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アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

林道の可能性 - ぽたび林道テストライド -

東栄町観光まちづくり協会が「ぽたび」の名前で町内のサイクルガイドツアーを行っている。

 

私は「ぽたび」立ち上げの頃に何度かモニターツアーに参加させていただいているのだが、今回、新たな試みとして、林道をE-マウンテンバイクでツアーするモニターツアーを実施するということで、ツアーに呼んでいただいた。

 

今回のツアーは東栄町の中心にある拠点施設「まちの縁側ぽたび」から町の周囲を囲うようにそびえ立つ山々を縫うように林道を走るルート。

普段は小径車のE-bikeでツアーを行っている「ぽたび」だが、今回はE-MTBを用意して林道を行くのだ。

私もE-MTBを用意してもらえたのだが、東栄町の林道がどんな感じか自分の足で確かめてみたい、ということもあり、自分のMTBで参加した。

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参加者は、地元でE-MTBを乗っている方や「ぽたび」のガイドの方、浜松の自転車屋のオーナーさんなど、東栄町にゆかりのある方を中心に10名ほど。

 

簡単に自己紹介をして、早速ツアー開始。

まちづくり協会の伊藤くんが、先頭で走っていく。

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何度か走ってことのある道をしばらく行き、新本郷トンネルの脇から最初の林道、林道東山線に入っていく。

道は綺麗な舗装路。林道と聞いていたので、グラベルかと思っていたので少し拍子抜けした。

アプローチはやや急な坂道だったが、マウンテンバイクのギア比なら全く問題なかった。少し汗をかきながら他の参加者とサドルトークを楽しみながら上がっていく。斜度は10%前後といったところで、ペースさえ無理しなければ自走でも問題ない斜度だ。

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林道の途中で、バイクを止め伊藤くんが地形の説明をしてくれる。柱状節理という火山活動でできた地層についてのもので、東栄町には各所で見られる。伊藤くんの説明も慣れたものだ。

 

そこからしばらく行くと町内を一望できるスポットに出る。
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すごいな。

 

東栄町に来るようになってずいぶん経つが、こんな風に町を見下ろしたことはない。

しかも林道からである。

私はMTBもグラベルバイクも乗るので、様々な林道に行くが、そのほとんどが眺望がよくない。ほとんど間伐も行われず、森林に覆われているところがほとんどだからだ。

 

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この林道からの眺望の素晴らしさよ。

上った先にある景色の美しさ、というサイクリストなら誰もが求めるものがそこにあったことがシンプルにうれしかった。

また林道から見下ろす東栄町の景色が新鮮であった。

地元の参加者の方が、見える集落がどの集落かとか、どの山なのかとか解説してくれて、「ああ、あの山なのか」と認識を新たにした。こうした地元の方の解説も今回のツアーで楽しめた点である。


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少し移動して、もう一つのビューポイントへ。

そんなに移動していないのだが、同じ東栄町が角度を変えるとまた違って見えて非常に興味深い。奥三河のナイアガラとして知られる「蔦の淵」が正面に見えた。


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ここでコーヒーブレイク。地元のスイーツ店の焼き菓子を出してもらった。


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コーヒーを飲むだけで画になってしまうような素敵なビュースポット。
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私は自分のMTBの写真を撮った。

 

コーヒーブレイクの後は、林道小田沢登線を下っていく。

ここは未舗装となっており、ほかの参加者には申し訳なかったが、オフロードの下りを楽しみたかったので前に出させてもらった。

オフロードといっても、そこまで荒れておらず、勢いに任せて下って行って特に不安はなかった。あの感じならグラベルロードでも問題ないだろう。

 

ここまで走って約半分。

お楽しみのランチタイムだ。

ランチ会場は川角の集会所だったが、壁紙が不思議で、他の参加者の方と「?」となっていた。
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三河ではときどきこういう「?」なとことに出会す。

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ランチは東栄町の料理旅館、大崎屋さんのお弁当。そろそろ大崎屋さんのお弁当が食べたいなと思っていたので、私としてはとても嬉しかった。個人的には、美しく焼かれた玉子焼きが最高だと思っている。

もっとも、東栄町の飲食店はどこも非常にレベルが高いので、ほぼはずれはないと思って大丈夫なのだが。


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午後からは小田線を進んでいく。一旦お昼で集落に降りたため再び上りだ。この林道は舗装路である。

 

走りながら周囲の木々を見ながら、森林組合の方と製材所を営む参加者の方がいろいろ教えてくれる。

今回モニターツアーなので偶然の参加者なのかもしれないが、ガイド側にいていただいてもいいくらいの興味深いお話だった。


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急な上り坂の途中に埋もれた鳥居があった。小田の集落跡である。

こんな山の上に集落があったのか、と思うが昔はそれだけ人がいたということなのだろう。


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小田の集落跡を越えるとまた開けた場所に出た。

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東栄町の林道は眺めがいいところが多くて、本当にいいな。次は仲間とロードで来たい。
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小田線から名倉地区へ。ここにも集落跡があったが、こちらは30年ほど前まで人が暮らしていたそうだ。
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なんとか形を保っている建物や苔むした石垣がそこに確かに存在した暮らしを思い起こさせた。


名倉からは林道を下り、川角地区へ。

東栄町のパン屋さん「ピッコロパン屋」さんに立ち寄る。夕方で物がないかなと心配していたが、この日は幸か不幸か商品がまだ残っており、我々はお土産を買うことができた。
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その後、スタート地点の「まちの縁側ぽたび」に戻って一日の振り返り。

東栄町役場の方によれば、東栄町には林道が52路線あり、そのうちの約半分が舗装路だそうだ。

 

私はこれだけ景色のいい林道なら、もっとPRすれば、ロード乗りは勝手にやってると思います、と意見を述べた。

今回、未舗装路はわずかであったが、未舗装路中心に走れるなら、グラベルロード乗りもやってくると思う。

 

ツアーとしての可能性はもちろん、東栄町の林道の持つポテンシャルを強く感じたモニターツアーだった。

個人的に未舗装の林道を教えてもらおうと心に誓った。東栄町を起点にグラベルキャンプツーリングなんて最高じゃないか。

 

そんな妄想をしながら、家路に向かい車を運転していたが、役場の山下さんから「ヘルメット忘れてませんか⁇」と電話が。

痛恨の忘れ物であった。。


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そうそう、東栄町観光まちづくり協会では「まちの縁側ぽたび」拠点施設整備のため、クラウドファンディングを実施中である。


https://camp-fire.jp/projects/view/710811?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show

 

「ぽたび」をはじめ、身の丈にあったチャレンジを着実に頑張っている東栄町観光まちづくり協会さんをぜひ応援していただきたい。