定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

南信州の絶景 - 飯田線輪行ライド -

仕事のスケジュールを見直し、休暇を入れたのが金曜日。

どう過ごすかボッーと考えて飯田線輪行したら楽しそうだと思ったのが土曜日。

そして行き先を「南信州 絶景」で検索して、「極楽峠」というところを見つけ、行き先と決めたのが日曜日。

RIDE WITH GPSでコースを引いて、あとはなるようになるさ、つまり「行けば何とかなるだろう」という予定を立てて有休の月曜日を迎えた。

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飯田線豊橋駅始発は午前6時。この電車に乗る、というのがこの日最初のミッション。

今回の輪行には、ホイールを入れるポケットのついた輪行バッグを持って来た。重さもそこそこあるが、袋の内側にホイールポケットがあるおかげで、輪行の作業がホイールを外して袋に入れるだけと非常に簡単なのがいい。またフレームにホイールを縛りつけるタイプはフレームに傷がつきやすいが、このタイプはリアホイールのスプロケットの保護さえしておけば、その心配も少ない。

JRのみどりの窓口で切符を買うのに少しもたついたが、結果的には余裕を持って、始発電車に乗り込むことができた。

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からしばしば通勤で使っている飯田線。新城までは同じ駅に順番に停車していくのに、ふだんの飯田線とは大違いだ。通勤時間帯と違い、車内は空いているし、早朝の日差しのせいもあってかまるで別の路線のように感じる。久しぶりの輪行で私自身の気分が盛り上がっていたのもあると思うが。
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 佐久間あたりで、学生が少しずつ乗ってきて、車内が賑やかになる。学生は夏休みのはずだが、地元の中学生が部活に行くのだろう。
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スタート地点に選んだ門島駅までは3時間ほど。早朝に起きたせいでかなり眠かったが、沿線の美しい景色や病院に通うお年寄りたちの会話など、飯田線に揺られている時間が楽しくて寝ているどころではなくなってしまった。
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列車はやがて門島駅に着いた。列車がホームを去っていくとき、車内でお年寄りの話を聞いてあげていた優しい車掌さんが軽く会釈をしてくれた。飯田線はこういうところが本当によい。
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門島駅は長野県南部の泰阜村にあり、秘境駅として有名な田本駅のとなりの駅だ。すぐ北には泰阜ダムがある。

ホームの待合室にあった来訪者ノートに「輪行してきて、極楽峠に向かう」と書き付けた。

 

「暑いな。」時間は朝9時。

 

すでに日差しが強く、汗が止まらない。日陰で自転車を組み立てる。

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今回設定したルートはかなり上るルートだが、距離は短い。人もいないので、ゆっくり記念撮影をした。

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無人駅の雰囲気を少し楽しんだ後、まずは泰阜ダムに向かう。門島駅からすぐなのだ。
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泰阜ダムの周りにはダム関係なのだろう、思いの外、働いている人がいた。
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天竜川を渡り、阿南町に入る。割とすぐに道は登り坂になる。目的地の極楽峠までの15キロほどはずっと上りだ。
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道はやがて下條村に入る。なかなか容赦ない登り坂が続く。今回はあらかじめルートを引いて、サイクルコンピュータでナビさせたので、コースをロストすることはほとんどなかったが、その代わり、突然狭い道に入って行き、急登が現れたりして参った。
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小さい集落を繋ぐ道を走っていく。山間に開けた田畑が美しい。ただ日陰がない区間が多く、ジリジリと太陽に焼かれていく感じがする。
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極楽峠の取り付きまで来て休憩。日陰が有難い。

日陰に入ると吹き抜ける風が涼しい。岩塩で塩分を補給し、これから始まるであろう峠の頂上までの厳しい上りに備えた。

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魅力的な日陰を後にして、再スタート。サイクルコンピュータのナビがキツい上りが始まることを教えてくれる。まあ、分かってるけどな。
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峠道は木々に覆われており、日差しが遮られたおかげで涼しい。

ただ、なかなか容赦のない斜度で、一番軽いギアをときおり織り交ぜながら、淡々と踏んでいく。上り区間は15キロ近くある。頂上手前で「極楽峠パノラマパーク」の看板が見えるが、ここは一旦通過する。まず目指すのは頂上だ。

 

極楽峠に到着。峠の向こうは阿智村
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久々の長い距離と急な斜度の峠であった。ざっくりだが、15キロで900mアップ。

かなりいい練習になった。もちろんそんなつもりではなかったが。この場所は林道としての頂上で、山道の極楽峠はもう少し登山道を進んだ先のようだ。残念だが、ここからの眺望はゼロだった。

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頂上から来た道を下って戻っていく。途中、野うさぎが逃げて行くのが見えた。

行きで通過した極楽峠パノラマパークに寄る。

林道を外れ、パノラマパークの方へ進むと、坂の向こうに一本の立派な木が見える。
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こういう景色は最高に好きだ。

 

素晴らしい木のところまで行くと、一気に視界が開けた。極楽峠パノラマパークだ。


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中央アルプスの山々や伊那谷の風景が遠くまで見通せた。
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まさかこんなに素晴らしい場所だとは。

月曜日ということもあり、私以外には誰もいない。

ここでコーヒー飲んだら最高だろうな、とコーヒーセットを持ってくることに思いが至らなかったことを少し悔いた。

私は汗で濡れたジャージが少し乾くぐらい、遠くの景色を眺めていた。


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パノラマパークを後にして、再び峠道を降っていく。
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その先は国道151号を避けて細い道をつないで天竜峡に出るプランだったが、通行止めの箇所があり、仕方なく国道151号に出た。
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裏道から行くはずだったアーチ橋を151号から眺める。よく見ると橋は通行止めのようだ。まあ結果的によかったということだろう。

151号は日陰はない上、車も多く早く走りにくく、とにかく暑い。

天竜峡についた。パーキングの休憩スペースでジュースを飲んでしばし休む。南信州でも昼間は走れたものではない。
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次は昼ごはん。

今回、Googleマップを眺めていて見つけたラーメン屋「山八」に行く。
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この外観、期待して良さそうだ。
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店はおばちゃん一人。他に客はいなかった。

メニューはラーメン、チャーシューメン、ワンタンメン、ギョーザくらいしかない。いいではないか。私はワンタンメンとチャーシューメンと迷い、結局チャーシューメンにした。
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おばちゃんの手作りであろうチャーシューはやや味が濃い目ではあったが、暑い中走ってきた体にはちょうどよかった。


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また餃子は今まで見た餃子の中で一番と言ってもいいぐらい、美しくひだがついており、綺麗に包まれていた。味もいい餃子だ。

ビールはひとまず堪えた。
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これ以上走る予定ではなかったので、少し天竜峡の散策。帰りは天竜峡駅から輪行で帰る予定だ。


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手拭い一枚持って、日帰り温泉にいく。

温泉は坂の上にあり、天竜峡駅までは下りなのでこの気候でもそこまで汗はかかずに済んだ。f:id:independent-traveller:20240722221316j:image

天竜峡駅の前で自転車をバラし、輪行袋に収納する。
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帰りは奮発して、ワイドビュー伊那路に乗車した。

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平日のワイドビューは驚くほどガラガラであった。もっと使わないといけないなと思った。

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輪行した自転車を車両最後部の隙間に立てかけ収納し、その前の席に座る。
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今回は妻が豊橋駅まで迎えに来てくれることになったので、ビールを飲みながら帰る。

ワイドビューは何て快適なんだろう。

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当たり前だが、特急列車なので、どんどん駅を置き去りにしていく。

ゆっくり各駅停車で移動していく飯田線も魅力的だが、たまにはこうして特急列車で帰るのもいいな。

次に飯田線輪行するときはもっと北に行くことにしよう。

 

いい一日だった。