定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

PEDAL MARK - ライド新城 -

週末、小学校3年生になる長女と新城市で開催されたサイクルフォトロゲイニング「PEDAL MARK」という自転車のイベントに参加した。

三河の玄関口である新城市は長篠設楽原の戦いなど、歴史的な街として知られているが、最近はスポーツによる地域振興に力を入れており、とくにアウトドアスポーツは定期的にイベントが開催されている。新城市役所にはその名も「スポーツツーリズム推進課」があったりして、その力の入れようが分かる。

 

今回のイベントは「フォトロゲイニングin新城」と同時開催で、こちらは一般社団法人ダモンデの主催。代表の有城さん(旧姓山田さん)は私の友人でもある。また、ペダルマークは新城市で地域おこし協力隊として活躍する"Hatch"こと蜂須賀さんが中心となって実行委員会方式で運営されている。ハッチさん含め運営に関わる人もほとんど友達で、子供を連れて参加するのには不安がなくていい。それにbucyo coffeeさんが飲食ブースを出してくれているので食事の心配もない。

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ちなみにフォトロゲイニングとは、地図上にあらかじめ設定されたチェックポイントを制限時間内で多く巡って、獲得した合計得点を競うスポーツで、チェックポイント通過の証明に目印を撮影した写真を使う。今回はランと自転車、それぞれ開催されるのだ。

 

以前、フォトロゲに長女と初めて出たので、今回はペダルマークに出たい、と考えていた。長女はあまり公道で自転車に乗らないので、最初はフォトロゲかいいかな、なんて言っていたが、話しているうちにペダルマークがいい!と言うようになった。直前に参加のお願いしたので主催者の方々にはご迷惑をかけてしまった。

ペダルマークにしたのは他に理由があって、普段、子供たちと自転車をやろうとすると下の子供たちがついてくるので、なかなか長女にみっちり付き合って自転車に乗れないのである。たまには長女と長い時間一緒に走って見たかった。

 

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朝9時、一般のカテゴリーの選手たちがスタートしていく。私たちファミリークラスは11時からのスタートだ。ゴールの時間はどちらのカテゴリーも午後2時で、一般は5時間、ファミリーは3時間の競技時間である。制限時間を超えるとペナルティがつく。しかも一分につき50ポイント。一箇所のチェックポイントで獲得できるポイントが最大100ポイントなので、どのくらいのものかお分かりいただけると思う。

 

一般クラスのスタートを見送り、長女と地図を見ながら作戦タイム。

 

私は比較的この地域のことを知っているので、地図を見れば大体行くべきポイントは分かる。あとは実際、長女がどのくらい走れるかだ。

 

長女と地図を見ながら、北に行くのか東に行くのか相談した。私はざっくり1時間行けるとこまで遠くに行って、あとはお昼食べながら帰ってくればちょうどいいだろうと考えていた。長女が道の駅「もっくる新城」のチェックポイントに行きたいというので、そこをお昼目標にして、周辺を回る計画を立てた。もっくる新城の観光案内所に友人が働いており、長女は彼女に会いたかったようだ。

 

11時になり、競技スタート。

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長女を前に走らせ、私が後ろにつく。

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長女は私が思っていたより走れるようだ。かつての国道沿いに進み、最初のチェックポイントに向かうはずが、早速行き過ぎてしまった。

長女に「ゴメンよ」と言い、二つ目に予定していたポイントに向かう。

 

チェックポイントは車通りの多い道から田んぼの間を抜け、更に川に向かって降りていく場所にあり、普段はあまり人が入らないのだろう。道には落ち葉が積もっていた。

長女はあまり悪路を走ったことがないので心配だったが、上手く乗って降りてきた。

チェックポイントで写真撮影。

次のポイントに向かう途中、フォトロゲの選手たちがやってきた。長女を見て「すごいねー。」と声をかけてくれる。

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次のポイントは田んぼの真ん中だ。

 

長女が黄金色に染まる田んぼの間の道を一生懸命ペダルを漕いで走っていく。

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大きくなったな。

 

少し前まで、自転車の後ろに乗せて、いつの間にか寝ていたなんてことがあったのに。

今は新城の田んぼ道を自分の足でペダルを踏んでいる。

 

ペダルを踏み続ければ、世界の果てだって行けるんだよ。

 

長女がそれを理解する日は来るのだろうか。

 

二つ目のポイント近くでもフォトロゲの参加に出会った。こういうのいいな。ロゲイニングだとチェックポイント近くで他の選手に遭遇すると、ポイントを教えるのも変なので、微妙な空気になることがあるが、今回はカテゴリーが違ったおかげで自然に挨拶できた。

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二つ目のポイントを無事に取り、もっくる新城に向かう。長女は体育の授業が好きではないので(私もだったが)、上り坂とか大丈夫かと思っていたが、予想していたよりもグイグイ走っていたので驚いた。これから家の近所でも行動範囲が広がるだろう。

 

もっくる新城チェックポイントは足湯。お客さんでいっぱいだったので、足湯には入らず、撮影だけする。

観光案内所には働いている友人の他に、赤ちゃんを連れてキャンプに行っていた友達も偶然いて驚いた。どちらも長女のことを知っているので、長女も嬉しそうだった。

 

もっくるはレストランが順番待ちだったので、中でパンを買って食べた。

食べ終わる頃、フォトロゲに出ている友人のチームがやってきた。本当に友達だらけである。

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もっくるからは設楽原歴史資料館の周辺のポイントを回る。

馬防柵がポイントになっており、馬防柵って何?という長女に説明する。何年か前に設楽原決戦場まつりに行ったとき、火縄銃を打っているの見たでしょ?というとどこのことか思い出したようだ。

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馬防柵は低い場所にあって、そこから大きな道には戻るには急坂を上らないといけない。

 

長女は少しサイズの大きいマウンテンバイクに乗っているが、まだ変速はあまり得意ではない。彼女の自転車はグリップシフトだが、変速させるのに力が足りないのだ。

急坂の下で、シフトをあらかじめ変えておいて、試しに上ってごらん、と言うと、長女はスイスイ上っていく。そんな様子に彼女自身も驚いていた。結局、途中までしか上れなかったが、少し自信がついたと思う。

 

残り時間も1時間を切り、スタート/ゴールを目指して戻りながら取れるポイントを回りながら進んでいく。

最後のポイントは最初に取りこぼした65点のポイントだ。ゴール近くのポイントとあって間際に行くフォトロゲの選手が多くいた。おかけで、場所はすぐに分かった。田んぼの砂利道の先にポイントはあった。

 

大きな道に戻るとき、砂利道のちょっとした上りで長女はタイヤを滑らせバランスを崩し、倒れてしまった。

それまで張っていた気が緩んだのか、疲れた様子だった。今までこんなに長い時間自転車乗ったことなかったもんな。よくがんばってると感心した。

 

ここからは旧国道を進み、ゴールに戻るだけだが、制限時間に間に合うか微妙なところだ。

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長女のペースが落ちてきたが、彼女は負けず嫌いなので、「もう残り時間が短いから頑張ろうか。」と声をかける。

「えっ!」

長女のペースが少し上がる。

しかし、このままだと間に合わない。

 

私はゴールまでのルートをいくつか考える。ゴール地点の新城文化会館は旧国道からもアクセス出来る。階段があるはずだが、スロープもあるはず、そう思い、長女にまっすぐ行くように指示した。

 

途中、仕事でお世話になった奥三河観光協議会の面々を追い抜いて行くが、挨拶している余裕がない。

 

文化会館の入り口に到着。

あと1分。

ゴールに急ぐ。

 

ゴールの電波時計を撮影したのは14時1分。惜しいあと1分だった。

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まあ、減点50点だが、最後のポイントは65ポイントだったし、差し引き15ポイントということでよかったとしよう。

 

ゴール手前で追い抜いた奥三河観光協議会の安彦局長さんが声をかけてくれた。「なんであんなとこから文化会館に入れるなんて知ってた?」と驚いた様子だった。

誰に教えてもらったか定かではないが、会議などで時々使っていたので覚えていたのだろう。思わぬところで役に立った。

 

長女はゴールした後、bucyo coffeeブースでお楽しみのジュースを飲んでいた。

私はGPSのログを確認すると走行距離は16キロになっていた。長女に16キロ走ったんだよ、と伝えるととても驚いていた。

これなら家の近くでも結構遠くまで行けそうだ。また楽しみが一つ増えた。

 

表彰式を見届け、みんなにお礼を言って会場を後にした。

 

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