定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

道の駅したら - ライド奥三河 -

半日の休日出勤が急遽決まり、今日の午後はその振替休日になった。こういうときはライドに行くに限る。今日はちょうど設楽町に新しい道の駅「道の駅したら」がオープンする日である。行き先を決めるのに時間はかからなかった。

 

道の駅したらは本日5月13日の正午オープン。

 

SNSなどの情報によると、食堂は三時までの営業らしい。平日ということもあるし、そこを過ぎれば初日とは言え、人手はそうでもないだろうと踏んだ。

昼過ぎまで仕事をしていて出遅れたので、出発は2時前になった。自宅のある豊橋から道の駅したらまでは40キロ強。私はまずまずのペースで走り始めた。

 

雨上がりのせいか、風が強い。

道の駅したらまではほぼ最短ルートを引いたが、前半の新城市桜淵公園まで、やや時間がかかってしまった。

その後、大海から北に向かい、旧田口線から海老、それから稲目トンネルを抜けて、設楽町に入る。後半で遅れを取り戻した。

 

道の駅したらに到着。三時半前とほぼ予定通りだ。

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思ったより人がいたが、混んでいる感じではなかった。

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バイクを置いて早速、建物の方へ。

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道の駅したらの施設は売店や食物があるいわゆる道の駅の施設と奥三河郷土館の二つの施設で構成されている。また正面の駐車場の横には、設楽町の中心部にある奥三河総合センターに置かれていた旧田口線の車両が展示されている。

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暗くなる前に家に着きたいので、今回は奥三河郷土館はパス。もっとゆっくり見ることができる日に見学することとしよう。

食堂と売店の建物に向かう。少し前まで入場制限をしていたらしく、入場制限と書かれた立札を撤収する人の姿が見えた。

 

売店は地元の野菜の他、地元の酒蔵「関谷醸造」のオリジナルの日本酒「したら」を始め、豊根村の林商店のフランクやこちらも地元つぐやのカレースパイスなど初めてみる地域の商品もあって、粒揃いな品揃えだ。特に肉の加工品は田原ポークや津具のジビエの森のウインナーなどもあり、今回どれを買って買えるか悩んだ。

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いろいろ見て回り、私は日本酒「したら」とつぐやのフランクとカレースパイスを購入した。

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カレースパイスの売り場のとなりに使い方の紙が置いてあったのだが、うっかり貰うのを忘れてきてしまった。まあ使い方は自分で何か考えればいいだろう。

売店の横は食堂になっており、メニューは、絹姫サーモンの定食やジビエまぜそばなど、設楽町らしいラインナップだ。次の機会にはぜひ利用したい。

 

売店の二階は設楽町観光協会とこの道の駅の目玉施設である「ほうらいせん酒らぼ」がある。

「ほうらいせん酒らぼ」は地元の関谷醸造が運営しており、日本酒仕込み体験などができるらしい。

(専用サイトから要予約)

https://www.houraisen.co.jp/reserve/event/list/5

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二階で以前、仕事でお世話になった方々にお会いすることができて嬉しかった。オープンまで相当なご苦労をされたと思う。

 

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家から道の駅までノンストップ、補給は水だけだったので五平餅やコーヒーを売っているつぐやの売店でソフトクリームを買って食べた。ライド中のソフトクリームはどうしてうまいのだろう。つぐやの五平餅はとても美味しいが、流石にこの時間に食べるほどお腹が空いていなかった。

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ざっと見て回ってたが、サイクリストにはよりやすい立地だし、魅力的な土産も手に入るので、またちょくちょく寄ることにしよう。

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私はお土産で重たくなったデイバックを背負うと家路についた。

パッサージュの10日間 - 新緑の奥三河 -

昨年に引き続き、今年のゴールデンウィークも愛知県内で過ごすことになった。この状況下では仕方ない。私の仕事はカレンダー通りのシフトとなっているが、平日のこの日、私は休みをもらうことができた。

今年のゴールデンウィークは、雨が降ったりやんだりを繰り返すようだが、幸この日は晴れ。子供たちは学校に行ってしまったので、妻と2人で、鳳来寺山の麓にある旧門谷小学校で開催されている「パッサージュの10日間」にいくことにした。

 

「パッサージュの10日」はゴールデンウィーク期間中旧門谷小の校庭にパン屋さんとコーヒー屋さん、それから日替わりでいくつかのお店が出る。

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詳しくはこちら

https://instagram.com/midorino_passage?igshid=1bju5xvmhe7d4

 

 

このブログでも数回紹介しているが旧門谷小学校は自然に囲まれた静かな場所だ。

 

時折イベントが開催されたりして、私は年数回訪れている。

どの季節に行っても、心地よい風が吹き抜ける素敵な場所だ。

 

駐車場の状況がわからなかったので、鳳来寺山の表参道の入り口に近い駐車場に車を置き、表参道を旧門谷小に向かって歩き始めた。

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この辺まで足を伸ばすのは、1ヵ月ぶりぐらいだろうか。その間に新緑が深くなり、春の終わりと言うより夏の入り口に近づいているような感じだ。

 

駐車場の心配をしていたが、旧門谷小のとなり、旧鳳来寺高校の敷地が駐車場になっていた。

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表参道から校門までのアプローチが木々に覆われ、どこか遠くの世界の入り口のようだ。

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会場の旧門谷小に着いた。

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いつもと変わらない佇まいだ。

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入り口を入ったところのカレー屋さんのブースで友達が働いているのに妻が気がついた。

 

「こんにちは」

 

声をかけると、向こうは一瞬キョトンとしたが、しばらくして「あー!」と声をあげた。

マスク姿で久しぶりに人に会うと分かりにくいものだ。少し近況を伝えてると、パンを買うなら早いほうがいいとアドバイスをもらった。

 

早速妻とパン屋さんに並ぶ。

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焼きたてというカンパーニュを半分とバナーヌというバナナのパウンドケーキ、それから友人にお土産のチョコチップクッキーを購入した。

パンを詰めてもらいながら、カンパーニュのライ麦の配合の話などを聞いた。

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他には小物を売るお店などが出ていた。

東栄町から来たという出店者の方と話す。私は東栄町でよく立ち寄る場所の話などをした。

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こういうお店の人との何気ない話をするのは久しぶりだ。

 

一通り店を見ると妻と私はベンチに座り、特に何かをする訳でもなく、しばらくぼーっとしてときどき思い出した様な話をした。

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「あのイチョウの木が好きなんだよね。」

私は妻に言った。

 

ここに来るたびに校庭の隅にある大きなイチョウの木の写真を撮っている気がする。

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それからしばらくパッサージュを訪れる人や店の人の様子を観察したり、周囲の景色を眺めて過ごした。

 

どのくらいベンチに座っていただろう。

 

私たちは新緑のパッサージュを後にした。

 

特に何かしなくていい。

いろんなことは忘れて、どこか懐かしくて心地よい風が吹くあの場所にいるだけで、なんとなく優しい気持ちになれる。

 

また来たくなったら来ることにしよう。

私にとってそういう場所なのだ。

ジャパンエコトラック東三河 - cycling 東三河 -

 

モンベルグループが中心となって、認定をしているジャパンエコトラックに東三河が新たに追加された。

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ジャパンエコトラックとは人力による移動手段で日本各地の豊かで多様な自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しむ新しい旅のことであり、北海道から九州まで、全国24地域が認定を受けているという。

冊子には、東三河でサイクリングルート6、トレッキングルート4、パドリングフィールド1の合わせて11のアウトドアアクティビティーのフィールドが認定されている。

ウェブページの準備はまだできていないようだが、冊子は東三河エリアの道の駅などで配布されている。

 

私は早速、その中の蒲郡と豊川のサイクリングルートをダモンデの仲間と共に回ってみることにした。

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蒲郡のルートが60キロ弱、豊川のルートが40キロ弱で合わせて100キロ程度だ。1日走るにはちょうどいい距離である。

 

スタートは豊橋公園。今回のメンバーはダモンデクルーの上野さん、タツマくん、エースくんと私の4人。スタートで少しトラブルがあったものの、すぐに予定の豊川のルートに乗る。町から郊外に抜けるルートは、車が多く、やや走りにくい。

それにしても雨上がりのせいか、風が非常に強い。最近使っているリムハイトの高いホイールでバイクがあおられる。まぁそこはわかって使っているので仕方がないが。

 

豊川のルートから外れ、蒲郡のルートに乗る。ルートは蒲郡の東南を国道23号線を通り、西向かうがここは交通量のとても多い区間である。われわれは時折歩道を使いながら慎重に進んだ。ルートはここに引かれているが、もう1本北側の抜け道を使う方が安全だと思う。

 

竹島に近づく頃、ポツポツと雨が降り始める。日がほとんど当たらず、体温がどんどん下がっていく。四月中旬ということもあり、そもそも軽装であり、手持ちのウェアはほとんど身に付けていたので体温を上げる術がなかった。我々は竹島水族館側の「CHARI-CAFE POTTER」で早めの休憩を取ることにした。

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チャリカフェ・ポターはその名の通りサイクリスト向けのカフェで店内に自転車を入れることができ、サイクリスト向けの食事メニューがある。何度か利用させてもらったが午前に来たのは初めてである。

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みんなコーヒーとドーナツモーニングを注文。ドーナツは温かいベークドドーナツで美味しかった。

我々以外にも何組かお客さんがいて、人気のお店のようだ。

 

ポターを出ると、女性サイクリストの集団が通り過ぎていった。我々は不思議なほど、女性サイクリストと縁がない。

「ああいうサイクリストの集団て、インスタの中でしか見ないけど、ほんとにいるんだね。」

 

その後、信号待ちで女性サイクリストたちと並びかけたが、結局、特に話したりすることもなかった。まあ、そんなものである。

我々は西浦半島に向かった。

 

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沿岸の工場地帯を抜け、南に向かって走っていく。市街地を抜けるまでは、神経を使うところも多かったが郊外まで来ると爽快であった。

普段走る渥美半島が海の向こうに見える。

同じ東三河だが、渥美半島とは違った趣きがあり、こちらはこちらでいい。


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最近、「ガマファルニア」として売り出し中のヤシの木並木を抜ける。写真映えするだろうこの場所で、スポーツカーの集団やバイクの集団が撮影会をしていた。その横を我々はまずまずのスピードで駆け抜けていく。この辺りはもっとのんびり走るといいかもしれないが、この時はスピードに任せて走るのが気持ちよかったのだ。

 

西浦半島を折り返すといきなりきつい上り坂。

私はいつものように早々に軽めのギアに落とし、ケイデンス重視でクルクル回して上っていく。一方、最近はピストの練習が多いエースくんは何事もないように変速しないままガンガン上っていく。

残された我々はやや唖然としながらその後を追った。

 

西浦から北に向かうと昔ながらの漁村といった風景が広がる。街がどうこうというより、その辺を歩いているおばあちゃんがそんな感じなのだ。こうした何気ない日常の風景が西浦の良さなのかも知れない。

 

三ケ根まで出ると三河湾スカイラインのアプローチが始まる。

 

実は自転車で三河湾スカイラインを西から走るのは初めてであった。

 

標高の割になかなかな斜度の道が続く。

私は上りの普段のケイデンスを意識しながら淡々と上った。

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三河湾スカイラインは周囲が木々で覆われているところが多いが、眺望の良い場所では三河湾が一望できる。僅かな距離しか上っていないが、なかなか海から標高を稼いでるようだ。なるほどキツいはずだ。
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上り区間が続き、仲間たちがばらけていく。


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スカイラインのピークに出たところで一度、仲間たちと集合する。

 

ピークから先はアップダウンが続く道だが、再び天候が悪化し始め、強風のせいで、どんどん体感温度が下がっていく。その上、弱い雨が降り始め、冷えた身体からさらに容赦なく体温をさらに奪っていく。

 

予想していたより、かなり消耗してしまった。

三河湾スカイラインを舐めていたことやレイヤードの失敗などいろいろ反省した。

ピークから先で再びばらけてしまった我々は三河湾スカイラインの出口で再び集合した。早くコンビニなり昼ごはんの店に入るなどして暖まろうということになった。ここから豊川のルート西側、旧東海道エリアに入る。

 

幸い豊川方面への下りは日向で暖かかった。少し場所が変わるだけでこんなにコンディションが変わるとは。

身体が暖まってきたので、結局コンビニはパスし、昼ごはんポイントに向かう。

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御油の松並木を抜け、旧東海道の赤坂宿に出た。

このあたりは古い街並みが残っていてなかなかいい雰囲気である。


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昼は音羽の「楽食家ほろほろ」に入った。

私は牛ホルモンの炒め物定食を注文。少し濃いめの味付けだったが、消耗した体にはちょうどよかった。
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昼ごはんの後は、豊川ルートの東側に向かう。雨は昼ごはん休憩でやり過ごしたと思ったが、再度雨に降られてコンビニで休憩。

 

「シマダさん、ダメですね。もう一発雨雲迫ってますよ。」

タツマくんがスマホを見ながら教えてくれた。

我々は豊川稲荷に向かうルートを外れ、旧東海道でそのまま豊橋に戻ることにした。


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追い風のおかげでなかなかいいスピードが出る。背後から風に乗って雨雲がやってきているので油断は出来ない。

幸いあまり信号にも捕まらず、雨が降る前にスタートの豊橋公園に戻って来られた。

着いた直後は元気だっが、帰宅したらどっと疲れが出て、夕食までしばらく寝てしまった。

今回は天候もあって三河湾スカイラインにやられてしまったが、ジャパンエコトラックにはまだ奥三河の山岳ルートもある。コースはこちらのほうがキツいだろうから、奥三河コースを走る機会があれば、準備を万全にして行こうと誓った。

海沿いの道 - 太平洋ロングビーチ -

長女と二人の時間ができたので、何かしたいかと聞くと自転車に乗りたいという。

長女と自転車で出かける機会が増えて、家の周囲はだいたい回ったので、今回は渥美線サイクルトレインを使って渥美半島に行くことにした。

 

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渥美線では平日の一部時間帯と土日の終日、サイクルトレインとして自転車を持ったまま電車に乗ることが出来る。今回は豊橋駅から三河田原駅までサイクルトレインを利用した。


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三河田原駅までは35分。これだけでちょっとした小旅行だ。長女は渥美線に乗るのは初めてだという。田原方面に家族で遊びに行くこともあるが、普段は車である。長女は車窓の景色を楽しそうに眺めていた。私は通過して行く場所の説明をしたりした。

 

三河田原駅に到着し、駅の外に出ると非常に風に吹かれた。雨上がりの快晴は気持ちがいいが、風を遮るものが少ない道を自転車で走るのは苦労するだろう。そのことはあらかじめ長女に伝えてあったが、それでも走りたいと、長女は言っていた。

 

三河田原駅を出発。

最近ときどき使うwahooのナビ機能を使い、太平洋岸を目指す。wahooナビは車通りの少ない道を選んでくれるのでちょうどいいと思ったのだ。

 

wahooナビは小さな川沿いの砂利道を案内した。

私はできるだけペースを落としていたが、長女は遅れがちになっていた。砂利道には水たまりが点在しており、走りにくかったようだ。

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私は大きな県道に出たところで、ナビのルートから外れ、舗装路で南に向かうことにした。

 

西から強い風が吹き付ける。

 

ロードで一人で走るのも躊躇われるぐらいだ。

 

長女は体を伏せ、一生懸命にペダルを漕いでいる。

必死というより、この状況に何とか耐えている、と言った感じだ。

 

「自転車なんて辛いからもうやらない」とか言われたらどうしようか。

私は自動販売機を見つけると、「休憩しようか」と長女を止めた。

ジュースを飲んで休憩しながら、この先の道の話をする。お昼ごはんの候補をいくつか上げると「海鮮丼が食べたい!」と急に元気になった。よかった。

 

休憩した場所から海岸に近い国道42号まで風に煽られながら何とか出ると、そこから西へ。

目的地の太平洋ロングビーチはもうすぐだ。

 

ビーチに降りて行く坂道を下る。

 

割と急な坂道なので、気をつけるように長女に言っておいたが、問題なく降ってきた。「スピード出て楽しかった」と意外な反応だった。前なら怖かったと、言うところだったのでだんだん自転車に慣れてきたのだろう。ちょっと安心した。

 

坂道を下ると正面に海が広がる。

「海だ!」

我々は自転車を停めると砂浜に降りて行った。

 

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私はここに何度も自転車で来ているが、砂浜まで降りるのは何年ぶりだろう。

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長女は波打ち際で波を追いかけたり、砂浜で貝殻を拾ったりしていた。私も一緒に綺麗な貝殻がないか探す。

海で遊んで長女はすっかり元気になった。海まで来てよかった。

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しばらく砂浜で遊んだ後、海沿いの道を進んで行く。

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海のそばを走るこの道は私も大好きな道だ。

長女はペダルを漕ぎながら「気持ちいいね!」と嬉しそうに言った。

 

自転車で走るということ。

どうして私は自転車に乗るのか。

その答えのひとつを長女とこのとき共有した。

 

ロングビーチを離れ、国道42号に出る。

 

お昼は長女のリクエストの海鮮丼。

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料理が来るのを待つ間、三河田原駅までの帰りのルートを考える。wahooのナビで参考ルートを出すと、半島の真ん中を東西に横切るトンネルを通るルートが示された。赤羽根トンネルというらしい。

このトンネルは使ったことがない。帰りはここを通ることにした。

 

帰りも相変わらずの強風だ。

北に向かって走って行くと西からの風で横に流されそうになる。長女は教えた訳でもなく、自然に体を風に向けて少し傾いてバランスを取っていた。

 

渥美半島の中央を走る国道259号に出ると、東に進路を取った。途端に風が背中を押してくれる。

「すごいね!eバイク乗ってるみたい!」と長女が言う。なるほど、そう言われればそんな感じもする。

 

259号を田原市街に向かい、道の駅田原めっくんはうすに立ち寄る。家で待っている妻と下の子供達に我が家で人気の「こもぱん」のパンを購入した。

 

道の駅から三河田原駅まで戻ってきた。

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ちょうどいい電車があったので、切符を買いすぐに電車に乗り込んだ。そのまま自転車を載せられるサイクルトレインは楽でいい。輪行だとこうはいかない。準備している間に一本電車を見送ってしまうだろう。

 

車内で長女は道の駅で自分のおやつに買ったメロンデセールを頬張り、終始笑顔だった。

私は電車に揺られるうちにいつの間にか眠りに落ちていた。

 

 

 

石巻山を望む場所 - Glocalbike -

雨上がりのライドは爽快だったが、濡れた路面からの水飛沫を浴びてバイクがよく汚れた。

ライド後、汚れたバイクをお世話になっている自転車店「Glocalbike」に持ち込んだ。

 

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「Glocalbike」は3000円から洗車サービスがあり、フレーム、ホイールから駆動系までしっかり洗ってくれる。砂埃とチェーンオイルで真っ黒になったチェーンもピカピカにしてくれ、フレームにはワックス掛けと駆動系やワイヤー周りになどにオイルを差してくれる。洗車と注油を終えたバイクはチェーンの動きもスムーズになり、乗るとそのスムーズな動きに感動する。

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私は自転車を室内に保管していることもあり、比較的自分で洗車をするほうだが、数ヶ月に一度、点検も兼ねて洗車に出すことにしている。

洗車の際には、ワイヤーやブレーキシューの消耗具合などを始め、バイク全体に不具合がないか確認してくれる。自分でメンテナンスをしているとどうしても目の行き届かないところがあり、そうしたチェックしてもらうのだ。

 

今回の洗車では、リアホイールのスポークテンションが緩んでいたこととブレーキシューが硬くなっていることを教えてくれた。ホイールは調整をお願いし、ブレーキシューは手持ちのものがあったので、後日自分で交換した。

余談だが、交換に使ったブレーキシューは永遠のロングライドに旅立ってしまった石原さんからもらった未開封の新品だ。

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いい機会なので、Glocalbikeについて少し説明すると、Glocalbikeは豊橋市石巻山の麓に店を構えており、Canondale、Jamis、ritctyなどのブランドを中心としたスポーツバイクを取り扱っている。最近はマウンテンバイクと用品についてはスペシャライズドの取り扱いも始めたそうだ。

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店主のバスマンさんは日本代表のマウンテンバイクのメカニックとして活躍しており、一部では名の知れた存在だ。まあ普段はそんな素振りは全く見せないが。

 

とにかく腕は折り紙付きである。

 

そんなこともあって、私は今のロードバイクのフレームが手元に届いた時、持ち込みでバスマンさんに組み付けをお願いしたりもしている。

 

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Glocalbikeの店内にはソックスやサイクルキャップなどのアパレルの小物が数多くあり、ちょっと個性を出したいときに重宝する。

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バイクパーツやアクセサリーなどの商品は故障などのトラブルが少ないものや万が一のときアフターサービスがしっかりしているメーカーのものといった安心して購入できるアイテムが並ぶ。

 

安心して使えるものを提供する、というのはバイクの納車についてもそのスタンスだ。

一度、仮組みがほとんど出来た状態で代理店から送られてくるエントリークラスのバイクをわざわざバラして組み直しているのを見かけたので、なぜそんな面倒なことをするのか聞いたことがある。

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バスマンさん曰く、エントリークラスのモデルは価格を押さえるために耐久性の低いワイヤーが使用されていたり、ハブの調整がされていなかったりして、乗り始めてしばらくでメンテナンスが必要になってしまうことが多い。自分のもとから送り出すなら、いい状態が少しでも長く続くように乗ってもらいたいから、一度バラして手間でも安いワイヤー類などは交換したり、調整するということだそうだ。

 

またバスマンさんはクロモリフレームのバイクが大好きで、店にはいくつもクロモリのフレームがならんでいる。クロモリに興味がある人は一度話を聞いてみるといい。いろいろ教えてくれるはずだ。

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それから毎週土曜の朝にお客さん向けにグループライドを開催しており、私もよく参加している(コロナの状況により休止あり)。2〜3時間のライドで峠込みの40〜50キロ程度。メンバーの顔触れを見てコースの難易度が設定されるため、初めてでも参加しやすい。

 

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ライドが終わった後は日当たりのいい店の前でコーヒーを飲みながら仲間と雑談をする。私はこの時間のために来ていると言っても過言ではない。

 

小さい店なので、初めての人は入りにくいと思ってしまうかもしれないが、洗車が面倒だと感じた時にでも、まずは洗車からお願いしてみるといいかもしれない。バスマンさんと愛想のいい看板犬のダンケが出迎えてくれるだろう。

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春の香り - 奥三河ライド -

前日の雨は朝には上り、日中は気温が上がるようだ。ダモンデの仲間に誘われて奥三河の花の名所を巡りながら、3月3日にオープンしたばかりという設楽町のベーグル屋さん「ベーグルSan」を目指し、ロードバイクに乗ることになった。

 

前日の雨が空気中の水蒸気を流したのか、雨上がりの朝は景色の色が濃くて、こういう日はいつか旅をしたニュージーランドを思い出す。ニュージーランドはすぐ天気が変わるのに、一度晴れるとカラッと眩しく晴れるのだ。

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景色は見慣れたの山に囲まれた田園風景だが、普段とは違った爽快感を感じると同時に、なんだか懐かしい感覚になった。

ニュージーランド、また行きたいな。

 

豊橋の郊外をスタートして、仲間とサドルトークをしながら峠を二つ越える。今回はいつものタツマくんに最近ロードバイクが楽しくて仕方がない上野さんと私の三人。

 

5月にダモンデの仲間たちとロングライドのイベントに出る予定をしており、年が明けてからは月に数回、100キロ以上の距離を乗るようにしている。

また、在宅勤務の日は仕事が終わってから近所の山を何本か登るようにしていることもあって、この2年ほど落ちる一方だった体力も少しずつ戻りつつある。

やはり、何か目標があるというのはいいな。

おかげでこの日も私にしてはなかなかいいペースで走れたと思う。

途中のコンビニで軽く補給をすると最初の目的地、長篠の河津桜まではさして時間は掛からなかった。
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ここ数年、長篠の河津桜は訪れる人が急激に増加している、と聞いていたが、なるほど確かに多い。

特に旧田口線のトンネルから撮影したがる人が多く、トンネル内から撮影しないでと看板が出ていた。奥三河に人が来るのは嬉しいが、こういうのは複雑だ。我々はバイクを降りて少し写真を撮ると歩いてトンネルを抜け、この場を後にした。

 

次に目指すのは川売の梅の里である。

長篠から鳳来寺山の参道まで少し上る。いつも上らなくて済むようにパスするルートだが、今回のルートだと他に選択肢もないので上る。このあたりは久しぶりだ。

新城の玖老勢まで出るとあとは海老まで旧田口線の廃線跡を行く定番ルート。川沿いの道で車が少なくて走りやすい。

海老の集落に出ると川売に向かって細い道を進んでいく。例年であれば、奥に向かう車で渋滞し、車がたくさん駐車してあるのだが、今年は梅まつりは中止となっているため、そうした様子もない。車で行くことができる一番奥まで行くと、狭い駐車場に停められるぐらいの数の車がいたが、そこまで多くは感じなかった。先に寄った長篠の河津桜の方が狭いエリアに人がたくさんいたのを見たせいかもしれない。
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梅の花は満開に近かった。

自転車を押しながら歩くと梅のいい香りがした。

春が来たのだな。
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梅の花を堪能した我々は川売を後にし、次はいよいよ設楽町のベーグル屋さんに向かう。設楽町に抜ける稲目トンネルは自転車で走っても楽しいところではないので、稲目トンネルの手前から与良木峠を越えるルートを取る。

 

緩く上る峠道はなかなかどうして悪くない。

峠道はやがて与良木トンネルの手前で集落に出る。

花の名所もいいが、奥三河のこうした普通の集落に咲く花が好きだ。
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三河の人は家の庭で梅や桃を育てている。

山間の風景に溶け込む花はとても優しい。花の名所もいいが私はこうした花を抱いた奥三河の集落の風景が好きだ。

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集落で少し休憩すると、与良木トンネルに向かった。

与良木トンネルを抜け、設楽町に入る。快調に降っていくと後ろから「ここじゃない?」とタツマくんから声がかかる。

ベーグルSanである。


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我々が自転車を降りると、店のご主人が「すいません、今日はもう終わってしまって…」と申し訳無さそうに言った。

私はタツマくんと上野さんに笑いかけた。

「サイクリストあるあるだな。気合い入れて来たものの、もう売り切れのパターン」

残念ではあったが、オープンしたばかりのお店なのでそういうこともあるだろうな、と思っていたのでそこまで落胆はしなかった。

それでも幸い、奥さまが試食でよろしければどうぞ、とキノコの乗ったベーグルとハーブティーを出してくれた。

ガーリックの効いたキノコとベーグルがよく合う。美味しい。

「これ、ワインいりますね。」思わず奥さまにそう言ってしまった。

そうそう、ニュージーランドを旅してたころは昼から飲んでたな。

 

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少し店の中を覗かせていただいた。古い民間をリフォームしたと思われるセンスのいい内装。

 

次はベーグル買えるといいな。

 

お腹を空かせた我々は、清崎のファミリーマートで補給か八雲苑で食事という選択肢も考えたが、我らがヤングキャッスルまで行くことにした。

 

道は基本下りで、しかも新城の玖老勢までは風も追い風でかなり進んだ。そこから先もいいペースで走ることができ、想定よりも早くヤングキャッスルにたどり着いた。

 

ヤングキャッスルでは迷わずカレークリームパスタをメガサイズで注文。

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お腹を空かせていたので、メガサイズのパスタをペロリと食べてしまった。

 

ヤングキャッスルでダモンデ山田さんやりょーこさん、他のお客さんとしばらく話す。こうして友達と話す時間は大切だ。最近特に思う。

 

食後に山田さんが柑橘系のソーダを出してくれた。

3月にしては暑い日にはピッタリの爽やかさだった。

 

東栄町に出会う時間 - とうえいサイクルガイドツアー -

「いいね、ブランコに乗ってるおっさん二人、とても画になるよ」

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私は無邪気にブランコに乗る友人たちを茶化しながら、青空の向こうにそびえる明神山を見つめた。眼下には東栄町の集落が見える。

東栄町は自転車でも家族の小旅行でもしばしば訪れるが、こんな素敵な風景があるなんて知らなかった。

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今、奥三河東栄町はサイクリングを観光に活用しようと動き出している。

 

以前から地元の有志が町内を巡るサイクリングイベントを企画するなどしていたが、今回、役場と観光協会が中心になって、自転車の観光ガイドツアーの実施に向けて試験的にモニターツアーを行った。

 

私は二度、テストライドに参加した。

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一度目は長女と二人で。

 

二度目はダモンデの仲間とである。

 

自転車のガイドツアーといっても、本格的に自転車をやっている人向けではなく、電動アシスト自転車東栄町内を巡り、魅力的な場所を紹介しようというものだ。そのため、一度に走る距離も20キロ程度、速度もせいぜい時速15キロというところで、普段運動していない大人でも参加できる。

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ただ、比較的平坦なルートが引かれているとはいえ、そこは急峻な山に囲まれた東栄町。アシストなしのマウンテンバイクに乗った小学生の長女にはキツかったようだ。

 

テストツアーでは、自然、文化、インフラなど様々な名所を巡った。いずれもガイドの方が解説してくれる。だいたい知っているかなと思っていたが、ほとんど初めて聞く話で非常に興味深いものばかりであった。

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東栄町といえば花祭りだが、それ以外にも幅広い分野で魅力的なスポットが数多くあり、改めて東栄町の懐の深さを感じた。

 

各所の案内も良かったが、走るルートもとても良かった。

 

集落の中を抜けて国道の下をくぐる。

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あ、ここ!

 

普段、ロードバイクで国道をハイスピードで駆け抜けるときに横目に見ていた田畑の間の道。

 

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今まで何気なく通り過ぎていた道。

その道のなんと気持ちのいいことか。少しだけペダルを踏んで風を感じる。

 

素晴らしい時間だ。

 

私からすれば普段はあまり走らないゆっくりとした速度。このスピードでしか見えない、感じられない風景がそこにはあった。

 

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一度目に参加したテストライドの後、長女に帰りの車でどこかよかったか聞くと、煮渕のポットホールが凄かったと言い、また、あるお地蔵さんの前で拾った木の枝がいい香りがした、とも話していた。

 

観光スポットじゃなくてもいい。ツアーの中で心動かされたことに出会えたことが、大事な思い出になるのだから。

 

次のツアーがいつ開催されるかまだ分からないが、機会が訪れたらぜひ参加してみて欲しい。参加すれば、その人にとっての東栄町のとっておきと出会えるだろう。

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サドルの高さ - Toyohashi Ride with GPS -

予定のない休日の朝、遅い朝食を食べながら

「今日、自転車乗りたい人!」と子供達に聞くと

「はい!」と長女が元気よく手を挙げた。

他の子供達は新しいおもちゃで遊びたいらしく、自転車という気分ではないようだ。

 

そんなわけで私は長女と二人でツーリングに行くことにした。

 

家の周りで走るルートは限られている。大抵は山のあたりか川沿いの道に行く。

せっかく予定のない日だ。ちょうど豊橋市が自己申告ライドイベント「Toyohashi Ride with GPS」をやっていることでもあるので、道の駅とよはしまで車で出て走ることにした。

 

海に近い道の駅とよはしは西から吹く風が強い。

車からバイクを下ろすと風で倒れないか心配なほどだ。数日前に私が近くをロードで走ったときには風でバイクが煽られて怖かった。

海沿いのサイクリングロードも景色がいいので、子供と走るにはいいところだが、この風である。

 

以前、豊橋の観光コンベンション協会主催のツーリングイベントに参加したときに有楽製菓ブラックサンダーの工場横にある直売所に連れて行ってもらったが、そのとき使ったルートを思い出しながら有楽製菓の直売所に向かった。

 

長女を先に行かせて、私は後ろから行き先を指示した。

 

小さな川沿いの道を進んでいく。

 

長女がペダルを踏む様子を見て、サドルの高さが低いことに気がついた。

 

「サドルの高さ直してあげるから、止まろうか。」

私は長女を止めて、サドルを2センチほど高くした。

 

いつも一緒に過ごしていると気が付かないが、長女は確実に背が伸びていたのだ。自転車に乗って子供の成長に気がつくとは我が家らしい。

 

再び長女はペダルを踏み始めると「乗りやすくなった!」と嬉しそうだ。

 

目指す有楽製菓の直売所は道の駅とよはしの東、愛知県と静岡県境に近いところにある。

時速15キロ弱のゆっくりしたペースで、西からの強風に乗って順調に進んでいく。

 

道沿いには収穫を待つキャベツ畑や収穫を終えたブロッコリー畑が広がる。

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私は畑を指さして「あれ何の畑かわかる?」と長女に質問したりしながら、長女とのサイクリングを楽しんだ。

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途中、坂のキツイところで苦労していたが、フロントギアの変速するようにアドバイスすると、なんとか坂を上り切った。

キッズバイクのシフターはグリップシフトで子供には扱いづらいようだ。後日、シフト周りを交換することにした。この話はまた機会があれば書こう。

 

小一時間で有楽製菓の直売所に到着。

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留守番している妻と下の子供達にお土産のブラックサンダーを数種類買う。ここまで休憩らしい休憩をしていなかったので、早速購入したブラックサンダーを開けて、長女と食べた。

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ブラックサンダーを食べ終わると道の駅への帰路につく。来た道と他のルートを使うことも考えたが、往路がほぼ最短ルートだったようなので、同じようなコースで帰ることにした。

 

予想通り向かい風が強い。私は長女の前に出て風除けになるようにしたが、長女はなかなか辛そうである。大人のサイクリストも音を上げそうな強風だ。

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かなりキツかったと思うが、道の駅近くの小さな川までくると風が遮られ、ようやく落ち着いて走れた。ペースこそ早くないが、長女はよく走れるようになったものだ。

 

道の駅に戻ってきた。

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川沿いの道から道の駅まで上がると再び強風が吹いていた。

 

強風の中走らせて、長女が自転車嫌いになったらどうしようと私は勝手に心配し、道の駅でご褒美に甘いものを買ってしまったが、長女はそんなに強風を気にした様子もなく「楽しかった!」と言ってくれた。

 

いつまで私とのライドに付き合ってくれるか分からないが次はもう少し風の弱いところに行こうと誓った。

 

 

 

wahooナビに導かれて- Toyohashi Ride with GPS -

豊橋市がコロナ禍でも楽しめるイベントとして、自転車のGPSアプリを使ったイベントを開催している、というのがSNSで流れてきた。

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豊橋市ホームページサイクリングイベント Toyohashi Ride With GPSを開催します/豊橋市

現状、誰かを誘ってライドに行く、ということが出来ない状況でこうしたソロライドで完結するイベントがあるのはありがたい。

イベントのルールとしては、走行ルートは必ず道の駅とよはしを通過し、最短10km以上走行し、走行ログのスクリーンショットと走行の際の写真を事務局へ送る、というもの。(メールで事前登録が必要)

 

この日私は一人で渥美半島の先端、伊良湖岬を目指すことにした。伊良湖岬はこの20年ほど毎年必ず何度か自転車で訪れている。自宅から往復100キロ程度と一日ライドをするのにちょうど良い距離であるし、何より景色がいい。

しかしそのため、コースがいつも決まったところになりがちである。

私はこの数年、wahooのサイクルコンピュータを使っており、速度、走行距離、ケイデンスなどなどのログはこれで確認しているが、wahooにはナビ機能があり、これを使った方が思わぬルートで案内されるので面白い、とSNSにあげていたので、私も今回試してみることにした。

 

妻にそのことを話すと「そうやって頭を使わなくなるんだね。」となかなか厳しい一言を言われたが、いい機会なのでさっそく使ってみた。

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ケータイのアプリから目的地を設定するとあとはアプリがルートを決めて、wahooにルートが同期される。

ルートは主要道路を走ることはほぼなく、豊橋郊外に出るだけでも、行ったことない道をナビされて、こんな道があるのかと新しい発見があって楽しかった。ほとんどが車通りの少ない道で走りやすいところが多いが、所々かなり細い道も案内されるため、ナビ画面をよく確認する必要があった。また私のようにそこまでスピードを出さない場合はいいのだが、スピードを出したい人には向かないかもしれない。

 

お陰で思わぬ出会いがあった。

普段なら絶対走らないルート上である知り合いの方にお会いしたのだ。一度すれ違って、お互い気がついて振り返る。お互いまさかこんなところで、という感じでだったが、久しぶりにお話しできてよかった。

 

やがて渥美線の横を走る道に出る。飯田線のすぐ脇を走ったことはあるが、渥美線の隣を走るのは、愛知大学のあたりぐらいなもので、郊外でこうして走るのは新鮮だった。

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渥美半島も真ん中辺りまで来た頃だろうか、案内されたルートは軽いグラベル

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まあこの程度ならとあまり気にせず走る。

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キャベツ畑の間を抜ける道を案内されて、何度か曲がるところを間違えそうになる。そうしているうちに自分がいる場所がどこかハッキリ分からなくなってきて、なるほど妻の言う通り、頭を使わなくなってしまうな、と思った。

 

さらに進んで行くと、かなり細い道に誘導される。これは怪しいかも、と進んでいくと案の定、ナビが示す先には道が無かった。藪漕ぎの先にルートが繋がっていることを期待したが、こちらも行き止まりだった。

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こういうことがあっても楽しめるなら使えるナビだなと思った。もっと短い距離、例えば10キロから30キロぐらいならいい機能だと思う。

 

私は一旦ナビを無視していつものコースに乗った。渥美半島も先の方まで来ていたので、ルートの選択肢は少ないと思っていたが、ナビを見ると国道の脇を行くルートを示していた。結局、伊良湖岬までほとんどナビのガイドで走っていた。

 

伊良湖のフェリーターミナルに着いた。

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コロナの影響でフェリーの受付やレストランの入っていた道の駅クリスタルポルトは閉鎖されていると聞いていたが、実際行くと人影もほとんどなく、かろうじてトイレが使えるぐらいで、あとはネコが一匹近寄ってくるだけだった。

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「あげれるようなものは持っていないんだ。ごめんよ。」私はネコの頭を軽く撫でるとフェリーターミナルを後にした。

フェリーターミナルからは遊歩道を進み、伊良湖岬灯台へ。

 

冬のこの時期、常夏の伊良湖岬には観光客も多いはずだが、ここにも人はほとんどいない。

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私は伊良湖岬を折り返し、太平洋側に出た。

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ビューホテルの横の丘を駆け上がる。駆け上がっているつもりなのだが、実際のところそこまでスピードは出ていない。弱くなったものだ。ダンシングで誤魔化しながら丘の先端で止まる。

丘の頂上から恋路ヶ浜を見下ろす。

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恋路ヶ浜の先には神島が見える。この数年、神島に行きたいという思いがあるが、コロナもあってその思いは叶わない。あの静かな島でひとりの時間を過ごしたいものだ。

 

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振り返ると長く伸びる海岸線が見える。

私は半島の先端の丘を下り、ひたすら東を目指した。

この時期風は西から東に強く吹く。風に乗って自転車が加速していく。これを爽快と言わずなんと言うのだろう。

冬の割には暖かく、ペダルを踏むたびに汗が噴き出してくる。赤羽根の道の駅までいいペースで走り続けた。

 

赤羽根の道の駅で小休止し、2階の展望デッキで甘いカフェオレを飲む。

この調子ならいい時間に帰れるだろう。

 

道の駅からはサイクリングロードを使った。海のすぐ近くが走りたかったのだ。

 

赤羽根から先、道はアップダウンになる。追い風のおかげでペースは悪くない。

今回のライドは「Toyohashi Ride with GPS」のイベントに応募するためでもあるので、帰りは道の駅とよはしに向かう。

豊橋市内に入り、道の駅とよはしまであと少し、というところで急に空が暗くなり、雨が降り始めた。この日はこの季節にしては気温が高めだったので、ウィンドブレイカーの類は持っていなかった。

「まずいな。」

ちょうどコンビニも無いもない区間を走っており、雨宿りするところもなかったが、道の駅まで遠くないところだったので、雨の中道の駅まで行くことにした。

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幸い、道の駅に着く頃には雨は止んでいた。

軽く濡れる程度で済んだが、そのままスピードの出ない市街地に向かって走ると身体を冷やしてしまう恐れがあったので、温かいキャラメルラテを買い、しばらく建物の中で休憩した。

帰宅後、ログを見ると走行距離は110キロとなかなかの距離だ。私は早速、走行中に撮影した写真とログのスクリーンショットをイベント事務局にメールで送った。

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3月までのイベントなので、あと何回かチャレンジできるだろう。

次はどこへ行こう。そんな風に考えるのは久しぶりだな、と思った。

キャンプの後は作手を巡り

遠くから朝を告げる放送が聞こえて目が覚めた。テントを出て伸びをする。時間を確認すると六時だ。

まずはコーヒーを淹れるためにお湯を沸かす。

それと同時に焚き火を起こす。

いつも家族でキャンプすると私が最初に起きて、次に早起きの長女が起きてくる。私は長女と焚き火の炎を強くすると、昨夜の芋煮を火にかけた。

下の子供達と妻がテントから出てくる。妻がココアを作り始めた。インスタントではなく、粉からちゃんと練っていた。

温かく甘いココアは冷える朝にぴったりだ。子供達は朝から大喜びだ。

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温まった昨日の芋煮にうどんを入れる。我が家のキャンプの定番である。私は芋煮の翌日は芋煮にカレールーを溶かしてカレーうどんにするのが好きだ。芋煮はわずかに汁を残してきれいに食べ切った。

 

食事の後、キャンプを撤収する。昨夜、少し雨が降ったため、テントとタープを乾かす必要があり、少し時間がかかったが、パッキングした荷物を子供達が順次車に運んでくれたのでスムーズに撤収できたと思う。

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やまびこの丘の受付でチェックアウトの手続きに受付に行くとスタッフの大石さんがいたのでお礼を言う。今日はもうパンが焼けているというので、レストランに寄り、まだ温かい焼き立てのパンを一人一つずつ購入した。

 

やまびこの丘から自宅までまっすぐ帰れば1時間程だが、せっかくなので作手のあたりを回ることにした。

まずは紅葉が見頃という巴川に向かう。普段は自転車で仲間と走る道を車で進んでいく。

愛郷から塩瀬の集落を抜ける。このあたりの集落の景色が好きだ。川沿いの細い道から集落に入ると視界が広がる。綺麗な川と開けた空と田畑。快晴のドライブはとても気持ちが良かった。

 

巴川の紅葉スポットに到着。道路の端には何台かの車が停まっていて、何人かのカメラマンが写真を撮っていた。このあたりだけわずかに川原に降りて行ける場所があり、紅葉の撮影スポットになっている。私も車を停めて、川に降りていく。

谷が迫るこの場所は太陽の光があまり届かず、また川沿いということもあって風が抜けて寒い。私も子供達もこの日は比較的軽装だったので、とても寒く感じた。

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ちょうどいいときに来たようだ。以前訪れたときにはここまで紅葉していなかった。

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ときおり強い風が吹くと、もみじの葉が鮮やかに舞った。その瞬間を逃すまいと、周囲で写真を撮っていたカメラマンたちが一斉にシャッターを切っていた。
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私はもうしばらく紅葉を楽しみたかったが、子供達が寒い、と車に戻ってしまったので、巴川を後にした。

 

巴川の後は作手にある「ふれあい牧場高原ハウス」へ向かう。

ここも数年前に行ったことがあるのだが、ふと思い出して子供を連れて行くと喜ぶだろうなと思い、行ってみることにしたのだ。休業日がよく分からず、万が一やっていないと子供達ががっかりすると思い、現地に着くまで子供達には行き先は内緒にしておいた。

 

ふれあい牧場に到着。どうやらやっているようだ。

車酔いする長女と長男は山道のドライブで辛そうだったが、動物と遊べるところに来たよ、と伝えるとすぐに元気を取り戻した。

 

特に受付などはなく、入り口の売店があり、中で食事が出来る他、ここで動物にあげる餌を買えるようになっている。牧場の奥にはキャンプ場もある。

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牧場はポニーや羊がいるエリアとヤギのエリア、ウサギとモルモットのエリアに分かれており、ポニーのエリアには入れない。動物にあげるキャベツを買うと、一番手前のヤギのエリアに入った。

早速、子供達が持っているキャベツめがけてヤギがやってくる。まだ背の低い長男は全部取られないように必死に頭の上に手を伸ばしている。私は長男のキャベツをもってあげることにした。
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続いてウサギのエリアへ。

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ウサギのエリアは小屋やウサギが隠れる場所があり、たくさんのウサギがいた。黒や白のウサギや茶色のウサギ、耳が長いのもいる。

エサをあげているときに油断して、私はキャベツといっしょに軽く指を齧られた。

そういえば牧場の入り口に牧場内での事故などは責任を負いませんと書いてあった。牧場の人がいつも見て回っている訳ではないので、そこは自己責任ということだろう。

牧場に慣れてくると、子供達は好きな動物のところに散らばっていった。長女はうさぎ、次女はヤギ、長男はポニーとみんなバラバラだ。
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私は風が吹き抜けて冷えるので、妻と日のよく当たるヤギのエリアにいた。よく晴れていたが、作手の標高で風が吹くとなかなか寒い。

次女はなんとかお目当てのヤギの背中を触ろうとヤギの気を引こうとしていて微笑ましかった。

動物とたくさん触れ合った後は、近くの「大東牧場」へ。こちらは「ミルク工房スコット」の名前で新城のいろんなイベントでジェラートを販売している。ときどきイベントでジェラートを買うが、牧場自体に行くのは初めてだ。

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子供達に一つずつジェラートを買い、私は友人オススメのモッツァレラチーズを購入。食べるのが楽しみである。

 

大東牧場の後は、作手の道の駅に寄って昼ごはんにおこわを買ったが、人が多くてすぐに離れた。

道の駅近くのパン屋さん「麦の家」でパンを買い足すとしばらくドライブして、ある広場で敷物を広げて、朝にやまびこの丘で購入したパンと、麦の家で購入したパン、それから前日に田峰で買ったべらべら餅をお昼ご飯に食べた。

 

昼食を終えると、自転車仲間と早朝練習をした本宮山に続く道を車で降りて家路に着いた。

 

今回、2日間で奥三河をいろいろ回ったつもりだが、まだまだ子供達を連れて行きたい場所が多くある。子供達と共有したい景色が奥三河にはたくさんある。

また奥三河のどこかで家族でキャンプしよう、そう思った。