

席からは先ほどのビーチがよく見えた。
メニューを持ってきてくれた先ほどの女性に「クレイフィッシュはあるかい?」と尋ねると「ごめんなさい、今日は入ってきてないの」と言われてしまった。オススメを聞くと「オイスターがあるわ」と牡蠣をすすめてくれた。

残念だが仕方がない。

オススメの 牡蠣とフライドポテト、それからスパークリングワインを注文した。


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牡蠣は申し分なかった。味は予想通りだったが、レストランのテラスから見える景色と地元のスパークリングワイン「KRLOLINGER」が素晴らしく、優雅な時間を過ごすことができた。
日本への土産はこのスパークリングワインにしよう。

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海を見ながら、日本の友達に年賀状を書いた。
真面目に働いている人たちに「タスマニアは夏で暑くて仕方がない。今、青い海が見えるレストランで、牡蠣を食べながら、地元のスパークリングワインを飲んでこれを書いている」
という、自分がもらったらブチ切れ間違いなしの年賀状を書いた。

我ながら最低だが、書いていて気分がよかった。
このブチ切れ年賀状が届いた方にはほんとうに申し分ない。




食事を終え、スパークリングワインの余韻に浸り、ぼっーと海を眺めていると、先ほどのウェイトレスが「美味しかった?」と聞いてきたので「Very nice!」と答えた。


レストランからビーチを見ると、トリアブアナで一緒になったイングランド人カップルが見えた。

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レストランを出てビーチに行く。

女性の方は浜辺で何やらやっていたので、男性の方に話しかけた。

彼の名はアダムス。彼女のほうはレベッカ。二人は以前ニュージーランドを三ヶ月ほど旅をしたことがあるそうだ。

これから二人は西へ向かい、タスマニア北中部の都市、ロンセストンに出て、そこからメルボルンへ飛ぶそうだ。何でも親類がメルボルンにいて、クリスマスをメルボルンで過ごすらしい。


レベッカが砂浜で何やら作っていたのは、海藻で作ったHappy Xmasの文字だった。

私は文字の前で二人の写真を撮った。

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私も写真を撮ってもらった。

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砂浜に座り、お互いのことを話す。二人もかなり旅好きのようだ。
共通の話題が多い。
青く輝く海を眺めながら、こうして他の旅人と話をする、ほんとうに贅沢な時間だ。
お互い自然体で話が出来たのも良かった。

二人とまた会えるだろうか。

明日からは彼らとは別の道だ。
私は明日から山に入る。

アダムスたちと別れ、セントへレンズに戻るが、膝にかなりきている。明日からの山が心配だ。

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アダムスだ撮ってくれた写真。なかなかセンスのいいサンタだ。







セントヘレンズに戻ると、タスマニアに来て、初めてネットを利用した。
30分4ドル。まあこんなものだろう。


宿に戻るが、誰もいない。
せっかくなのでユースの紹介ビデオを撮影した。



今夜は晩御飯にチャーハンを作った。合わせて明日のお昼用にテリヤキチキンサンドも作る。サンドは、やや味が濃いが、どうせ走って疲れるのだから、ちょうどいいだろう。

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晩御飯を終えると、ようやく一人客が来た。

リビングのソファにいたその男性と話をした。
彼はドイツ出身で、何か事業をしているらしく、毎年二ヶ月ほど、会社を閉めて旅に出るという。

全くうらやましい。

彼は自転車で旅することもあるらしい。どうだろう、年齢は50といったところか。
海外で出会う人は割とこういう人が多いのは気のせいだろうか。
日本もこうならないといけない。


聞けば、ニュージーランドには4回行ったことがあり、
この前はPunakaikiのキャンプ場で2カ月滞在したらしい。

「PunakaikiってPancake Rocksのそばの集落だろ?行ったことあるけど、あそこに行ったときはバックパッカーに泊ったよ。評判のいい宿だったからな。」
私はPunakaikiの記憶を呼び起こした。
Punakaikiではいろいろあったな。


「いや、キャンプ場の方がいいんだ。ほんとにいいところなんだ。」と彼は答えた。

しばらくニュージーランドの話で盛り上がった。
Wanakaのキャンプ場にこれまた長期で暮らすじいさんがいて、
このじいさんがどうやらおもしろいらしい。

私は残念ながら、Wanakaはバスで通っただけだ。

またニュージーランドにも行かないとな。


中国人だろうか、アジア系の若者が集団でやってきてリビングが騒がしくなったので
部屋に戻ることにした。

オランダ人の彼に「もう寝るよ、おやすみ」と言うと
「次はPunakaikiで会おうな!」と彼は答えた。

いやはや。そんなことを言われたら、
旅をしているのにもっと旅がしたくなるじゃないか。




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