私の住む愛知県の東三河エリアはロードバイクを乗るのにもマウンテンバイクを乗るのにも非常に恵まれた地域だ。
普段の週末は天気が良ければロードバイクかマウンテンバイクに乗るようにしている。
ロードバイクに関して言えば、南の渥美半島、北の奥三河、東には浜名湖があり、どこも郊外に出てしまえばかなり快適に走ることができる。気分次第で海も山も楽しめる素晴らしいエリアだ。
マウンテンバイクについては新城市の阿寺のダウンヒルコースの他、東三河には林道やトレイルが無数にある。
今回、仲間に誘われて、そうしたトレイルの一つを走った。
その日は北風の強い日で、集合した駐車場で仲間と話していると風で体が冷えてとても寒かった。私は持っていたウィンドブレーカーを羽織った。
予定のメンバーが集まり、早速山に入る。
山に入ってしまえば風が遮られ、寒さは気にならなくなる。
よく仲間と言うのだが、風の強い冬場はロードに乗るより、マウンテンに乗る方が暖かくていい。
すぐに下で羽織ったウィンドブレーカーが暑くなる。最初の休憩で脱ぐと畳んでバッグにしまった。
里山におけるマウンテンバイクの基本は「とりあえず上る」だ。
特に私の周りのマウンテンバイカーは下り系の人が多いので、まずゆっくり上って、下りを楽しむということが多い。
乗っていけないような場所はバイクを押して上がることになるが、今回のトレイルは比較的乗車率のいい、つまり押さなくても乗っていけるところが多いルートだった。
山の上で休憩。
いつもはロードで走っている道が眼下に見える。
マウンテンバイクはマウンテンバイクでしか見えない景色がある。
仲間と機材の話やレースの話をして盛り上がる。こうした時間もライドの楽しみの一つだ。私の周りは毎週ライドをしているベテランも多いので、機材の話などはウェブの情報よりかなり信頼性の高い情報が聞ける。
しばらく山の上で休憩したあと、上ってきたところと別のルートを下っていく。
私は下りは苦手なので、トレイルに行っても「何とか乗って下りられるかな」というレベル。いつも下りの速い仲間に先に行ってもらい、いつも後ろからついていく。
そんな私でもやはり下りは楽しい。
ときおり現れるタイトなコーナーや大きな溝をなんとかクリアし、トレイルを抜けていく。
トレイルの途中で林道にぶつかり、視界が広がった。
山の中を走っているので、ずっと木しか見えない、ということもしばしばだが、時折、こうした素晴らしい景色に出会うことができる。
この日は二つの山を予定していたが、一つ目の山を走り終えると、二つ目の山に行くにはタイムアウトになりそうだったので、一つ目の山の別ルートを探索に行く。マウンテンバイクはこうしたルート探索も楽しい。もっとも、探索しに行ったものの、全く乗れないということも少なくないが。
この日の探索はちゃんと乗れるところだったので悪くなかった。
二つ目の山をキャンセルしたので予定より早く終わったが充分にマウンテンバイクを楽しむことができた。
その次の日も仲間からライドの誘いがあったが、家族で出かける用事もあり、この日はやめておいた。
しかし、出かけるまで少し時間があったので、近所の山を上って、景色のいいところで遅めの朝食を食べることにした。
使える時間は2時間。
家からマウンテンバイクでトレイルの入り口に向かい、トレイルを上って山の中腹へ。
マウンテンバイクは下りはもちろん楽しいが、シングルトラックを上るのも楽しい。走るラインを選ばないと木の根っこや岩に引っかかって足をついてしまう。一見走れなさそうなところもラインをちゃんと選べば走れたりするものだ。
一、二度足をついたが、なかなかスムーズに上ることができ、山の中腹に出た。
来てよかった。
久しぶりに冬らしい青空だ。
景色のいいところでバックパックからバーナーストーブを出し、インスタントの塩ラーメンを作る。
ラーメンのトッピングの胡麻と海苔を忘れずに持ってきた。
ちなみにコッフェルもストーブも学生時代から20年くらい使っている年代物だ。今時の製品も欲しいが、まだ使えるし、壊れない。当分使うだろうな。
思いつきで普段やらないような朝ごはんライドだったが、やってみると楽しい。
わずかな時間でも楽しみ方はいろいろある。
もう少しで、「今日は時間が中途半端だから、ライドはやめるか。」となってしまうところだった。
次はコーヒーとパンでも持って、朝ごはんを食べに来よう。
私はささっとコッフェルを片付けると、そのまま上ってきたトレイルを降りて行った。