快晴のアイルランド
「Spoon and the stars」を出発し、ドロヘダを離れる。今日はアイルランドとイギリス国境に流れるニューリー川の河口にあるカーリングフォード湾のフェリーを使い、国境を越えイギリス領に入る予定。先の日程にゆとりを持たせたいので、フェリーを使ってショートカットをし、80キロ程度で済ませたいところだ。
今朝の天気は晴れ。なんと朝から快晴である。晴れのアイルランド。空の青と牧草の緑が鮮やかな色を放っている。グレーの曇った空とその景色はもはや当たり前のアイルランドの景色として受け入れていたが、こうして朝からすっきりと晴れているとまるで印象が違う。

国道を北に上がっていくとサイクリストとたくさんすれ違う。この辺りは特に年配の人が多く、蛍光色のジャケットやベストを着たおじいさん、おばあさんが軽快に走ってくる。年配のサイクリストが多いのは平日の午前中ということもあるのかもしれない。軽く手を挙げて「Hi!」と挨拶する。どこの国であってもこうしてサイクリストと行き会うのはうれしい。

まっすぐに伸びる国道の両脇には緑が広がる。その多くはこれまで同様に牧場だ。ぺダルを踏んで自転車がどんどん加速し、周囲の景色がどんどん変わっていく。空が晴れているだけで、その単純ないつもと変わらぬ行為が楽しくて仕方がなかった。
だが、交通事故もそれなりにあるようで、宿を出るときにKタロウくんが「ブラックポイントって言われる交通事故が多い場所があるんで、注意してください」と」言っていたのを思い出す。郊外の道は確かに車は飛ばているので、十分気を付けようと思った。

しばらく走り続け、Bellingam Castleという街に入る。郊外の小さな街といったかんじだ。その名の通り、城のあった街なのだろう。
ポストオフィスにいいポストカードでもないかと覗いてみたが、それらしいものはなかった。できればニューグレンジのポストカードが欲しかったが、見つかられなかった。
Great Northern Distillery
最初の目的地はDundalkにあるグレートノーザン蒸留所。見学できる工場ではないので眺めるだけだが、通り道であるので立ち寄ることにしたのだ。
グレートノーザン蒸留所は、自社用のウイスキーを作っているわけではない。

アイリッシュウイスキーのブレンドのもとになるグレン・ウイスキーを主に作っている蒸留所で、様々な他のブランドに出荷していると言う。いわばアイリッシュウイスキーの屋台骨を支える蒸留所である。ゲートの外から覗いただけだが、まさに工場といった感じだ。



さよならCarlingford Lough ferry
ダンドークで少し早めの昼食という手もあったが、この後フェリーに乗る予定である。満腹でフェリーに乗って船酔いするのも何だし、私はフェリーで国境越えしたあとに遅めの昼食を取ることに決めた。昔、ニュージーランドで北島から南島に向かうフェリーでフィッシュ&チップスを食べて、気持ち悪くなったのを思い出したのもある。
ダンドークからフェリーの出るGreenoreまで約25キロほど。少し雲は出てきだが、風は追い風。私は早くフェリーを捕まえたいこともあり、風に押されるがまま、なかなかいいペースでペダルを踏み続けた。


実はグリーンノアの手前にクーリー蒸留所があったのだが、気が付かずに通過していた。こちらの蒸留所も見学できるわけではないようなので、まあよしとしよう。
一時間半ほど走っただろうか。道の突き当たりのフリーターミナルにつく。海岸線のがらんとしたところで、隣に砕石かコンクリートか何かの工場があるが、フェリーターミナルには建物もなければ船もない。

看板を見ると毎時30分に出発とある。フェリー乗り場であることは間違いないようだ。短い航路なので、いろいろ簡素にしているのだろう、と勝手に推測した。

現在時刻は12時45分。少し待つか。
しかし、待てども船は来ない。たまたまやってきた地元のサイクリストを捕まえて話を聞いてみると、「今日は来ないんじゃないかなぁ。ウェブサイト見てみなよ」と言われる。
今更ながら調べてみると、今週については週末しか運行しないらしい。私はGoogleマップで普通にルート案内が出たこと、日本の短い航路(伊勢〜伊良湖、和歌山〜徳島など)フェリーが毎日運行していることもあり、てっきり毎日運行していると勝手に思い込んでいた。
ああ、またやってしまった。
キルケニーの電車の予約といい、今回こんなことばかりだな。
どうしてフェリーのことをちゃんと調べなかったのだろう?
ここから予定のキャンプ場まで何キロあるんだ?
今後の日程を考えると予定のキャンプ場まで何とか行きたいが。。。どうやって行こうか?
……続く
