定着から放浪へ 放浪から定着へ

アイルランド、アラスカ、ニュージーランド、西オーストラリア、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

変わらない証明 - Cycling Western Australia -

マーガレットリバーの朝はいつものキャンプの朝だ。テントの中を簡単に片付け、キッチンでコーヒーを入れ朝食を摂る。

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キャンプ暮らしがようやく日常的になってきた。だが、もう私の旅は終盤である。目的地としてきたマーガレットリバーまでやってきて、帰国まで数日。

マーガレットリバー以外に西オーストラリアでもう一カ所、行ってみたいところがあった。

パースの西に浮かぶロットネスト島である。

今日は朝からバスに乗り、電車とフェリーを乗り継いでロットネストまで行く予定だ。

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朝食後、パッキング。旅に出てしばらく 6つあるバッグに何をどう入れるか定まらずにいたが、ここにきてようやく定位置が決まってきた。こうした些細な行為が当たり前の生活の一部になっていき、旅が日常になっていく。旅が日常だった若い頃の日々を思い出す。もし、次の週もその次の週も旅を続けていたら、どんな旅になっただろう。

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パースまでの長距離バスに一度乗ると昼過ぎまで乗りっぱなしになるため、キャンプを撤収すると昼食を買いにマーガレットリバーベーカリーへ行く。マーガレットリバーベーカリーは朝8時前だが、大賑わいだ。
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テラスで朝食を食べている人やパンとコーヒーを買ってサッと出て行く人、様々人が店にやっていていた。
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朝から店頭にはカラフルな甘いものから、ベーグルサンド、クロワッサン、パイまで様々な商品が並ぶ。見ているだけで楽しいが、忙しい朝の店内でゆっくりしている訳にもいかない。

私はGoogleの口コミに書いてあったおすすめというアーモンドクロワッサンと(これがまた大きくてびっくり!)とシニードーナツ、ベーグルサンド購入した。

ベーグルサンドは注文してから一度焼いてくれる。フードコートで渡されるような呼び出しブザーを渡され、しばらく待つ。

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ブザーが鳴り、受け取り口へ行くと、伝票と商品がポン、と置いてある。合理的だな。

ブザーの音が消えずに困っていると、友人の高校生に似ていた雰囲気の店の女性が「それね、消えないからいいよ」と言ってくれた。 

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昨日、インフォメーションセンターの男性が教えてくれたバス停は小学校のスクールバスも停まるところらしく、小学生の送迎の風景を見ることができた。

数人の客とバスが来るのを待つ。バスが到着すると運転手が素早く下のラゲッジスペースは開ける。

私はバイクを積むように予約していると伝えると「こっちの端に積んでくれ」と言われる。

バイクスペースは2台分で、バイクを積むのは要予約、フロントホイールを外した状態にすること、とホームページに書いたあったので、専用ラゲッジでもあるのかと思ったらなんてことはない。普通にバスの下のラゲッジスペースの端に積むだけだ。こういうざっくりしたところは海外らしい。

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客を乗せてバスはマーガレットリバーを後にした。

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パースに向けてバスは戻って行く。私が走ってきた道より西の道をバスは北に進んでいく。いくつもワイナリーを通り過ぎる。あのワイナリーに行ったらどんな感じなんだろう。この道はフラットで走りやすそうだとか、そんなことばかり思う。

 

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バスはバンバリーまできたところで休憩。バスと鉄道のターミナルだった。

私はバス会社のデスクで予約変更分の差額を精算し、 バスの出発を待ちながら、マーガレットリバーで買ったベーグルサンドを食べた。
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ベーコンにチーズ、アボカドとそれから何のソースわからないが、甘めのソースが合わせてあり、とてもおいしかった。
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ベーグルサンドで結構お腹いっぱいなったので、アーモンドクロワッサンは一口齧るだけにしたが、パリパリのクロワッサンと風味豊かなアーモンドクリームは評判どおりの素晴らしい美味しさだった。

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バスが再び出発した。

バンバリーからオーストラリンド、マンジュラと走ってきた街を通り過ぎて行く。いざバスに乗ってしまえば早いものだ。 数日前に走ってきたハイウェイがあっと言う間に流れていく。私は、飽きずに車窓からの景色を眺めていた。

 

私はパースの南、20キロほどのコックバーンでバスを降りた。

ここからまた電車に乗り換えてフリマントルまで移動するのだ。

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コックバーンからフリマントルまでは一度パースまで出て乗り換え。

駅員さんに聞くと駅員さんが優しく教えてくれた。

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駅のホームには私以外にも自転車を持っている人がいた。自転車を持って乗るのは一般的なようだ。

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フリマントルまで戻ってきた。 ロットネスト島にどのぐらいの施設があるかわからないが、食料品が普通に買えるのかどうかということ、それからビールが買えるところがあるかということが心配だった。

基本的には観光地なので大丈夫だと思うが、それがゆえに高いレストランに入るしか選択していないというのは避けたいところだった。

ロットネスト島行きのフェリーの時間が迫っていたが、フリマントルで食料とビールを買い、フェリーターミナルに向かった。
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フェリーターミナルの場所が少しわかりにくくて時間ギリギリの到着になってしまったが、フェリーのチェックインは簡単なものだった。直前にメールで送られてきた確認のQRコードを乗船時に係員にスキャンしてもらっておしまい。f:id:independent-traveller:20250326210954j:image

自転車はピンク色のテープをハンドルに巻かれバイクを預けておしまい。簡単なものだ。どんな感じで積まれるのかと思ったら、船の舳先のほうから順番に重ねていくだけだった。まぁこういうところはこんなもんであろう。

出航準備をしている地上スタッフは高校生くらいに見える若者たちだった。 仲間同士で冗談でも言っているのだろう、緩い感じで働いていて、微笑ましかった。こういうオーストラリアの空気感はとてもいいなと思った。
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フリマントルからロットネストのまでは約45分。船はなかなかよく揺れた。時々窓に波がかかる。これは自転車は塩だらけになっているのではないだろうか。 私のバイクは鉄製フレームのなので、錆びないかちょっと心配になった。しかし心配したところどうしようもない。

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船の中のテレビでロットネストの紹介映像が流れている。島のジェネラルストアの画像が出てきた。どうやら食料もアルコールも買えるらしい。

わざわざ買ってこなくてよかったか。

 

船がロットネスト島に着いた。

長い移動日は終わった。

フェリーターミナル降りてすぐのインフォメーションセンターに行く。

ロットネット島はパースから近い観光地であるので、今日に限っては、日本からキャンプ場の予約をしてあった。

インフォメーションセンターで手続きをしてキャンプ場の場所を教えてもらう。
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さすが有名観光地。人が多い。

着いたのは午後3時位であったが、フェリーターミナルの周りから店が並ぶあたりは観光客がたくさんいた。これはちょっと苦手な感じかもしれない。人が多すぎるのだ。

 

キャンプ場までは数分で着いた。

指定されたテント場はやや斜めの地形でちょっと外れか、と思ったが眠れないほどではなかった。

私のテントの近くに10人くらいの若い若者たちがいて、ちょっと騒がしいなぁと思ったが、まあこんなもんだろう。

 

宿泊している客は思ったより多くはなかった。

ただちょっと観光客の勢いに飲まれてしまうのが心配になり、これはビールが必要だと思った。

しかし手持ちのビールは2本。これでは足りない。

私はひとまずテントを張ると一旦街のほうに引き返し、ジェネラルストアでビールを買い足した。

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テントに戻ると二匹のクオッカが、うろうろしていた。
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クオッカは50センチほどの小さなカンガルーの仲間で、島で保護されているため、島の至る所で見ることができる。奈良公園の鹿状態である。
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私のテントの周りにいたのは、どうも食べ物の匂いにつられて来たようだ。

あれだな、マーガレットリバーベーカリーのクロワッサンだ。

そりゃいい匂いがするよな。私は二匹のクオッカを優しく追い払った。

 

荷物を付けた自転車で来た私に興味を持ったのか、小さな子供を連れた年配の男性が話しかけてくれた。

「どれぐらい旅をするんだ」と聞かれて「10日位だ」と答えると言うと「短いな」と言われてしまった。

そのうち誰かに言われると思っていた。そんなことは自分が一番わかっている。

「日本人は休みを取るのが難しんだ。10日休めばロングホリデーさ。ボスに『10日休む』と言ったら、ボスはちょっと怖い顔をしたよ」と私は笑いながら説明した。若い頃よくそんな会話をしていたものだ。

 

陽が傾いてきて、私はキャンプ場に隣接したPinky Beach に出た。
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有名な場所だが、人はほとんどいなかった。

 

白い砂浜のビーチに少し強い風が夕日から吹いてくる。

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私は思い立ち、セルフィーで写真を撮った。

20年近く前、ニュージーランドのPapamore Beachで撮影した写真と同じようなアングルで写真を撮りたくなったのだ。

歳は取ったが、若い頃と同じようなことを今もやっている。

それを証明する写真なのだ。