定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

Skinny Dicks Halfway Inn 2006年7月31日

6時半起床。
 
雨は降っていなかったが、今にも降り出しそうな空模様だった。
Parks Hwyも今日が最後。ようやくFairbanksに到達する。
 
天候はよくないが、待っていても好転しそうにもないので走り出す。
 
 
寒い。
 
 
時折吐く息が白くて驚く。夏の半袖ジャージとレーサーパンツの上に
ゴアテックスのレインウェアを着てちょうどいいぐらいだ。
 
珍しくアップダウンが続き、楽ではないが、体が冷えないのでかえってよかったのかもしれない。
 
Fairbanksより北に行くともっと冷えるだろうか。
 
 
 
 

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Nenanaから25マイル。ちょうどFairbanksとの中間地点あたり。
『Milepost』によれば食事のとれる店があるようだ。
広告欄には「FOOD・DARTS・POOLTABLE・ALASKAN BEER・COCKTAILS」とある。
 
その店は「Skinny Dick's」。
 
すごいところであった。
 
 
 
 
 
 
 

 

 

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まず、この外観で「ん?」となった。
なんだあのクマは。

ある意味、地元にある自転車とカヌーのプロショップのようだ。


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入り口のこの看板。
"ENTER AT YOUR OWN RISK"  いいねぇ。
ある意味アラスカらしい。

中に入るとカウンターで店の中年女性と客の女性が話している。

私もカウンターに座る。

店の中を見回すとあるわ、あるわ。くっだらない卑猥な土産物が。
写真の端に写っているものでだいたいどんなものが置いてあるか想像できると思う。

いつもお世話になっている自転車屋さんに土産を購入した。
現物が見たい方はそちらに行って欲しい。まだあるはずだ。
アラスカくんだりまで行って買った土産にしてはあまりにくだらない土産である。

 店の女性にバーガーをオーダー。
全く期待していなかったが、思いのほかおいしかった。

店の女性もバーガーも一見普通なんだがな。。。
貴重な経験をした。


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Skinny Dick'sのトイレの中。思わず笑ってしまう。

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Skinny Dick'sの後も道はひたすらアップダウン。
だんだんキツくなってきた。それでもなんとか終日、フロントのギアは一番大きなアウターで回すことが出来た。北極海に続くDalton Hwyまではギアに余裕を残したい。

 

 

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雨が上がって、晴れ間が見えてきた。
Fairbanksだ。これでParks Hwyともお別れ。
よく整備されたハイウェイだった。

Fairbanksの街に入ると久しぶりの街になんだか緊張した。
街の西側からFairbanksに入り、大型スーパーマーケット「FRED MEYER」で買い物をする。

食料を思いつく限り購入した。
アラスカで唯一、北極海に延びるハイウェイ、Dalton Hwyがいよいよ近づいてきた。

日本から持ってきた『地球の歩き方』に書いてあった街の東にあるユースホステルへ向かう。

ストリートの名前と地図を確認し、ユース近くまで来たようだが
よくわからない。


海外の都会ではよくある。


迷子だ。


地図を睨めつけウロウロしていると、大きなフォードのSUVで通りかかった女性が
車の窓から顔を出し「どうしたの?何か探してるの?」と声をかけてくれた。

私は「迷子なんだ!」と答えると
「今、車回すから待ってて!」といい、ダイナミックに車をUターンさせてきた。

女性はモスグリーンのフリースとジーパンの似合うカッコイイ感じだ。
彼女は私から宿の場所を聞くと車から『Milepost』を出し、
手際良く私にどうやって行けばいいかを教えてくれた。

写真を撮らせてもらおうと思ったが、あっという間に車に戻っていってしまった。

しかし、彼女は私を心配して、しばらく車でついてきてくれた。
いい人がいるもんだな。


ユースに着く。まちがいなくこの場所だが、ぱっと見は普通の民家だ。
呼び鈴を鳴らしてみる。
男性が出てきた。

泊まりたい旨、話すと、男性は「すまない、ここは閉めたんだ。別のところに移動したんだ」と
すまなそうに言った。

くそっ、『地球の歩き方』め。

男性が新しい宿を教えてくれる。
宿はなんと街の反対側、先ほど買い物した「FRED MEYER」のそばであった。
疲れがどっと出た。結構遠いぞ。

男性は「休憩していくか?トイレはいいか?」と言ってくれる。
気を遣ってもらいとてもうれしかった。



再び街の西側まで走り、宿に着いた。



宿の名前は「GO NORTH HOSTEL」。

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「GO NORTH」。写真はWeb上から転載。広くてきもちがいい


かっこいいじゃないか。
まだ新しいだけあって、すべてがきれいだった。
一泊24ドル。シャワーは1ドル。ランドリーはなかったがキッチンがしっかりしていたのがうれしい。

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「GO NORTH」のキッチン(Webより写真転載)


ここのキッチンはとても居心地がよく、とても長い時間を過ごした気がする。
いろんな旅人といろんな話をした。


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キャンプエリア(写真Webより転載)。極北から戻ったときに利用した  

 

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これもWebで見つけた写真。受付でもらえる地図。ひどく懐かしかった。



長い一日だったのでキャンプエリアではなく相部屋を取った。
テントエリアの隣のWolfの棟だった。同じ部屋の五分刈りの男がやや怖い。

スーパーで買ったアジアン系のカレーペーストでカレーを作った。
日本のカレーよりもだいぶ辛い。たくさん作ったので明日食べよう。


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こういう宿のいいところはキッチンで食器とコンロ、場合によっては調味料が使え、
たいてい冷蔵庫も使える。
冷蔵庫を使う場合は自分のものに名前とチェックアウト日を書いておいておくのがルールだ。

ときおり、ドレッシングなどは前に泊まった客が置いていったものが「FREE」と書き直しておいてあり、使うことが出来た。


辛いカレーを食べ、ビール飲み、テラスへ出た。

宿のボーダーコリーが自由に走りまわっている。
実家の老犬は元気だろうか。実家に手紙を書いた。