定着から放浪へ 放浪から定着へ

アイルランド、アラスカ、ニュージーランド、西オーストラリア、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

アイリッシュレッドエール - cycling Ireland -

Kilkennyというビール

そのビールを知ったのは、まだ20代の時。ニュージーランドへ自転車旅に出るため、当時勤めていたホテルを辞める頃、ニュージーランドでワーキングホリデーをしていたことのある先輩が「ウェリントンモリーマローンズってアイリッシュバーがあって、そこでフィッシュ&チップスを食べながらキルケニーを飲むのが最高なんだ」と教えてくれたのが最初だと思う。

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実際にニュージーランドに行って、ロトルアのアイリッシュバーで初めて飲んで以来、すぐに好きになってしまった。アイリッシュビールと言えば真っ黒なギネスのイメージしかなかったが、Kilkenneyのコクのある甘味ときめの細かい泡と炭酸、そして特徴的な赤い色、そのビールに私は完全に魅了されてしまった。その後、ウェリントンモリーマローンズにも行って飲んだし、ニュージーランドのスーパーで見つけるたびに買っていた。また、その後訪れたアラスカやタスマニアでも見つければ必ず飲んでいた。

 

日本でも探せば飲めるところがあったが、少し前に日本から撤退してしまった。

そんなこともあり、春の西オーストラリアの旅ではリカーストアで見つけた時には歓喜したものだ。

私の旅とは切っても切れないビール、キルケニー。そのキルケニーが生まれたのがキルケニーという街にあるアイルランド最古のSmithwick's醸造所。

ちなみにアイルランドにはキルケニーというビールとは別にSmithwick’sというビールがある。元々キルケニーは、スミズウィッグの輸出用ブランドとして誕生したらしい。カナダやオーストラリアなどで「Smithwick’s」が発音しづらい・商標の関係で使いにくい、という理由で「Kilkenny」という名前が採用された、とのこと(AIに聞いた)。 

アイルランドに行くからには必ず行きたい、そう思っていた場所がキルケニーであり、Smithwick'sであった。今日ついにその夢がかなのだ。

朝焼けのCarlow

夜明けまでスマホで天候などの情報を見ていた。アイルランド滞在中はiphoneのデフォルトで入っている天気アプリを使っていたが、時間別の雨予報はかなり正確であることがわかったので、旅行中はそれを使っていた。今日は9時ごろから本格的に雨が降り出すようだ。キルケニーまで2時間程度。もう一杯コーヒー飲んだりすると出発は8時頃になるだろう。

朝7時頃、お腹が空いたので2度目の朝食を摂る。パンを1枚かじり、さらに昨日ダブリンの宿のフリーラックからもらったりんごを食べた。もちろんコーヒーも淹れた。

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テントから顔を出すと周囲の景色が真っ赤に染まっている。なんと鮮やかな朝焼けだろう。まるでSmithwick'sの赤のようだ。

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出発の準備をしていると、オーナーのジャガーが通り掛かり、親指を立て笑顔でうなずいた。私も同じようにして答えた。いろいろあったが面白いキャンプ場だった。

出発前のRancho Reilly'sで

服装は昨日寒かった反省を生かして、メリノウールのソックスを防水ソックスに変えた。防水ソックスは今回の旅で初めて導入した。さらにシューズの上からは、レインシューズカバーをした。上から下までレインウェアを着込み、アンダーウェアには初冬に使っているロングのアンダーウェアを、手袋は防寒テムレスを使用した。防寒テムレスは雨も防げるし、適度に保温にもなってかなり良かった。結局、旅の間、寒い日は常に防寒テムレスを使うことになった。この服装が今回の旅の服装の基準となった。


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今日もルートはGoogleに引かせた。結論から言えば、なかなかよかった。サイクルコンピューターのマウントにスマホを装着し、時々ナビを確認しながら走った。

何を勘違いしたのかCarlowからKilkenneyまで20キロ位だと思っていたのだが、実際は40キロ弱だった。

走り出ししばらくで雨が降り出してくる。f:id:independent-traveller:20251012104230j:image

なかなかの雨量だ。予想していたアイルランドの雨ライド。大丈夫、ニュージーランドでもアラスカでもタスマニアでも、そしてもちろん日本でもこのくらいの雨はあった。きちんと準備さえ出来ていれば恐れる必要はない。
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道自体は基本的には平坦で走りやすく、ほぼノンストップでキルケニーまで走り切った。時間にして2時間弱といったところか。

キルケニーへの道のどこかでカメラの三脚を落としてしまった
Kilkenny

キルケニーの街に入り、とりあえずキャンプ場に行くことにした。ここは連絡先が分かったので事前にメールで予約してあった。気合いをいれて英語の予約メールを送ったが、「空いてるからいいよ。じゃあ当日ね。」という軽い返事が来て、結局値段もわからないまま、今日に至る。

まだ午前中ではあるものの、過去の経験から言えば、テントサイトだと午前中からでもチェックインできるところが多い。今日のキャンプ場はちゃんと受付があった。

ちょうどオーナーのおじいさんがゴルフカードに乗って戻ってきた。

チェックインをしたいと言うと、「おお、今開けるから待ってくれ」といい、受付を開けてくれた。

明日は早朝の鉄道を予約してあり、早朝に雨の中でテントを撤収するのが面倒なので、一応、テントサイト以外の空きもないか聞いてみる。空きがあるのはグランピングの1泊100ユーロのところだけらしい。キャンプサイドはちなみに17ユーロ。安いな。

私は「オーケー。テントにする。」大変だろうが、この金額の差では仕方ないと思った。

テントサイトは今日も牧場の横。柵の中でポニーが数頭草を食んでいる。


テントサイトは幸い木が立っているところがあり、そこはキッチンとも近かった。そこでテントを張った。

地面が少し斜めな気がするが、まぁこんなもんだろう。

レインジャケットを脱げないぐらい寒いと思ったが半袖の男たちがいた

キャンプ場のおじいさんもいい加減なもので、テントサイトの場所だけ説明すると、じゃあと言って行ってしまった。メールのやりとりまんまである。

テントサイトやトイレ、キッチンの場所などを確認するため、ぐるぐる歩き回る、他の客にトイレの場所を聞かれたが、あのじいさん他の客にもあまり説明をしていないようだ。まぁ言っても17ユーロである。

 

テントの設営などを終え、街に出かける。キルケニー城などがある街の中心部まではそう遠くない。

 

雨のキルケニー。やがて雨は上がった

左側がキルケニー城

 

まずは昼食。いくつか調べて、「The  Fig Tree」というレストランにする。ちょうど昼時で店はごった返していたが、一人ということもあり、すぐに席に案内してもらえた。

かなりお腹が空いていたので、思い切ってフルアイリッシュのモーニングにする。コーヒーがついて15.5ユーロ。ちなみにモーニングは昼でも注文できる。

しばらくして料理が出てくる。もりもりである。

ソーセージとウィンナー、ケチャップ味の煮豆、ハッシュドポテト、たまご、トーストの半切りが4枚ベーコン2枚と言うなかなかの量であった。

雨で消耗したライドの後で空腹だったが、それでも満腹になった。おかげで夕食は軽めになった。

レストランやバーで食事を頼むとよく出てくるソース類。ケチャップ、マヨネーズ、ブラウンソースなど

ハイストリートに本屋があったので入ってみる。

ざっと全体を見て、ポストカードを4枚買った。レジをしてくれたマダムが「スタンプは?」と聞くので「ここで買えるの?」と聞くと「ある」と言う。今日は日曜日でポストオフィスは開いていないだろうから切手は諦めていたので、ここで買えてうれしい。マダムは実際に切手を私に見せながら「いい?大きいのはここに貼って、この小さいのはこの隣に貼るのよ。」丁寧に切手の貼り方まで教えてくれる。前回オーストラリアで切手を買ったBinngupのジェネラルストアでもそうだったが、ポストカードと切手を買うというアナログな行為が、ちょっと素敵な出会いを生むのは何とも旅らしいと思う。手紙を書くきっかけをくれた人々にはお礼を言いたい。

Smithwick's Exprience

Smithwick's Exprienceの予約時間が迫り、いよいよSmithwick'sへ。

予約時に送られてきたQRコードスマホに表示すると受付のお姉さんがスマホをスキャンしてくれる。しかし、うまく読み取れない。何か言っているのだが、よくわからない。彼女がスマホを操作してくれるがうまくいかない。彼女が自分のスマホの画面を明るくして見せてた。ああ、なるほど画面が暗いんだな。画面設定を操作し画面を明るくすると、無事スキャン完了。

「Perfect!」彼女と私の声がそろった。

ツアーは1ツアーで10人ほどでお客さんは外国人ばかりだった。オーストラリア、アメリカ、ドイツなど。そもそもキルケニー自体が観光地で、街には羊毛のマフラーや高そうな紳士服などの土産物もたくさん売っていた。人が多いが、店も多いし、キルケニー城など見どころも集まっている。確かに普通に観光できても良さそうだ。もっともアジア人はあまり見なかった。

Smithwick's Exprienceのツアーはときどき映像を交えながらガイドの男性が説明してくれた。残念ながら私の英語力でほとんどわからなかったが、ミニテーマパーク的なGuinnessストアとは違い、こちらの方が断然良かった。ただ自分の英語力のなさが恨めしかった。これでもDuolingoの無料レッスンを三か月続けたのだが、全く役に立たない。というかアイルランドの英語は私には聞き取りにくいのか、今まで行った英語圏の国よりも英語でかなり苦戦している。

ツアーの後半では、ローストされた麦やイーストなどのサンプルを実際に嗅がせてくれそれぞれのフレーバーを体感することができる。


英語力があるならば、Guinnessよりこちらをおすすめしたい。私の友人であれば断然こちらを選ぶのではないだろうか。

 

なお、Smithwick's Exprienceについてはこちらの方のnoteが詳しいのでこちらを見ていただきたい。

note.com

最後のお待ちかねの試飲である。Kilkenney、Smithwick'sのペールエール、Smithwick's の3種類。

ペールエールの華やかな味も良いが、キルケニーもスミデイックスもおいしい。アイルランドとイギリスぐらいでしか飲めないスミデイックスは、今日まで飲むのを我慢していた。味は両者似ているが、スミデイックスのほうが色がより赤く、こちらのほうが甘味と苦みのバランスが私の好みかもしれない。この先はあればビールはスミデイックスばかり飲んでいた。

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Smithwick'sのバーでは生演奏をやっていた。ビールの試飲はをけっこう量があった。ハーフパイントずつはあったと思う。エールビールと生演奏をしばらく楽しむとそのまま土産物売り場へ。Tシャツや栓抜きなど小さいものを数点購入した。今思えばグラスも買っておけばよかった。いや、自転車旅の前半では無理な話か。

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Smithwick's Exprienceを後にすると、キルケニー城の裏のトレイルを行く。ここはキャンプ場のお客さんが教えてくれた道だ。散歩している犬が先を案内するかのように私を先導してくれた。いい気分でキルケニーを散策しながらキャンプ場に戻った。

一つ、夢がかなった。