快晴。実に2日ぶりだ。朝からベーコン焼いていると、ルティアが「シマ、ランチ作ってるの?」と聞いてきた。ルティアはあまり朝から肉は食べないらしい。
「日本人は朝何を食べるの」と聞かれたので、「ライスと味噌スープ、それからフィッシュだ」と、答えておいた。通じただろうか?
バックパッカーを出るとき、アジア人にすれ違った。日本人かな。と思ったがよく分からなかった。
貸切別荘のような素敵なバックパッカーを後にして、スイス人2人と共にひたすら走る。この日は私が前を引いた。
快晴というだけで非常に気分がいい。海岸沿いの道を東へ進む。
どこを切り取っても美しい景色が続く。ペダルを踏むたび、汗が噴き出す。前日の雨の寒さが嘘のようだ。
[休憩中のルティア]
途中の街で昼食。「いい天気だから、外の席で食べましょう」とルティアが言った。日本人はテラス席があっても、あまり使わないことが多いが、外で食べるのは、なるほど気持ちがいい。ダニエルはまたビールを飲んでいた。彼がビールを飲んでいるとビールが本当にソフトドリンクではないかと思えてくる。
[駐車場では犬が休憩していた。海外の犬の行儀がいいのはなぜだろう]
午後からもいいペースで走り、この日の目的地Te Araroaに到着。予定よりも早い時間にホリデーパーク(キャンプ場)に着くことができた。アップダウンが比較的少ないとはいえ、90キロ走ったので悪くない。天気がいいと、こうも違うものか。
ホリデーパーク内には、移動販売車がいて、バーガーやフィッシュ&チップス、それにビールを売っていた。
[田舎なので高くつくかと思ったが、良心的な値段だった]
せっかくなので、三人で夕食はそこで食べることにした。
英国系のニュージーランドは食文化にもその影響があり、フィッシュ&チップスはメジャーな食事だ。しかし、私はNZに来てからこれまで食べたことがなかった。いい機会なのでフィッシュ&チップスを初体験した。
[NZのビールと言えばこのSteinlager。味は…]
他にバーガーか何か注文しないと足りないかと思ったが、魚は30cm近くあるし、ポテトも山盛りで、一日走った空腹のお腹にも十分な量だった。そして安くて美味しかった。これ以降、しばしばフィッシュ&チップスにはお世話になった。
食事後、まだ明るかったので、近くのビーチに行こうということになった。ホリデーパークからビーチに続く小道があった。
[この看板がお気に入り。ここから海岸線へ]
[ビーチに向かって歩いていくダニエルとルティア]
途中、きれいな小川を越えて行くと、急に視界が開けた。
なんて素敵な海なんだろう。
波打ち際でしばらく、海を見つめていた。
写真を撮っているとルティアが話しかけきた。
「シマ、カメラ貸して。」ぼーっと海を見ていた私は言われるがまま、ルティアにカメラを渡すと、私の写真を撮ってくれた。
「いいのが撮れたわよ、シマ」ルティアが微笑を浮かべて、カメラを返してよこした。
これほどリラックスして、何をしてもいい時間を楽しんだのはNZに来て以来、初めてだったかもしれない、と思う。
少し暗くなり始めるころ、私たちはキャンプ場へ戻った。