定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

緑と風のところ -ライド新城 -

午後から仕事が休みで、いい天気なのでいつものように自転車に乗る。一応、行き先は県内と思うが、ここという場所が思いつかない。

行き先を考えながらタイヤに空気を入れていると空気の漏れる音がする。よく見ると金属片が刺さっている。

 

やれやれ。今日はライド中止、という考えも一瞬よぎったが、応急処置をして出発した。

 

行き先は緑のパッサージュをやっている旧門谷小に決めた。今日は我らがヤングキャッスルも店を出しているようであることだし。

 

まだ暑さに慣れないこの時期、30度近い気温はなかなかハードだ。幸い、新城に向かういつもの道は追い風だった。思いの外いいペースで進む。

 

私は豊橋から新城に向かう場合はたいてい県道69号を使うが、このあいだまで新城〜長篠までの区間が通行止だった。最近開通したという話を聞き、走り慣れた69号を進んだ。

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青空の下でペダルを漕ぐのが気持ちいい。

橋を渡り、川を見下ろすとこちらもきれいだ。

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近ごろは、自転車に乗るモチベーションが上がらないときもあるが、あれこれ考えず、出てきてよかった。

 

門谷まで1時間半足らずで着いた。

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旧門谷小の敷地内に入ると奥にバイクラックと見覚えのある赤いロードバイクが見えた。なんだタツマくんも来てるのか。

 

ヤングキャッスルの店先の客席には、タツマくんの他、友人や顔見知りの方がいた。もちろんそれからヤングキャッスルの山田さんとりょーこさん。

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「シマダくん、いらっしゃい。カラダは大丈夫?ストレスでしょ?ゆっくり門谷の雰囲気味わってきなよ。」

 

山田さんは私の顔を見るなりそう言った。

 

実はここ数週間、原因不明の腹痛に悩まされているのだ。散々検査したのだが、異常はないらしいので山田さんの言う通りかもしれない。今はそこまでのストレスはないと思っていたが。

 

屋根の下に腰を下ろすと柔らかい風が吹き込んでくる。私の好きな校庭の大きなイチョウの木は青々とした葉を茂らせている。すっかり景色も風も初夏だ。

 

偶然来ていた友人のユキコさんとそのお友達と少し話す。

一人は豊橋の方で、お子さんをうちと同じ幼稚園に通わせていたそうだ。初めて会う人とそういう他愛のない会話をするのは久しぶりな気がする。

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私は見た目が涼しげなブルーハワイのソーダを飲みながら、門谷の優しい風と、同じ場所と時間を共有している人たちとの会話を楽しんだ。

 

いつまでもここでのんびり座っていたいところだが、家までまたロードバイクで帰らないといけない。重い腰を上げて、門谷を後にした。

 

帰り道はタツマくんとしばらく共に走り、途中で分かれた。

 

帰りは豊川の堤防道路に出るつもりで進んでいったが、行ったことのない小道を見つけたので、そちらにハンドルを切る。

 

道は飯田線の小さい踏切に続いていた。

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こんな小さな踏切を渡るのはいつぶりだろう。踏切を渡る時、少しワクワクした。

踏切の先に現れたのは細い細い未舗装路。

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いやいや、こうきたか。

思わぬ楽しい道との出会いに私は嬉しくなった。

 

小道を抜けると国道151号に出る。

私は予定通り豊川の堤防道路を進み、家路に着いた。

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