定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

Fireweed lodge 2006年7月29日

体調がイマイチすぐれなかったが、動けないほどではなかったのでHealyを後にする。

体調によってはもう一泊しようかとも思ったが、
キャンプ場の宿泊料も安くなくシャワーも水しか出ない。
唯一のいいところはクマの心配をしなくていいぐらいだった。


10時を過ぎたころ、雨が降り出す。
自転車で走っていて辛いのが雨だ。
体調がすぐれず、頭がぼーっとする上、雨で気分は相当憂鬱だったが、
Healyから20マイルほど一気に走った。

June Creekという川のほとりの休憩スペースで休む。
自転車で走っているととにかくお腹が減る。

朝食は海外に多い薄いスライスのトーストを2~4枚食べるが、
昼前にお腹が減るので
休憩ごとにミューズリーバーを齧るのと、
昼食前に少し長めの休憩を取ってインスタントラーメンをよく食べた。

この日もここでラーメン休憩をした。
アラスカでは日本よりも一回り小さいマルちゃんがスーパーで販売しており
いつも持っていた。
なぜかデナリではアンカレッジより安く売っていたので、たくさん買い込んでいた。
たいてい1~2個を昼食間の休憩で食べていた。
旅の中、調理の手間のかからないインスタントラーメンは有難かった。



さらに20マイルほど進み、Fireweed lodgeというところに着く。
私が使っているガイドブック『Milepost』によれば、食事が出来るようだ。

ただ、開店時間前で開店までしばらく待った。

店は中年のいかにも、といった女性が経営していた。

Traditional Breakfastとコーヒーを注文する。
「どうぞ、これがママの味よ」と料理を出してくれた。
とても感じのいい店だ。

コーヒーのお代わりを頼むと
店の女性は「ここはあなたのホームよ」と言ってコーヒーマシンを指さした。
私は笑ってコーヒーをお代わりした。
とてもくつろぐことが出来、日記を書いた。

店の女性と話す。

近くのClearという街は軍事基地の街で普通の人が行っても何もできないらしい。
日本に帰ってから調べるとロシアと東アジアの戦略的な基地であるということだった。
アラスカにはいろんな顔がある。

Fireweed lodgeからほど近いParks Hwyから少し離れたAndersonというところで
野外フェスのような「Bluegrass Festival」があるらしく、
ここでテントを張っていいから、行ってきたらと言われたが
体調がすぐれないので断ってしまった。今思うともったいなことをした。


Fireweed lodgeを後にし、この日の目的地、Nenanaに向かう。

途中、火事があったのか黒く焼け焦げた森を抜ける。
比較的、最近まで燃えていたのか焦げ臭い。
アラスカ・カナダでは森林火災はしばしばあるらしい。

Nenanaに到着。

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ビジターセンターがキャンプ場の受付になっていた。


体調もすぐれないので二泊することにした。


旅はまだ長い。


ビジターセンターの眼鏡の老人に二泊することを告げ、お金を払う。
ランドリーのある建物は番号式の鍵がかけてあるということで解除番号を教えてもらう。
毎日変更しているので、明日の番号はまた教えてくれるそうだ。


Nenanaはメインストリートに数軒の土産物屋とジェネラルストアが一軒、
あとはガソリンスタンド、カフェがあるぐらいだった。
キャンプ場はメインストリートから少し入ったところにあった。

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わずかな人口と最小限の店。
Nenanaに来たときは「これがアラスカか」と思っていたが、
その後足を踏み入れることになる極北にこれだけ揃っている街はなかった。


キャンプ場には私のほかに二組の年配の夫婦がいるだけだった。



一組の夫婦と話す。車でアイオワから来たそうだ。
こうして車でアメリカ本土から車でやってくるアメリカ人は多い。
アラスカはアメリカ人にも夢の大地なのだ。

私も聞かれるがままに自分の旅の話をする。

奥さんがお決まりのように私に言う。
「あなたぐらいの頃が一番いいときね」

そう、自由があり、それに見合うだけの若さも体力もある。

だが気が付くと自由に付きまとってくる不安はどうしたらいいんだろうか。
若さと体力だけでは解決できないように思えた。


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空を覆った雲は再び雨を降らせた。
その日は簡単に食事を済ませ、寝袋に潜り込むとすぐに眠りに落ちた。


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この日の出費


Fireweed lodge 10ドル
キャンプ場2泊分 25ドル