定着から放浪へ 放浪から定着へ

アイルランド、アラスカ、ニュージーランド、西オーストラリア、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

冒険の捉え方 - Cycling Western Australia -

テントが明るくなってきた。

朝6時に起床。このキャンプ場はテントサイトからキッチンやトイレなど色々遠い。つまりテントサイト利用者からするとあまり勝手がよくないのである。

 

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そしてなぜだか朝とは思えない疲労感だ。

軽く8時間は寝たはずなのだが。やる気が出ない。

昔からの朝のルーティンに従い、まずはコーヒーを淹れる。

朝食は昨日結局食べきれずに持ち帰ったキャラメルスライスの残りとトースト1枚。

コーヒー2杯目を飲もうと思うが、キッチンまで行って、お湯を沸かすのが面倒でやめてしまう。今日はどこかカフェに寄ろう。

 

撤収はスムーズに進み朝7時ごろ出発。風がある。天気は曇りだ。Rockinghamからハイウェイを避けて走る。なかなか良いペース。始めは曇っていた空もだんだんと晴れてくる。暑くなりそうだ。

昨日買い物が出来なかったので、早めにスーパーに立ち寄って買い物をしたいと思い、二大スーパーであるウールワースとコールスに寄ってみるがまだ空いていない。

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今日は日曜日なのだ。こちらのスーパーは平日の開店時間が早いようであるが、週末の開店時間は遅い。まぁ週末に店を閉めていることが多いオーストラリアにあって店が開いているだけマシと言うことか。

 

地図を眺めていたが、途中からハイウェイに乗るのを避けられない場所がある。スピードを出してバンバン車の走る横を走るしかなく、なかなかストレスになる。ただこの辺りは地形的に完全な平坦なので、私の自転車のスピードもそれなりに出る。それはそれで悪くない。

 

Mandurahに入って、ようやくビーチ沿いの道に出ることができた。

ビーチ沿いの道に出ると、すぐ正面に展望デッキのあった。ここのビーチも美しい。今日は風が強い。インド洋を超えてくる風は本当に気持ちがいい。

 

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しばらく海を眺めていると、作業着を着た男性が話しかけてくる。 どこから来たのかとか、どれぐらい旅をしているのかとか、旅に関するいろいろ質問してくる。

パースを昨日出発したばかりで、一週間ほど旅をすること。こうした海外のツーリングは4度目であることなど、質問に答えた。

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せっかくなので自分の写真を撮ってもらう。
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男性と別れ、私は展望台から一旦降りてビーチの方へ歩いて行った。

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こんな青くて美しい海岸線がずっと広がっているなんて。毎日こんなことばかり思っているが、見るたびににそう思うほど、どこも美しいのだ。
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ビーチから道に戻ると先ほどの男性がいた。「水は持っているか?」気にかけてくれて嬉しいが「大丈夫。水はまだあるよ。」私は答えた。

「うちでコーヒーでも飲んでいかないか。」男性は続ける。

コーヒーか。コーヒーのお誘いは非常に魅力的であった。なんせ今朝2杯目をやめてカフェに寄るつもりだったのだ。私はお言葉に甘えることにした。

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家に招いてくれた男性の名前はヴィックといい、家はシーサイドロードのすぐそばだった。

この辺でよく見かける広い平屋建ての家で、中庭は手入れが行き届いており、とても素敵だった。

「そこに座ってくれ。今、水を持ってくる」そう言って氷の入った水を出してくれ。そのままコーヒーも入れてくれた。

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どうしてこんなによくしてくれるのか聞くと「冒険しているからだ」と言われた。

私は自分の旅が冒険ではいけないと思っているので、「いや、冒険じゃないよ」と返す。

私が自分の旅が冒険ではいけないと思うのは、やってみれば誰でもできることで、特にヨーロッパや北米のサイクリストはこうした旅を私のような中年になっても普通にやっていることだからだ。

今回私が旅に出たのも、日本人でもこうした旅が一つのやり方として珍しくないものになるといい、そういう考えがあり、これが冒険であっては、ダメなんじゃないかと思っているからなのだ。

ただ、ヴィックと話していて、やらない人からすれば、私のやっていることは十分冒険に映るんだなと分かった。冒険者ではないが、それでも私のやっていることを応援してくれるのなら、その好意は有難く受けることにしよう、そう思った。

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これからどのあたりを走るのか、という話になり、私は今日はマンジュラとバンバリーの間まで行くことを伝えた。ヴィックはこの辺にある巨人のモニュメントについて教えてくれる。

私もロンリープラネットのサイクリングルートの本でその存在は知っていた。しかし道すがらあれば寄ろうぐらいの気持ちで場所をきちんと把握していなかった。

ヴィックは地図を示しながら場所を教えてくれた。私の予定しているルートから近いところに二箇所ほどあるようだ。私はGoogleマップ上に二箇所、行きたい場所に追加した。それ以外にマーガレットリバー周辺の景色のいい場所を何箇所か教えてくれた。

またヴィックは別れ際にりんごを3つ渡してくれた。こちらでよく見る手のひらに収まる小さいサイズのリンゴだ。これはスーパーに行ったら買おうと思っていたので、正直かなり嬉しかった。

 

ヴィックに礼を言い、彼の家を後にした。

 

海岸沿いの道をそのまま南に走っていく。

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道はやがてマンジュラの中心部に入る。ここまで思いのほか時間がかかってしまったが、今日みたいな展開なら大歓迎だ。

そのために早く起きて出発したと思えば全然苦にならない。

まずはマンジュラのインフォメーションセンターに行き、少し土産を探す。ポストカードと自分用にネクストラップを買った。ポストカードはいつ送れるやら。

 

マンジュラはそれなりに大きな街であるので、スーパーマーケットも大きいところがある。昼食も食べたかったが、バイクショップに行って、パンク修理キットと予備のチューブを買い足しておきたい。

 

交差点の端でGoogle Mapsを見ていると少し古いスペシャライズドのマウンテンバイクに乗ったおじさんが話しかけてくる。

「何を探しているんだ。」

「自転車を探してるんだ」と言うと、それならと言って場所を案内してくれる。

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しばらくおじさんの後ろについて行って、おじさんが「ここを左に行けば、道沿いにあるよ。じゃあな」と言って去って行った。今日は人に恵まれる日だな。私もこんな風になりたい。

 

教えてもらったバイクショップは幸い日曜日でも空いており(土日は空いていない店も多い)、ショップでは予備チューブ1本とパンク修理キットを購入する。

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普段英語の会話に苦戦しているが、自転車屋の買い物は不思議と苦労しない。チューブのサイズを伝え、バルブのタイプを説明する。パンク修理キットに関して言えば、糊のついた貼り付けタイプではなく、接着剤を塗るタイプのものを出してもらった。

 

バイクショップの後はスーパーマーケットに行った。大手のウールワースだ。

食料はパスタにパスタソースとして使うシーズニング。それからパンに塗って食べるようにマヌカハニーの蜂蜜を購入した。

米も買いたかったが、滞在期間を考えるとパスタと米の両方をとても使い切れないと考えて、米は断念した。パスタは茹でるだけでいいが、米は炊く手間がかかるからだ。一日走った後でテントを張り、米を炊くのはなかなか大変である。

ウールワースでは、これからの食料品と一緒に昼用にサンドイッチを買った。

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海の見える公園に移動し、ウールワースで買ったサンドイッチを食べた。

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公園はちょうど週末のマーケットをやっており、様々な手作り品の販売やミュージャンが奏でる音楽が聞こえてきた。

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私は家族に「今、海の見える公園でお昼食べてる」とLINEした。次女から「今日のお昼はソース焼きそばだよ」と返事が来て、無性にソース味のものが食べたくなった。

 

まだ家を出てから数日しか経っていないのだが。。

 

ソース焼きそばは帰国後の楽しみにしておくことにして、私はヴィックに教えてもらった巨人のモニュメントに向かうことした。