定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

BRM100周年記念ブルベ - cycling東三河 -

「来年9月11日にフランスで最初にBRM200kmが開催されてから100周年を記念するブルベをやります。
コースは2015年の伊良湖コースです。
ブルベカード、メダルは、100周年記念の特別バージョンになります。
予定が合えば、久々に走ってみませんか?」

 

愛知県でブルベを主催する「ランドナーズクラブ名古屋」の代表、金井さんからそんな誘いのメールが来たのは昨年のことだった。

 

ブルベ(Brevet)とは「認定」という意味のフランス語で、自転車で規定の距離を制限時間内に完走すると認定がもらえる。基本は200キロ、300キロ、400キロ、600キロ。1年に4つの距離を完走すると「シューペル・ランドヌール(SR)」と認定される。日本では北は北海道から南は鹿児島まで、20以上の団体がブルベを主催している。

 

私は2010年頃からしばらくランドナーズクラブ名古屋の手伝いをさせて頂いていたことがあり、代表の金井さん、一昨年亡くなられたロングライドの巨匠石原さんと3人でよく試走に行っていた。

 

これまでに600キロを2回完走し、SRも2回獲得しているが、6年前を最後にブルベに出なくなってしまった。

その頃、3人目の子供が産まれる前で、子育てが忙しくなってきており、自分の為だけに休日の長い時間をブルベに使うことへの抵抗感と、ブルベへの慣れからそれまで持っていたロングライドへの情熱を失ってしまったのだ。

 

「ブルベか。」

一瞬、石原さんの顔が浮かんで、参加する旨、金井さんに返事をした。

 

それから半年以上経過し、9月の開催予定がコロナの影響で延期。夏の間、長距離を全く乗れてなかったので、この延期は正直ありがたかった。

 

**************

 

ブルベの朝は早い。

スタート地点である豊田市柳川瀬体育館駐車場に着くと多くの選手がすでに会場に集まっていた。バイクを準備していると声をかけられた。bucyo coffee/clt cycling teamの川合さんだ。聞けば今回ブルベ初参加という。声の調子から、ワクワク感が伝わってくる。

 

そう、このワクワク感だ。

 

黎明と共にスタート前のブリーフィングが始まる。

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出遅れた私はブリーフィング終わりの集合写真だけ何とか写ると、金井さんから車検を受けた。ライトやベルなど、必要な装備品がないと出走できないルールなのだ。

 

スタート時間になり、続々と選手がスタートしていく。見送りに来ていたTamo くんが写真を撮ってくれた。

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私は今回、後ろからスタートしてのんびり回ろうと決めていた。最近、100キロを超えると途端に踏めなくなり、早く出ると周りの選手のペースに飲まれて無駄に足を使ってしまうのではないかと思ったからだ。

 

最初はそんな思惑があったものの、気づけばスタートに残った出走者は金井さんと奥さんのいずみさんのみ。

結局私は2人についていく形で6年振りのスタートをした。

今回の200のコースは豊田市をスタートし、旧東海道を南下、豊橋から三河湾から渥美半島を西に向かい、伊良湖岬へ。伊良湖岬からは一気に東進し、浜名湖の南側、新居町まで出て、そこから折り返し再び豊橋から豊田に戻るというもの。

渥美半島の風が西から吹くのか、東から吹くのか、それによって状況は大きく変わる。

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今回のルートの多くはかつて私もブルベでよく走ったルート。金井さんと思い出話をしながらペダルを踏む。それからこの数年で更新した機材の話なども。この感じの全てが懐かしい。

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ふと思った。金井さんと知り合ってもう20年になるのではないか。そして金井さんの後ろを何百キロも走ってきたのだ。懐かしくもなるはずだ。

 

我々は順調に進み、PCと呼ばれる最初のチェックポイントのコンビニへ。ブルベでは指定のコンビニで買い物をし、そのレシートの時間で、チェックポイントの通過時間とされることが多い。

 

コンビニの後、いずみさんが後ろに離れていくが、金井夫妻はいつもこのようなスタイルらしい。いずみさんはマイペースで走るのがいいようだ。

私はそのまま金井さんについて走り、スピードの出る区間で時折り前を交代しながら進んだ。コンビニでの休憩を挟みながら、途中で合流したHさんと共に田原市の江比間にある「清水屋製菓舗」へ。

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ここは最近のお気に入りのお店である。

何と言っても補給食の自販機がある。

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こちらについては以前のブログを参考にしていただきたい。

https://independent-traveller.hatenablog.com/entry/2021/09/07/215957

 

また清水屋製菓舗さんは

東三河たまごサンドプロジェクト」https://fujii563.wixsite.com/mysite-1

というものに参加しており、特製のたまごサンド、出汁巻きたまごかつサンド380円がある。今回はこちらを購入。

ご主人はサイクリストだそうで、会計のときに「サイクリスト割引きさせていただきますね」とそのままの値段でもお買い得なサンドを更に割引きしてくれた。サイクリストに優しいお店である。また来よう。

 

後ろを走っていたいずみさんは、清水屋さんはスルーして、追い風に乗って走り抜けて行った。

 

次のチェックポイント、伊良湖クリスタルポルトまであまり時間はかからなかった。

追い風で時速40キロを軽く越えた。私はクリスタルポルトからの折り返しを警戒したが、そのままペダルを踏んだ。

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伊良湖クリスタルポルトに到着。

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何人か選手の他に、同じ日に開催されていた「渥美半島ぐる輪サイクリング」の参加者の姿が見えた。

イベント日和のいい日だ。ただ、いつもの伊良湖岬と変わらず風は強い。

いずみさんと合流し、軽めの食事。

清水屋さんのたまごかつサンドは金井夫妻にも好評だった。
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それまで一緒だったHさんはこの先の区間の向かい風を警戒して、休憩もそこそこに先に出発して行った。

食事を終え、我々も出発。

今度は太平洋岸を東へ。予想通り向かい風が強い。

この先、浜名湖の南、新居町までの50キロ区間はアップダウンの続くところで、そうでなくても辛いルートだ。しかもこの向かい風である。

ここは耐えるしかない、そう決めて金井さんと二人で走り続けた。

時速が20キロ程度まで落ちる。先頭交代しながら何とかそのペースを維持した。途中、何人かの選手を抜いていく。二人の力は強い。

ひとりだけ、先に見えるライダーで全然追いつかない人がいたが、信号待ちで捕まえてみると、なんと友人のエースくんだった。なるほど伊良湖は彼の練習ルートである。

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豊橋の伊古部にあるコンビニで休憩。いずみさんが追いつくまで休憩できること、ここが一番耐えるところと思い、ここまで来たが、まあまあボロボロだった。プリンやコーラを補給で取る。
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やがていずみさんが合流し、しばらく休憩して更に東に向かう。

相変わらずアップダウンと向かい風だったが、伊古部までの区間を思えば、まだマシであった。

PCである新居町駅前のコンビニに到着。時間的にはまだゆとりがある。

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ブルベ中の補給は欲しいと思うものを買うようにしているが、今回のヒットはこのクレープアイスだ。もっとも消耗が過ぎると胃腸をやられて補給ができなくなることがあるので、注意は必要だが。

 

ここまで向かい風だったが、折り返しの新居町からは待望の追い風。

順次に進む。

コース上にあるバイクショップ、カントリーモーニングでは店長さんとお客さんが応援してくれていた。こういうのは本当に嬉しい。
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豊橋市内のコンビニでレシートチェックを済ませると、あとはゴールの豊田に戻るだけである。
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やがて陽が傾いてくる。

ああ、そうだ、ブルベは夜を迎えて走るのだ。

こうして夜がやってきて、暗闇の時間、自分のバイクのライトの灯りだけを頼りにひたすらペダルを踏む。いつまで道が続くのか、どこまで登るのか、道は間違えていないのか。

そうした不安と常にやってくる空腹感と疲労感と闘っているうちに、やがて薄っすら空の端が明るくなる。

眩しい朝日に包まれて、美しい朝の訪れに感動しながら、だんだん強くなる眠気の中、ただただペダルを踏むのだ。

 

ブルベの感覚がまた一つ蘇った。

 

その後、我々は大きなトラブルもなく、無事にゴールのコンビニに到着した。


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時間にこだわらなけば、まだロングライドも難しくない、そう思った。

スタート地点の柳川瀬体育館の駐車場でブルベカードを提出し、完走メダルを受け取った。


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一緒に走っていただいた金井夫妻にお礼を言い、会場を後にした。

 

私は一人、日帰り湯に寄り、そのまま王将で晩御飯を食べた。

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いつも名古屋のブルベが終わるとこの流れで巨匠石原さんとその日のブルベについて、どこか辛かったとか、補給がどうだったとか、そんな話をしていた。

そして満面の笑みで高校生みたいに盛り喰いする石原さんを散々茶化したものだ。   

 

「石原さん、今回も完走できましたね。次のブルベもよろしくお願いします。」

 

空いた器を前にそう呟いて、王将を出た。

 

 

 

 

とよはしサイクルマラソン- 奥三河ライド -

久しぶりにイベントに参加した。

地元の豊橋自転車競技協会主催の「とよはしサイクルマラソン」である。

この大会は前身の大会である「とよはしとよねサイクルマラソン」、さらにその前は「とよはしとみやまサイクルマラソン」として開催されていた大会が一昨年から現在の「とよはしサイクルマラソン」として開催されている。

昨年はコロナの影響で中止であったが、今年は無事に開催された。

私は前身の「とよはしとよねサイクルマラソン」は夏の年中行事として毎年参加していたが、現在の大会になってからは初参加である。

 

スタート地点は豊橋競輪場

今回はいつもお世話になっている「Glocalbike」の仲間も参加。

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受付を済ませるとゼッケンを受け取る。ゼッケンは前の大会からずっと変わらない。

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豊橋競輪場の場内で簡単な大会説明を聞くと、競輪場内をひとまわりしてからスタート。


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まずは新城市南部の道の駅「鳳来三河三石」に向かう。

ホームコースである県道81号を北へ。

新城市に入ると収穫を待つ稲穂が道の両側に広がる。

朝日を浴びながら、秋晴れの青空と黄金色の稲穂の間を走り抜けていく。

気持ちのいい日だ。ライドにいい日とはこういう日だろう。

田園地帯を抜け、峠道に入る。

Glocalbikeの走行会で一緒に走るoknoくんに引いてもらいながら、福津峠を登っていく。ここはGlocalbikeの走行会でもよく使うところだ。

峠を超えると川沿いの道を調子よく降っていく。

 

最初のチェックポイント道の駅「鳳来三河三石」に到着。
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チェックポイントはセルフチェックとなっており、自分の名前にチェックを入れた。
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まだ序盤だが、早速、補給が配られる。最初の補給はブラックサンダー鬼まんじゅうだ。
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この先の消耗具合が何とも言えないので、いただいた補給はその場ですぐに食べた。

最初のチェックポイントからは、本長篠を経由し、国道257号線を北上して行く。

 

途中から、Damondeクルー御用達の旧田口線廃線跡に入る。ウェットで苔むした路面が少し心配だったが、問題なく走り抜けた。
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次のチェックポイントは、四谷の千枚田f:id:independent-traveller:20211003125323j:image

何度訪れても、四谷の千枚田の景色は壮大である。秋の晴天の日に来ることができてうれしい。
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仲間とサドルトークをしながら、ゆっくり千枚田の間を上っていく。すでに稲刈りは終わっていたが、稲刈りが終わった後の棚田の風景も美しかった。
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Glocalbikeの仲間のTさんは少しクラシックなコルナゴで参加。素晴らしくカッコいい。

 

四谷の千枚田から仏坂峠に向かう峠道を走っている頃はまだ余裕があった。

oknoくんと「ここって、そろそろ終わるかな、と思うと同じようなコーナーが続くんだよね」などと話しながらペダルを踏んでいるとトンネルが現れる。すぐに次の頂上のトンネルに到着。

峠道は軽くトークしながら登るくらいが丁度いい。f:id:independent-traveller:20211003125335j:image

Glocalbikeの仲間が揃ったところで、峠を下る。

前にここに来た時、友人のタイヤがパンク&バーストしたので、注意しながら進む。

 

3つ目のチェックポイントは設楽町の旧神田小学校。

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ここにはなんだかんだで、年に一度くらい来る気がするが、少し久しぶりだ。

このエイドでは大福が出た。

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昼食のエイドまで小一時間ほどだが、大福を手に取った瞬間、柔らかくてこれは美味しそうだと、後先考えずに食べてしまった。

神田からは川沿いに東に、東栄町に向かって走っていく。ここはDamondeのメンバーとはよく走る定番コースなので、心配はない。

はじめは道幅が狭く、木々に覆われた川沿いの下り基調の道だが、東栄町に入ると道が川から離れ、空が広くなる。

東栄町の「月」という地区だが、この道を勢いに任せて走っていくのは本当に気持ちがいい。

私はその勢いに任せてペダルを踏み込んだ。

 

国道151号線とぶつかったところで南へ。

途中、お友達のおうちがやっている無人販売所に立ち寄りオクラを購入。

休憩しているときに見たインスタで、今日の野菜のラインナップが紹介されていたのだ。天狗ナスが欲しかったがもう売り切れていた。さすが人気の無人販売所、尾崎ファーム。

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無人販売所から少し行くと昼食会場の東栄町花祭り会館に到着した。
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屋外に設けられた昼食会場には席ごとにパーテーションが立てられていた。

 

会場には、東栄町のサイクリングでお世話になっている役場の山下さんと東栄町観光まちづくり協会の伊藤くんがお腹を空かせたサイクリストたちのお世話をしていた。

 

「来るんじゃないかって話してました。」

こうして東栄町のお友達におもてなしして頂けるのが非常に嬉しい。

 

チェックポイントのセルフチェックを済ませるとそのまま昼食が配られる。
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昼食は東宝苑さんのお弁当と豚汁。

お弁当はどこかな、と楽しみにしていたので受け取ったとき思わず「あ、東宝苑だ!」と言うと豚汁をつけてくれた女性が「ご存知ですか?」と聞いてくれたので、「ボリューム満点のランチをいただいたことがありますよ。」と答えた。

「もうすぐ椎茸狩りが始まりますので、ぜひいらしてくださいね。」とのこと。

こういう会話も久しぶりだ。

お弁当は肉厚の椎茸が煮物や炊き込み御飯のおにぎりなどに入っていて、とても美味しかった。

これから肉厚の椎茸がサイクルマラソンの名物になるかもしれない。


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昼食を終え、山下さんと伊藤くんと話す。

「シマダさん、ぜひぜひこちらを」と山下さんに勧められるがまま、冷たい緑茶をいただく。

すっきりとしたまろやかなお茶。

「美味しいね!」私が言うと、伊藤くんが教えてくれた。

「これは川根園さんのお茶ですよ。水出しにすると最高です。とうえい温泉でも買えますよ。」

次にとうえい温泉に行くときはぜひ買うことにしよう。

 

昼食会場から先はひたすら国道151号線を南に向かう。

午後になり、暑さが増してくる。

10月とは思えない暑さだ。

とよはしとよねサイクルマラソン時代の8月の炎天下に比べれば、かなりマシだが、それでも十分こたえる暑さだ。

Glocalbikeの仲間とは途中の三河大野のコンビニで合流する約束をして進む。

東栄町新城市の境、池場の坂あたりから、ほとんど踏めなくなってしまった。

仲間から離れてひとり耐えながらペダルを踏んだ。

コンビニ休憩後もあまり状況は変わらない。午前中の調子の良さが嘘のようだ。


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ゴール手前最後のチェックポイント、桜淵公園に到着。


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補給にバナナをもらう。

コンビニしばらくで別れた仲間と再び合流したが、またしばらくで一人旅になる。下半身の疲労感が激しい。ペダルを踏む力が入らない。

この一年、100キロ超えのライドはほとんどしていないツケがきていた。来週、ブルベの100周年記念大会200キロに出場する予定だが、とても完走出来る気がしなかった。

踏めない足で騙し騙しペダルを漕ぎながら

「石原さんならどうするだろう?」と

2年前に他界したロングライドの巨匠のことを思った。

 

あの人なら、リタイアしても困らない準備をした上で、今できる最大限のことをして、少しでもゴールに近づこうとするだろう。

 

ゴールまで10キロほどになった頃、下半身の疲労感が抜けてきた。

 

来週のブルベはどうなるか分からないが、万全の準備をして悔いなく走ろうと決めた。

 

道はやがて豊橋の街中に入っていく。

住宅地の間を抜け、ゴールの豊橋競輪場が見えた。

先にゴールした仲間達が「お疲れ様!」と声をかけてくれる。

 

久しぶりの100キロ超えのイベントライドは無事に終わった。

ほとんどがホームコースといえるルートだったが楽しめたライドだった。また来年も参加しよう。

 

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参加賞は道の駅とよはしで買える豊橋の特産品だった。以前はサイクル用品のくじ引きだったが、随分変わったものだ。このほうが断然いい。

 

帰宅後、私は子供に参加賞を渡すとすぐにシャワーを浴び、日の高いうちからビールを開けた。

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火照った体に冷たいビールが沁みる。

来週のブルベはどうなるか分からないが、万全の準備をして悔いなく走ろうと決めた。

 

集落の秋 豊川を望むcafe - ライド新城 -

来月、何年か振りにブルベで200キロを走る予定であり、そろそろライドの距離を伸ばさないと、と思っていた。とはいえ、どこかいい景色でもないとなかなか乗る気分にならない。

どこに行こうか考えながらSNSを眺めていると、彼岸花の写真が多く流れてきた。

私は数年前に「Rapha prestige 」のコースで走ったときに見た彼岸花を思い出し、久しぶりにそこに行ってみることにした。

 

その場所は新城市の大平という集落で、主要道路から外れたところにあるので、よほどの用事がないと行く場所ではない。

私自身、ラファのイベントがなければ行く機会などなかっただろう。

南から県道69号を北に向かい、いつもは道なりに左に折れていく道を右に曲がり、大平の集落を目指し山道を上っていく。

 

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少し進むと道に栗が落ちていた。

この時期の奥三河では、産直や無人販売所といったところで栗が多く売られている。こうして道端で見ることも少なくない。

私は少し栗を拾うと背中のポケットに入れた。

大平の集落は山の間にある。

なかなかいい登りを進むと、やがて道は集落に入っていく。集落を抜ける道の途中で記憶にあった彼岸花の群生地に行き着いた。
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急峻な斜面を赤い彼岸花が覆っている。

青い空と木々の緑のコントラストが美しい。
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三河には彼岸花の名所がいくつかあり、それらに比べればささやかなものだが、独特の地形の中にあるこの場所は、仲間と苦労して走ったときの記憶もあって私には思い出深い場所だ。

彼岸花の群生地を抜けると視界が開け、眼下に段々畑が見える。

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新城より奥の地域は急峻な斜面に集落があるとこは珍しくないが、新城は比較的平場が多いせいか、こうした地形の集落はあまり見ない気がする。

こうして谷間の集落を見ているとあまり遠い場所ではないのだが、とても遠くに来たような気分になる。それもあって好きな場所なのだ。

 

大平からは未舗装路へ入る。こちらもラファのコースだったところだ。となりの市川の集落に抜けることができる。
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しかし、いくつか分岐もあり、道もそれなりに荒れているので、あまりおすすめはできない道だ。
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しばらく未舗装路を走り、市川の集落に出る。

ここも山の上にある天空の集落だ。
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標高は大したことないはずだが、空が近く感じる。
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私はそのまま市川の集落を後にし、県道へ降りた。

市川口からそのまま少し北に行くと、夏にオープンしたばかりのカフェがある。

保木平珈琲murmure。

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よく走る道沿いで最近よく行ったという人の話を聞くので、気になっていた。

来月から15時までの営業になるそうだが、それまではモーニングのみの営業とのことで、この前通ったときはすでに店が閉まっていて、寄ることが出来なかった。

 

店には何組がお客さんがいたが、豊川が見える席が空いていた。


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意外と豊川を見ながらコーヒーが飲める場所は多くない。
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いいところだ。

ゆっくりしていたかったが、子供達に「昼に帰る」と行って出てきたことを思い出し、モーニングを食べて一息つくと、店を後にした。

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ホームコースの県道69号を一気に南下し、家路を急いだ。

少し遅刻してしまったが、ポケットから栗を取り出すと子供達は喜んで、私が遅くなったことなどどうでもよくなったようだった。

三河の秋の恵みに感謝。
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補給食を買いに - 渥美半島ライド -

愛知県に再び緊急事態宣言が発令され、またソロライドの日々に戻ることになった。前にも書いたが、私は旅は一人が好きだが、ライドは仲間とワイワイ行きたい方である。

最近は、すぐに疲れを感じることが多く、ソロでのライドは走り出すまでのハードルがなかなか高い。要はやる気がでないのだ。

しかし、来月数年ぶりに200キロのブルベに参加する予定で、このところ100キロ以上自転車に乗ることがほとんどなく、さすがに心配になってきたので、久しぶりに渥美半島でも回ることにした。

 

もう夏の猛暑もどこへやらといった、九月の初めとは思えない薄曇りの涼しい朝で、いざ走り出してしまえば、ペダルを踏むのがだんだん気持ち良くなってきた。

 

三河湾沿いの県道2号を渥美半島の先端に向かっていく。

最近来る機会の多い白谷海浜公園のそばのカキ氷屋さんは朝から行列になっていた。

このご時世に行列に並ぶ気にもなれないし、いいペースで走れていたので、そのままスルー。

 

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県道2号と国道259号がぶつかるあたりから急に雲行きが怪しくなって、しばらく雨に降られた。

道路の水をリアタイヤが巻き上げ、すぐに背中が濡れてしまう。天気予報では雨が降ると言っていなかったので、すぐに雨は上がって、濡れたジャージもすぐに乾くだろう。

 

今回のライドには一箇所、目的地があった。

田原市江比間にある清水屋製菓舗である。

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前に地元紙で、自転車が趣味のご主人が、サイクリスト向けの補給食を考案し、店の外の自動販売機で売っているというのが紹介されていた。


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店の外にはバイクラック。素晴らしい。


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果たして補給食はあった。

以前読んだ新聞に書いてあったとおり、タバコの自販機のようだ。
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味はアーモンド、クルミ、バターケーキの3種類。アーモンドは人気らしく、売り切れだった。

 

私はクルミをチョイス。

 

代金の250円を入れ、ボタンを押す。

すると

「タスポをタッチしてください」と無機質な女性の声。

 

「タ、タスポ??」

思わぬキラーパスに私はたじろいだが、私は冷静に考えた「ノンスモーカーの多いサイクリストがタスポを持っているはずはない、となれば…」

 

あった。

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何かか紐についている。


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やっぱり。

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私は無事に補給食を手に入れた。

補給食を背中のやや濡れたポケットに入れる。タバコの自販機で売るためにタバコの箱サイズにしたそうだが、レーサージャージのポケットにピッタリであった。素晴らしい。

 

なんだか嬉しい補給食を手に入れ、私は再び走り出した。

 

渥美半島の先端、伊良湖岬に着くころには空は青空になっていた。


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少し前まで閉館していた道の駅クリスタルポルトはレストランと売店の営業を再開していたが、人は疎らだ。

私はフェリーの見える休憩スペースで、先程手に入れた補給食を開けた。

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中はクルミたっぷりのミューズリーバーのようだ。

早速、一口食べてみる。

補給食というので、サイクリストお馴染みのねっとりとしたミューズリーバーかと思ったら、土台はほろっと崩れるクッキー生地だ。確かに箱の裏には品名「クッキー くるみ」とある。

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なるほどお菓子屋さんが作るだけあってそこはあくまで洋菓子というわけだ。感じとしては、フロランタンに近い。一つ難を言えば、一つで何カロリーか書いてあると言うことはない。

ペロッと補給食を一つ食べてしまうと、私はもう一種類のバターケーキを買わなかったことを激しく後悔した。


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帰り道は外海の国道42号側を進む。

行きが調子良かったのは、追い風のせいだと気づく。踏んでも踏んでもペースがなかなか上がらない。サイクリングロードに逃げようとしたが、最近の大雨のせいかサイクリングロードの補修工事中で、走ることができなかった。私はだましだましペダルを踏み、田原市街まで移動し、そこから先は渥美線沿いの道をゆっくり帰った。

久しぶりに100キロのライドだったが、かなり辛かった。来月のブルベが心配である。

また補給食を買いに行こうか。

縁側を抜ける風 - とうえい自転車さんぽ体験会 -

丘に立つ旧家の縁側に腰を下ろすと、すっーと心地よい涼しい風が通り抜けた。

 

そのまま出された冷たいお茶をいただくと、私の口から「ああ」と声が漏れた。

 

なんという素晴らしい時間だろう。

 

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東栄町観光まちづくり協会の伊藤拓真くんからお誘いをいただいて「とうえい自転車さんぽ体験会」にお邪魔してきた。

 

集合が東栄町の古戸会館で、その日、車の都合がつかなかった私は、始発の飯田線東栄町に向かった。

 

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最近、サイクルツーリズムに力を入れている豊橋市豊橋駅輪行サイクリスト向けに作業スペースを作った。

15年ほど前に自転車と共にニュージーランドに降り立ったとき、空港の一角にバイク組み立て用の場所があって、「ああ、ここはサイクリストのウエルカムの国なんだな」と思ったのが懐かしい。

豊橋もようやくここまで来たのだ。

ただ、駅の改札を出たところにこうした場所があることを表示しておくと、サイクリストにより喜ばれると思う。そういう場所があることが分からないと使いたくても使えない。


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自転車歴と輪行歴がほぼ同じの私は、さっと自転車を輪行袋に入れ、駅のホームへ。

輪行に関してはかなり自信がある。若い頃は毎年、季節ごとの青春18切符を使い切るほど輪行していた。

まあ、こんなの自慢にならないが。

 

豊橋天竜峡行きの始発電車は4番線の発車である。


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二両編成の後ろの一番後ろから乗り込むと、係員の人が新聞を積み込んでいた。旧富山村に届けられる新聞だ。こういう飯田線らしい光景は久しぶりだ。

 

休日の飯田線は普段よりさらに空いているのだろうか。乗客は数人だった。

 

私は久しぶりの飯田線の風景を眺めながら、家から持ち込んだ朝食を食べた。

 

何か特別なことをするわけではないが、こうして飯田線に乗り、ただ北に向かうというのはいいものだ。

旅をしている、その感覚が確かにある。


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東栄駅飯田線を降り、自転車を組み立てる。

朝の東栄駅前は静かなものだ。

集合場所の古戸会館までは15キロ程度。淡々と朝の国道151号線を北上した。


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幸い集合時間より早く、古戸会館に着くことができた。

会場には、旧知の東栄町役場の山下さんがいた。

「シマダさん、おはようございます。今日はご参加ありがとうございます。」

山下さんはいつも笑顔だ。

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前にもブログで紹介したが、東栄町ではサイクリングに力を入れている。サイクリングと言っても、東栄町が目指すのは「東栄町らしいサイクリング」。

我々のような日常的にサイクリングをする人に向けて、というよりは、東栄町を訪れた人にもっと東栄町を知ってもらう、さらに言えばもっと好きになってもらうサイクリングだ。

 

スタート前に東栄町観光まちづくり協会の伊藤拓真くんから、簡単な説明があり、参加者の自己紹介をした。今回のイベント参加者の多くは過去に東栄町のサイクリングイベントに参加した人がほとんどだった。いわゆるサイクリストは少数派で、参加者の大半はふだんは自転車に乗らない人で、今回のツアーもレンタルの電動アシストバイクだ。

 

こうしたことからも、東栄町が目指すサイクリングの方向性がわかると思う。

 

参加者は2チームに分かれて出発。

 

鴨山川沿いの道を西に向かって走っていく。

連日の大雨で川が洗われたのか、川底の岩肌が綺麗だ。

 

最初のスポット「鬼の足跡」に到着。


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琥珀色に輝く川が美しい。

 

この道を走るのは初めてではないが、スピードが出やすいところなので、見落としていたらしい。古戸地区は地元の人々の活動が盛んで、きちんと看板なども整備されている。


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ただ自転車で走るだけでも気持ちがいい。


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古戸地区には白山という山があり、毎年12月には山の神社でお祭りがある。

 

白山に続く道の入り口を歩く。


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川にかかる橋がどこか懐かしい感じだ。

 

鴨山川沿いの道に戻ると次に現れたのは白山に荷物を運ぶロープウェイ。


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これまで本当に何も見て無かったんだと恥ずかしくなる。ガイドをしてくれる山下さんや伊藤拓真くんの話はとても興味深い。

 

そこから少し行くと大きな鬼の顔が。

少し前に地元紙で見た。

チェンソーアートで地元の花祭の榊鬼をモチーフにしたものだという。

製作者のこだわりは白山が正面に見える場所だということ。こんなエピソードはローカル新聞でも教えてくれない。


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この日のツーリングは十日宮の「さいの神」が一番奥の場所だった。


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東栄町には多くのさいの神(道祖神)が祀られているが、そのなかでも有名なのがこの十日宮のさいの神だそうだ。十日宮のさいの神は子宝安産に御利益があるという。東栄町のサイクリングではお馴染みの東栄町教育委員会の伊藤さんが分かりやすく解説してくれる。

 

十日宮で折り返し、来た道を戻っていく。途中、薬師堂や普光寺に立ち寄る。古戸はたくさんの神様が祀られているというがこのわずから距離で信仰の場が多く存在している。そのあたりの話ももっと聞いてみたいと思った。

途中、モリアオガエルの卵や鮎の放流に出会ったりとちょっとしたサプライズも楽しかった。

 

旧道の坂道を上がっていくと、蔵のある立派な家が見えてくる。


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お家の方にお話を伺うと、昔は蚕を飼っていたそうだ。東栄町で大きなお屋敷は養蚕をしていた、ということが多い。


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縁側を勧められ、腰を下ろすとその風の心地よさに驚いた。

 

サイクリストに風はつきものだが、こんな優しい風を感じたのは久しぶりだ。

なんて涼しいのだろう。

そして縁側の高さがなんともよかった。

日本人の体格に合った高さなのだろう。すっと自然に腰掛けていた。

 

心地よいとは、こういうことを言うのだろう。

 


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旧家の後は私にはお馴染みの村行の七滝と粟代製材所の無人販売所を回り、古戸会館へ戻った。


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昼食を挟んで、今回の感想や今後のことについてミーティング。

手探りではあるけれど、東栄町のサイクルツーリズムは確実に前に進んでいる。少しでも彼らの助けになれるといいのだが。

 

気がつくと帰りの飯田線の時間が迫っていて、主催の人々にお礼を言い、慌てて古戸会館を後にした。

 

東栄駅までなかなかのペースで踏み、駅前でさっとバイクを輪行袋に収納する。寄りたかったマルカイさんは泣く泣くスルーして、ホームで電車を待った。


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電車に乗り込むと、車内は行きよりは人が多いものの、静かなものだった。

私はバイクを立てかけた椅子に腰を下ろすと間もなく眠りに落ちた。

 

 

 

携行品を見直す - ライド奥三河 -

ダモンデのチームメイトのタツマくんから金曜日に誘いがあって新城発着でライドに行くことになった。週末の天気予報が晴れになり、連絡してくれたのだ。こうして誘ってくれるのは大変ありがたい。若い時は自分から積極的に声をかけていたが、最近はあまりそういうことをしなくなってしまった。

 

暑くなってきたこともあり、七時に新城市街を出発した。

事前に特にルートを考えると言うわけでもなく、まあ久しぶりだからと、旧田口線から、四谷千枚田を抜け、東栄町を走り新城へと戻る、ダモンデバイクチームでは定番のルートをチョイスした。

 

朝の新城は薄く霧が出ていた。日が上るにつれ、霧が霧が晴れてきた。このまま行けば昼にはかなり暑くなりそうだ。

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珍しく大海駅の踏切で飯田線の車両と遭遇

 

昨今の状況もあり、タツマくんと走るのも久しぶりだ。

タツマくんとお互いの近況やタツマくんの次の自転車のこと、開催中のツールドフランスなど、思い付きでいろいろ話した。

仲間とサドルトークも久しぶりだ。やはりこうして仲間と走るのがいい。

 

サドルトークをしながらもいいペースで四谷千枚田の入り口まで来た。

いつの間にまた日が雲に隠れてしまったせいか、湿度が高く感じられる。

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下から千枚田を見下ろすポイントで休憩。

ガードレールにカエルが張り付いていた。冷たくて気持ちいいのかもしれない。

 

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千枚田を横目に新城市設楽町の境となる仏坂峠を登っていく。
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2人で話しながら順調に登っていく。

「一人で登ると、長く感じるんですよね。」とタツマくん。確かにそうだ。仏坂峠はなかなかのものである。

 

設楽町に抜ける峠のトンネルは全体的に濡れていた。入り口の横に滝もあるせいか、いつも濡れている印象だが。

リアタイヤから巻き上げられた水が背中に当たって冷たい。


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トンネルを抜けると設楽町側は霧に包まれていた。


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「今日は穴滝、水があるんじゃないですか?寄りましょう。」タツマくんが提案してくれた。

穴滝は仏坂峠の下りの途中にある滝で、滝の下に空洞があり、独特の雰囲気がある滝である。個人的にはかなりオススメの滝なのだが、ほとんど知られていない滝である。

自転車で行くと下りの一番スピードが出るところにあるので、意識していないと通過してしまうことが多い。

 

「ゆっくり下りますか」

 

この時、ゆっくり下る、と決めなければ、その後のトラブルはもっと大変なことになっていたかも知れない。

 

仏坂峠の下りはここ数日の大雨のせいか、枝の破片や小石がたくさん落ちていた。

しばらく下るとホイールに石が当たったのか、なかなか大きな音がした。気をつけないとな、と思って程なく、後ろから

「パン‼︎」と派手な音がした。

 

「パンクー!」

タツマくんが止まった。

 

路肩の広いところまで自転車を移動させ、タツマくんは自転車からパンクしたフロントホイールを外すとチューブを交換し始めた。

 

タツマくんと一緒に走るようになって随分経つが、彼がパンクするのは珍しい。

私は軽く茶化しながら、ときおり作業を手伝った。f:id:independent-traveller:20210712211009j:image

やけにいい音を出してパンクしたが、手で全体をさらってみても、特に傷らしい傷はなく、何かが刺さったままということもなかった。

予備のチューブをタイヤに噛ませないように丁寧に入れる。空気を入れてしばらくすると「パン!」という音を立てて、入れたチューブがパンクしてしまった。

「??」

キチンと作業をしたはずだが、なぜ?

タツマくんと私は顔を見合わせた。


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入れたチューブは小さく破裂したようになっており、我々は益々訳が分からなくなった。どうしたらこんな風になるのだろうか。

「あ!」

タツマくんが声をあげた。

タイヤのサイドに見事な裂け目が出来ていたのだ。

チューブを入れ直す前にタイヤは二人で確認したので、その時から切れていたということはない。最初のパンクの時にほとんどタイヤが切れていた、ということだろうか。

 

切れたタイヤをどうするか。

 

私は工具セットの中にタイヤが切れた時に使うタイヤブートが入っているはず、とサドルバッグを見たが、入っていない。

幸いタツマくんのパンク修理キットの中にタイヤブートが入っていて事なきを得た。

 

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峠の上で、ゆっくり下ると決めていなかったら、パンクした上に、スピードが出過ぎて派手に怪我をしたかもしれない。今回はこの程度で済んで本当によかったと思った。

 

その後の予定のルートはキャンセルし、最短でスタートに戻るルートを取り、来た道を戻ることにした。

 

下りはさらに慎重に下ってきた。

 

新城市の玖老勢まで戻ると

「シマダさん、ソフトクリーム食べましょう」とタツマくん。

 

最近オープンしたカフェ「アンディの家」のソフトクリームが美味しいらしい。

 

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「ご迷惑かけたんで、奢りますよ。」

お言葉に甘えて、ハチミツレモンソフトをご馳走になる。

こちらのお店は川沿いのデッキがあって、川風が吹くととても気持ちいい。

 

ソフトクリームはヨーグルトのような爽やかさがあって、しっかりしたハチミツの味とよくあっていた。こうして気軽に立ち寄って食べるポイントが奥三河には少ないと嘆いていたが、確実に増えてきて嬉しい限りだ。


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アンディの家を後にすると、無事にスタート地点に戻った。

 

バイクを撤収し、我らが拠点、ヤングキャッスルでランチタイム。


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パンクの顛末をダモンデ山田さんに話すとタイヤはやはり国産IRCだ、という話になった。確かにIRCにしてから、金属片をモロに踏むという以外にはほぼパンクトラブルはない。

 

食事をしながらタツマくんと今回のトラブルについて話し合った。

 

パンクから復帰まで30分程度だったが、その間通った車はスバル車のグループの他は自家用車とバイクが一台ずつだけ。

三河は車が少なく走り易いが、その分、何かがあった場合は他の人に助けを求めることができない、ということになる。

今回はタツマくんがたまたまタイヤブートを持っていて助かったが、私は恥ずかしながら予備チューブとパッチ程度しか持っていなかった(チェーントラブル用の予備のコマとチェーンピンは持っていたが…)。

 

日常的に走る場所でも、場所とトラブル内容によっては致命的になる。ただ装備さえあれば、トラブルに対処できる。

 

どこまで備えるか、それは人次第だと思うが、サイクリストの皆様には、今一度、ご自身の携行品を見直していただきたい。

 

 

 

緑と風のところ -ライド新城 -

午後から仕事が休みで、いい天気なのでいつものように自転車に乗る。一応、行き先は県内と思うが、ここという場所が思いつかない。

行き先を考えながらタイヤに空気を入れていると空気の漏れる音がする。よく見ると金属片が刺さっている。

 

やれやれ。今日はライド中止、という考えも一瞬よぎったが、応急処置をして出発した。

 

行き先は緑のパッサージュをやっている旧門谷小に決めた。今日は我らがヤングキャッスルも店を出しているようであることだし。

 

まだ暑さに慣れないこの時期、30度近い気温はなかなかハードだ。幸い、新城に向かういつもの道は追い風だった。思いの外いいペースで進む。

 

私は豊橋から新城に向かう場合はたいてい県道69号を使うが、このあいだまで新城〜長篠までの区間が通行止だった。最近開通したという話を聞き、走り慣れた69号を進んだ。

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青空の下でペダルを漕ぐのが気持ちいい。

橋を渡り、川を見下ろすとこちらもきれいだ。

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近ごろは、自転車に乗るモチベーションが上がらないときもあるが、あれこれ考えず、出てきてよかった。

 

門谷まで1時間半足らずで着いた。

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旧門谷小の敷地内に入ると奥にバイクラックと見覚えのある赤いロードバイクが見えた。なんだタツマくんも来てるのか。

 

ヤングキャッスルの店先の客席には、タツマくんの他、友人や顔見知りの方がいた。もちろんそれからヤングキャッスルの山田さんとりょーこさん。

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「シマダくん、いらっしゃい。カラダは大丈夫?ストレスでしょ?ゆっくり門谷の雰囲気味わってきなよ。」

 

山田さんは私の顔を見るなりそう言った。

 

実はここ数週間、原因不明の腹痛に悩まされているのだ。散々検査したのだが、異常はないらしいので山田さんの言う通りかもしれない。今はそこまでのストレスはないと思っていたが。

 

屋根の下に腰を下ろすと柔らかい風が吹き込んでくる。私の好きな校庭の大きなイチョウの木は青々とした葉を茂らせている。すっかり景色も風も初夏だ。

 

偶然来ていた友人のユキコさんとそのお友達と少し話す。

一人は豊橋の方で、お子さんをうちと同じ幼稚園に通わせていたそうだ。初めて会う人とそういう他愛のない会話をするのは久しぶりな気がする。

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私は見た目が涼しげなブルーハワイのソーダを飲みながら、門谷の優しい風と、同じ場所と時間を共有している人たちとの会話を楽しんだ。

 

いつまでもここでのんびり座っていたいところだが、家までまたロードバイクで帰らないといけない。重い腰を上げて、門谷を後にした。

 

帰り道はタツマくんとしばらく共に走り、途中で分かれた。

 

帰りは豊川の堤防道路に出るつもりで進んでいったが、行ったことのない小道を見つけたので、そちらにハンドルを切る。

 

道は飯田線の小さい踏切に続いていた。

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こんな小さな踏切を渡るのはいつぶりだろう。踏切を渡る時、少しワクワクした。

踏切の先に現れたのは細い細い未舗装路。

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いやいや、こうきたか。

思わぬ楽しい道との出会いに私は嬉しくなった。

 

小道を抜けると国道151号に出る。

私は予定通り豊川の堤防道路を進み、家路に着いた。

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道の駅したら - ライド奥三河 -

半日の休日出勤が急遽決まり、今日の午後はその振替休日になった。こういうときはライドに行くに限る。今日はちょうど設楽町に新しい道の駅「道の駅したら」がオープンする日である。行き先を決めるのに時間はかからなかった。

 

道の駅したらは本日5月13日の正午オープン。

 

SNSなどの情報によると、食堂は三時までの営業らしい。平日ということもあるし、そこを過ぎれば初日とは言え、人手はそうでもないだろうと踏んだ。

昼過ぎまで仕事をしていて出遅れたので、出発は2時前になった。自宅のある豊橋から道の駅したらまでは40キロ強。私はまずまずのペースで走り始めた。

 

雨上がりのせいか、風が強い。

道の駅したらまではほぼ最短ルートを引いたが、前半の新城市桜淵公園まで、やや時間がかかってしまった。

その後、大海から北に向かい、旧田口線から海老、それから稲目トンネルを抜けて、設楽町に入る。後半で遅れを取り戻した。

 

道の駅したらに到着。三時半前とほぼ予定通りだ。

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思ったより人がいたが、混んでいる感じではなかった。

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バイクを置いて早速、建物の方へ。

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道の駅したらの施設は売店や食物があるいわゆる道の駅の施設と奥三河郷土館の二つの施設で構成されている。また正面の駐車場の横には、設楽町の中心部にある奥三河総合センターに置かれていた旧田口線の車両が展示されている。

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暗くなる前に家に着きたいので、今回は奥三河郷土館はパス。もっとゆっくり見ることができる日に見学することとしよう。

食堂と売店の建物に向かう。少し前まで入場制限をしていたらしく、入場制限と書かれた立札を撤収する人の姿が見えた。

 

売店は地元の野菜の他、地元の酒蔵「関谷醸造」のオリジナルの日本酒「したら」を始め、豊根村の林商店のフランクやこちらも地元つぐやのカレースパイスなど初めてみる地域の商品もあって、粒揃いな品揃えだ。特に肉の加工品は田原ポークや津具のジビエの森のウインナーなどもあり、今回どれを買って買えるか悩んだ。

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いろいろ見て回り、私は日本酒「したら」とつぐやのフランクとカレースパイスを購入した。

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カレースパイスの売り場のとなりに使い方の紙が置いてあったのだが、うっかり貰うのを忘れてきてしまった。まあ使い方は自分で何か考えればいいだろう。

売店の横は食堂になっており、メニューは、絹姫サーモンの定食やジビエまぜそばなど、設楽町らしいラインナップだ。次の機会にはぜひ利用したい。

 

売店の二階は設楽町観光協会とこの道の駅の目玉施設である「ほうらいせん酒らぼ」がある。

「ほうらいせん酒らぼ」は地元の関谷醸造が運営しており、日本酒仕込み体験などができるらしい。

(専用サイトから要予約)

https://www.houraisen.co.jp/reserve/event/list/5

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二階で以前、仕事でお世話になった方々にお会いすることができて嬉しかった。オープンまで相当なご苦労をされたと思う。

 

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家から道の駅までノンストップ、補給は水だけだったので五平餅やコーヒーを売っているつぐやの売店でソフトクリームを買って食べた。ライド中のソフトクリームはどうしてうまいのだろう。つぐやの五平餅はとても美味しいが、流石にこの時間に食べるほどお腹が空いていなかった。

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ざっと見て回ってたが、サイクリストにはよりやすい立地だし、魅力的な土産も手に入るので、またちょくちょく寄ることにしよう。

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私はお土産で重たくなったデイバックを背負うと家路についた。

パッサージュの10日間 - 新緑の奥三河 -

昨年に引き続き、今年のゴールデンウィークも愛知県内で過ごすことになった。この状況下では仕方ない。私の仕事はカレンダー通りのシフトとなっているが、平日のこの日、私は休みをもらうことができた。

今年のゴールデンウィークは、雨が降ったりやんだりを繰り返すようだが、幸この日は晴れ。子供たちは学校に行ってしまったので、妻と2人で、鳳来寺山の麓にある旧門谷小学校で開催されている「パッサージュの10日間」にいくことにした。

 

「パッサージュの10日」はゴールデンウィーク期間中旧門谷小の校庭にパン屋さんとコーヒー屋さん、それから日替わりでいくつかのお店が出る。

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詳しくはこちら

https://instagram.com/midorino_passage?igshid=1bju5xvmhe7d4

 

 

このブログでも数回紹介しているが旧門谷小学校は自然に囲まれた静かな場所だ。

 

時折イベントが開催されたりして、私は年数回訪れている。

どの季節に行っても、心地よい風が吹き抜ける素敵な場所だ。

 

駐車場の状況がわからなかったので、鳳来寺山の表参道の入り口に近い駐車場に車を置き、表参道を旧門谷小に向かって歩き始めた。

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この辺まで足を伸ばすのは、1ヵ月ぶりぐらいだろうか。その間に新緑が深くなり、春の終わりと言うより夏の入り口に近づいているような感じだ。

 

駐車場の心配をしていたが、旧門谷小のとなり、旧鳳来寺高校の敷地が駐車場になっていた。

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表参道から校門までのアプローチが木々に覆われ、どこか遠くの世界の入り口のようだ。

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会場の旧門谷小に着いた。

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いつもと変わらない佇まいだ。

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入り口を入ったところのカレー屋さんのブースで友達が働いているのに妻が気がついた。

 

「こんにちは」

 

声をかけると、向こうは一瞬キョトンとしたが、しばらくして「あー!」と声をあげた。

マスク姿で久しぶりに人に会うと分かりにくいものだ。少し近況を伝えてると、パンを買うなら早いほうがいいとアドバイスをもらった。

 

早速妻とパン屋さんに並ぶ。

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焼きたてというカンパーニュを半分とバナーヌというバナナのパウンドケーキ、それから友人にお土産のチョコチップクッキーを購入した。

パンを詰めてもらいながら、カンパーニュのライ麦の配合の話などを聞いた。

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他には小物を売るお店などが出ていた。

東栄町から来たという出店者の方と話す。私は東栄町でよく立ち寄る場所の話などをした。

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こういうお店の人との何気ない話をするのは久しぶりだ。

 

一通り店を見ると妻と私はベンチに座り、特に何かをする訳でもなく、しばらくぼーっとしてときどき思い出した様な話をした。

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「あのイチョウの木が好きなんだよね。」

私は妻に言った。

 

ここに来るたびに校庭の隅にある大きなイチョウの木の写真を撮っている気がする。

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それからしばらくパッサージュを訪れる人や店の人の様子を観察したり、周囲の景色を眺めて過ごした。

 

どのくらいベンチに座っていただろう。

 

私たちは新緑のパッサージュを後にした。

 

特に何かしなくていい。

いろんなことは忘れて、どこか懐かしくて心地よい風が吹くあの場所にいるだけで、なんとなく優しい気持ちになれる。

 

また来たくなったら来ることにしよう。

私にとってそういう場所なのだ。

ジャパンエコトラック東三河 - cycling 東三河 -

 

モンベルグループが中心となって、認定をしているジャパンエコトラックに東三河が新たに追加された。

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ジャパンエコトラックとは人力による移動手段で日本各地の豊かで多様な自然を体感し、地域の歴史や文化、人々との交流を楽しむ新しい旅のことであり、北海道から九州まで、全国24地域が認定を受けているという。

冊子には、東三河でサイクリングルート6、トレッキングルート4、パドリングフィールド1の合わせて11のアウトドアアクティビティーのフィールドが認定されている。

ウェブページの準備はまだできていないようだが、冊子は東三河エリアの道の駅などで配布されている。

 

私は早速、その中の蒲郡と豊川のサイクリングルートをダモンデの仲間と共に回ってみることにした。

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蒲郡のルートが60キロ弱、豊川のルートが40キロ弱で合わせて100キロ程度だ。1日走るにはちょうどいい距離である。

 

スタートは豊橋公園。今回のメンバーはダモンデクルーの上野さん、タツマくん、エースくんと私の4人。スタートで少しトラブルがあったものの、すぐに予定の豊川のルートに乗る。町から郊外に抜けるルートは、車が多く、やや走りにくい。

それにしても雨上がりのせいか、風が非常に強い。最近使っているリムハイトの高いホイールでバイクがあおられる。まぁそこはわかって使っているので仕方がないが。

 

豊川のルートから外れ、蒲郡のルートに乗る。ルートは蒲郡の東南を国道23号線を通り、西向かうがここは交通量のとても多い区間である。われわれは時折歩道を使いながら慎重に進んだ。ルートはここに引かれているが、もう1本北側の抜け道を使う方が安全だと思う。

 

竹島に近づく頃、ポツポツと雨が降り始める。日がほとんど当たらず、体温がどんどん下がっていく。四月中旬ということもあり、そもそも軽装であり、手持ちのウェアはほとんど身に付けていたので体温を上げる術がなかった。我々は竹島水族館側の「CHARI-CAFE POTTER」で早めの休憩を取ることにした。

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チャリカフェ・ポターはその名の通りサイクリスト向けのカフェで店内に自転車を入れることができ、サイクリスト向けの食事メニューがある。何度か利用させてもらったが午前に来たのは初めてである。

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みんなコーヒーとドーナツモーニングを注文。ドーナツは温かいベークドドーナツで美味しかった。

我々以外にも何組かお客さんがいて、人気のお店のようだ。

 

ポターを出ると、女性サイクリストの集団が通り過ぎていった。我々は不思議なほど、女性サイクリストと縁がない。

「ああいうサイクリストの集団て、インスタの中でしか見ないけど、ほんとにいるんだね。」

 

その後、信号待ちで女性サイクリストたちと並びかけたが、結局、特に話したりすることもなかった。まあ、そんなものである。

我々は西浦半島に向かった。

 

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沿岸の工場地帯を抜け、南に向かって走っていく。市街地を抜けるまでは、神経を使うところも多かったが郊外まで来ると爽快であった。

普段走る渥美半島が海の向こうに見える。

同じ東三河だが、渥美半島とは違った趣きがあり、こちらはこちらでいい。


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最近、「ガマファルニア」として売り出し中のヤシの木並木を抜ける。写真映えするだろうこの場所で、スポーツカーの集団やバイクの集団が撮影会をしていた。その横を我々はまずまずのスピードで駆け抜けていく。この辺りはもっとのんびり走るといいかもしれないが、この時はスピードに任せて走るのが気持ちよかったのだ。

 

西浦半島を折り返すといきなりきつい上り坂。

私はいつものように早々に軽めのギアに落とし、ケイデンス重視でクルクル回して上っていく。一方、最近はピストの練習が多いエースくんは何事もないように変速しないままガンガン上っていく。

残された我々はやや唖然としながらその後を追った。

 

西浦から北に向かうと昔ながらの漁村といった風景が広がる。街がどうこうというより、その辺を歩いているおばあちゃんがそんな感じなのだ。こうした何気ない日常の風景が西浦の良さなのかも知れない。

 

三ケ根まで出ると三河湾スカイラインのアプローチが始まる。

 

実は自転車で三河湾スカイラインを西から走るのは初めてであった。

 

標高の割になかなかな斜度の道が続く。

私は上りの普段のケイデンスを意識しながら淡々と上った。

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三河湾スカイラインは周囲が木々で覆われているところが多いが、眺望の良い場所では三河湾が一望できる。僅かな距離しか上っていないが、なかなか海から標高を稼いでるようだ。なるほどキツいはずだ。
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上り区間が続き、仲間たちがばらけていく。


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スカイラインのピークに出たところで一度、仲間たちと集合する。

 

ピークから先はアップダウンが続く道だが、再び天候が悪化し始め、強風のせいで、どんどん体感温度が下がっていく。その上、弱い雨が降り始め、冷えた身体からさらに容赦なく体温をさらに奪っていく。

 

予想していたより、かなり消耗してしまった。

三河湾スカイラインを舐めていたことやレイヤードの失敗などいろいろ反省した。

ピークから先で再びばらけてしまった我々は三河湾スカイラインの出口で再び集合した。早くコンビニなり昼ごはんの店に入るなどして暖まろうということになった。ここから豊川のルート西側、旧東海道エリアに入る。

 

幸い豊川方面への下りは日向で暖かかった。少し場所が変わるだけでこんなにコンディションが変わるとは。

身体が暖まってきたので、結局コンビニはパスし、昼ごはんポイントに向かう。

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御油の松並木を抜け、旧東海道の赤坂宿に出た。

このあたりは古い街並みが残っていてなかなかいい雰囲気である。


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昼は音羽の「楽食家ほろほろ」に入った。

私は牛ホルモンの炒め物定食を注文。少し濃いめの味付けだったが、消耗した体にはちょうどよかった。
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昼ごはんの後は、豊川ルートの東側に向かう。雨は昼ごはん休憩でやり過ごしたと思ったが、再度雨に降られてコンビニで休憩。

 

「シマダさん、ダメですね。もう一発雨雲迫ってますよ。」

タツマくんがスマホを見ながら教えてくれた。

我々は豊川稲荷に向かうルートを外れ、旧東海道でそのまま豊橋に戻ることにした。


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追い風のおかげでなかなかいいスピードが出る。背後から風に乗って雨雲がやってきているので油断は出来ない。

幸いあまり信号にも捕まらず、雨が降る前にスタートの豊橋公園に戻って来られた。

着いた直後は元気だっが、帰宅したらどっと疲れが出て、夕食までしばらく寝てしまった。

今回は天候もあって三河湾スカイラインにやられてしまったが、ジャパンエコトラックにはまだ奥三河の山岳ルートもある。コースはこちらのほうがキツいだろうから、奥三河コースを走る機会があれば、準備を万全にして行こうと誓った。