定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

Alaska Railroad 2006年8月15日

旅のスタート、アンカレッジまで戻ることになった。
帰国までの数日間、キーナイ半島で過ごすためだ。

フェアバンクスからアンカレッジまではアラスカ鉄道で移動することに決めた。

バスと飛行機という手段もあったが、
ニュージーランドから帰国する際、
南島の西海岸の果てHaastというところからQueenstownに移動する際に
激しい車酔いに襲われた記憶が新しく、丸一日のバス移動は乗り気になれなかった。
また、飛行機はコストが高いのと自転車の梱包が面倒なのですぐに選択肢から消した。


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アラスカ鉄道のBordingPass

いや、それより何よりアラスカ鉄道に乗ってみたかった。


私は鉄道マニアではないが、鉄道の旅は昔から好きで
国内でも学生時代には夏と冬の18切符を使い切るぐらい輪行していた。

とはいえ、アラスカ鉄道に乗るというのは
アラスカに行ったらやりたいことリストではあまり上位ではなかったが
これは経験することができてよかったと思う。


フェアバンクス発アンカレッジ行きは
フェアバンクスを8:15に出発し、終点アンカレッジ到着は20:00。

丸一日の旅だ。


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Fairbanks駅

 

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駅のエントランスで

 

 
 フェアバンクスの駅でチェックインをする。
自転車は別料金がかかった。ただ、そのまま載せてくれるので面倒がなくていい。
 
 
 

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列車が走りだした。
日本の列車に比べると走る速度がのんびりだ。

470マイル、750キロを12時間かけていくのだからのんびりだろう。

距離からすれば東京~岡山ぐらいで、
実際新幹線を使わないで行くと同じぐらい時間がかかるようだが
駅の数がそもそも違いすぎる。
アラスカ鉄道は10駅程度しかない。

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正直、はじめは遅いと思ってしまったが、日本の鉄道の速さが異常なのだろう。
アラスカ鉄道が観光鉄道ということもあるから当然ゆっくりというのもあるかもしれない。
日本の社会は急ぎすぎだ。

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屋根がガラス張りの展望車両

 

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アラスカ鉄道はフェアバンクスからデナリを通り、アンカレッジに至る。
つまり、私がアラスカの旅の前半で走ったパークスハイウェイをほぼ並走するルートだ。
しかし、ときおり現れる建物群がどこの街かわからなかったりすることがある。
鉄道とハイウェイの旅では見え方が違うものだなと思った。


 
 
 
 
 
 
 
 

 

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鉄道の旅にアルコールはかかせない


しばらくしてビールの栓をあけた。
これまでの旅について振り返った。

ダルトンハイウェイを走破して、何だがいまいち実感がない。
変な感じだが、実際そうなのだ。

 

旅の困難をいくつも思い出す。
本当にガムシャラだった。

ただ、北極海へデッドホースに辿り着くことだけを考えて前へ前へ進んだ。
それだけだった。
日本に戻った後、こんなに単純にガムシャラになれるだろうか。

答えは出るわけもなく、車窓を流れていくアラスカの景色を見ながらバドワイザーを飲んだ。

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車掌の若い女の子と乗客の老夫婦の会話が耳に入った。
多くのアラスカ鉄道の社員はアンカレッジかフェアバンクスに住んでいるらしい。

また車掌にはアラスカ鉄道の懐中時計が支給されるらしく、
車掌の女性は懐中時計を掲げて見せてくれた。
なんだかうらやましい仕事だな。

ふと冬のアラスカ鉄道にも乗ってみたいと思った。



列車がアンカレッジに着いた。
白夜が終わったとはいえ、アンカレッジは午後8時でもまだ日暮れといった感じだ。

初日と同じスピナードホステルを予約してあったので自転車で向かう。


途中、自動車専用道路を避け自転車道を行くが途中で道がなくなる。
階段をなんとか自転車を押して降りていくと 公園に出てた。


そこでムースの親子に出会った。

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 さすがだな。
大都市の真ん中でムースが普通に木の葉っぱを食べている。

この時間の迷子には参ったが、おかげでいいものを見ることができた。
これで出会っていない大型動物はブラックベアとジャコウウシぐらいだが、
ブラックベアには会わなくていいな。


少し迷子になったもののスピナードに到着。

スピナードでは今回、部屋ではなく、
庭のキャンプサイトに泊ることにしたが
地面が泥でテントが汚れてしまった。これで19ドルは高い。
帰国前は前のように相部屋を取るべきだな。


少し天候がよくないが明日からのキーナイ半島の旅を楽しむことにしよう。