緊急事態宣言が解除された最初の土曜日、それまで控えていた市外へのライドへ出かけた。まだグループライドはやめて、一人で走ることにした。
前にも少し書いたが、一人で旅に出るのは好きだが、普段走るのは仲間と一緒の方が好きである。
翌日の日曜日は天気が悪そうなので、午後からは子供達と遊ぶ約束をし、私はロードを車に積んで新城に向かった。
新城に向かう道はロードでも車でも走り慣れた道だ。田植えが終わったばかりの水田が眩しい。自走すればよかったかな、と少し後悔した。
久しぶりのロード、そして久しぶりのDamondeのチームジャージ。
最近は自粛もあり、マウンテンバイクで近くの山を走るばかりでロードはしばらくぶりだ。ペダルを踏み込むとすぐに加速していく感覚が心地よい。
私はまず、新城の市川地区に向かった。
市川地区は奥三河に行く際の主要道である県道69号を一本入ったところにあり、山の中に隠れるようにある集落だ。特に用がなければ来るような場所ではない。
私も数年前まで行ったことがなかったが、ここ何年かはフォトロゲのチェックポイントになったりして行く機会があった。
知らなければ通り過ぎてしまう分岐を曲がり、集落に向かう坂道を上がっていく。
民家の見えてくるところまではそう遠くない。
集落の入り口に神社がある。大きくも小さくもない、綺麗に保たれた神社。地域の人が掃除しているのだろうか。
奥三河にはこうした神社がたくさんある。
神社からの眺めはいいが、集落はまだ上に上にと続く。私は集落の一番上を目指した。
民家の間の坂道を抜け、道のてっぺんに出る。
市川の集落を見下ろせる場所で休憩する。
集落の向こうには長篠市街が見える。標高は200m程度だと思うが、眺めがいい。
上ってきた道をそのまま進むと集落と反対側の斜面に出る。道は続いているが、ここから先は未舗装路だ。
以前、別の集落を抜けて反対側から市川に来たことがあるので、今回は市川側から抜けてみることにした。
市川から先の道はロードバイクで行くには少し荒れた道だったが、なんとかなるレベルだ。できるだけフラットなところを選んで走る。
薄暗い林道に差す日の光が美しい。
林道にはいくつか分かれ道があるので、ときおり地図アプリで現在地を確認しながら、アップダウンの続く林道を進む。
林道区間が終わり、また舗装路になった。
大平の集落だ。
(この写真は以前来た秋の様子)
こちらも山あいの静かな集落といった佇まいで、優しい景色だ。遠くに農作業をしている人の姿が見える。
そのまま大平の集落を抜け、県道69号に戻った。
まだ少し時間があるので、もう一つ、小さな山の上を目指すことにした。
大平のすぐ近くにある鳶ヶ巣山だ。
山頂までは短い上りだが、なかなかの斜度である。
途中、長篠市街を望む場所が気持ちいい。
ここは長篠の合戦の際に武田方の砦があったところで、山頂にその様子を伝える看板がある。
山頂は木々に覆われていて展望は開けていないので、そのまま隣の万灯山に向かう。
草に覆われた道を進んでいくと視界が開けた。
しばらく景色を眺めると万灯山を降り、県道69号に戻った。
昼食を済ませて帰ろうと、お気に入りのお店「長生うどん」に行くとDaMONDE の仲間たちと偶然会うことができた。
思わぬところで話が出来てよかった。
ずっと食べたかったカレーうどんを平らげると、仲間と別れ、家路についた。
ほんの数時間のライドだったが、あまり行かないところに行って、いい時間を過ごすことができてよかった。
奥三河は素晴らしい。