定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

海沿いの道 - 太平洋ロングビーチ -

長女と二人の時間ができたので、何かしたいかと聞くと自転車に乗りたいという。

長女と自転車で出かける機会が増えて、家の周囲はだいたい回ったので、今回は渥美線サイクルトレインを使って渥美半島に行くことにした。

 

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渥美線では平日の一部時間帯と土日の終日、サイクルトレインとして自転車を持ったまま電車に乗ることが出来る。今回は豊橋駅から三河田原駅までサイクルトレインを利用した。


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三河田原駅までは35分。これだけでちょっとした小旅行だ。長女は渥美線に乗るのは初めてだという。田原方面に家族で遊びに行くこともあるが、普段は車である。長女は車窓の景色を楽しそうに眺めていた。私は通過して行く場所の説明をしたりした。

 

三河田原駅に到着し、駅の外に出ると非常に風に吹かれた。雨上がりの快晴は気持ちがいいが、風を遮るものが少ない道を自転車で走るのは苦労するだろう。そのことはあらかじめ長女に伝えてあったが、それでも走りたいと、長女は言っていた。

 

三河田原駅を出発。

最近ときどき使うwahooのナビ機能を使い、太平洋岸を目指す。wahooナビは車通りの少ない道を選んでくれるのでちょうどいいと思ったのだ。

 

wahooナビは小さな川沿いの砂利道を案内した。

私はできるだけペースを落としていたが、長女は遅れがちになっていた。砂利道には水たまりが点在しており、走りにくかったようだ。

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私は大きな県道に出たところで、ナビのルートから外れ、舗装路で南に向かうことにした。

 

西から強い風が吹き付ける。

 

ロードで一人で走るのも躊躇われるぐらいだ。

 

長女は体を伏せ、一生懸命にペダルを漕いでいる。

必死というより、この状況に何とか耐えている、と言った感じだ。

 

「自転車なんて辛いからもうやらない」とか言われたらどうしようか。

私は自動販売機を見つけると、「休憩しようか」と長女を止めた。

ジュースを飲んで休憩しながら、この先の道の話をする。お昼ごはんの候補をいくつか上げると「海鮮丼が食べたい!」と急に元気になった。よかった。

 

休憩した場所から海岸に近い国道42号まで風に煽られながら何とか出ると、そこから西へ。

目的地の太平洋ロングビーチはもうすぐだ。

 

ビーチに降りて行く坂道を下る。

 

割と急な坂道なので、気をつけるように長女に言っておいたが、問題なく降ってきた。「スピード出て楽しかった」と意外な反応だった。前なら怖かったと、言うところだったのでだんだん自転車に慣れてきたのだろう。ちょっと安心した。

 

坂道を下ると正面に海が広がる。

「海だ!」

我々は自転車を停めると砂浜に降りて行った。

 

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私はここに何度も自転車で来ているが、砂浜まで降りるのは何年ぶりだろう。

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長女は波打ち際で波を追いかけたり、砂浜で貝殻を拾ったりしていた。私も一緒に綺麗な貝殻がないか探す。

海で遊んで長女はすっかり元気になった。海まで来てよかった。

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しばらく砂浜で遊んだ後、海沿いの道を進んで行く。

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海のそばを走るこの道は私も大好きな道だ。

長女はペダルを漕ぎながら「気持ちいいね!」と嬉しそうに言った。

 

自転車で走るということ。

どうして私は自転車に乗るのか。

その答えのひとつを長女とこのとき共有した。

 

ロングビーチを離れ、国道42号に出る。

 

お昼は長女のリクエストの海鮮丼。

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料理が来るのを待つ間、三河田原駅までの帰りのルートを考える。wahooのナビで参考ルートを出すと、半島の真ん中を東西に横切るトンネルを通るルートが示された。赤羽根トンネルというらしい。

このトンネルは使ったことがない。帰りはここを通ることにした。

 

帰りも相変わらずの強風だ。

北に向かって走って行くと西からの風で横に流されそうになる。長女は教えた訳でもなく、自然に体を風に向けて少し傾いてバランスを取っていた。

 

渥美半島の中央を走る国道259号に出ると、東に進路を取った。途端に風が背中を押してくれる。

「すごいね!eバイク乗ってるみたい!」と長女が言う。なるほど、そう言われればそんな感じもする。

 

259号を田原市街に向かい、道の駅田原めっくんはうすに立ち寄る。家で待っている妻と下の子供達に我が家で人気の「こもぱん」のパンを購入した。

 

道の駅から三河田原駅まで戻ってきた。

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ちょうどいい電車があったので、切符を買いすぐに電車に乗り込んだ。そのまま自転車を載せられるサイクルトレインは楽でいい。輪行だとこうはいかない。準備している間に一本電車を見送ってしまうだろう。

 

車内で長女は道の駅で自分のおやつに買ったメロンデセールを頬張り、終始笑顔だった。

私は電車に揺られるうちにいつの間にか眠りに落ちていた。

 

 

 

石巻山を望む場所 - Glocalbike -

雨上がりのライドは爽快だったが、濡れた路面からの水飛沫を浴びてバイクがよく汚れた。

ライド後、汚れたバイクをお世話になっている自転車店「Glocalbike」に持ち込んだ。

 

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「Glocalbike」は3000円から洗車サービスがあり、フレーム、ホイールから駆動系までしっかり洗ってくれる。砂埃とチェーンオイルで真っ黒になったチェーンもピカピカにしてくれ、フレームにはワックス掛けと駆動系やワイヤー周りになどにオイルを差してくれる。洗車と注油を終えたバイクはチェーンの動きもスムーズになり、乗るとそのスムーズな動きに感動する。

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私は自転車を室内に保管していることもあり、比較的自分で洗車をするほうだが、数ヶ月に一度、点検も兼ねて洗車に出すことにしている。

洗車の際には、ワイヤーやブレーキシューの消耗具合などを始め、バイク全体に不具合がないか確認してくれる。自分でメンテナンスをしているとどうしても目の行き届かないところがあり、そうしたチェックしてもらうのだ。

 

今回の洗車では、リアホイールのスポークテンションが緩んでいたこととブレーキシューが硬くなっていることを教えてくれた。ホイールは調整をお願いし、ブレーキシューは手持ちのものがあったので、後日自分で交換した。

余談だが、交換に使ったブレーキシューは永遠のロングライドに旅立ってしまった石原さんからもらった未開封の新品だ。

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いい機会なので、Glocalbikeについて少し説明すると、Glocalbikeは豊橋市石巻山の麓に店を構えており、Canondale、Jamis、ritctyなどのブランドを中心としたスポーツバイクを取り扱っている。最近はマウンテンバイクと用品についてはスペシャライズドの取り扱いも始めたそうだ。

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店主のバスマンさんは日本代表のマウンテンバイクのメカニックとして活躍しており、一部では名の知れた存在だ。まあ普段はそんな素振りは全く見せないが。

 

とにかく腕は折り紙付きである。

 

そんなこともあって、私は今のロードバイクのフレームが手元に届いた時、持ち込みでバスマンさんに組み付けをお願いしたりもしている。

 

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Glocalbikeの店内にはソックスやサイクルキャップなどのアパレルの小物が数多くあり、ちょっと個性を出したいときに重宝する。

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バイクパーツやアクセサリーなどの商品は故障などのトラブルが少ないものや万が一のときアフターサービスがしっかりしているメーカーのものといった安心して購入できるアイテムが並ぶ。

 

安心して使えるものを提供する、というのはバイクの納車についてもそのスタンスだ。

一度、仮組みがほとんど出来た状態で代理店から送られてくるエントリークラスのバイクをわざわざバラして組み直しているのを見かけたので、なぜそんな面倒なことをするのか聞いたことがある。

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バスマンさん曰く、エントリークラスのモデルは価格を押さえるために耐久性の低いワイヤーが使用されていたり、ハブの調整がされていなかったりして、乗り始めてしばらくでメンテナンスが必要になってしまうことが多い。自分のもとから送り出すなら、いい状態が少しでも長く続くように乗ってもらいたいから、一度バラして手間でも安いワイヤー類などは交換したり、調整するということだそうだ。

 

またバスマンさんはクロモリフレームのバイクが大好きで、店にはいくつもクロモリのフレームがならんでいる。クロモリに興味がある人は一度話を聞いてみるといい。いろいろ教えてくれるはずだ。

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それから毎週土曜の朝にお客さん向けにグループライドを開催しており、私もよく参加している(コロナの状況により休止あり)。2〜3時間のライドで峠込みの40〜50キロ程度。メンバーの顔触れを見てコースの難易度が設定されるため、初めてでも参加しやすい。

 

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ライドが終わった後は日当たりのいい店の前でコーヒーを飲みながら仲間と雑談をする。私はこの時間のために来ていると言っても過言ではない。

 

小さい店なので、初めての人は入りにくいと思ってしまうかもしれないが、洗車が面倒だと感じた時にでも、まずは洗車からお願いしてみるといいかもしれない。バスマンさんと愛想のいい看板犬のダンケが出迎えてくれるだろう。

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春の香り - 奥三河ライド -

前日の雨は朝には上り、日中は気温が上がるようだ。ダモンデの仲間に誘われて奥三河の花の名所を巡りながら、3月3日にオープンしたばかりという設楽町のベーグル屋さん「ベーグルSan」を目指し、ロードバイクに乗ることになった。

 

前日の雨が空気中の水蒸気を流したのか、雨上がりの朝は景色の色が濃くて、こういう日はいつか旅をしたニュージーランドを思い出す。ニュージーランドはすぐ天気が変わるのに、一度晴れるとカラッと眩しく晴れるのだ。

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景色は見慣れたの山に囲まれた田園風景だが、普段とは違った爽快感を感じると同時に、なんだか懐かしい感覚になった。

ニュージーランド、また行きたいな。

 

豊橋の郊外をスタートして、仲間とサドルトークをしながら峠を二つ越える。今回はいつものタツマくんに最近ロードバイクが楽しくて仕方がない上野さんと私の三人。

 

5月にダモンデの仲間たちとロングライドのイベントに出る予定をしており、年が明けてからは月に数回、100キロ以上の距離を乗るようにしている。

また、在宅勤務の日は仕事が終わってから近所の山を何本か登るようにしていることもあって、この2年ほど落ちる一方だった体力も少しずつ戻りつつある。

やはり、何か目標があるというのはいいな。

おかげでこの日も私にしてはなかなかいいペースで走れたと思う。

途中のコンビニで軽く補給をすると最初の目的地、長篠の河津桜まではさして時間は掛からなかった。
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ここ数年、長篠の河津桜は訪れる人が急激に増加している、と聞いていたが、なるほど確かに多い。

特に旧田口線のトンネルから撮影したがる人が多く、トンネル内から撮影しないでと看板が出ていた。奥三河に人が来るのは嬉しいが、こういうのは複雑だ。我々はバイクを降りて少し写真を撮ると歩いてトンネルを抜け、この場を後にした。

 

次に目指すのは川売の梅の里である。

長篠から鳳来寺山の参道まで少し上る。いつも上らなくて済むようにパスするルートだが、今回のルートだと他に選択肢もないので上る。このあたりは久しぶりだ。

新城の玖老勢まで出るとあとは海老まで旧田口線の廃線跡を行く定番ルート。川沿いの道で車が少なくて走りやすい。

海老の集落に出ると川売に向かって細い道を進んでいく。例年であれば、奥に向かう車で渋滞し、車がたくさん駐車してあるのだが、今年は梅まつりは中止となっているため、そうした様子もない。車で行くことができる一番奥まで行くと、狭い駐車場に停められるぐらいの数の車がいたが、そこまで多くは感じなかった。先に寄った長篠の河津桜の方が狭いエリアに人がたくさんいたのを見たせいかもしれない。
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梅の花は満開に近かった。

自転車を押しながら歩くと梅のいい香りがした。

春が来たのだな。
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梅の花を堪能した我々は川売を後にし、次はいよいよ設楽町のベーグル屋さんに向かう。設楽町に抜ける稲目トンネルは自転車で走っても楽しいところではないので、稲目トンネルの手前から与良木峠を越えるルートを取る。

 

緩く上る峠道はなかなかどうして悪くない。

峠道はやがて与良木トンネルの手前で集落に出る。

花の名所もいいが、奥三河のこうした普通の集落に咲く花が好きだ。
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三河の人は家の庭で梅や桃を育てている。

山間の風景に溶け込む花はとても優しい。花の名所もいいが私はこうした花を抱いた奥三河の集落の風景が好きだ。

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集落で少し休憩すると、与良木トンネルに向かった。

与良木トンネルを抜け、設楽町に入る。快調に降っていくと後ろから「ここじゃない?」とタツマくんから声がかかる。

ベーグルSanである。


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我々が自転車を降りると、店のご主人が「すいません、今日はもう終わってしまって…」と申し訳無さそうに言った。

私はタツマくんと上野さんに笑いかけた。

「サイクリストあるあるだな。気合い入れて来たものの、もう売り切れのパターン」

残念ではあったが、オープンしたばかりのお店なのでそういうこともあるだろうな、と思っていたのでそこまで落胆はしなかった。

それでも幸い、奥さまが試食でよろしければどうぞ、とキノコの乗ったベーグルとハーブティーを出してくれた。

ガーリックの効いたキノコとベーグルがよく合う。美味しい。

「これ、ワインいりますね。」思わず奥さまにそう言ってしまった。

そうそう、ニュージーランドを旅してたころは昼から飲んでたな。

 

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少し店の中を覗かせていただいた。古い民間をリフォームしたと思われるセンスのいい内装。

 

次はベーグル買えるといいな。

 

お腹を空かせた我々は、清崎のファミリーマートで補給か八雲苑で食事という選択肢も考えたが、我らがヤングキャッスルまで行くことにした。

 

道は基本下りで、しかも新城の玖老勢までは風も追い風でかなり進んだ。そこから先もいいペースで走ることができ、想定よりも早くヤングキャッスルにたどり着いた。

 

ヤングキャッスルでは迷わずカレークリームパスタをメガサイズで注文。

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お腹を空かせていたので、メガサイズのパスタをペロリと食べてしまった。

 

ヤングキャッスルでダモンデ山田さんやりょーこさん、他のお客さんとしばらく話す。こうして友達と話す時間は大切だ。最近特に思う。

 

食後に山田さんが柑橘系のソーダを出してくれた。

3月にしては暑い日にはピッタリの爽やかさだった。

 

東栄町に出会う時間 - とうえいサイクルガイドツアー -

「いいね、ブランコに乗ってるおっさん二人、とても画になるよ」

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私は無邪気にブランコに乗る友人たちを茶化しながら、青空の向こうにそびえる明神山を見つめた。眼下には東栄町の集落が見える。

東栄町は自転車でも家族の小旅行でもしばしば訪れるが、こんな素敵な風景があるなんて知らなかった。

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今、奥三河東栄町はサイクリングを観光に活用しようと動き出している。

 

以前から地元の有志が町内を巡るサイクリングイベントを企画するなどしていたが、今回、役場と観光協会が中心になって、自転車の観光ガイドツアーの実施に向けて試験的にモニターツアーを行った。

 

私は二度、テストライドに参加した。

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一度目は長女と二人で。

 

二度目はダモンデの仲間とである。

 

自転車のガイドツアーといっても、本格的に自転車をやっている人向けではなく、電動アシスト自転車東栄町内を巡り、魅力的な場所を紹介しようというものだ。そのため、一度に走る距離も20キロ程度、速度もせいぜい時速15キロというところで、普段運動していない大人でも参加できる。

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ただ、比較的平坦なルートが引かれているとはいえ、そこは急峻な山に囲まれた東栄町。アシストなしのマウンテンバイクに乗った小学生の長女にはキツかったようだ。

 

テストツアーでは、自然、文化、インフラなど様々な名所を巡った。いずれもガイドの方が解説してくれる。だいたい知っているかなと思っていたが、ほとんど初めて聞く話で非常に興味深いものばかりであった。

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東栄町といえば花祭りだが、それ以外にも幅広い分野で魅力的なスポットが数多くあり、改めて東栄町の懐の深さを感じた。

 

各所の案内も良かったが、走るルートもとても良かった。

 

集落の中を抜けて国道の下をくぐる。

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あ、ここ!

 

普段、ロードバイクで国道をハイスピードで駆け抜けるときに横目に見ていた田畑の間の道。

 

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今まで何気なく通り過ぎていた道。

その道のなんと気持ちのいいことか。少しだけペダルを踏んで風を感じる。

 

素晴らしい時間だ。

 

私からすれば普段はあまり走らないゆっくりとした速度。このスピードでしか見えない、感じられない風景がそこにはあった。

 

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一度目に参加したテストライドの後、長女に帰りの車でどこかよかったか聞くと、煮渕のポットホールが凄かったと言い、また、あるお地蔵さんの前で拾った木の枝がいい香りがした、とも話していた。

 

観光スポットじゃなくてもいい。ツアーの中で心動かされたことに出会えたことが、大事な思い出になるのだから。

 

次のツアーがいつ開催されるかまだ分からないが、機会が訪れたらぜひ参加してみて欲しい。参加すれば、その人にとっての東栄町のとっておきと出会えるだろう。

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サドルの高さ - Toyohashi Ride with GPS -

予定のない休日の朝、遅い朝食を食べながら

「今日、自転車乗りたい人!」と子供達に聞くと

「はい!」と長女が元気よく手を挙げた。

他の子供達は新しいおもちゃで遊びたいらしく、自転車という気分ではないようだ。

 

そんなわけで私は長女と二人でツーリングに行くことにした。

 

家の周りで走るルートは限られている。大抵は山のあたりか川沿いの道に行く。

せっかく予定のない日だ。ちょうど豊橋市が自己申告ライドイベント「Toyohashi Ride with GPS」をやっていることでもあるので、道の駅とよはしまで車で出て走ることにした。

 

海に近い道の駅とよはしは西から吹く風が強い。

車からバイクを下ろすと風で倒れないか心配なほどだ。数日前に私が近くをロードで走ったときには風でバイクが煽られて怖かった。

海沿いのサイクリングロードも景色がいいので、子供と走るにはいいところだが、この風である。

 

以前、豊橋の観光コンベンション協会主催のツーリングイベントに参加したときに有楽製菓ブラックサンダーの工場横にある直売所に連れて行ってもらったが、そのとき使ったルートを思い出しながら有楽製菓の直売所に向かった。

 

長女を先に行かせて、私は後ろから行き先を指示した。

 

小さな川沿いの道を進んでいく。

 

長女がペダルを踏む様子を見て、サドルの高さが低いことに気がついた。

 

「サドルの高さ直してあげるから、止まろうか。」

私は長女を止めて、サドルを2センチほど高くした。

 

いつも一緒に過ごしていると気が付かないが、長女は確実に背が伸びていたのだ。自転車に乗って子供の成長に気がつくとは我が家らしい。

 

再び長女はペダルを踏み始めると「乗りやすくなった!」と嬉しそうだ。

 

目指す有楽製菓の直売所は道の駅とよはしの東、愛知県と静岡県境に近いところにある。

時速15キロ弱のゆっくりしたペースで、西からの強風に乗って順調に進んでいく。

 

道沿いには収穫を待つキャベツ畑や収穫を終えたブロッコリー畑が広がる。

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私は畑を指さして「あれ何の畑かわかる?」と長女に質問したりしながら、長女とのサイクリングを楽しんだ。

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途中、坂のキツイところで苦労していたが、フロントギアの変速するようにアドバイスすると、なんとか坂を上り切った。

キッズバイクのシフターはグリップシフトで子供には扱いづらいようだ。後日、シフト周りを交換することにした。この話はまた機会があれば書こう。

 

小一時間で有楽製菓の直売所に到着。

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留守番している妻と下の子供達にお土産のブラックサンダーを数種類買う。ここまで休憩らしい休憩をしていなかったので、早速購入したブラックサンダーを開けて、長女と食べた。

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ブラックサンダーを食べ終わると道の駅への帰路につく。来た道と他のルートを使うことも考えたが、往路がほぼ最短ルートだったようなので、同じようなコースで帰ることにした。

 

予想通り向かい風が強い。私は長女の前に出て風除けになるようにしたが、長女はなかなか辛そうである。大人のサイクリストも音を上げそうな強風だ。

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かなりキツかったと思うが、道の駅近くの小さな川までくると風が遮られ、ようやく落ち着いて走れた。ペースこそ早くないが、長女はよく走れるようになったものだ。

 

道の駅に戻ってきた。

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川沿いの道から道の駅まで上がると再び強風が吹いていた。

 

強風の中走らせて、長女が自転車嫌いになったらどうしようと私は勝手に心配し、道の駅でご褒美に甘いものを買ってしまったが、長女はそんなに強風を気にした様子もなく「楽しかった!」と言ってくれた。

 

いつまで私とのライドに付き合ってくれるか分からないが次はもう少し風の弱いところに行こうと誓った。

 

 

 

wahooナビに導かれて- Toyohashi Ride with GPS -

豊橋市がコロナ禍でも楽しめるイベントとして、自転車のGPSアプリを使ったイベントを開催している、というのがSNSで流れてきた。

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豊橋市ホームページサイクリングイベント Toyohashi Ride With GPSを開催します/豊橋市

現状、誰かを誘ってライドに行く、ということが出来ない状況でこうしたソロライドで完結するイベントがあるのはありがたい。

イベントのルールとしては、走行ルートは必ず道の駅とよはしを通過し、最短10km以上走行し、走行ログのスクリーンショットと走行の際の写真を事務局へ送る、というもの。(メールで事前登録が必要)

 

この日私は一人で渥美半島の先端、伊良湖岬を目指すことにした。伊良湖岬はこの20年ほど毎年必ず何度か自転車で訪れている。自宅から往復100キロ程度と一日ライドをするのにちょうど良い距離であるし、何より景色がいい。

しかしそのため、コースがいつも決まったところになりがちである。

私はこの数年、wahooのサイクルコンピュータを使っており、速度、走行距離、ケイデンスなどなどのログはこれで確認しているが、wahooにはナビ機能があり、これを使った方が思わぬルートで案内されるので面白い、とSNSにあげていたので、私も今回試してみることにした。

 

妻にそのことを話すと「そうやって頭を使わなくなるんだね。」となかなか厳しい一言を言われたが、いい機会なのでさっそく使ってみた。

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ケータイのアプリから目的地を設定するとあとはアプリがルートを決めて、wahooにルートが同期される。

ルートは主要道路を走ることはほぼなく、豊橋郊外に出るだけでも、行ったことない道をナビされて、こんな道があるのかと新しい発見があって楽しかった。ほとんどが車通りの少ない道で走りやすいところが多いが、所々かなり細い道も案内されるため、ナビ画面をよく確認する必要があった。また私のようにそこまでスピードを出さない場合はいいのだが、スピードを出したい人には向かないかもしれない。

 

お陰で思わぬ出会いがあった。

普段なら絶対走らないルート上である知り合いの方にお会いしたのだ。一度すれ違って、お互い気がついて振り返る。お互いまさかこんなところで、という感じでだったが、久しぶりにお話しできてよかった。

 

やがて渥美線の横を走る道に出る。飯田線のすぐ脇を走ったことはあるが、渥美線の隣を走るのは、愛知大学のあたりぐらいなもので、郊外でこうして走るのは新鮮だった。

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渥美半島も真ん中辺りまで来た頃だろうか、案内されたルートは軽いグラベル

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まあこの程度ならとあまり気にせず走る。

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キャベツ畑の間を抜ける道を案内されて、何度か曲がるところを間違えそうになる。そうしているうちに自分がいる場所がどこかハッキリ分からなくなってきて、なるほど妻の言う通り、頭を使わなくなってしまうな、と思った。

 

さらに進んで行くと、かなり細い道に誘導される。これは怪しいかも、と進んでいくと案の定、ナビが示す先には道が無かった。藪漕ぎの先にルートが繋がっていることを期待したが、こちらも行き止まりだった。

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こういうことがあっても楽しめるなら使えるナビだなと思った。もっと短い距離、例えば10キロから30キロぐらいならいい機能だと思う。

 

私は一旦ナビを無視していつものコースに乗った。渥美半島も先の方まで来ていたので、ルートの選択肢は少ないと思っていたが、ナビを見ると国道の脇を行くルートを示していた。結局、伊良湖岬までほとんどナビのガイドで走っていた。

 

伊良湖のフェリーターミナルに着いた。

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コロナの影響でフェリーの受付やレストランの入っていた道の駅クリスタルポルトは閉鎖されていると聞いていたが、実際行くと人影もほとんどなく、かろうじてトイレが使えるぐらいで、あとはネコが一匹近寄ってくるだけだった。

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「あげれるようなものは持っていないんだ。ごめんよ。」私はネコの頭を軽く撫でるとフェリーターミナルを後にした。

フェリーターミナルからは遊歩道を進み、伊良湖岬灯台へ。

 

冬のこの時期、常夏の伊良湖岬には観光客も多いはずだが、ここにも人はほとんどいない。

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私は伊良湖岬を折り返し、太平洋側に出た。

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ビューホテルの横の丘を駆け上がる。駆け上がっているつもりなのだが、実際のところそこまでスピードは出ていない。弱くなったものだ。ダンシングで誤魔化しながら丘の先端で止まる。

丘の頂上から恋路ヶ浜を見下ろす。

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恋路ヶ浜の先には神島が見える。この数年、神島に行きたいという思いがあるが、コロナもあってその思いは叶わない。あの静かな島でひとりの時間を過ごしたいものだ。

 

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振り返ると長く伸びる海岸線が見える。

私は半島の先端の丘を下り、ひたすら東を目指した。

この時期風は西から東に強く吹く。風に乗って自転車が加速していく。これを爽快と言わずなんと言うのだろう。

冬の割には暖かく、ペダルを踏むたびに汗が噴き出してくる。赤羽根の道の駅までいいペースで走り続けた。

 

赤羽根の道の駅で小休止し、2階の展望デッキで甘いカフェオレを飲む。

この調子ならいい時間に帰れるだろう。

 

道の駅からはサイクリングロードを使った。海のすぐ近くが走りたかったのだ。

 

赤羽根から先、道はアップダウンになる。追い風のおかげでペースは悪くない。

今回のライドは「Toyohashi Ride with GPS」のイベントに応募するためでもあるので、帰りは道の駅とよはしに向かう。

豊橋市内に入り、道の駅とよはしまであと少し、というところで急に空が暗くなり、雨が降り始めた。この日はこの季節にしては気温が高めだったので、ウィンドブレイカーの類は持っていなかった。

「まずいな。」

ちょうどコンビニも無いもない区間を走っており、雨宿りするところもなかったが、道の駅まで遠くないところだったので、雨の中道の駅まで行くことにした。

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幸い、道の駅に着く頃には雨は止んでいた。

軽く濡れる程度で済んだが、そのままスピードの出ない市街地に向かって走ると身体を冷やしてしまう恐れがあったので、温かいキャラメルラテを買い、しばらく建物の中で休憩した。

帰宅後、ログを見ると走行距離は110キロとなかなかの距離だ。私は早速、走行中に撮影した写真とログのスクリーンショットをイベント事務局にメールで送った。

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3月までのイベントなので、あと何回かチャレンジできるだろう。

次はどこへ行こう。そんな風に考えるのは久しぶりだな、と思った。

キャンプの後は作手を巡り

遠くから朝を告げる放送が聞こえて目が覚めた。テントを出て伸びをする。時間を確認すると六時だ。

まずはコーヒーを淹れるためにお湯を沸かす。

それと同時に焚き火を起こす。

いつも家族でキャンプすると私が最初に起きて、次に早起きの長女が起きてくる。私は長女と焚き火の炎を強くすると、昨夜の芋煮を火にかけた。

下の子供達と妻がテントから出てくる。妻がココアを作り始めた。インスタントではなく、粉からちゃんと練っていた。

温かく甘いココアは冷える朝にぴったりだ。子供達は朝から大喜びだ。

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温まった昨日の芋煮にうどんを入れる。我が家のキャンプの定番である。私は芋煮の翌日は芋煮にカレールーを溶かしてカレーうどんにするのが好きだ。芋煮はわずかに汁を残してきれいに食べ切った。

 

食事の後、キャンプを撤収する。昨夜、少し雨が降ったため、テントとタープを乾かす必要があり、少し時間がかかったが、パッキングした荷物を子供達が順次車に運んでくれたのでスムーズに撤収できたと思う。

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やまびこの丘の受付でチェックアウトの手続きに受付に行くとスタッフの大石さんがいたのでお礼を言う。今日はもうパンが焼けているというので、レストランに寄り、まだ温かい焼き立てのパンを一人一つずつ購入した。

 

やまびこの丘から自宅までまっすぐ帰れば1時間程だが、せっかくなので作手のあたりを回ることにした。

まずは紅葉が見頃という巴川に向かう。普段は自転車で仲間と走る道を車で進んでいく。

愛郷から塩瀬の集落を抜ける。このあたりの集落の景色が好きだ。川沿いの細い道から集落に入ると視界が広がる。綺麗な川と開けた空と田畑。快晴のドライブはとても気持ちが良かった。

 

巴川の紅葉スポットに到着。道路の端には何台かの車が停まっていて、何人かのカメラマンが写真を撮っていた。このあたりだけわずかに川原に降りて行ける場所があり、紅葉の撮影スポットになっている。私も車を停めて、川に降りていく。

谷が迫るこの場所は太陽の光があまり届かず、また川沿いということもあって風が抜けて寒い。私も子供達もこの日は比較的軽装だったので、とても寒く感じた。

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ちょうどいいときに来たようだ。以前訪れたときにはここまで紅葉していなかった。

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ときおり強い風が吹くと、もみじの葉が鮮やかに舞った。その瞬間を逃すまいと、周囲で写真を撮っていたカメラマンたちが一斉にシャッターを切っていた。
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私はもうしばらく紅葉を楽しみたかったが、子供達が寒い、と車に戻ってしまったので、巴川を後にした。

 

巴川の後は作手にある「ふれあい牧場高原ハウス」へ向かう。

ここも数年前に行ったことがあるのだが、ふと思い出して子供を連れて行くと喜ぶだろうなと思い、行ってみることにしたのだ。休業日がよく分からず、万が一やっていないと子供達ががっかりすると思い、現地に着くまで子供達には行き先は内緒にしておいた。

 

ふれあい牧場に到着。どうやらやっているようだ。

車酔いする長女と長男は山道のドライブで辛そうだったが、動物と遊べるところに来たよ、と伝えるとすぐに元気を取り戻した。

 

特に受付などはなく、入り口の売店があり、中で食事が出来る他、ここで動物にあげる餌を買えるようになっている。牧場の奥にはキャンプ場もある。

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牧場はポニーや羊がいるエリアとヤギのエリア、ウサギとモルモットのエリアに分かれており、ポニーのエリアには入れない。動物にあげるキャベツを買うと、一番手前のヤギのエリアに入った。

早速、子供達が持っているキャベツめがけてヤギがやってくる。まだ背の低い長男は全部取られないように必死に頭の上に手を伸ばしている。私は長男のキャベツをもってあげることにした。
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続いてウサギのエリアへ。

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ウサギのエリアは小屋やウサギが隠れる場所があり、たくさんのウサギがいた。黒や白のウサギや茶色のウサギ、耳が長いのもいる。

エサをあげているときに油断して、私はキャベツといっしょに軽く指を齧られた。

そういえば牧場の入り口に牧場内での事故などは責任を負いませんと書いてあった。牧場の人がいつも見て回っている訳ではないので、そこは自己責任ということだろう。

牧場に慣れてくると、子供達は好きな動物のところに散らばっていった。長女はうさぎ、次女はヤギ、長男はポニーとみんなバラバラだ。
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私は風が吹き抜けて冷えるので、妻と日のよく当たるヤギのエリアにいた。よく晴れていたが、作手の標高で風が吹くとなかなか寒い。

次女はなんとかお目当てのヤギの背中を触ろうとヤギの気を引こうとしていて微笑ましかった。

動物とたくさん触れ合った後は、近くの「大東牧場」へ。こちらは「ミルク工房スコット」の名前で新城のいろんなイベントでジェラートを販売している。ときどきイベントでジェラートを買うが、牧場自体に行くのは初めてだ。

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子供達に一つずつジェラートを買い、私は友人オススメのモッツァレラチーズを購入。食べるのが楽しみである。

 

大東牧場の後は、作手の道の駅に寄って昼ごはんにおこわを買ったが、人が多くてすぐに離れた。

道の駅近くのパン屋さん「麦の家」でパンを買い足すとしばらくドライブして、ある広場で敷物を広げて、朝にやまびこの丘で購入したパンと、麦の家で購入したパン、それから前日に田峰で買ったべらべら餅をお昼ご飯に食べた。

 

昼食を終えると、自転車仲間と早朝練習をした本宮山に続く道を車で降りて家路に着いた。

 

今回、2日間で奥三河をいろいろ回ったつもりだが、まだまだ子供達を連れて行きたい場所が多くある。子供達と共有したい景色が奥三河にはたくさんある。

また奥三河のどこかで家族でキャンプしよう、そう思った。

 

 

 

 

キャンプから奥三河を巡る

毎年、長野にキャンプに行くのが我が家の恒例行事だが、今年はこんな状況であるので家族で遠出は避けている。どこか近場でキャンプができないかと思っていたところ、新城市にある「やまびこの丘」でキャンプすることを思いついた。ここはイベントや食事では利用しているが、実際に宿泊したことはなかった。

 

「やまびこの丘」は新城市にあり、テニスコートなどのスポーツ施設やキャンプ場などの宿泊施設があり、スポーツクラブの合宿などで利用されている。今は利用者を制限して営業しているそうだ。

「やまびこの丘」自体は新しい施設ではないが、キチンと手入れがされていて、清潔感がある。こちらで働く大石さんは私の友人であり、また「奥三河の星干」といった奥三河の特産品を使ったお土産の開発を行ったりして非常に頑張っている人だ。

 

我が家はやまびこの丘一番奥のキャンプサイトを案内された。

車から荷物を下ろし、子供達に手伝ってもらいながら、テントを張る。子供達がもっと小さい頃は全て私が準備をしなくてはならず大変だったが、随分楽になったものだ。

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テントとタープを張り、私は焚き火の準備をする。

すぐに子供達が集まってくる。うちわや火バサミを持って焚き火の周りに座ると、薪を突いたり、うちわで風を送ったりしていた。こういうときしか火と触れる機会がない。私は子供達に少し注意しながら、火を大きくしていった。

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昼ごはんをたくさん食べたので、夜は簡単にした。野菜たっぷりのスープだ。我が家のキャンプの食事はあれこれ凝ったものを作ったりしない。焚き火の前で食事をすることが楽しみであるから、あとは美味しいものであれば、簡単なものでいいと思っている。

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夜になるとだいぶ冷えてきた。それぞれ服を重ね着させる。一番下の長男はさっそく上着をスープで汚していた。まあそんなものだ。

夕食後、しばらくして子供達はテントに入り、少し騒いでいたが、すぐに寝たようだ。

私は焚き火に薪をたし、ビールを飲みながら過ごしていたが、私もじきに眠くなり、その日は早めに眠りについた。

 

朝。私はテントを出るとまずお湯を沸かし始めた。

とりあえずコーヒーである。

焚き火台の前に座ると再び火を起こす。朝食は昨日のスープにショートパスタを入れるのだ。

 

周囲から鳥のさえずりが聞こえる。淹れたばかりのコーヒーを飲みながら、椅子の背もたれに体を預けた。キャンプの朝はいいな。

 

ほどなく長女が起きてきた。昨日は少し寒かったらしい。長女は早速、焚き火をうちわで扇ぎ始めた。

 

みんな起きてきたところで朝食。

スープの他に弱くなった火でトーストを焼く。トーストは煙をよく吸ってなんだか酸っぱい味がした。

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朝食後、片付けをして出かける準備をする。やまびこの丘に連泊し、昼間は奥三河をドライブするのだ。最近は奥三河に来てもなかなか北の方まで行けないので、この機会に行きたいところを回ろうと考えていた。

 

まずは設楽町の田峯に向かう。直売所で買いたいものがあった。田峯に着くとまずは田峰観音に参拝する。そういえば今年の初詣は田峰観音だった。

 

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参道の階段からは周囲の山がよく見える。

直売所では、田峰観音に奉納されていたという「べらべら餅」とナメコ、晩御飯用に里芋を買う。

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早速、直売所横のベンチでべらべら餅を食べてみる。薄めの柔らかい少し甘めの餅だ。白いのと緑色のが入っているが、緑の方はお茶が混ぜてあった。

10枚も入っているので、少々多いかと思ったが、子供達のおやつにちょうどよかった。

 

田峯を後にし、次は道の駅アグリステーションなぐらに向かう。ここでは名物のエゴマソフトクリームを食べる。香ばしいエゴマの風味が美味しいソフトクリームである。もっとも、ソフトクリームを食べるには寒かったが。

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アグリステーションの後は茶臼山高原道路を上がる。道の駅つぐグリーンパークに行こうかとも思ったが、いい機会なので設楽町豊田市の境にある井山に登ることにした。

面ノ木ICの駐車場から徒歩で20分の気楽なハイキングである。長男はどうしてそんなことに行くのかと文句を言っていたが、歩き出せば元気なものだ。

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かつての牧場跡を抜けて進んでいく。こういうところを歩くと前に出場したOMM奥三河を思い出す。懐かしいな。ちょうどこの近くのエリアが舞台だった。

井山の山頂に着いた。

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雲が多い空模様ではあったが360度視界の開けた山頂からの景色は見る価値がある。

子供達にも概ね好評のようだ。

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妻がちょっと頑張った子供達にキャラメルを一人一つ配り、それを食べると来た道を戻って行った。
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面ノ木ICから近くの面ノ木園地まで移動する。最近ここには面ノ木ピットという休憩小屋が設置されたというのをSNSで見たので、実際どんなものか見てみたかったのだ。

綺麗な窓の広いコンテナハウスのような建物が並んでおり、無料で使えるらしい。

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(写真は設楽町観光協会ホームぺージから)

中はとても清潔で、お弁当を食べたりするのに良さそうだ。このあたりはなかなか食事をする場所もないし、今の季節は外でお弁当では寒いのでうまくPRするといいのになと思った。敷地内にあったトイレも新しくなっていたので、周辺の散策にも使えそうだ。

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面ノ木からは津具に降りた。次の目的地は「ジビエの森」である。ジビエの森では鹿や猪の肉や加工品が購入できる。ここで売られている鹿肉のコンフィと猪肉の大和煮が欲しかったのだ。

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津具からは豊根村に抜け、兎鹿嶋温泉に行く。そうこうしているうちにお昼を随分過ぎてしまった。

温泉のレストランで遅めの昼食。

レストランは換気のために窓が開いていて少し寒かった。

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私は名物のダムカレーをいただいた。

兎鹿嶋温泉には毎年夏に茶臼山で開催されるマウンテンバイクのレースの際に利用するが、家族で来たのは初めてである。

この日は露天風呂がアヒル湯になる日だったようで、露天風呂には沢山のアヒルのおもちゃが浮かんでいた。子供と温泉に来るとすぐに出たいと言われて長いこと入っていられないが、この日はアヒルのおもちゃのおかげで私はゆっくり温泉を堪能できた。

 

温泉を出た後、晩御飯用に肉を買いながら、やまびこの丘に戻った。

やまびこの丘に戻る頃には日が暮れかけていた。

せっかく奥三河の北部を回るというので、張り切っていろんなとこに行こうとして欲張り過ぎたようだ。

三河各地で買ってきた食材を車から下ろし、早速夕食の支度をする。

 

夕食は田峯の里芋、鳳来牛などの奥三河の食材を使った芋煮だ。牛肉はそんな高級なものを買う予定ではなかったが、それしか買えなかった。

 

今朝の消し炭で簡単に日を起こすと、焚き火の炎で食材の入った鍋を温めながら、横でジビエの森で買ったイノシシウィンナーを炙る。

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外気は少々冷えるが、ここはビールだ。

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三河の野菜と鳳来牛のいつになく豪華な芋煮が出来上がる。粘り気のある柔らかくよく煮えた里芋が美味しい。寒い夜には最高だ。

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芋煮を食べ終わると子供達は使わなくなったテントのポールを火吹き棒にして、一生懸命火を強くしようとしていた。私も子供の頃はバーベキューのときなどよく火の番を進んでしたものだ。

 

やがて眠くなってきた下の子供達は順番に歯を磨き、テントに入って行った。

 

私は残った長女に昔の旅の話を始めた。これもキャンプの恒例になりつつある。今回は若い頃、福島を電車とヒッチハイクで回ったときのさわりだけ話した。さわりだけ、というのは長女も私もすぐに眠くなってしまったからだ。

長女がテントに行き、私はしばらくビールを飲みながら火がなくなるまでひとり、その炎を眺めていた。

白倉峡 -ライド天竜 -

「白倉峡って行ったことあります?」

ある日、職場で会ったタツマくんに週末、一緒にライドに行かないか誘うとそう訊ねられた。

「知らないな。」私は記憶の糸を手繰るが全く思い当たる場所がない。タツマくんによれば、天竜二俣の北に位置する紅葉の名所らしい。周辺のエリアは何度か走ったことがあるところだが、行ったことがない場所だ。いい機会なので二人で白倉峡周辺にライドに行くことになった。

 

朝、タツマくんに自宅まで迎えに来てもらい、天竜二俣、船明ダムまで車で向かう。

朝は少し冷えるが暖かくなるようだ。浜名湖を横切るとすでに多くのサイクリストが走っていた。今日はライド日和だろう。

 

天竜川の下流にある船明ダム到着。バイクを下ろしてライドの準備をする。すぐに暖かくなるだろうが、走り出しはウィンドブレーカーを着ることにした。

 

まずは船明ダムから北に向かう。

天竜川沿いの道はほとんど平坦で走りやすい。船明ダムはボート競技の練習場として有名でこの日も水面を滑るように進む細身のボートが見えた。少しの間、並走する。なかなかスピードが出るものだ。

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天竜川を渡る橋を越える。橋の上から河原を見下ろすと釣り人が等間隔をあけてきれいにならんでいる。外遊びには最高の天気だ。

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天竜川は普段、私がそばを走る豊川とはスケールが違う。タツマくんとも話していたが、静岡の川は川幅が広くて、とても開けて見える。私は時折止まって景色を楽しんだ。
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秋葉ダムまで北上し、ダムを渡り右岸へ。
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すぐそばの吊り橋があったので渡ってみる。

中々の高さと、履いていたホイールがディープリムだったおかけで風で煽られて怖かった。
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吊り橋から旧龍山村の中心部を抜け、白倉川沿いの道に入る。ここからはしばらく上りが続く。

集落を出たあたりの上りがややキツかったが、そこからはタツマくんとサドルトークをしながら着実に登っていく。
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遠くの山々は中腹が紅く染まりつつある。
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左手に小さな駐車場と公衆トイレが見えた。

ここが白倉峡への入り口らしい。

案内看板によれば、道路から白倉峡へのアクセスここともう少し先にもう一箇所あり、どちらも遊歩道で繋がっているようだった。

我々はバイクを置くと白倉峡への遊歩道を下り始めた。

遊歩道はコンクリートで舗装されていたが、階段の傾斜が微妙で歩きにくかった。少し歩くと川に降りられるところがあった。
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深い緑の水を湛えた淵が美しい。

紅葉はまだここまで降りてきていないが、これは充分に見る価値がある。小さな滝の横にはロープがぶら下がっており、夏場は川で遊ぶ人もいるようだった。

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そこからしばらく歩くと赤い吊り橋と滝が見えた。


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我々はしばらく静かな渓谷の景色を堪能すると、遊歩道を歩いて戻った。

再びロードバイクでもう一つの遊歩道の入り口に向かう。なかなか斜度がキツい。

次の遊歩道入り口まではそこまでかからなかった。

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こちらもしばし散策する。

白倉峡の遊歩道は整備されてから時間が経っているようで設置された看板などは時代を感じるものだった。
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白倉峡は大きな一枚岩の白壁に伸びた赤い蔦の葉が美しいそうだが、周囲の木々が伸びていて、あまりよく見えなかったが、なかなか見事なものだった。

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例年であれば、もみじまつりが開催されていて、蕎麦などが食べられるそうだが、今年はコロナの影響か特に何もなかった。

お腹が空いた私は妻が持たせてくれたパウンドケーキを食べた。この後、結局、補給が出来たのは昼のくんまの道の駅だった。
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道はしばらく上り続けた。


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紅葉の進んでいるところもあり、写真を撮りながら走った。

 

施設らしい施設は何もないところだ。唯一、「龍山秘密村」というキャンプ場が途中にあり、カフェを併設しているようだったが、そこは今の季節は営業していなかった。

名前は秘密村だが、途中やたらと看板があった。

「ぜんぜん秘密にする気ないよね。」タツマくんが言う。全くだ。

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秘密村から少し上るとようやく下りになる。

県道9号と合流する。

ここは佐久町の一番南、吉沢地区である。

トイレがあるのでしばし休憩。

ここも案内看板がなかなか年季が入っていた。f:id:independent-traveller:20201119105611j:image

小学校も見えるがケータイの電波が入らなくて驚いた。アクセスはそこまで悪くない場所だと思うのだが。

県道9号を南へ向かう。

いい加減お腹も空いているが、この先の道の駅「くんま水車の里」まで何もない。

再び峠を上る。ここは前にもタツマくんと走ったところだ。

トンネルまでスムーズに行き、道の駅まで一気に降る。
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くんまの道の駅はちょっとしたイベントをやっているようでかなりの人で賑わっていた。

この道の駅は浜松周辺のサイクリストがよく訪れるようで、この日もたくさんのサイクリストがいた。

 

空腹な我々は食堂に入り、名物の舞茸の天丼と蕎麦を注文するが、かなり待つことになった。

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やはり舞茸は天ぷらだな。

私は土産に舞茸を一つ購入した。

 

くんまの道の駅からはほとんど下り。

私はこの日まで借りていたディープリムのホイールの巡航性能に任せて南へペダルを踏み続けた。

途中、何人ものサイクリストが反対から登ってくる。やはり地元の定番ルートなのだろう。

ホイールのおかけで、スタート地点の船明ダムまで早く戻ることができた。

 

車に戻るとコーヒーが飲みたい、という話になり、都田駅のカフェに寄る。

このあたりでは有名なマリメッコのファブリックが飾られたカフェである。

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オッサンたちで行くにはかわいいカフェだ。

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カフェのすぐ横に列車が来るのはなかなかよかった。ちょっと海外のカフェのようだった。
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久しぶりの天竜川ツーリングは休憩多めで、走るとこは走るというメリハリの効いたライドとなった。ただ補給できるところがないので、次回はコーヒーセットと甘いものを持って行こう、ということになった。そんなツーリングもしたいものである。

 

いつもの土曜とコスモスの小径 - ライド新城 -

毎週土曜日の午前中は、Glocalbikeのロードバイク走行会に行くのが私の定番だ。

Glocalbikeの走行会は朝8時にお店集合、新城方面か浜名湖方面に2時間程度走りに行くことが多い。

その日は10人弱のお客さんが集まり、浜名湖方面から新城に抜けるルートを走った。

Glocalbikeのライドでは、レースペースで走ることはないが、直線の長いところでは、ペースが上がる。ルートはいくつかのパターンがあって、どのルートも一つは峠が入るのでバランスよく乗れる。また午前中で終わるので、午後から家のことができて、私にはとても都合がよかった。

 

雲一つない秋晴れの日。その週末は11月にしては暖かい日だった。

 

街中をパスする小さな丘を緩く上る。

そのあとの下りが心地いい。

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二川方面から浜名湖に出ると猪鼻湖の東側に向かう。

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浜名湖の少し手前から前を走るライダーのペースが上がり、速く走りたい人とゆっくり走りたい人に分かれ、いつもそのまま三ヶ日インターの入り口まで別々に行く。

私は速い方のチームに便乗するのだが、最後まで足が続かずに終わることが多い。しかし、この日はレンタルしているディープリムのホイールのおかげで充分についていくことができた。

 

三ヶ日インターで集合すると、一度コンビニで休憩した後、三ヶ日と新城市の境にある宇利峠へ。ここは斜度も距離もそう長くないので、一定ペースで踏んでいれば頂上に着く。

 

峠をそのまま降りて、その富岡の交差点で仲間が来るのを待つ。

仲間たちは富岡から新城カントリーの横を抜け、店まで戻るようだが、私は途中で別れ、そのまま新城市街に向かった。この日は我らが拠点「ヤングキャッスル」の今月数少ない週末営業日なのだ。

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ヤングキャッスルに着くと、店には奥にキッチンを取り仕切るりょーこさんだけ。ダモンデ山田さんは昨日の今日で頼まれたラジオ出演で、今戻ってくる途中らしい。

 

私は暑かったのでレモンソーダを注文。

甘みと酸味が走った体にちょうどいい。

他に客がいないので、最近の様子をりょーこさんに聞くと、豊橋で出たクラスターの関係で新城にコロナの感染者が出てから、途端にまた客足が減ったそうだ。

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しばらくして山田さんが戻ってきた。

近況報告や今テストしているホイールの話などで盛り上がる。

 

するとGlocalbikeのお客さんのO木夫妻が車でやってきた。二人はいつも仲良しである。

奥様がサングラスを見ていた。

ヤングキャッスルでは、HATCHさんのサングラスと伊藤光学のレンズのサンプルが置いてあり、その場で購入やオーダーができる。私は冬のロードの際に使うサングラスが欲しいと思っていたので、山田さんと相談し、いくつかのレンズのサンプルを比べたりながら、その場で一つカスタムでオーダーした。

 

オーダーでも2週間ほどで完成するそうだ。

出来上がりが楽しみである。

 

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私は曜日限定のカレークリームパスタを食べると、ヤングキャッスルを後にして帰宅した。

 

 

 

午後からは子供達を連れて、再び車で新城へ。

新城市富岡で毎年この時期に開園している「コスモスの小径」が今年いっぱいで終了、しかもこの日が最終日なので、行ってみることにしたのだ。

 

もう随分前に家族で行ったのだが、そのことを覚えていたのは長女と私だけだった。

 

コスモスの小径は私の記憶にあるより小さく感じた。実際、一部はもう刈り取られていた。新聞で読んだのだが、地元の方々が土地を借りて育てていたそうで、最終日を終えると全て刈り取って土地を返すそうだ。

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コスモスの小径の入り口には募金箱とハサミが置かれていた。最終日なので、切り取ってもって帰ってくださいとのことだった。

私は子供達にハサミを一つずつ渡し、「ひとり3本までね。」と伝える。

子供達は嬉しそうにコスモス畑の中を嬉しそうに走って行った。

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一口にコスモスと言っても、ピンクの濃いもの、薄いもの、花の大きいものなど、いろいろあった。

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子供達は思い思いにコスモスを選んだが、もっと欲しいというので、もう一本ずつだけ選ばせることにした。

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帰り際、入り口ではさみを返すと、管理人さんらしき方が軽トラの横に立ってたので「ありがとうございました」とお礼を言うと「それだけでいいの?」と言われたが、子供達は充分に満足したようであった。

 

私は陽が傾き始めたコスモスの小径をもう一度振り返った。

子供達が大きくなってコスモスを見たとき、コスモスの小径のことを思い出したりするのだろうか。

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