定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

ローカルライダー -cycling NewZealand -

朝からロトルアのマウンテンバイクパークへ。

とにかく広かった。

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普通の登山道の入り口のようなものがあるだけかと思っていたが、
想像していたのと随分違った。

どちらかというと山の国定公園のような感じで、
中央に広いダブルトラックの道があって、その脇に、様々なレベルと種類のトレイルが点在していた。

トランピング(ハイキング)、ホースライディング(!)、マウンテンバイキングと
それぞれ種類によって使っていいトレイルが決められており(共用エリアもある)、
きちんと棲み分けがされていて、感動した。

日本では残念ながら、マウンテンバイクに関しては
そこまでのフィールドもない。最近ようやく管理されたところが増えてきたのが現状だ。

 

各トレイルの入り口には、入れる種類とトレイルの難易度が示されていて、
パークの奥に行くほど、難易度が高いようだった。

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私以外にも海外から遊び来たライダーもいた。
好きな人なら来たい場所だろう。


地図を見ても、どこにいったらいいかわからなかったので、
ローカルのマウンテンバイカーについて行くことにした。

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女性と男性の二人組で、女性の方は名をトレイシーといった。

ダブルトラックを奥にぐいぐい登っていく。

視界が開けた。

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山の中腹が開けていて、ここを起点にさらに奥に行けるようになっているようだった。
水場もあって、飲み水を汲めるようだ。

トレイシーが「こっち」とさらに登っていく。
両脇を開いて力強くダンシングで登っていく様子は友人のクロカンライダーそっくりだった。


けっこう速いペースだ。毎日走っていたからいいものの、練習不足だったらついて行けなかったと思う。
連れの男性は登りが辛そうだった。


山頂のトレイル入り口で休憩。

トレイシーはジャージの背中のポケットからバナナを取り出して
ぺろっと食べると、バナナの皮を茂みにポイッと投げ捨てた。

すると「行くよー!」と勢いよくトレイシーは下り出した。

連れの男性に続いて最後尾で下る。

トレイル自体は整備されており、非常に走りやすいが、テクニカルだ。
このコースはそこそこ上級者コースらしい。

男性の背中は見えるが、トレイシーはほとんど見えない。
必死になってついていくが、じわじわ離されていく。

焦ったところに、大きなキャップがあって、
それに気がつかなかった私は思いっきり吹っ飛ばされて一回転した。

アドレナリンが出続けていたのか、さほどダメージも感じず、
すぐ乗り直し、二人を追った。とにかくスピードに乗り続けたくて仕方が無かった。

トレイルの出口で二人は待っていてくれた。
トレイシーはけろっとしたものだったが、男性の方は「彼女、すごいだろ。おれ全然ついて行けないよ」と肩で息をしながら言った。

二人は「これから仕事に行くから、もっと走りたかったら誰か捕まえてね」と颯爽と去って行った。

 

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ニュージーランド、なんて国なんだ。

日本の男子クロカンエリート並のの女性ライダーが、
朝トレイルライドをしてから、仕事に行く。

こんな日常を送っているなんて。

ロトルアのトレイルを堪能できたのも満足だったが、トレイシーたちと走れたことも本当に良い経験だった。

トレイシーたちと分かれた後、数本イージーなトレイルを回ってパークを満喫してキャンプ場に戻った。

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キャンプ場に戻る途中、前日行ったバー、Hennessyを覗いたが、かなり混み合っていたので入るのを諦めた。


代わりに、ロトルアでもう一つ楽しみだったロトルア名物の温泉へ。

温泉、といっても趣は温水プールだったが。
お湯に体をつけることが出来るのはやはりいい。

若い男性が、年配の男性と話しているのが聞こえてくる。
どうやらどちらも旅行者らしい。

若い男性の方は、友達といろんなところへ行って、いかにも旅行を満喫しているといった感じで年配の男性の方は、そんな彼の話を聞きながら、自分の話を少しし、「若いっていいことだ」と言っていた。

温泉での記憶は、温泉自体の印象より、彼らの会話のほうが記憶に残っている。

 

旅の記憶とはそういうものだろう。

 

キャンプ場に戻り、この日誕生日を迎えたルティアにメールを送った。

彼女は南島へ行くと言っていたが、もう着いただろうか。