定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

作手高原 - ライド新城 -

友人のタツマくんがライドに誘ってくれた。最近は一人では積極的にライドにいかないので、誘ってくれる仲間がいることは全くありがたいことだ。

 

いつものように行先は奥三河

ダモンデメンバーでライドをするときの定番ルートは、新城市内スタート、旧田口線跡から四谷千枚田へ上がり、設楽町東栄町を抜けて望月街道からまた新城市内に戻る、というものだ。

このルートは車の交通量も信号も少ない。それから景色のいいところや飯田線のすぐ脇を走れたりと、奥三河を走ったことがない人を連れてライドに行くには非常にいいコースだ。

 

今回のライドはタツマくんと設楽町のエーシ、ダモンデトレイルのMC早川さんの4人のダモンデのメンバー4人。そのため普段あまり行かないルートに行くことにした。

 

目的地は新城市の北西部、作手地区である。作手地区は標高500mあり、本宮山スカイラインが走っていることもあり、上りを練習しに走るサイクリストが多い。今回は珍しく私がコースを引いたが、いきなりガツンと上るプランは却下されたので、仲間と相談し、川沿いの道から作手にアプローチすることにした。

 

どういう訳かこの週末はとても暑く、私はここぞとばかりに新しくなったダモンデのチームジャージを着て行った。タツマくんもエーシも同様である。しかし、一番チームジャージを着てきて良さそうな早川さんがジャージを着てこないという展開。

 

「だって、半袖じゃ絶対寒いって!」早川さんはそう言っていたが、スタートしばらくはやや暑そうだった。

 

桜淵公園から長篠方面に向かい、更に257号で北に向かう。只持から塩瀬に入る。このあたりの集落と川の風景は奥三河らしくて好きだ。

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薄暗い林道を走っていくと、少し視界が明るくなる。川沿いの紅葉が美しいところでしばし休憩。

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特に名所という訳ではない。

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しかし、美しい。素晴らしい季節だ。

 

しばらく各々が写真を撮った後、再び走り始める。

 

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こんなところを走れるなんて最高だ。私は贅沢な時間を堪能した。

 

県道の分岐で、どちらに行くかみんなで検討する。せっかくなので知らない道を行くことにする。

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比較的奥三河の道には詳しい我々だが、まだまだ走ったことのない道は多い。走ったことがない道が多いということはそれだけまだ未知の風景があるということ。奥三河には行くべきところがまだまだある。

 

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名もない道はいきなりの上りだったが、大した距離ではなかった。ピークから緩やかに作手のメインロードに向かって下りていく。

調子良く走っていたが、寒くなってきた。

ウィンドブレイカーを着なくてもなんとかなるレベルだ。

作手は標高500メートルほどあり、夏でも涼しいことで有名である。早川さんのウェアのチョイスは正しかった。

 

作手のメインロードを北に進む。

目的地は旧菅守小学校にある「レストランすがもり」だ。地域おこし協力隊としてやってきた佐伯さんという方が地域の人たちと始めたレストランで週末だけ営業している。地元のジビエを使った料理を出していて、とても評判がいい。しかし、作手の中でもかなり北に位置しており、フラッと行くには少し遠いところである。

 

北に向かい出してから、地面が濡れている。それにまた更に寒くなったように感じる。すがもりまであと少し、そう判断した私はペダルをこぐ脚に力を込めた。

ほどなくして旧菅守小学校に到着。

すがもりに来るのは久しぶりだ。一年くらいは来ていないのではないだろうか。

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思った以上にお客さんが多い。

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佐伯さんに挨拶する。元気そうだ。彼女は協力隊の任期は終わっているが、地域に残ってくれている。ありがたいことだ。

 

レストランのメニューは自然薯の定食や鹿のカレー、猪鍋など地域の食材を生かしたものばかりだ。私はせっかくなので、奮発して猪鍋1800円を注文した。

 

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猪鍋には鍋の他にさしみこんにゃくに煮物、野菜の天ぷらが付いていた。これでごはんお代わり自由なので非常にお得感がある。正直なところ、鍋が煮える間に、天ぷらでごはんがかなり進んだ。

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さて、猪鍋である。

味噌仕立ての濃い味付けでスライス猪肉にゴボウ、肉厚の椎茸、春菊などが入っている。猪の臭みは気にならなかった。春菊やゴボウの風味と良くあう。もっとお腹が空いていたらごはんお代わりするところだった。大変美味しかった。奮発した甲斐があったというものだ。

 

我々が食事をしている間、ひっきりなしにお客さんがやってきていた。サイクリストも我々以外に2組すれ違った。作手のグルメスポットとして認知されているようだ。やはり、多少アクセスが悪くても、行く理由さえあれば、人はやってくる。それだけの魅力をきちんと作り上げている佐伯さんやすがもりの人々はすごい。地道な努力の結果だろう。私もまたぜひ来ようと思った。

 

すがもりを後にすると、すぐ近くにある「涼風の里」に寄ってもらう。地元のおばあちゃんたちがやっているお店で、前にここで買ったヨモギ餅が美味しかったので、土産にと思っていた。しかし、この日はおいていなかった。ちなみにここの蕎麦は美味しい。

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前に来たとき、あまりに値段が安いのでどうなっているかと思ったが、料金表は以前のまま「平成23年定価表」の張り紙である。消費税増税もどこ吹く風だ。値上げはすればいいとは思うが、そのままの感じが奥三河だな、とどこか安心した。

 

すがもりからとにかく寒く、私はウィンドブレイカーを着ていたが、タツマくんは上着の類を一切持っていない。半袖ジャージが寒そうだ。

 

身体を温めるため、タツマくんが先行する。

作手の中心部に近づくと主要道を外れる。

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そこから来た道に戻るルートにしたが、その後は国道を南下し、新城市街に戻った。

 

まだ奥三河には行くべきところがたくさんある。そして今回のすがもりのように、実際に行ってみてわかったこともある。本当に当たり前のことをだが、実際に自分の足で行かないと分からなかったことだ。

三河も今回の作手や津具あたりは何度も車では行っているが自転車ではまだ未開拓に近い。もっと奥三河の北部も探検しないとな、と思った。