定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

家キャンプ

例年ならゴールデンウィークは家族で長野にキャンプに出かけるのだが、今年はそういう訳にもいかず、かわりに家の庭でキャンプをすることにした。

 

我が家は住宅街にあるので、いろいろ制約はあるが、庭とウッドデッキを使ってテントとタープを張り、食事は出来るものは、少し火を焚いて作ることにした。

 

まずは庭にタープを張る。

タープはあってもなくても良かったが、雰囲気を出すならあったほうがいいな、と思い、張ることにした。普段のファミリーキャンプ用にするかソロキャンプ用の小さいものにするか迷ったが、ソロ用のものを広げてみたところ、うちの狭い庭にはちょうどよかった。

 

テントはウッドデッキの上にいつも使っているファミリー用のテントを張る。しかし、ウッドデッキを一杯に使って何とか張れる、といった感じになってしまった。

 

普段キャンプ場でテントを張るときには気にならないが、相当広い場所を使っているんだな、と今更ながら気付かされた。

 

タープの下に焚き火台と椅子を並べるとそれらしい感じになった。

 

子供達が早速焚火がしたいと騒ぎ始める。

 

「夕方になったら始めるね。」

 

昼間はご近所さんが洗濯物を干しているだろうからあまり煙を出してもいけないと思ったのだ。それに家にストックしてある薪や炭の量もある。そのあたりを考えて、毎日夕方から、ということにした。

 

約束の夕方になり、以前、庭木を剪定した際に、適当な大きさに切って置いた太めの枝を薪にして焚火を始める。

 

子供達は焚火の周囲に椅子を並べると、うちわや古いテントのポールで作った火吹き棒で一生懸命、薪に風を送る。

3人の子供達が一斉に風を送るが、風が弱かったりしてなかなか火が強くならない。私はときおりうちわで強く煽いで、火を安定させた。焚火も数をこなさないとうまくならない。子供達も早く火起こしができるようになると助かるのだが。

 

剪定したユーカリを火に焼べるといい香りがした。

ユーカリはよく燃えるので薪にはちょうどいい。

 

初日の晩ご飯は芋煮。

我が家のキャンプの定番である。妻がキッチンで材料を切って鍋に入れて、外に持ってきてくれた。

 

焚火の上に鍋を置く。

 

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家の中から飲み物や箸などをお盆に載せて持ってきた。焚火を囲む横のウッドデッキの上に置く。

 

外が暗くなってきた。

玄関やウッドデッキの明かりを調整して、ある程度明かりが焚火の周りを照らすようにした。

 

こうしてみると、今まで家の使い方というのを限られた使い方しかしていなかったのだなと、改めて思った。

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芋煮の味付けをし、キャンプでいつも使っている器にそれぞれ芋煮をつける。私は長年愛用のチタンのシェラカップ

 

それ以外の食べるものと言えば、焚火で炙ったキノコやベーコンぐらいのもので、質素なものだが、外で食べると立派な食事になるから不思議なものだ。

 

子供達は食事を終えるとお風呂に行き、わいわい言いながらテントに入って行った。騒ぐと声がご近所迷惑になるから、騒いじゃダメだよ、と子供達に言っておいたが、思いの外、すんなり寝てしまった。

 

私はいつものキャンプのように焚火の前でゆっくり酒を飲んだ。読みものはアウトドア用品のカタログ。

 

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それから結局、庭でのテント泊は3泊4日になった。

 

朝は少し早く起きて、外でコーヒーを入れて飲む。

早起きしたきた子供にはココアをいれてあげた。

 

アウトドアチェアに座って庭でコーヒーを飲むことはこれまでしたことがなかったが、思いの外よかった。最近は在宅勤務の朝は天気が許せば、そういう時間を取るようにしている。

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家キャンプをしている間、昼間は人気の少ない川原に自転車で行ってちょっとピクニックみたいなことをしたり、ウッドデッキで食事をしたりした。

 

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それからゴールデンウィークの間、キャンプ気分だったせいか、テレビをほとんど見ることがなくて、煩わしい情報から解放されてとても自由な感じがした。

 

そんな穏やかな日々はあっという間に過ぎていった。

 

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ゴールデンウィーク最終日、タープとテントを片付けてしまうとさっぱりして、なんだか寂しかった。

ダモンデトレイルではないが、終わって魔法が解けたようだった。

 

とはいえ普段と違う家の使い方をして、まだ家の楽しみ方を知らなかったんだな、と我が家の可能性がまだまだあるということを実感することができた。

 

極論を言ってしまえば、結局、自分がどうするか、どこまで追求できるのか、どこまで楽しめるかなのだ。

 

旅をしていた頃、ネガティブになりそうな自分によく言い聞かせていた。

「世界のあり方を決めるのは自分なのだ。」と。