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アイルランド、アラスカ、ニュージーランド、西オーストラリア、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

御末社巡り - 新城市黒田の石仏を巡る -

1月の終わりの日曜日、友人から「来週、地元で『御末社巡り』っていう地元行事を一般募集もかけてツアーをやるんだけど、けっこう山道もあって心配だから手伝ってほしい」と言われた。

少し前に新聞の地方面に地元を知ってもらうため地元有志が一般向けのガイドツアーをやる、そんな記事が出ていた。主催者に友人二人の名前もあり、がんばってるなと他人事のように思っていたが、まさか手伝うことになるとは。

せっかく声をかけてもらったし、新聞を読んで興味もあったので参加させてもらうことにした。

 

そもそも「御末社巡り」とは何なのか。

「おまっしゃめぐり」と読むそうで、新城市の南部、黒田地区の風習で毎年、一月中旬に黒田の周囲の里山にある28の石仏を順番に巡りお参りする行事らしい。

今回のツアーには20名ほどの人が参加。2月の早朝の新城は寒い。

参加者は半分が地元黒田にゆかりの人のようだったが、私のようによその地域から来た人もいた。

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集合場所の駐車場の傍らにある仁皇様の前で、地元の方から「御末社巡り」についての話や仁皇様の話を聞く。江戸時代にお伊勢参りなどが流行ったころ、遠くに行けない地元の人々が集落を囲む里山に様々な石仏を集め、それを巡るようになったらしい。

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集落にある仁皇様から南部の里山に入っていく。昔は子供からお年寄りまで参加していたそうだが、今では地区のお役もある人ぐらいしか参加しないそうだ。そうした事情もあり、私の友人たちは「地元の人にも「御末社巡り」をもっと知ってもらいたい」と、今回のイベントを企画したという。

私は奥三河の風習についてはある程度知っているつもりだったが、この「御末社巡り」は全く知らなかった。参加者の中には、奥三河観光ガイドの方もおり、お話させていただいたが、その方も今回初めて知ったという。奥三河にはまだまだ知らない風習、さらに言えば、知られないまま失われた風習があるかもしれないなと思った。

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途中の山道は比較的山道を歩きなれている私でも急な登りと感じるような道だった。細い山道といった感じで特に階段が整備されていたりはしないが、道の周囲の枝は払われ、踏み跡はついており、必要以上に手が加えられていないのは好感が持てた。

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小高い山の上には、金比羅様が祀られている。参加者はそれぞれお参りをし、事前に配られたお米と持参した賽銭を供えていた。なお、お米は獣害対策で最後尾の地元の方が回収していた。

獣害の話題が出た際に地元の方に話を聞いたが、黒田はイノシシは出たが、シカは出なかったらしい。ただ近年はシカも出るそうだ。とにかくシカが増えているというのは奥三河のどこでも聞く話だが南部の黒田も例外ではないらしい。
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一旦山を下り、集落の中にある本光寺跡へ。ここにはかつて寺子屋があったそうだ。今は阿弥陀如来や才の神、庚申様などが祀られている。f:id:independent-traveller:20260211175801j:image

本光寺跡からは、再び山道へ。
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次の石仏は馬頭観音。どうして街道でもないこんなところに馬頭観音があるのか地元の方に聞くと、ここは隣の吉川の集落と結ぶ古い道だそうだ。そうしたことから吉川地区とは古くからつながりがあり、集落間での結婚もよくあったそうだ。

現在では、黒田と吉川は車で行くには大きく山を迂回する必要があり、私は二つの集落のつながりなんて全く考えたことがなく、地図をみて大いに納得した。
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馬頭観音のあとは、足浅間、腹浅間、頭浅間と順番に神様が並ぶ。その名のとおりそれぞれの名前の体の場所のケガなどにご利益があるらしい。ここのところ膝の調子が悪い私は足浅間様に特に念入りにお祈りしておいた。
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その後は車の走行できる林道を歩いていく。林道ができる前は山の稜線を歩いていったらしい。それはそれで面白そうだな、と思った。また探索に来よう。
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林道をしばらく歩き、行者様のある広場で休憩。地元の方々がお茶やお菓子を出してくれる。歩いてきたので体は温まっているが、雪が舞っていた。遠くに見える本宮山は暗い雲に覆われていた。


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ここの役行者(えんのぎょうじゃ)は友人イチオシのイケメンである。集落を見下ろすように鎮座していた。
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再び林道に戻り、黒田の集落を囲む山々の中腹を進んでいく。沢路の奥へ入っていくと不動明王があった。ここは黒田川の源流だそうだ。不動明王の下は滝のような小さな崖だったが、水は少し染み出しているという感じであった。
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不動明王から先は、林道を下り集落のほうへ戻っていく。開けたところに出ると道の分岐に立つ柊があった。これが安産の神らしい。柊の木の下に観音様がいたが、ここも昔は別の石仏があったとか、そもそも石仏はなかった、という説があるそうだ。

そうした判然としない歴史がなんとなく伝承されているのは、それはそれでいいような気がした。おおらかな集落の人々の気質をうかがわせるエピソードだと思う。

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最後は集落にある諏訪神社。立派な御神木が目を引く。
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ツアーはここで終了。約7.5キロの行程を3時間で回った。子供からお年寄りまで参加者がいたわりに順調に回れたのではないだろうか。ハイキングコースとしてみても歩きごたえがあり、なかなかいいコースだった。f:id:independent-traveller:20260211175744j:image

特にトラブルもなく、無事に終わってほっとした。

終了後、主催の友人たちに地元ケーブルテレビがインタビューしていた。よくがんばったよ。

急な話ではあったが、久しぶりに奥三河の新たな一面を知ることができた休日だった。