定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

wahooナビに導かれて- Toyohashi Ride with GPS -

豊橋市がコロナ禍でも楽しめるイベントとして、自転車のGPSアプリを使ったイベントを開催している、というのがSNSで流れてきた。

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豊橋市ホームページサイクリングイベント Toyohashi Ride With GPSを開催します/豊橋市

現状、誰かを誘ってライドに行く、ということが出来ない状況でこうしたソロライドで完結するイベントがあるのはありがたい。

イベントのルールとしては、走行ルートは必ず道の駅とよはしを通過し、最短10km以上走行し、走行ログのスクリーンショットと走行の際の写真を事務局へ送る、というもの。(メールで事前登録が必要)

 

この日私は一人で渥美半島の先端、伊良湖岬を目指すことにした。伊良湖岬はこの20年ほど毎年必ず何度か自転車で訪れている。自宅から往復100キロ程度と一日ライドをするのにちょうど良い距離であるし、何より景色がいい。

しかしそのため、コースがいつも決まったところになりがちである。

私はこの数年、wahooのサイクルコンピュータを使っており、速度、走行距離、ケイデンスなどなどのログはこれで確認しているが、wahooにはナビ機能があり、これを使った方が思わぬルートで案内されるので面白い、とSNSにあげていたので、私も今回試してみることにした。

 

妻にそのことを話すと「そうやって頭を使わなくなるんだね。」となかなか厳しい一言を言われたが、いい機会なのでさっそく使ってみた。

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ケータイのアプリから目的地を設定するとあとはアプリがルートを決めて、wahooにルートが同期される。

ルートは主要道路を走ることはほぼなく、豊橋郊外に出るだけでも、行ったことない道をナビされて、こんな道があるのかと新しい発見があって楽しかった。ほとんどが車通りの少ない道で走りやすいところが多いが、所々かなり細い道も案内されるため、ナビ画面をよく確認する必要があった。また私のようにそこまでスピードを出さない場合はいいのだが、スピードを出したい人には向かないかもしれない。

 

お陰で思わぬ出会いがあった。

普段なら絶対走らないルート上である知り合いの方にお会いしたのだ。一度すれ違って、お互い気がついて振り返る。お互いまさかこんなところで、という感じでだったが、久しぶりにお話しできてよかった。

 

やがて渥美線の横を走る道に出る。飯田線のすぐ脇を走ったことはあるが、渥美線の隣を走るのは、愛知大学のあたりぐらいなもので、郊外でこうして走るのは新鮮だった。

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渥美半島も真ん中辺りまで来た頃だろうか、案内されたルートは軽いグラベル

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まあこの程度ならとあまり気にせず走る。

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キャベツ畑の間を抜ける道を案内されて、何度か曲がるところを間違えそうになる。そうしているうちに自分がいる場所がどこかハッキリ分からなくなってきて、なるほど妻の言う通り、頭を使わなくなってしまうな、と思った。

 

さらに進んで行くと、かなり細い道に誘導される。これは怪しいかも、と進んでいくと案の定、ナビが示す先には道が無かった。藪漕ぎの先にルートが繋がっていることを期待したが、こちらも行き止まりだった。

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こういうことがあっても楽しめるなら使えるナビだなと思った。もっと短い距離、例えば10キロから30キロぐらいならいい機能だと思う。

 

私は一旦ナビを無視していつものコースに乗った。渥美半島も先の方まで来ていたので、ルートの選択肢は少ないと思っていたが、ナビを見ると国道の脇を行くルートを示していた。結局、伊良湖岬までほとんどナビのガイドで走っていた。

 

伊良湖のフェリーターミナルに着いた。

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コロナの影響でフェリーの受付やレストランの入っていた道の駅クリスタルポルトは閉鎖されていると聞いていたが、実際行くと人影もほとんどなく、かろうじてトイレが使えるぐらいで、あとはネコが一匹近寄ってくるだけだった。

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「あげれるようなものは持っていないんだ。ごめんよ。」私はネコの頭を軽く撫でるとフェリーターミナルを後にした。

フェリーターミナルからは遊歩道を進み、伊良湖岬灯台へ。

 

冬のこの時期、常夏の伊良湖岬には観光客も多いはずだが、ここにも人はほとんどいない。

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私は伊良湖岬を折り返し、太平洋側に出た。

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ビューホテルの横の丘を駆け上がる。駆け上がっているつもりなのだが、実際のところそこまでスピードは出ていない。弱くなったものだ。ダンシングで誤魔化しながら丘の先端で止まる。

丘の頂上から恋路ヶ浜を見下ろす。

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恋路ヶ浜の先には神島が見える。この数年、神島に行きたいという思いがあるが、コロナもあってその思いは叶わない。あの静かな島でひとりの時間を過ごしたいものだ。

 

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振り返ると長く伸びる海岸線が見える。

私は半島の先端の丘を下り、ひたすら東を目指した。

この時期風は西から東に強く吹く。風に乗って自転車が加速していく。これを爽快と言わずなんと言うのだろう。

冬の割には暖かく、ペダルを踏むたびに汗が噴き出してくる。赤羽根の道の駅までいいペースで走り続けた。

 

赤羽根の道の駅で小休止し、2階の展望デッキで甘いカフェオレを飲む。

この調子ならいい時間に帰れるだろう。

 

道の駅からはサイクリングロードを使った。海のすぐ近くが走りたかったのだ。

 

赤羽根から先、道はアップダウンになる。追い風のおかげでペースは悪くない。

今回のライドは「Toyohashi Ride with GPS」のイベントに応募するためでもあるので、帰りは道の駅とよはしに向かう。

豊橋市内に入り、道の駅とよはしまであと少し、というところで急に空が暗くなり、雨が降り始めた。この日はこの季節にしては気温が高めだったので、ウィンドブレイカーの類は持っていなかった。

「まずいな。」

ちょうどコンビニも無いもない区間を走っており、雨宿りするところもなかったが、道の駅まで遠くないところだったので、雨の中道の駅まで行くことにした。

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幸い、道の駅に着く頃には雨は止んでいた。

軽く濡れる程度で済んだが、そのままスピードの出ない市街地に向かって走ると身体を冷やしてしまう恐れがあったので、温かいキャラメルラテを買い、しばらく建物の中で休憩した。

帰宅後、ログを見ると走行距離は110キロとなかなかの距離だ。私は早速、走行中に撮影した写真とログのスクリーンショットをイベント事務局にメールで送った。

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3月までのイベントなので、あと何回かチャレンジできるだろう。

次はどこへ行こう。そんな風に考えるのは久しぶりだな、と思った。