定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

BRM611 Nagoya300km 100周年記念ブルベ - 奥三河の最深部へ -

2022年6月11日はフランスで最初に300kmBRMが開催された日(1922年6月11日)から100周年にあたるという。

ランドヌールクラブ名古屋の金井代表からお誘いがあり、RC名古屋主催の100周年記念の300キロに参加した。

申し込みに際して、金井代表からは「コースはあのとみやま往復だよ。」と告げられたが。

とみやま300。毎年ブルベをやっていた頃に走ったが、キツかったことしか覚えていない。

 

冬が終わる頃、ロングライドのイベントに参加した際、右ひざを痛めてしまった。

それからしばらくは強度を上げて自転車に乗る事はなく、長くても100キロ程度しか自転車に乗らない日々が続いた。

本番が近づくにつれ、不安が募ってくる。本当に300キロ走るのだろうか。

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不安を減らすべく、数日前からバイクの準備をする。ロードバイクにハンドルバッグをつけ、サドルには大きいサドルバッグをつける。

普段ロードバイクに付けているカーボンレールのサドルでは、大きなサドルバッグのアタッチメントを取り付けることができないそのため、グラベルバイクについているシートポストとサドルをそのままロードバイクの間を差し替えた。

サドルは奇しくもロングライドの巨匠石原さんの遺していったアボセットO2。私も若い頃には、長旅に使っていたことがあり、重量はあるもののサドルとしては間違いない。

 

ブルベ当日の朝。スタート地点の豊田市の柳川瀬公園に到着する。天気は曇り。

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Glocalbikeのチームメイトである大西さんがわざわざ見送りに行ってくれた。それだけで頑張れる気がした。

他に何か知った顔がいないか探すと、カントリーモーニングのライダーであるケンシくんとKくんがいた。

ケンシくんはパリ・ブレスト・パリ1200キロを日本人最年少で完走した男である。そしてKくんもゴールデンウィークに四国の1200キロを完走したところであり、さらに2人は先週先々週と400キロ、600キロのブルベを完走している。

 

そんな20代の若者2人に、私はとても追いていけないので、スタートで彼らと別れ、ゆっくり走ろうと思っていた。
しかし2人は、私と一緒に行くと言う。

おいおい。


「まあまあ、一緒に行きましょう。大丈夫ですよ。」
私は膝のこともあり、正直心配でしかなかったが、ダメならダメなりにやめればいいだけで、それまでは一緒に走ろうと思った。

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若者2人はスタートからなかなかいいペースで踏んでいく。私の想定よりも平均速度で5キロ程度速い。とはいえ踏めないペースではないので、彼らのペースに任せてついていくことにする。

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ケンシくんは石原さんが最後に乗っていたロードバイクを受け継いでブルベに出ている。まさか再びこのバイクの後ろを追ってブルベを走ることになるとは。

 

私は不思議な感覚に襲われた。

 

20代の彼らと40代の私の年齢差を考えると、昔、石原さんと私が走っていたのと同じような状況なのに気がついた。

「石原さん、行きますよ!」

勢いよくそう声をかけると石原さんはちょっとドギマギしたような様子を見せていたが、今はその気持ちがよく分かった。

私もそれだけ歳を取り、かつての石原さんに年齢だけは近づいたのだ。

 

スタートから40キロ先の最初のチェックポイントであるコンビニに2時間弱で到着した。全く出来過ぎである。時間にゆとりができた。

 

若者たちとはと言うと、ケンシくんはまだ午前8時前だと言うのに、チャーハンを食べていた。その若さが羨ましい。

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ケンシくんはペロッとチャーハンを平らげるとさして休むことなく、出発の準備を始める。

「あれ、もう行くの?」

Kくんももういつでも出られます、という感じだ。もっと休みたいんだけど…という言葉を飲み込み、「行こう」と私は言った。

 

蒲郡のチェックポイントから、豊川市内を抜け、豊橋の北部に抜ける。ここからは普段の練習ルートだ。

先は長いというのに、いつもと変わらないペースで踏んでいく。

 

豊橋を抜け、新城市に入る頃、向こうから見慣れたバイクの集団が走ってくる。Glocalbikeの土曜壮行会の面々である。すれ違いざまに、店主のバスマンさんが大きく手を振ってくれた。

 

次のチェックポイントの新城市名号のファミリーマートまではまだしばらく距離がある。私は桜淵公園に寄るよう願いし、トイレ休憩をとり、ドリンクを補給した。

 

比較的平坦な区間はいいペースのまま進んでいく。

 

途中、飯田線三河槙原駅のホームに動けなくなった車両が放置されているのが見えた。線路脇の崖崩れにより、しばらく代行バスの運転が続いている。

その代行バスと数回すれ違った。帰りはあれに乗るんだろうか。

そんなことを口にすると「何言ってるんですか!帰りはほとんど下りですって!大丈夫。」とケンシくん。

いやいや、わざわざ輪行バッグまで持ってるんだが。

その後も私が弱音を吐くと彼らはその度に冗談と笑い飛ばし、私を先に連れて行ってくれた。

 

次のチェックポイントに到着。

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ここでも補給は軽め。今回コースがホームグラウンドなので、自販機の場所もよく分かっており、過剰な補給を避けることができた。

 

その先の往路最後のコンビニ、東栄町中設楽のファミリーマートに、RC名古屋のいずみさんがいた。

特にチェックポイントではないが、少し立ち寄る。いずみさんは若者たちに私のアシストをするようお願いしてくれていた。心配かけて申し訳ないが、ありがたい限りである。

 

そこから道はほぼ上りしかない。

豊根村との境にある太和金トンネル、そして豊根村役場を経由してみどり湖から旧富山村との境の霧石峠まで、途中若干の下り返しを挟みながらガンガン標高を上げていくのだ。

ペースは上がらないが、まずは太和金トンネルを超え、豊根村に入る。役場前を過ぎ、みどり湖へ。


豊根村役場までは昨年何度か来たが、みどり湖まで来るのは何年振りだろう。
水量はやや少ない。
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この辺りからさっぱりペダルが踏めなくなる。

元気のいいKくんは、こちらを気にしながらも速いペースで踏んでいく。ケンシくんは私を気遣いながら、見えるところを走ってくれた。

本当に申し訳ない。

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進むにつれ、道に野生動物の糞が目立つようになり、獣の気配が濃くなっていく。アスファルトの山道と朽ちた民家の跡が自然に飲み込まれそうだ。

 

霧石峠への分岐はまだか。

 

何度そう思ったが分からないが、先に富山への分岐の看板が見えた。

あれさえ上れば。

すでに軽いギアは使い切っていて、これ以上機材的にはどうしようもない。諦めて峠に取り付く。

 

いくつかコーナーを回ったところで、Kくんが「これ美味しいやつですよ!」と声をあげた。

道端にはオレンジ色の野いちご。

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私は一つ取り、口にいれた。

爽やかな優しい甘みが口に広がる。

「昔、アラスカでこうやって道端のベリーを取って食べていたよ。」そんなことを言いながら、しばらく周囲の野いちごを食べた。

 

野いちごのお陰で少し元気を取り戻し、だましだまし霧石峠を上がっていく。

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トンネルだ!

 

3人で歓喜の声を上げていると、トップの選手が折り返してきた。なんというスピードか。

知ってはいたが、一応聞いてみると、折り返しからの上りは酷いものということだ。

 

まあ、今は取り敢えず折り返しのとみやま来富館まで下ろう。

 

何年振りだろう、豊根村富山地区。

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何とかここまで来られた。

待っていたRC名古屋の金井代表にチェックを受ける。

建物の中に入り、休憩。

来富館さんがブルベのために用意してくれた特製おにぎりをいただく。梅干しとしぐれ煮のおにぎりが一個ずつ。疲れた体に嬉しい味だ。

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さて、復路である。まずは7キロ700mのアップの平均勾配10%の霧石峠を登り返す。

 

私はフロント34T、リア30Tが一番軽いギアであったが、全く足りない。若者たちはというと、ケンシくんはスギノのクランクでフロント30T、Kくんはディズナのクランクで31Tだという。なるほどブルベに特化した仕様だ。

そんなところに感心しつつ、3人で「キツいキツい」と文句を言いながら走っていると予想したより早くトンネルまで辿りついた。

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いざトンネルを越えてしまえば、あとは早い。

下りの途中で再び野いちごを補給して止まったが、そのあとは爽快に走っていく。みどり湖までの道もこんなに上っていたのか、と思えるほどスピードが出る。

 

途中の上り返しを淡々とこなし、名号のファミリーマートまで戻ってくる。

雨がやや強くなってきて、ケンシくんと私はレインジャケットを着る。ここまで来ればゴール出来る気がしてきた。

 

復路の平坦路も先頭を行くKくんのスピードは落ちない。豊橋の郊外も普段の私の練習ペースと遜色ない。ケンシくんに「けっこうキツいんだけど」と漏らすと「僕もです。」と返ってきて少し安心する。

 

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豊川市に入りだんだんと暗くなってくる。

市街地エリアに入り、信号待ちが増え、少し休めるようになった。

若者たちは、飲食店の前を通るたびに、ゴールしたらあれが食べたい、これが食べたいと言う。その気持ちはよくわかる。私もそうだったし、今もそうだ。

 

蒲郡のチェックポイントまで戻ってきた。

ここのクローズタイムまで4時間以上ある。あと残り40キロ。

 

暗くなった道を弱い雨に降られながら進んでいく。

 

ゴールまであと20キロと言うあたりで、ケンシ君が言った。

「シマダさん正直もっと遅いかと思ってました。このあたりに来る頃には、日付変わりそうな時間で、『シマダさん!まだ頑張れますよ。さあ、一緒に行きましょう』とか励ましながら走るのかなと思ってましたけど、全然普通に走れるじゃないですか。」

 

そう言われて、自分でも全くその通りの展開を予想したんだけどな、と思っていたが、そんなことより、ケンシくんが、始めから私と一緒に走ってサポートしてくれるつもりだったことが嬉しかった。

彼らには特に何もしてあけだことはないのだが。

 

岡崎の市街地を抜け、矢作川の堤防道路に出る。もうゴールはすぐそこだ。

 

ゴールの柳川瀬公園に到着。

 

タイムは15時間32分。我々は7番目のゴールだそうだ。タイムだけで見ても毎年ブルベをやっていた頃と遜色ない。

疲れる訳だ。

ブルベカードを記入し、金井代表から記念メダルを受け取った。

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文字通りここまで私を引っ張ってきてくれたケンシくんとKくんにお礼を言う。

 

これでしばらくブルベは出なくていいな、

 

そうつぶやくとケンシくんとKくんが即座に

「いやいや、400キロも600キロも記念ブルべやるんじゃないですか。」

 

勘弁してくれよ。

 

そう言いながら400は眠いから辛いんだよな、と思っている自分がいるのであった。

 

テラスで梅干しジェラートを- ライド奥三河 -

「いいね。」

 

すぐそばの茶畑と隣の山に見える田峯城。そして更に向こうに見える鳳来寺山

 

塩気と爽やかな風味の梅干しジェラートが、汗をかいた体に優しく入ってくる。


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気がつくとカップジェラートは空になっていた。

「ご馳走様でした。」

 

**********

 

朝から使える時間が出来て、日帰りで行けるところへ出かけようと思った。

いくつか候補が上がったが、向かったのはオープンから一年が経過した「道の駅したら」。何度か訪れてはいるが、食事をしたことがないのでランチを食べに行くことにした。うまくすれば、お世話になった人たちに会えるかもしれない。

 

朝ドラを見終わると、そのまま自宅を出た。

 

新城市まではいつものルート。

ルート上にある賀茂の菖蒲園では菖蒲まつりの最中だ。

少しだけ立ち寄る。

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思ったより人はいたが、多い、というほどではない。お年寄りは皆、律儀にマスクをしていたが、この屋外でそこまでいるのか、と思ってしまった。

 

賀茂の菖蒲園からは淡々と踏む。

来週末は久しぶりの300キロブルベに出場予定だ。ただ冬の終わりに膝を壊しており、どこまでやれるか正直怪しい。無理なくペダルを踏んだ。

 

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途中、日陰を求めて脇道に抜ける。

三河の川沿いの道は本当に気持ちがいい。

自宅から一時間あまりで、こんなところに来ることができるなんてなんと恵まれていることか。

いつも走る旧田口線のルートで新城市を抜け、設楽町へ。

 

稲目トンネルを慎重に通り抜け、設楽町に入る。

昼には少し早い。いい機会なので、田峯の集落に上ることにした。

久しぶりに南からアプローチしたが、登りがキツい。すぐにインナーローにギアを入れてしまう。来週のブルベが心配だ。もっと軽いギアを入れていこうと決める。

何とか集落の入り口まで上る。

 

昨日の新聞に閉校の記事が出ていた田峯小を横切る。
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この日は会えなかったが、前に生徒と道ですれ違ったときには「こんにちは!」と大きな声で挨拶してくれた。私にはとてもいい印象の小学校なだけに残念だ。

 

田峰観音のとなりの直売所に着いた。

高さがやや少し低めだが、ナイスなバイクラックが設置されている。
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少し前に出来たというテラス。なかなか立派だ。
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直売所で軽く補給をしようと思い、直売所に向かうと「ジェラート」の文字が。

暑いので迷うことなくこれにしようと決めた。


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ここの直売所にはしばしば訪れるのだが、来るたびに新しいお土産が増えているので感心する。地元の方々が頑張っているのだろう。

レジで予定通りジェラートを注文。

梅干しジェラートがあるというのでそれにする。レジのおばちゃんが「そこに並んでる梅干しを使って…」と説明してくれる。


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「テラスのほうでどうぞ。」

レジのおばちゃんにすすめられるがまま、テラスに出る。

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ここの景色はテラスができる前から変わらない。

三河で好きな景色の一つだ。

平らげたジェラートの器をレジに返す時、「いかがでしたか。」とおばちゃんにきかれたので、「汗をかいた体にちょうどいい塩気と甘さでとても美味しかったです。」と伝えると、とてもおばちゃんは嬉しそうだった。

こちらの直売所は何を食べても美味しいので、是非足を運んでいただきたい。

 

田峯の集落を降りて、となりの清崎地区へ。

道の駅したらである。

 

自転車で来るのは一年振りだろうか。

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2階にある観光協会に行くと昔からお世話になっている職員の方にお会いすることができた。しばらくお話をする。もう一人役場の方にもお会いしたかったのだが、昼過ぎまで出張らしい。

一旦私は、下の食堂てランチをとることにした。


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こちらのランチメニューは地元の特産である「絹姫サーモン」や鹿肉を使ったものなど、なかなか良さそうである。

私は鹿肉を使った「森の恵まぜそば」を注文。
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鹿肉は臭みもなく、しっとりジューシーで美味しい。五香粉の風味だろうか後味も爽快感があり、満足度の高いランチだった。

ランチの後は道の駅にある奥三河郷土館へ。f:id:independent-traveller:20220602202258j:image

こちらは入館料わずか300円だが、地元の昔の暮らしぶりから、地元の自然まで広い分野の展示があり、これを目的にここまで来てもいいぐらいの展示物と内容だった。またゆっくり見に来たいとろである。
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郷土館を出て、再び観光協会に寄り、出張から戻ってきた役場の方とお話しして、道の駅したらを後にした。

初夏の日差しと風を浴びて、豊川沿いを南下していくのはいつも気持ちいい。この感覚がまたここに来ようという気持ちにさせるのかもな、そんなことを考えながら家路に着いた。

 

2022 DA MONDE TRAIL Challenge Spring - スタッフから見た景色 -

「Damonde Trail」が開催された。選手として参加するわけはないが、我が家の年中行事だ。久しぶりの開催でとてもワクワクしていた。

 

毎回、私がスタッフとして参加し、家族はその間、ブースで買い物したり、会場に設置されたハンモックなどで遊んだりして、会場内の雰囲気を楽しんでいる。以前からダモンデのスタッフに興味のあった長女は、今回の大会から正式にスタッフとして参加させていただいた。

 

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大会当時の午前6時、スタッフは愛知県民の森モリトピアに集合する。スタッフは受付をしつつ、毎回、このダモンデの会場でしか会えない人と久しぶりの会話を楽しむところから始まる。私はエースくんやタツマくんといったおなじみの仲間と話しつつ、娘といっしょにボランティアをする鈴木夫妻に娘のことをお願いしておいた。


やがてスタッフミーティングが始まる。Damonde代表の山田さんから、スタッフのみんなに注意事項とメッセージ。

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注意事項はいつものとおり「自分がされたら嫌なことをしない、自身でそうした態度をとらないように心がけること」だ。

 

今回、山田さんが強調したことがある。

 

「困ったときは自分に言ってください。自分が最終責任者として判断・対応し、大会を支えてくれる皆さんへその最終的な責任が及ばないようにします」
山田さんからは、この難しい時代にこうしてここに集まったスタッフのみんなへの感謝と、スタッフとして集まった人々のコミュニティを守ろう、という強い意志が伝わってきた。

元々、地域を盛り上げるべく始まった大会で、運営に関わるスタッフはトレイルランと縁もゆかりもない人がほとんどだった。しかし、そんなスタッフも回数を重ねるにつれ「Damonde Trail」のスタッフのベテランになり、「Damonde Trail」はスタッフにとっても仲間と集まる大事な時間になっていった。
また、多くのスタッフが口にしていたが、スタッフの子供の世代が年数を重ね、成長し、スタッフとして関わるようになってきた。私の長女もその中のひとりだ。「Damonde Trail」はそれに関わる人たちが見守ってきた子供たちの成長を確かめる場にもなってきたのだ。

だからこそ、山田さんはスタッフのみんなを大事にしたい、ということをさかんに口にした。山田さんが守ってくれる、というのはスタッフにとってとても心強いことだろう。

そうしたこともあって、大会スタッフのモチベーションは非常に高く、選手とともに大会を楽しもう、という気持ちが強いのだと思う。
おかげで私が担当するコース誘導のメンバーが非常にしっかりしているので、いつも楽をさせてもらっている。

 

モリトピアでのミーティングが終わり、大会会場へ。

飲食や物販のブースのセッティングが進む。私はお友達のブースに挨拶して回る。

 

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コース誘導のスタッフがある程度集まったところで軽く打ち合わせ。今回、大会の前日まで雨が降り、いつもは涸れ沢を渡る場所が、普通の沢になっており、そこをどのように走ってもらうか、最終的な決定をしなくてはならなった。山田さんからは、沢を渡るのを避け、エスケープルートを取れるように、カラーコーンも配置してあると説明を受けるが、だんだん水位が下がって走れるのではないか、とのこと。

 

他のスタッフと現地に行き、コース誘導のスタッフとどのように走ってもらうか相談する。

 

現場を見ると、なるほど、いつもよりかなり水量がある。ジャンプしたら渡れないことはないが、子供には難しいかもしれない。

ダモンデトレイルは初心者にやさしい大会を掲げており、全体にコースはイージーだ。そんな大会でも、この沢渡りはコース上の重要なアクセントである。

危険があるから、とエスケープルートを使う判断をするのは簡単である。

そんなことを一人で考えていたが、そんな間にコース誘導のスタッフの仲間たちは、あーでもないこーでもないと言いながら、岩を運び、なんとか歩いて渡れる場所をつくっていた。

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ここを担当する中村さんが「必要があれば、沢に入ってサポートもするから大丈夫」と言ってくれたので、全くリスクはないとは言えないが、選手の楽しみの一つにもなるはず、ということで、そのまま行くことにした。みんな選手目線でしっかり考えてくれて本当に有り難い。

 

再び、大会のメイン会場である大芝生広場へ戻る。

山田さんに問題の箇所はそのまま行く旨を伝えた。

コースの状態を心配していたMC早川さんが、「コースどうだった?」と確認してくれる。沢の部分の注意を伝えると、早速アナウンスをしてくれた。

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こうした連携もスムーズなものである。

 

ここでしばらくスタート前まで誘導スタッフは休憩。適宜、朝食を摂ったり、ブースを見て回る。

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そうこうしていると、続々と選手たちがやってくる。

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選手たちはおそろいのウェアを着たり、凝ったコスプレを用意したりと、とにかく大会を楽しもうという意気込みが伝わってくる。そんな選手の様子を見るのはスタッフとしてもうれしいものだ。

 

スタート前に、コース誘導のスタッフを集めて最終確認を行う。

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「Damonde Trail」は救護・看護の体制もしっかりしており、そうした面でもスタッフも安心して関わることができる。


スタート30分前、コース誘導のスタッフはコース内の所定の場所に配置につく。

 

沢のところは山田さんが厚めに人を配置してくれたので、中村さんたちに任せて問題なしと判断し、エースくんがいるコース奥の木の階段が続くエリアに入る。

 

スタート時間の午前10時。スタートを告げる無線が山田さんからコース誘導のスタッフに入る。

 

 

いつもより最初の選手がやってくるのが早い気がしたが、特に大きなトラブルはなく、大会は進んでいく。

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 注意を呼びかけながら、通過する選手を応援していると、常連の選手や友達、前回は一緒にスタッフをした方などが声をかけてくれる。おかげで3時間もわりとあっという間に過ぎていく。

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 終盤で以前から壊れかけていた木の階段の破損があったものの、大きな怪我などで無線が飛ぶこともなく、3時間が経過した。

世代交代したスイーパーが声をかけて通過していく。

 

我々は、コーステープなどを回収しながら、本部へと戻った。


メイン会場の大芝生広場には、3時間を走りきった選手たちの満足そうな笑顔にあふれてた。

 

 

長女はちゃんと働いているかと目をやると、何か片付けを一生懸命やっていた。レース中もあの調子でやっていたのだろう。あとで鈴木夫妻に話しを聞くと「とてもしっかり働いていた」のだそうだ。大人に交じって働くことが刺激になればいいなと思った。

 

いつもコースから戻ると、昼食とお疲れのビール、という流れだが、子供たちに絡まれている間にビールが売れ切れてしまい、買いそびれるという痛恨のミスがあったのは想定外だった。まぁそういうときもある。

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表彰式が始まり、そのまま子供たちお楽しみのじゃんけん大会。

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我が家は次女が大活躍し、かなりいいものをいただいた。

最後に次回のアナウンスがあり、早くも秋が待ち遠しい。

次回のDamonde Trailは10月23日。

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またあの森でみんなに会いに行こう。

名もなき峠と古民家カフェ - 奥三河ライド -

冬のロングライドで膝を壊してしまい、この2か月ほどはあまり自転車に乗っていなかった。

 

膝の調子もぼちぼちかな、と思っていると、頼んであったグラベルバイクのフレームが届いたという。また時を同じくして別で頼んであったホイールも仕上げてくれて、なんとかゴールデンウィーク中に新しいバイクが組み上がった。

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一日自由時間をもらい、さっそく新しいバイクで出かけることにした。

 

最近は奥三河へライドに行くことも随分減ってしまった。久しぶりに会って挨拶したい方もいるし、新しく出来た店もある。私は北に向かった。

 

せっかくのグラベルバイクでのツーリングである。普段は通らない脇道を選んで進んだ。

田んぼの間の畦道が気持ちいい。

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ロードバイクと比べ、アップライトのリラックスしたポジション。のんびり走る感じはなるほどツーリング向きのバイクだ。どうして今までグラベルバイクを組もうとしなかったのだろう。旅のバイクにこんないい乗り物はない。このバイクで長い旅に出たいものだ。

 

久しぶりに桜淵公園に寄る。

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ここは大幅に改修がされ、砂利の駐車場はアスファルトになり、トイレもリニューアルされていた。また「ライド新城」の大きな看板が設置されていた。新城の自転車への力の入れようが垣間見えた。

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桜淵からは道の駅「もっくる新城」へ。

 

観光案内所で奥三河観光協議会の方々にご挨拶をする。最近の奥三河のお話などを教えてもらった。奥三河のことなら、観光はもちろん、それ以外のこともよくご存じの方々である。もっと話していたかったが、お客さんがひっきりなしに訪れていたので、長居せずに次の目的地を目指すことにした。

 

次に向かったのは、県道435号。

新城の広見ヤナの少し先の脇道を行くと峠があると、ある方から教えてもらっていて、一度行ってみたいと前から思っていたのだ。

 

寒狭川沿いに北に向かう。

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目指す県道435号には国道257号からアクセスする。

周囲の田んぼは田植えが始まったばかりだ。この田植えの季節、言い換えればサイクルウェアを半袖にするか長袖にするか悩む季節が、暑過ぎず寒過ぎずサイクリングをするには一番いい季節だ。

 

広見ヤナを過ぎ、しばらく行くと川の対岸に小さな橋が見える。名は島原橋というらしい。

何度も横を通過している橋だが、確かに一度も行ったことはない。

この先は地形的にどう見ても山しかないので、気合を入れる。

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橋を渡るとすぐに立派なお地蔵様がある。頭に毛糸の帽子を被っているところを見ると地域から大切にされているのだろう。田舎では珍しくない風景だ。だがこうした当たり前の田舎がそのままあるところが奥三河の良さだと思う。

道は予定通りなかなかの上り。

思いの外早くに軽いギアを使い切ってしまった。今回、グラベルバイクを組むに当たって、ロードバイクから外したコンポをそのまま載せ替えたが(50-34×11-28)、軽いギアが全く足りなかった。

諦めてダンシングを織り混ぜながら何とか上っていく。

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GPSのマップデータを見ながら走るが、なかなかピークにつかないので、弱音を吐きながらペダルを踏み続ける。

何度も引き返そうかと思ったが、何とか道の分岐まで辿り着く。

右へ行けば、海老集落でおそらく下りの遠回り。正面を行けば上りの近道。

次にいつ来られるか分からない、そう自分に言い聞かせて、正面の道を行く。

分岐を進んですぐ、またなかなかな斜度の上りが現れ、この道を来たことをすぐに後悔する。

少し行くと集落があり驚いた。

まだ奥三河には知らない集落がある。

 

更に北に向かい、いよいよピークが見えて来る。

道の脇に立派な石碑が。

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須山御嶽山という山の登り口らしい。訪れないと分からない場所が多いと今更ながら気付かされる。

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何とか上り切ったようだ。

少し進むと再び集落が。

須山地区というようだ。

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集落の高いところに観音菩薩堂があった。
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最近はこうした古い石仏に興味が出てきた。

いつの時代から地域の人が守ってきたのだろうか。

 

須山からは中々急勾配の下り。

 

稲目トンネルの上を抜け、四谷千枚田方面へ向かう。

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いつもは下からヒーヒー上ってくる四谷千枚田が眼下に見える。そりゃキツい筈だ。参考にコースを載せておく。

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四谷千枚田の入り口の連合地区まで降りてきた。

最近、このあたりにカフェが出来たと聞き、そちらへ向かう。

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古民家カフェたてば、というそうだ。

着いたのは昼頃で、予定よりだいぶ遅い。こちらでは昼前に着いて軽くお茶して次のポイントでしっかりお昼のつもりが、ここまでの道で思わぬ苦戦をして昼になってしまった。

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古民家というにはとても綺麗な建物だ。よほどきちんと手を入れたのだろう。

 

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お店の方が優しく出迎えてくれる。

私は座敷の端に座った。

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店内の装飾もセンスがいい。

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注文を取りに来た女性に「おススメは何ですか?」と尋ねると「珈琲でしたら、メニューのこちらに。そうですね、個人的におススメなのは小豆珈琲ですね。上はブラック、あとは下の小豆を混ぜて味を変えて楽しめるんです。」とのこと。私は小豆珈琲とプラス200円の「たてばセット」の和を注文した。
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お茶を飲みながら何度も「疲れた」と口にする。久しぶりのライドであの道は辛かった。

しばらくして「たてばセット」が運ばれてくる。

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キリッとした白飯のお握りが二つに野菜たっぷりのお味噌汁。そしてお漬物とフルーツ。これで200円は安すぎるのではないか。

 

消耗していた私にはこの正しい和の料理はとても有難かった。ジャガイモ、キャベツ、にんじんなどが入ったお味噌汁は野菜の旨味がしてとても美味しかった。また、付け合わせの漬物の小さなシソ巻きがとても良かった。

私はペロッと平らげた。正しい米とお味噌汁を外で食べるのは久しぶりではないだろうか。

続いて、小豆珈琲。

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お店の方のおススメとは言え、小豆珈琲はどうだろう?と思っていたが、こちらも思いの外美味しかった。

三河にまたいいお店が出来た。

この辺りは飲食店がなく、サイクリストは休憩、食事難民になるので大変有難いカフェが出来たものである。

 

お店の方にお米とお味噌汁が大変美味しかったと伝え、店を後にした。また仲間と来ることにしよう。

 

その後は、予定より時間が押したこともあって、中途半端に昼食を済ませて帰宅した。

 

まだまだ奥三河には行っていないところがあるんだなと、実感した一日だった。

 

 

 

 

半島の先へ - ride with 長女 -

灯台⁈行ってみたい!」

 

長女がそう言ったのは数日前のことだ。

今、豊橋市がやっているイベント「RIDE WITH GPS とよはし」のチェックポイントに伊良湖岬灯台になっている、というのを晩御飯に話していたときだ。

長女は伊良湖岬には伊勢湾フェリーを使ったときに行ったことがあるはずだが、確かに灯台までは行っていないかもしれない。

 

ちょうどジャパンエコトラック関係の事業で、「サイクリング救援タクシー」いうのがあり、一乗車1000円で自転車ごとピックアップしてくれるサービスが2月中旬までやっている、というのを私は思い出した。

 

「またサイクルトレインで田原まで出て、そこから伊良湖岬灯台まで行ってみようか?片道なら30キロで、今まで走ったことある距離だし、帰りはサイクリング救援タクシー使ってもいいからさ。」

私の提案に長女は「行きたい!」と即答した。

かくして我々は伊良湖岬灯台を目指すこととなった。

 

今年の冬はとにかく寒い。

長女と走りに出たのは日曜日だったが、豊橋の自宅を出るときに雪が舞っていた。豊橋でこの調子なら常春の渥美半島でも同じだろう。

他の家族の都合もあって、どうしても他の日で行くことが出来なかった。それでも本人がやるというので、日曜日に決行したのだ。

 

長女と豊橋鉄道渥美線サイクルトレインに乗るのはもう4度目になる。もう慣れたものだ。

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午前9時半。

我々は三河田原駅を出発した。

田原市街から西へ向かう。私は三河田原駅から伊良湖岬までの最短ルートを引いた。私ひとりで走るときは半島の外周をぐるっと回るように走るが、今回は内陸部を行くルートだ。

長女にはあらかじめ、とても寒くなること、灯台まではずっと向かい風であることを説明してある。

 

空はどんよりと曇り、時折雪が吹き付ける。

 

市街地の外れに菜の花畑があり、そこだけ妙に明るかった。

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郊外に出て、周囲がキャベツ畑になると強く向かい風が吹き付けてくる。

少し走り、長女にもう一枚上着を着させた。

 

長女は一生懸命な顔で、頬を赤くしながらペダルを踏み続ける。

 

私は防寒具をいつもより厚めに用意したが、娘のペースに合わせて踏んでいるので、全く身体が温まらなかった。むしろ、手や足先がどんどん冷えていってだんだんと痺れてくる。

 

サイクリストの経験の差は気候に応じたウエアの選択に出ると思うが、私は選択を誤った。

なんとかなるレベルではあったが、薄手の冬用のアンダーウエアをもう一枚着たり、ホットオイルを塗る、という手もあった筈だ。これもまた経験か。

 

20キロほど走ったところでコンビニのイートインで休憩。缶のコーンスープを一本ずつ買った。おかけで長女も私も少し元気が出た。

 

あと10キロ。

 

普段なら勢いで岬まで行くところだが、時速10キロほどのペースで踏み続ける。先が白く見えるとしばらくして雪の中に突入する、というのを何度か繰り返し、ようやく伊良湖岬のフェリーターミナルが見えて来た。

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たかが30キロだが、この寒さと向かい風の中、長女はよくやったと思う。

遊歩道をしばらく行くと伊良湖岬灯台だ。

灯台の前で写真を撮る。長女は満面の笑みだった。その場で妻に写真を送った。

 

伊良湖岬灯台で折り返すと、わかりやすく追い風に変わる。途端にペダルが軽くなり、長女が驚いた声を上げた。

恋路ヶ浜で少し波打ち際を歩く。

長女は波打ち際で遊ぶのが好きだ。

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そのまま浜の向かいにある食堂に入った。

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いつもなら海鮮丼という長女だが、この寒さだ。流石に昼は温かいものを頼んでいた。

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昼を食べながら、この後どうするか長女に尋ねた。

私はもう寒くて仕方なかったので、タクシー呼ぼうかなと思っていたが、長女は意外にも「まだ走れるよ」と言う。

「じゃあ、行けるところまで行こうか。」

 

我々は食堂を出るとそのままビューホテル横の丘を登り始めた。

長女は平地に比べ、登りは割といいペースで上がってくる。

 

丘を曲がったところで止まると私は太平洋岸が一望できるポイントに長女を立たせた。

「ここから向こうを見てごらん。」

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「すごいね!」

「お父さん、ここからの景色が大好きで、自転車で来るたびにここで写真を撮るんだ。」

同じ道のりを自転車でやってきて、長女と感動を共有出来て嬉しかった。

 

ゆっくり坂を下り、サイクリングロードに入る。

風は追い風。かなり陽も出てきて背中があたたかい。

 

「来る時と全然違うね。」

「そうだよ。渥美半島はいつもこんな感じなんだ。」

私は普段どんな感じで渥美半島を走っているかを話ながらゆっくりとペダルを踏んだ。

 

伊良湖岬から先は穏やかに進んだ。

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菜の花ガーデンに立ち寄る余裕も出てきた。

 

一時、サイクリングロードは工事区間が多かったが、一部区間を除いて走ることができたのも、ゆとりのあるライドの助けになったと思う。

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国道42号に出たところで、前に長女と折り返した食堂のところに来た。

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「ここは前に来たところだよ。ここまで来れば帰れるね。」

前は片道15キロしか走っていないので、随分状況は異なるが、長女は見覚えのある景色を見て、

「うん!」と元気よく返事をした。

この調子なら大丈夫、と私は安心した。

 

夕方、無事に三河田原駅まで戻ってきた。

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往復約60キロ。長女は疲れてヘロヘロかと思ったら、割とケロッとしていた。

私はささやかなご褒美に温かい飲み物を渡すと、二人で自転車を押して帰りの電車に乗り込んだ。

「楽しかったなぁ」

あんなに寒かったのに、長女はそう言ってくれた。

次はどこに行けるだろうか。

 

 

 

 

 

昔の習慣 - 南信州へ -

誕生日に一日有休を取った。

特に予定はない。

 

少し遠くまで自転車に乗ろうかとも考えたが、

最近、一人で蕎麦を食べに行っていないな、と思い、小旅行に出ることにした。

子供が生まれる前、私はよく一人で蕎麦を食べに遠くに出掛けていたものだ。

飯山、小布施、更埴、松本、飯田。

車だったり、電車だったり、自転車だったり。ただたいていは信州だった。

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お気に入りの白のトレンチコートとハンチングを身につけると、コーヒーとチョコレートを持ち、車で北に向かった。

 

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若い頃、浜松のホテルで働いていて、疲れが溜まると南信州平谷村にある「ひまわりの湯」まで車を走らせていったものだ。

あの広い露天風呂が大好きなのだ。

 

走り慣れた奥三河の道をあまり考えることもなく北に進む。

 

夕方、家族との約束があるので、あまり遅くに帰る訳にはいかないが、下調べも何もなく行ける平谷村あたりなら、問題なく帰って来られるだろう。

 

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設楽町田口でスーパーの前を通過して、「あ!」と思い出し、慌ててUターン。

今年の設楽町のヒット商品「田口塩鶏」が売られているのだ。長女が美味しいと喜んでくれたので、少し買うことにした。

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設楽町のあたりはダム工事のせいか大型の工事車両が多かったが、道の狭いところでは譲ってくれたりととても感じが良かった。

 

道の駅津具グリーンパークで休憩。

大根が2本で120円と安い。家の大根の在庫が思い出せなかったが、次女がいくらでも食べるから買って帰っても大丈夫だろう。

 

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ついでに田口塩鶏のマッチが売っていたので、こちらも購入。昔はレストランやカフェのレジ横でマッチを置いて、土産がわりに集めていたが、そういう店はほとんどなくなってしまった。

 

しばらく車を走らせると長野県に入る。

妻の好きな吉澤嘉代子のアルバムがずっと車内でかかっているが、悪くない。

 

県境の村、根羽村の役場に車を停める。

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役場は移転したらしい。まだ私が高校生の頃、ヒッチハイクでここまで来たことがある。ちょっとした思い出の場所だ。

 

昼の蕎麦屋を調べると平谷村に「侍」という店があるようだ。お腹が空いてきたので、温泉の前に蕎麦屋に行くことにする。

 

道は国道153号に入り、道が広くなりとても走りやすい。信玄坂を上っていく。いつだったか、400キロのブルベでここを走ったな。また少し一緒に走ったブルベのヒーローのことを思い出した。

 

平谷村に入る。

蕎麦屋「侍」は平谷村から隣の売木村に向かう道の途中にあった。

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しかし、冬季休業中であった。

 

「やれやれ」

 

スマホ蕎麦屋を調べると治部坂峠のあたりに店があるようだ。車をUターンさせると、治部坂方面に向かった。

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「治部坂十割そば」というストレートな名前の店に入る。数年前には土産物と食堂だった店だ。

 

中に入ると今は蕎麦屋しかやっていないようだった。

標高1000mを超える治部坂峠はさすがに寒いが、ここは天ざるを注文。

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蕎麦を待つ間、柳宗理のエッセイを読む。最近、デザインに興味が出てきたので面白い。

 

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蕎麦が来た。十割蕎麦はつなぎがない分千切れてしまいがちだが、綺麗な仕上がりだ。

サラサラと入っていく。

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天ぷらの盛り合わせにはリンゴの天ぷらがあった。

「お塩でどうぞ」と言われたのでそのようにたべたが、ほとんどアップルパイの感覚だ。まあ名物、ということだろう。

次の機会にはもっとストイックな蕎麦を食べに行こう。

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家族の土産にと、治部坂十割そばの道を挟んだむかいにある治部坂高原ジャム工房に行くが休業日であった。コロナの影響が各所にあると今更ながら実感した。
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しばらく周囲を散策する。

寒さが徐々に身に染みてくるが、こういう感覚は久しぶりだ。寒さ、寂しさ、悲劇の感覚、そうしたものがときどき恋しくなるのは何故だろう。

 

治部坂を離れ、目的のひまわりの湯に向かう。


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かつてはよく通った広々とした温泉は、昔と変わらず私を癒してくれた。

あとは帰るだけだが、寄りたいところがあった。

平谷村売木村の境にある平谷峠である。

ここもいろいろ思い出のある場所だ。

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峠からの景色がいい。

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平谷峠を下り、売木村に入る。

売木村は私が一人旅を始めたときに訪れた村で思い入れのあるところだ。

お気に入りだった漬物屋がなくなっていたのが残念だが、新野峠に向かう景色は相変わらず美しい。

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気が向いたらまた来ることにしよう。

 

私は県境の新野峠を越え、家路についた。

 

 

 

長女、砂浜、メロンジュース、海鮮丼 - GO!GO!!サイクルスタンプラリー -

田原市の道の駅がサイクルスタンプラリーをやっているという話を聞いて、夏の始まる前にチラシをもらってきた。

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イベントの内容を見ると渥美線サイクルトレインを使うのが条件だったので、少し走れるようになってきた長女に「やってみる?」と聞くと「やってみたい!」とすぐ返事が返ってきた。

 

夏の間は子供を連れて長時間のライドという訳にもいかないので、タイミングを探っていたら、この時期になってしまった。

 

スタンプラリーは自転車で「渥美半島どんぶり街道」のお店や公共施設や体験スポットなど、立ち寄り場所を廻ってスタンプを4個集めると賞品が当たるかも、というもので、レンタサイクルを使うAコースとサイクルトレインを使うBコースがあり、私たちはBコースのサイクルトレインを使うコースにした。

 

見開きのチラシがスタンプの台紙になっており、Bコースは豊鉄のモバイル乗車券を利用すると、別の賞品が当たるかも、と書いてあった。

 

モバイル乗車券って何だ?と思って少し調べると「RYDE PASS」というアプリでスマホで決済し、事前購入、使う際はスマホを駅員さんに見せて使うというもの。

今回、このイベント用のチケットは渥美線の一日フリー切符とサイクルトレインの料金込みで、また道の駅で特典が受けられる。

 

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一日乗車券は割高かと思ったが、料金は大人1100円で、豊橋からサイクルトレイン利用で往復であればこちらのチケットのほうがお得だ。

ただ特典クーポンのロコステーションあかばねでの鉢物植物などの割引10%は荷物が持てないサイクリストには意味のないものだと思う。

 

始めてモバイル乗車券で渥美線に乗る。

新豊橋駅では、年配の駅員さんが少し戸惑っていたが、スマホの画面見せるだけでいいので、サイクルトレイン乗る時には手間がなくていい。

 

長女と田原にツーリングに行くのは風の強かった3月以来だ。

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30分少々で三河田原駅に到着。

早速、スタンプを押してもらう。

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駅の外に出ると、向かいの「ララグラン」という施設でキッチンカーが並んでいた。長女が見たいというので、そのまま寄ることにした。ランチの店は長女のリクエストで予め決めてあったので、さらっと見て回るだけにした。

敷地内の子育て施設「すくっと」がスタンプラリーの対象施設になっており、公共施設のスタンプを押してもらうことができた。

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さてここからがツーリングである。

まずは道の駅ロコステーションあかばねに向かう。

春に来た時は強風で長女が自転車嫌いになるのではと心配したものだが、風はほとんどなく、順調に進む。

 

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太平洋ロングビーチへの急な坂を降りていく。

長女がビーチで遊びたいというので、自転車を置いてビーチに出た。

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ビーチには釣り人が等間隔で並んで竿を出していた。

長女は久しぶりの砂を踏む足の感覚を楽しんでいるようだった。

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波打ち際に行くと、何度も波と追いかけっこをしていた。

もっと海に連れてきてあげればよかったな、と思った。

 


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正午を告げる放送がなる頃、ビーチを離れて西を目指す。

波間に浮かぶサーファーや、道に並ぶ彼らの車を横目にサイクリングロードを進んでいく。

子供連れのサーファーも多い。

サーファーの子はサーフィンに。サイクリストの子はサイクリングか。


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ロコステーション赤羽根に到着。
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道の駅のスタンプを押し、あとはどんぶり街道のスタンプを残すのみ。

長女がアイスの自販機で「アイスが食べたい」と言ったが、昼ご飯前だからダメと我慢させた。


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しかし、生メロンジュースが500円のところ300円に割引されているのを見つけ、「これならいいよ」と思わず言ってしまった。

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生メロンジュースなのだから当たり前だか、メロンの甘さと風味が凝縮されていてとてもリッチな味わいだった。

長女はよほど美味しかったのか、名残惜しそうにほとんど空になったジュースをストローで吸っていた。こういうところは私に似たのだな。


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道の駅から先のサイクリングロードは記憶にあるより走りやすかった。車が来る心配がないので子供を連れて走るのには安心だ。

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サイクリングロードを離れ、目的のお店に到着。

 

しかし、ついた時間が遅かったせいか、営業していなかった。

長女に少し補給食を食べさせると再び来た道を引き返す。

お腹が空いた長女と私は、まずまずのペースで赤羽根の市街地まで戻る。
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結局、遅くなったお昼は、長女の希望で春に来たときと同じ「サーフィン」の海鮮丼になった。


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もう午後2時を回っていたが、店には多くのサーファーがひっきりなしに訪れていた。

長女は春に来たときは、一人前を食べきれなかったが、今回はデザートのみかんを残し、海鮮丼をペロリと平らげた。お腹も空いていただろうが、それだけ食べられるようになったということだろう。

会計の際、どんぶり街道のスタンプを押してもらい、スタンプラリーのスタンプが揃った。

 

昼食後、国道42号を東に向かい、田原の道の駅「めっくんはうす」に行く。ここでスタンプラリーの台紙を提出し、アンケートを記入する。

何か当たるといいのだが。

 

帰りのサイクルトレインに乗るころには暗くなり始めていた。

電車に揺られながら、今回のスタンプラリーは結果的に前回と同じ海鮮丼ライドになってしまったが、海鮮丼を口実にたまにこうして長女とライドに行けるならそれはそれでいいかな、と思った。

そのうち伊良湖岬に海鮮丼を食べに行けるようになるのだろうか。

 

チタンクランク- cane creek eewings -


今回のブログは普段の内容と異なり、ロードバイクの機材の話である。かなり専門的な話になるので、タイトルの内容にご興味ある方だけご覧いただきたい。

 

わざわざ私のブログでこのような話を書くのは、今回導入したクランク、cane creekのeewingsに関する情報がほとんどなく、どういう製品で、どのように取り付けるのか、実際のところどうなのか、まとめておく必要があると思ったからである。

もし、導入を考える方がいて、参考になれば幸いだ。

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私はクロモリのロードバイクに乗っており、クランクは6800のアルテグラを使用していたが、かねてからシルバー系のクランクを使いたいと思っていた。買い替え候補として、muller、ワンバイエスなどが上がったが、どれも決め手に欠けていた。cane creekのeewings は欲しいとは思っても買うには抵抗のある値段だったが、春にあると噂されていたデュラエースの発表がなくなったことで、eewings の購入に舵を切った。

 

eewings にはマウンテンバイク用とオールロード用があり、cane creek 製ということでマウンテンバイク用はそれなりに出ているようだが、ロードに付けているのはほとんど見当たらない。マウンテンバイク以外で使用しているのはプロンプトンなどの小径車のカスタムがほとんどだった。

 

いざ買うと決めて、いろいろ調べてみたが、分からないことが多い。

スピンドルは30mmで、cane creek から専用BBが発売されているが、他社のBBでも使えるのか、またカタログにあるプリローダーは付属なのか別売りなのか。

結局、BBはクリスキングを使っているYouTubeを見つけたので、こちらはクリスキングを手配。

プリローダーは昔からお世話になっているショップ「カントリーモーニング」を通じて代理店に確認したところ、クランクに付属するとのことであった。

あわせて、カントリーモーニングに在庫の確認をしてもらうと、代理店の在庫は欠品、8月末の入荷とのこと(問い合わせは6月)。

 

eewings の対応チェーンリングだが、スラムのダイレクトマウントを採用しており、ダブルで使用する場合には別途、スパイダーアームが必要になる。私はこのスパイダーアームもクランクと合わせてショップさんに注文した。

 

コロナ禍で物が入ってこない自転車業界だが、クランクは予定通り8月後半に届いた。

 

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だが、スパイダーアームは予定通り届かなかった。翌9月末の入荷となるらしい。しかし、その後「来月末になります」という連絡が入り、その後も更にさらに同じ連絡がカントリーモーニングから届いた。連絡してくれる店長さんも非常に申し訳なさそうだか、店長さんが悪いわけではない。

 

もしからしたら、スパイダーアームはこのまま入ってこないのでは?と心配になった私は、海外通販サイトを探し、一箇所だけ在庫を持っているところを見つけた。ただし、欲しかったチタンカラーではなく、オイルスリックだったが。

 

少し送料が嵩んだが、スパイダーアームが注文から一週間ほどで到着。

オイルスリックの色味が心配だったが、裏はいわゆるオイルスリックの派手な色、表はそこまで派手な色ではなかった。

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スパイダーアームが届き、早速、用意していたチェーンリングを取り付ける。アウターは私がお世話になってるもう一つのショップ、Glocalbikeの店主、バスマンさんから提供してもらったFSA、インナーはAmazonで買った6750のアルテグラである。

余談であるが、クランク本体を買うと、組み付け用のチタンプレップが付いてくる。

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アウターがやや重い印象だが、それでも全体重量としてはデュラエースより軽い。

 

そして、いよいよ組み付けである。

 

組み付けはクリスキングのBBを注文したGlocalbikeのバスマンさんにBBの交換と共にお願いした。はじめは、BBさえ交換してもらえれば、あとは自分でやればいい、と思っていたが、予想以上に細かいところで調整が必要だったので結果的にやってもらってよかった。


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まず、シマノとの大きな違いとしてスピンドルが24mmから30mmになるため、当然BBの外径も大きくなる。これまではシルバーカラーのBBを使用していたが、細いクロモリのフレームに合わせたときに目立つのが心配だったので、フレームと同系色のネイビーをチョイスした。

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BBを交換してもらい、いざ、クランクを入れようとするが、入らない。私のフレームがクロモリという特質上、パイプが薄いせいだと思うが、BB下のワイヤー受けのネジの出っぱりが左右のBBの間のスリーブに干渉していた。

バスマンさんはすぐさまワイヤー受けのネジにワッシャーを足し、短いネジに交換してくれる。

 

ネジの問題は解決したが、それでもまだ上手く入らない。そもそもどうも入口のところでスリーブが当たるようなので、自己責任でスリーブを外してBBを取り付けたたころ、上手く入った。

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バスマンさんは説明書に書かれた締め付けトルクにしだかって一度仮組みをし、フロントディレーラーを微調整。変速調整をしていたバスマンさんがクランクを回しながら「手で回した感じが軽い」と驚いた様子で言った。

 

また、プリローダーでガタがないよう締め付け具合も調整してもらうが、BBとクランク軸の間が隙間がややあったので、ノンドライブ側にBB付属のスペーサーを入れてもらった。

 

 

 

作業用スタンドからバイクを下ろし、バイクを見てみるとチェーンリングのせいもあってか、なかなかマッシブな見た目になった。

 

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ペダルを付けてもらったときに気が付いたが、ペダルを付ける部分の溶接がクランクより少し出ていること、それからクランク自体がやや厚みがあるので、シマノと比べてQファクターが広くなっているようだ。

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まだビンディングシューズで乗っていないが、クリートの調整は必要だろう。もっとも、私はタイムのペダルを使っていて、これ以上Qファクターは狭くならない。

 

とりあえずGlocalbikeの周囲を普通の靴で軽く乗ってみたが、少し乗った感じでは硬さを感じるというより、ダイレクト感が増し、軽量化した効果か回しやすくなったと思う。

 

諸々の使用感は週末のライドで確認することとしよう。

 

実際に組み付けるまで長い道のりだったが、なんと言っても見た目が非常によい。とりあえずはそれで十分である。

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BRM100周年記念ブルベ - cycling東三河 -

「来年9月11日にフランスで最初にBRM200kmが開催されてから100周年を記念するブルベをやります。
コースは2015年の伊良湖コースです。
ブルベカード、メダルは、100周年記念の特別バージョンになります。
予定が合えば、久々に走ってみませんか?」

 

愛知県でブルベを主催する「ランドナーズクラブ名古屋」の代表、金井さんからそんな誘いのメールが来たのは昨年のことだった。

 

ブルベ(Brevet)とは「認定」という意味のフランス語で、自転車で規定の距離を制限時間内に完走すると認定がもらえる。基本は200キロ、300キロ、400キロ、600キロ。1年に4つの距離を完走すると「シューペル・ランドヌール(SR)」と認定される。日本では北は北海道から南は鹿児島まで、20以上の団体がブルベを主催している。

 

私は2010年頃からしばらくランドナーズクラブ名古屋の手伝いをさせて頂いていたことがあり、代表の金井さん、一昨年亡くなられたロングライドの巨匠石原さんと3人でよく試走に行っていた。

 

これまでに600キロを2回完走し、SRも2回獲得しているが、6年前を最後にブルベに出なくなってしまった。

その頃、3人目の子供が産まれる前で、子育てが忙しくなってきており、自分の為だけに休日の長い時間をブルベに使うことへの抵抗感と、ブルベへの慣れからそれまで持っていたロングライドへの情熱を失ってしまったのだ。

 

「ブルベか。」

一瞬、石原さんの顔が浮かんで、参加する旨、金井さんに返事をした。

 

それから半年以上経過し、9月の開催予定がコロナの影響で延期。夏の間、長距離を全く乗れてなかったので、この延期は正直ありがたかった。

 

**************

 

ブルベの朝は早い。

スタート地点である豊田市柳川瀬体育館駐車場に着くと多くの選手がすでに会場に集まっていた。バイクを準備していると声をかけられた。bucyo coffee/clt cycling teamの川合さんだ。聞けば今回ブルベ初参加という。声の調子から、ワクワク感が伝わってくる。

 

そう、このワクワク感だ。

 

黎明と共にスタート前のブリーフィングが始まる。

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出遅れた私はブリーフィング終わりの集合写真だけ何とか写ると、金井さんから車検を受けた。ライトやベルなど、必要な装備品がないと出走できないルールなのだ。

 

スタート時間になり、続々と選手がスタートしていく。見送りに来ていたTamo くんが写真を撮ってくれた。

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私は今回、後ろからスタートしてのんびり回ろうと決めていた。最近、100キロを超えると途端に踏めなくなり、早く出ると周りの選手のペースに飲まれて無駄に足を使ってしまうのではないかと思ったからだ。

 

最初はそんな思惑があったものの、気づけばスタートに残った出走者は金井さんと奥さんのいずみさんのみ。

結局私は2人についていく形で6年振りのスタートをした。

今回の200のコースは豊田市をスタートし、旧東海道を南下、豊橋から三河湾から渥美半島を西に向かい、伊良湖岬へ。伊良湖岬からは一気に東進し、浜名湖の南側、新居町まで出て、そこから折り返し再び豊橋から豊田に戻るというもの。

渥美半島の風が西から吹くのか、東から吹くのか、それによって状況は大きく変わる。

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今回のルートの多くはかつて私もブルベでよく走ったルート。金井さんと思い出話をしながらペダルを踏む。それからこの数年で更新した機材の話なども。この感じの全てが懐かしい。

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ふと思った。金井さんと知り合ってもう20年になるのではないか。そして金井さんの後ろを何百キロも走ってきたのだ。懐かしくもなるはずだ。

 

我々は順調に進み、PCと呼ばれる最初のチェックポイントのコンビニへ。ブルベでは指定のコンビニで買い物をし、そのレシートの時間で、チェックポイントの通過時間とされることが多い。

 

コンビニの後、いずみさんが後ろに離れていくが、金井夫妻はいつもこのようなスタイルらしい。いずみさんはマイペースで走るのがいいようだ。

私はそのまま金井さんについて走り、スピードの出る区間で時折り前を交代しながら進んだ。コンビニでの休憩を挟みながら、途中で合流したHさんと共に田原市の江比間にある「清水屋製菓舗」へ。

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ここは最近のお気に入りのお店である。

何と言っても補給食の自販機がある。

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こちらについては以前のブログを参考にしていただきたい。

https://independent-traveller.hatenablog.com/entry/2021/09/07/215957

 

また清水屋製菓舗さんは

東三河たまごサンドプロジェクト」https://fujii563.wixsite.com/mysite-1

というものに参加しており、特製のたまごサンド、出汁巻きたまごかつサンド380円がある。今回はこちらを購入。

ご主人はサイクリストだそうで、会計のときに「サイクリスト割引きさせていただきますね」とそのままの値段でもお買い得なサンドを更に割引きしてくれた。サイクリストに優しいお店である。また来よう。

 

後ろを走っていたいずみさんは、清水屋さんはスルーして、追い風に乗って走り抜けて行った。

 

次のチェックポイント、伊良湖クリスタルポルトまであまり時間はかからなかった。

追い風で時速40キロを軽く越えた。私はクリスタルポルトからの折り返しを警戒したが、そのままペダルを踏んだ。

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伊良湖クリスタルポルトに到着。

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何人か選手の他に、同じ日に開催されていた「渥美半島ぐる輪サイクリング」の参加者の姿が見えた。

イベント日和のいい日だ。ただ、いつもの伊良湖岬と変わらず風は強い。

いずみさんと合流し、軽めの食事。

清水屋さんのたまごかつサンドは金井夫妻にも好評だった。
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それまで一緒だったHさんはこの先の区間の向かい風を警戒して、休憩もそこそこに先に出発して行った。

食事を終え、我々も出発。

今度は太平洋岸を東へ。予想通り向かい風が強い。

この先、浜名湖の南、新居町までの50キロ区間はアップダウンの続くところで、そうでなくても辛いルートだ。しかもこの向かい風である。

ここは耐えるしかない、そう決めて金井さんと二人で走り続けた。

時速が20キロ程度まで落ちる。先頭交代しながら何とかそのペースを維持した。途中、何人かの選手を抜いていく。二人の力は強い。

ひとりだけ、先に見えるライダーで全然追いつかない人がいたが、信号待ちで捕まえてみると、なんと友人のエースくんだった。なるほど伊良湖は彼の練習ルートである。

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豊橋の伊古部にあるコンビニで休憩。いずみさんが追いつくまで休憩できること、ここが一番耐えるところと思い、ここまで来たが、まあまあボロボロだった。プリンやコーラを補給で取る。
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やがていずみさんが合流し、しばらく休憩して更に東に向かう。

相変わらずアップダウンと向かい風だったが、伊古部までの区間を思えば、まだマシであった。

PCである新居町駅前のコンビニに到着。時間的にはまだゆとりがある。

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ブルベ中の補給は欲しいと思うものを買うようにしているが、今回のヒットはこのクレープアイスだ。もっとも消耗が過ぎると胃腸をやられて補給ができなくなることがあるので、注意は必要だが。

 

ここまで向かい風だったが、折り返しの新居町からは待望の追い風。

順次に進む。

コース上にあるバイクショップ、カントリーモーニングでは店長さんとお客さんが応援してくれていた。こういうのは本当に嬉しい。
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豊橋市内のコンビニでレシートチェックを済ませると、あとはゴールの豊田に戻るだけである。
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やがて陽が傾いてくる。

ああ、そうだ、ブルベは夜を迎えて走るのだ。

こうして夜がやってきて、暗闇の時間、自分のバイクのライトの灯りだけを頼りにひたすらペダルを踏む。いつまで道が続くのか、どこまで登るのか、道は間違えていないのか。

そうした不安と常にやってくる空腹感と疲労感と闘っているうちに、やがて薄っすら空の端が明るくなる。

眩しい朝日に包まれて、美しい朝の訪れに感動しながら、だんだん強くなる眠気の中、ただただペダルを踏むのだ。

 

ブルベの感覚がまた一つ蘇った。

 

その後、我々は大きなトラブルもなく、無事にゴールのコンビニに到着した。


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時間にこだわらなけば、まだロングライドも難しくない、そう思った。

スタート地点の柳川瀬体育館の駐車場でブルベカードを提出し、完走メダルを受け取った。


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一緒に走っていただいた金井夫妻にお礼を言い、会場を後にした。

 

私は一人、日帰り湯に寄り、そのまま王将で晩御飯を食べた。

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いつも名古屋のブルベが終わるとこの流れで巨匠石原さんとその日のブルベについて、どこか辛かったとか、補給がどうだったとか、そんな話をしていた。

そして満面の笑みで高校生みたいに盛り喰いする石原さんを散々茶化したものだ。   

 

「石原さん、今回も完走できましたね。次のブルベもよろしくお願いします。」

 

空いた器を前にそう呟いて、王将を出た。

 

 

 

 

とよはしサイクルマラソン- 奥三河ライド -

久しぶりにイベントに参加した。

地元の豊橋自転車競技協会主催の「とよはしサイクルマラソン」である。

この大会は前身の大会である「とよはしとよねサイクルマラソン」、さらにその前は「とよはしとみやまサイクルマラソン」として開催されていた大会が一昨年から現在の「とよはしサイクルマラソン」として開催されている。

昨年はコロナの影響で中止であったが、今年は無事に開催された。

私は前身の「とよはしとよねサイクルマラソン」は夏の年中行事として毎年参加していたが、現在の大会になってからは初参加である。

 

スタート地点は豊橋競輪場

今回はいつもお世話になっている「Glocalbike」の仲間も参加。

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受付を済ませるとゼッケンを受け取る。ゼッケンは前の大会からずっと変わらない。

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豊橋競輪場の場内で簡単な大会説明を聞くと、競輪場内をひとまわりしてからスタート。


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まずは新城市南部の道の駅「鳳来三河三石」に向かう。

ホームコースである県道81号を北へ。

新城市に入ると収穫を待つ稲穂が道の両側に広がる。

朝日を浴びながら、秋晴れの青空と黄金色の稲穂の間を走り抜けていく。

気持ちのいい日だ。ライドにいい日とはこういう日だろう。

田園地帯を抜け、峠道に入る。

Glocalbikeの走行会で一緒に走るoknoくんに引いてもらいながら、福津峠を登っていく。ここはGlocalbikeの走行会でもよく使うところだ。

峠を超えると川沿いの道を調子よく降っていく。

 

最初のチェックポイント道の駅「鳳来三河三石」に到着。
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チェックポイントはセルフチェックとなっており、自分の名前にチェックを入れた。
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まだ序盤だが、早速、補給が配られる。最初の補給はブラックサンダー鬼まんじゅうだ。
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この先の消耗具合が何とも言えないので、いただいた補給はその場ですぐに食べた。

最初のチェックポイントからは、本長篠を経由し、国道257号線を北上して行く。

 

途中から、Damondeクルー御用達の旧田口線廃線跡に入る。ウェットで苔むした路面が少し心配だったが、問題なく走り抜けた。
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次のチェックポイントは、四谷の千枚田f:id:independent-traveller:20211003125323j:image

何度訪れても、四谷の千枚田の景色は壮大である。秋の晴天の日に来ることができてうれしい。
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仲間とサドルトークをしながら、ゆっくり千枚田の間を上っていく。すでに稲刈りは終わっていたが、稲刈りが終わった後の棚田の風景も美しかった。
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Glocalbikeの仲間のTさんは少しクラシックなコルナゴで参加。素晴らしくカッコいい。

 

四谷の千枚田から仏坂峠に向かう峠道を走っている頃はまだ余裕があった。

oknoくんと「ここって、そろそろ終わるかな、と思うと同じようなコーナーが続くんだよね」などと話しながらペダルを踏んでいるとトンネルが現れる。すぐに次の頂上のトンネルに到着。

峠道は軽くトークしながら登るくらいが丁度いい。f:id:independent-traveller:20211003125335j:image

Glocalbikeの仲間が揃ったところで、峠を下る。

前にここに来た時、友人のタイヤがパンク&バーストしたので、注意しながら進む。

 

3つ目のチェックポイントは設楽町の旧神田小学校。

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ここにはなんだかんだで、年に一度くらい来る気がするが、少し久しぶりだ。

このエイドでは大福が出た。

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昼食のエイドまで小一時間ほどだが、大福を手に取った瞬間、柔らかくてこれは美味しそうだと、後先考えずに食べてしまった。

神田からは川沿いに東に、東栄町に向かって走っていく。ここはDamondeのメンバーとはよく走る定番コースなので、心配はない。

はじめは道幅が狭く、木々に覆われた川沿いの下り基調の道だが、東栄町に入ると道が川から離れ、空が広くなる。

東栄町の「月」という地区だが、この道を勢いに任せて走っていくのは本当に気持ちがいい。

私はその勢いに任せてペダルを踏み込んだ。

 

国道151号線とぶつかったところで南へ。

途中、お友達のおうちがやっている無人販売所に立ち寄りオクラを購入。

休憩しているときに見たインスタで、今日の野菜のラインナップが紹介されていたのだ。天狗ナスが欲しかったがもう売り切れていた。さすが人気の無人販売所、尾崎ファーム。

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無人販売所から少し行くと昼食会場の東栄町花祭り会館に到着した。
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屋外に設けられた昼食会場には席ごとにパーテーションが立てられていた。

 

会場には、東栄町のサイクリングでお世話になっている役場の山下さんと東栄町観光まちづくり協会の伊藤くんがお腹を空かせたサイクリストたちのお世話をしていた。

 

「来るんじゃないかって話してました。」

こうして東栄町のお友達におもてなしして頂けるのが非常に嬉しい。

 

チェックポイントのセルフチェックを済ませるとそのまま昼食が配られる。
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昼食は東宝苑さんのお弁当と豚汁。

お弁当はどこかな、と楽しみにしていたので受け取ったとき思わず「あ、東宝苑だ!」と言うと豚汁をつけてくれた女性が「ご存知ですか?」と聞いてくれたので、「ボリューム満点のランチをいただいたことがありますよ。」と答えた。

「もうすぐ椎茸狩りが始まりますので、ぜひいらしてくださいね。」とのこと。

こういう会話も久しぶりだ。

お弁当は肉厚の椎茸が煮物や炊き込み御飯のおにぎりなどに入っていて、とても美味しかった。

これから肉厚の椎茸がサイクルマラソンの名物になるかもしれない。


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昼食を終え、山下さんと伊藤くんと話す。

「シマダさん、ぜひぜひこちらを」と山下さんに勧められるがまま、冷たい緑茶をいただく。

すっきりとしたまろやかなお茶。

「美味しいね!」私が言うと、伊藤くんが教えてくれた。

「これは川根園さんのお茶ですよ。水出しにすると最高です。とうえい温泉でも買えますよ。」

次にとうえい温泉に行くときはぜひ買うことにしよう。

 

昼食会場から先はひたすら国道151号線を南に向かう。

午後になり、暑さが増してくる。

10月とは思えない暑さだ。

とよはしとよねサイクルマラソン時代の8月の炎天下に比べれば、かなりマシだが、それでも十分こたえる暑さだ。

Glocalbikeの仲間とは途中の三河大野のコンビニで合流する約束をして進む。

東栄町新城市の境、池場の坂あたりから、ほとんど踏めなくなってしまった。

仲間から離れてひとり耐えながらペダルを踏んだ。

コンビニ休憩後もあまり状況は変わらない。午前中の調子の良さが嘘のようだ。


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ゴール手前最後のチェックポイント、桜淵公園に到着。


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補給にバナナをもらう。

コンビニしばらくで別れた仲間と再び合流したが、またしばらくで一人旅になる。下半身の疲労感が激しい。ペダルを踏む力が入らない。

この一年、100キロ超えのライドはほとんどしていないツケがきていた。来週、ブルベの100周年記念大会200キロに出場する予定だが、とても完走出来る気がしなかった。

踏めない足で騙し騙しペダルを漕ぎながら

「石原さんならどうするだろう?」と

2年前に他界したロングライドの巨匠のことを思った。

 

あの人なら、リタイアしても困らない準備をした上で、今できる最大限のことをして、少しでもゴールに近づこうとするだろう。

 

ゴールまで10キロほどになった頃、下半身の疲労感が抜けてきた。

 

来週のブルベはどうなるか分からないが、万全の準備をして悔いなく走ろうと決めた。

 

道はやがて豊橋の街中に入っていく。

住宅地の間を抜け、ゴールの豊橋競輪場が見えた。

先にゴールした仲間達が「お疲れ様!」と声をかけてくれる。

 

久しぶりの100キロ超えのイベントライドは無事に終わった。

ほとんどがホームコースといえるルートだったが楽しめたライドだった。また来年も参加しよう。

 

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参加賞は道の駅とよはしで買える豊橋の特産品だった。以前はサイクル用品のくじ引きだったが、随分変わったものだ。このほうが断然いい。

 

帰宅後、私は子供に参加賞を渡すとすぐにシャワーを浴び、日の高いうちからビールを開けた。

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火照った体に冷たいビールが沁みる。

来週のブルベはどうなるか分からないが、万全の準備をして悔いなく走ろうと決めた。