定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

鞍掛山の雪 - 奥三河ライド -

最近自転車を始めたが、どこへ走りにいけばいいか分からないので、一緒に走って欲しい人がいる、と友人のタツマくんから話しがあった。

 

もともと尾張の人で仕事で東三河に住むようになったが、この辺りのことはまだ知らない、ということらしい。

 

タツマくんが「せっかくなんで奥三河に連れて行って奥三河のファンになってもらいましょう」というので、我々のスタンダードコースを案内することにした。

 

 

朝。

 

集合場所にした桜淵公園に行くが、朝方には止むはずだった天気予報を裏切り、まだ雨が残っていた。

今回一緒に走るSさんとタツマくんが車でやってくる。雨はしばらくで止みそうだが、外で待つのも寒いので、雨が止むまで、この日休日営業をしていたヤングキャッスルでモーニングにすることにした。

 

我らがダモンデの拠点、純喫茶ヤングキャッスルは平日営業が基本だが、イベントなどがない週末は営業している日がある。今回はぜひSさんにヤングキャッスルを紹介したかったのでタツマくんが営業日を選んでライドの日程を組んでくれた。

 

店に行くとダモンデ山田さんとキッチンのりょーこさんが出迎えてくれる。これから出かけるダモンデクルーの早川さんもいた。

 

早川さんを交えて話をする。

 

Sさんは12月に納車で、一度渥美半島を一周したらしい。それだけ走れれば体力は問題なさそうだ。

 

ただ今回は初めて3人で走ること、それから濡れた路面の走行になることから、一旦新城総合公園で、ハンドサインとか止まり方、曲がり方など、ライドの基本的な講習をすることにした。

 

休日営業のヤングキャッスルには、早川さんの他、ダモンデクルーや一般のお客さんもいてなかなか賑わっていた。

 

我々はモーニングを平らげると、ヤングキャッスルを後にした。

 

新城総合公園まで車で移動。まだ雨が上がりきっていないが、まあ走っているうちに止むだろう。

 

Sさんに軽く手ほどきをして、我々はさっそく走り出した。

 

今回のコースはタツマくんが引いてくれた。最近、タツマくんとライドに行く機会が多いがコースはタツマくん任せばかりだ。申し訳ない。

タツマくんの引いたコースは新城総合公園から国道257号で豊川沿いに北に向かい、設楽町に入ったところで、南に戻る奥三河でもアップダウンが少なく、見どころのあるエリアだ。

 

昔のサイクリングターミナルの後を越えて布里の手前あたりの景色が私はお気に入りだが、あいにくの天気でちょっと残念だったが、急に視界が開けて気持ちがいいのはいつも通りだ。

 

 

タツマくんがまずまずのペースで引き、Sさんもちゃんとついてきている。景色も楽しんでくれるといいのだが。

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三河は雨上がりの山に雲がかかった景色も美しい。雨上がりは自転車が汚れるのが困りものだが、奥三河の幽玄な景色を見ることが出来るので悪くない。遠くの山を望みながら私はペダルを踏んだ。

 

愛郷のお店があるところで休憩。

 

ペースが早かったのか、Sさんは少し疲れた様子だった。Sさんの自転車の足回りからチャラチャラ音がしていたので、シフトワイヤーを少し張る。初期伸びが出ていたようだ。Sさんのロードは今時のディスクブレーキのロードバイクで、少しローターに当たるようでこちらも少し音がしていたが、走れないレベルではないので、こちらはそのままにしておいた。

買ったばかりのバイクで、自分と違うお店で買ったバイクを触るのは気を遣う。

 

愛郷からは私が前を行く。

トンネルを抜け、設楽に入る。

 

そのまま稲目トンネルを南に行くところだが、「おしどりの里」に寄る。

三河にしばしばやってくるタツマくんも私も実は行ったことがなかったのだ。

 

おしどりの里は設楽町新城市の境にある稲目トンネルのすぐ近くにある。 

 

おしどりの里の駐車場の入り口に自転車を置き、中へと進んでいくと、管理人だろうか年配の男性に話しかけられる。ときどき、なにも知らないサイクリストが迷い込んでくるらしい。

我々は「おしどりを見に来た」と伝え、おしどりが見える川へと続く道を歩いていった。

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川までいくと河岸がブルーシートに覆われていた。おしどりは警戒心が強く、カメラのレンズに気付くと逃げてしまうらしい。

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いろいろ注意書きがあった。

ブルーシートに開けられた穴から川を見るのだが何とも言えない気分だった。

どうもここは本当におしどりが見たい人、写真を撮りたい人が来るとこらしい。

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我々は少し川面に浮かぶおしどりを眺めた後、おしどりの里を後にした。

 

おしどりの里からは稲目トンネルを南に進み、そこから東へ。

 

Sさんは四谷の千枚田を知らないそうなので、千枚田の入り口まで行くことにする。

 

上り坂になり、Sさんが「前のギア、変えたほうがいいですか?」とやや慌てた様子で尋ねてきた。タツマくんとフロントの変速方法を教える。

 

そういえばここ最近、初心者の人とライドをするということが殆どなく、そうした人に対する手ほどきや気遣いを忘れているなと気付かされた。私はときどき奥三河のライドでガイド役を頼まれることがあるが、慣れてきていることもあり、当たり前に思ってつい説明を忘れてしまうことがある。もっと注意を払わないとな、と反省した。

 

千枚田の駐車場に近づくと視界が開ける。

「おお」Sさんが声を漏らす。

 

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来るときに早川さんが、「鞍掛山は初雪らしいよ」と教えてくれたが、四谷の千枚田の先にそびえる鞍掛山は確かに雪を被っている。この時、ダモンデクルーが奥三河パワートレイルの練習でまさに鞍掛山あたりにいたそうだが、相当に寒かったらしい。

 

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タツマくんが「5月の田植えの季節がいいよ」とSさんに教えてあげていた。私は「春は梅も咲くし、初夏にはアジサイ、刈り入れ前もいいよ」と付けくわえる。雪を被った鞍掛山の景色もこれはこれで趣き深いと思う。

 

道はまだ濡れており、千枚田から来た道を戻るとき注意して降っていく。

 

千枚田からは旧田口線のルートに乗る。

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北から行くとやや下り基調で軽快に進む。

 

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道沿いの「やまびこの丘」でお昼にする。

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やまびこの丘はキャンプ場や体育施設があるところだが、食事もできる。特に蕎麦が美味い。

Sさんに定食屋が蕎麦か聞くと蕎麦がいいとのことであった。私も久しぶりに行くので楽しみにしていた。

 

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今年の冬はあまり寒くないが、雨のせいで体がずいぶん冷えていたので、出された温かいお茶が嬉しかった。

 

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やがて蕎麦の定食が運ばれてくる。天ぷらと炊き込みご飯もついてお得な感じだ。

味付けは全体的に甘め。東三河らしい味付けである。温かい蕎麦が体に染みる。

 

やまびこの丘の後、少しマイナーな道を使いながらスタート地点の新城総合公園に戻る。

 

Sさんは楽しんでもらえただろうか。もっと行く先々でいろいろ解説したりすればよかったと後悔したが、また一緒に乗ってくれるときにはそうしようと決めた。