定着から放浪へ 放浪から定着へ

アイルランド、アラスカ、ニュージーランド、西オーストラリア、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

アイルランドの日の光 - cycling Ireland-

ダブリン郊外へ

朝5時過ぎに起床。準備をして7時にはアッシュフィールドホステルを出発した。雨は降っていないが、曇り空。アイルランドは9月で十分寒い。最高気温が15℃、最低気温が7℃といった具合で、 日本の太平洋岸の晩秋から初冬といったところか。

服装は半袖のメリノウールのアンダーウェアに、薄手の長袖ジャージ、蛍光色のジレ。下はレーサーパンツとレッグウォーマー、その上からマウンテンバイク用のハーフパンツ、ソックスもメリノウールのソックスを履いた。

少し冷えるが、走れば暖かくなるだろう。

 

朝のダブリンは静かなものだ。

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人がごった返して自転車やバスが縦横無尽に走っていく昼間とは大違いだ。

今日の目的地はダブリンの南西にあるCarlowという街。まずは西へ向かう。ダブリンからはGoogleマップのナビが示したルートとLonely planetのルートを参照しながら走っていく。明日はKilkenny でビール工場見学を予定しているので、今日のうちにキルケニー近くまで移動して、明日の活動時間を稼ぐ予定だ。

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ダブリンから出るために国道81号をしばらく走った後、国道を外したルートを進んでいく。道はゆるく登っていった。宿を出発した時はほとんど雨は降っていなかったが、途中から雨が少し降るようになっていた。ザーザーではなく、パラパラより少し多い程度の雨でレインジャケットを着ただけで何とかやり過ごせた。

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道の左右に牧場が現れてくる。アイルランドの都市郊外は牧場であることが多いようだ。馬、牛、羊などが放たれている。

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登ってた道を振り返ると下のほうに街が見える。低く雲が垂れこめている。これが雨が多いと言われるアイルランドでは普通の景色なんだろうか。

来た道を振り返ると虹が見えた

道は小さなピークを越えた。小雨の降り続く下りは思いのほか冷える。

特に足が冷えて明日以降はシューズカバーをしたそう方が良さそうだ。

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グレーな曇りの景色の中を走り続けていると、ゆっくりと雲の間から眩しい日差しが入ってきた。

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すると黄金色に輝く太陽の光がだんだんと広がってきて、それまで暗かった周囲の景色の全てが明るくなり、雨露に濡れた牧草地やアスファルトの道路に反射して、私の視界に入るすべてのものが輝き出して見えた。

なんて神々しい景色なのだろうか。

走り出し初日からこんな美しい景色に出会えていいのだろうか。久々に心が震えた。

 

Blessington 

午前10時を過ぎた頃、最初の休憩地点としていたBlessingtonに到着した。予定より時間がかかってしまったが、幸い時間的にゆとりがないわけではないので、問題は無いだろう。

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3時間ほど走りペースを速くなかったものの、それなりに疲れていたので少し休憩することにした。

1キロほどのメインストリートに商店の並ぶ街。自転車旅でなければなかなか寄ることはないような街だろう。

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「Ducks and Hats Eatery」というかわいい感じのレストランに入る。昼食には早いのでカプチーノを注文。カプチーノ飲みながら家族にLINEを送る。ちなみにアイルランドは夏時間で日本との時差は8時間。ちょうど今頃は夕食前といった時間であろう。次女からLINEの返信が来る。旅行中、一番LINEに返事をくれたのは次女だった。
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Soup of the day

再出発。ここまでGoogleマップの引いたルートを使って走ってきたが、なかなか良かったので引き続きGoogle マップを使う。しかし湖畔のトレイルに案内されてしまい、「道がないぞ」とウロウロしていると、地元のじいさんに話しかけられる。

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「今日はカーローまで行く」と私が言うと、

じいさんは、たまたま散歩していたお姉さんを捕まえて「おいカーローまで自転車で行くとよ。」と、なにやら絡んでいた。お姉さんは「信じられないわね」と言うとそのままじいさんをスルー。

じいさんは国道81号に戻る抜ける道を教えてくれた。

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国道81号に出てGoogleでルートを再検索すると推奨ルートはもう1本東側のルートを示されていたが、そのまま国道を進むことにした。少し休憩でのんびりしたこともあり、時間を優先である。

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道路の制限速度が100キロに上がり、車がかなり飛ばすようになってきた。特に追い抜いていくバイクが速い。
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道を走っていると時々、墓のような慰霊碑のようなものを見かけるようになった。どうやら交通事故で亡くなった人のもののようで、結構事故もあるのだろう。それを思うとちょっと怖くなってきた。ただこの国道は地元のサイクリストも走っており、時折すれ違うサイクリストがあいさつしたくれた。

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お昼を少し回ったところで、Baltinglass に到着した。スラニー川沿いの綺麗な街。

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昼ごはんの店を探して、街の中心部をウロウロして店の外観を見たり、Google マップで調べたりした結果、「Bia Blasta 」というレストランに入る。今はスマホが1つあればGoogle マップで調べてレストランのメニューとその値段までわかってしまう。

とても助かるが、直感で思い切って入るドキドキは失ってしまったとも言えるかもしれない。今回の旅は、スマートフォンのおかげでかなり助かった部分もあるものの、その分、昔はあった無駄な何かがなくなってしまっている気がしてちょっともったいないなと思えることもしばしばあった。

通りで見つけたかわいいお花屋さん

それなりに走っているので、食欲はあって良いはずなのだが、フライトから続く飲み続けのせいなのか、少し胃がやられているらしく、山盛りのフライドポテトを食べる感じではない。

メニューを眺めると、「Soup of the day」があったのでそれにした。軽い食事にちょうどいいと『地球の歩き方』に書いてあったのを思い出した。

「本日のスープ」という意味で、店のお姉さんは今日はベジタブルスープだと説明してくれた。

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オレンジ色のスープにパンが2枚添えられて出てきた。このぐらいでちょうどいい。しっかり目の味付けで、ニンジンとじゃがいもがベースなのだろうか、トロッとしたスープだった。パンは穀物の甘みのするパンで、このくらいが今の私にはちょうどよかった。

店の端末にトラブルがあったらしく、支払いにカードが使えないとの事だったが、現金はまだほとんど使っていない。私は現金で支払いを済ませ、店を出た。

 

静かに私の旅が始まっていった。