定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

Foulwind lighthouse -cycling NewZealand -

ニュージーランドの空はとにかく青い。

青が強い。

 

広い海のせいなのか、

白くそびえる灯台のせいなのか、

黄色く鮮やかに咲く花のせいなのか、

とにかく青い空だった。

 

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このとても素晴らしい場所には、私以外誰もいなかった。

 

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灯台と強烈な青空が作り出す景色をひとりで満喫した。

 

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どんなに風が強くても、多少膝が痛くても、登り坂がきつくても、こうした素晴らしい場所に来ることさえできれば、月並みではあるが、「苦労して来た甲斐があった」と心から思える。旅をする理由はいくつかあるが、私はやはりこうした景色を求めているのだと思う。

 

その美しい灯台はFoulwind Capeの灯台だった。

 

もっとも、岬の名前は最近調べるまで知らなかった。あのときは灯台よりも近くにあるアザラシのコロニーを見にいくのが目的だったせいだろう。

 

灯台近くの海岸の岩場にコロニーがあり、私がいた場所からはやや遠かったが、岩場で寝そべるアザラシが見えた。

 

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エーベルタズマンでシーカヤックをしたときにもアザラシのコロニーを見たが、この辺りの海には広く生息しているのかもしれない。

 

アザラシを見た後、この日の目的地、Punakaikiに向かった。

 

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少し前まであんなにいい天気だったのに雲行きが怪しくなってきた。どれだけ天気がよくても結局はニュージーランドウェザーなんだな。

 

 

道は呆れるほどのアップダウンが続く。これはどのサイクリストもウンザリするだろう。

ただ、曇り空でも西海岸の風景はなかなか悪くなかった。

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このあたりの海岸は断崖絶壁になっており、道は海よりも高いところを走っていて、遠くまでよく見えた。

 

朝の出発が遅かったのが響いて、プナカイキに着いたのは5時半を回っていた。そのため、途中の商店は閉まっていた。

食料とビールの買い出しは諦め、ユースホステルに向かった。

 

プナカイキにはキャンプ場があったが私はあえてユースに泊まると決めていた。

 

ひと月前にウィティアンガのユースホステルで会った日本人の若い男が教えてくれたのだ。

 

「プナカイキのユースホステルはとにかくいいから絶対泊まったほうがいいよ!」

 

元気がいいだけなのか何なのか、無邪気にいろいろ教えてくれた男だった。とにかく楽しくて仕方ないという様子でこの男には帰国してからどうしよう、とか心配はないのだろうかと、アドバイスを貰いながら余計な心配をしてしまった。

 

プナカイキのユースホステルは森の中にいくつかのマオリ風のロッジがあるところで、なるほど面白いところだ。

 

チェックインの手続きをしにフロントを訪ねると、スタッフは日本人女性だった。何でもここは日本人女性のスタッフばかりだという。

 

本当にNZのユースのスタッフは日本人が多いな。

 

このユースは少し販売もしていてワインもあったので買おうか悩んだが、15ドル以上したので諦めた。NZにはもっと安くても美味しいワインはある。

 

受付の女性が「あなた日本人だし、本当は相部屋なんだけど、部屋割りの都合もあるから、特別にキャビン一つ、一人で使っていいよ!」

 

そう言ってキャビンの場所を教えてくれた。

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キャビンに行き、荷物を下ろす。通常はベッドを数えると7人部屋のようだ。

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シャワーと食事のため、フロントのある建物へ行く。食事を終えて、キャビンに戻る頃にはあたりはすっかり暗かった。

暗い森の道を歩いていると騒がしい女性の声がする。向こうから女性たちが歩いてきた。

「あ、彼!彼!ラッキーな自転車の人」フロントにいた女性が周囲の女性にそういいながら、「広いところ満喫してね!」とすれ違うときに声をかけてきた。

私はやや当惑しながら、一応「ありがとう」と答えた。

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キャビンに戻ると広い空間に初めは興奮していたが、やがて一人では広すぎるということに気がついて、何故かおいてあったギネスブックを読んで時間を過ごした。

 

いくつか泊まったNZのユースホステルの中で、記憶に残るところだったが、ややモヤモヤ感の残るユースになった。

 

そして、プナカイキのユースでの別の出来事である方に助けてもらうことになるのだが、それはもう少し先の話である。

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