今回のブログは普段の内容と異なり、ロードバイクの機材の話である。かなり専門的な話になるので、タイトルの内容にご興味ある方だけご覧いただきたい。
わざわざ私のブログでこのような話を書くのは、今回導入したクランク、cane creekのeewingsに関する情報がほとんどなく、どういう製品で、どのように取り付けるのか、実際のところどうなのか、まとめておく必要があると思ったからである。
もし、導入を考える方がいて、参考になれば幸いだ。
私はクロモリのロードバイクに乗っており、クランクは6800のアルテグラを使用していたが、かねてからシルバー系のクランクを使いたいと思っていた。買い替え候補として、muller、ワンバイエスなどが上がったが、どれも決め手に欠けていた。cane creekのeewings は欲しいとは思っても買うには抵抗のある値段だったが、春にあると噂されていたデュラエースの発表がなくなったことで、eewings の購入に舵を切った。
eewings にはマウンテンバイク用とオールロード用があり、cane creek 製ということでマウンテンバイク用はそれなりに出ているようだが、ロードに付けているのはほとんど見当たらない。マウンテンバイク以外で使用しているのはプロンプトンなどの小径車のカスタムがほとんどだった。
いざ買うと決めて、いろいろ調べてみたが、分からないことが多い。
スピンドルは30mmで、cane creek から専用BBが発売されているが、他社のBBでも使えるのか、またカタログにあるプリローダーは付属なのか別売りなのか。
結局、BBはクリスキングを使っているYouTubeを見つけたので、こちらはクリスキングを手配。
プリローダーは昔からお世話になっているショップ「カントリーモーニング」を通じて代理店に確認したところ、クランクに付属するとのことであった。
あわせて、カントリーモーニングに在庫の確認をしてもらうと、代理店の在庫は欠品、8月末の入荷とのこと(問い合わせは6月)。
eewings の対応チェーンリングだが、スラムのダイレクトマウントを採用しており、ダブルで使用する場合には別途、スパイダーアームが必要になる。私はこのスパイダーアームもクランクと合わせてショップさんに注文した。
コロナ禍で物が入ってこない自転車業界だが、クランクは予定通り8月後半に届いた。
だが、スパイダーアームは予定通り届かなかった。翌9月末の入荷となるらしい。しかし、その後「来月末になります」という連絡が入り、その後も更にさらに同じ連絡がカントリーモーニングから届いた。連絡してくれる店長さんも非常に申し訳なさそうだか、店長さんが悪いわけではない。
もしからしたら、スパイダーアームはこのまま入ってこないのでは?と心配になった私は、海外通販サイトを探し、一箇所だけ在庫を持っているところを見つけた。ただし、欲しかったチタンカラーではなく、オイルスリックだったが。
少し送料が嵩んだが、スパイダーアームが注文から一週間ほどで到着。
オイルスリックの色味が心配だったが、裏はいわゆるオイルスリックの派手な色、表はそこまで派手な色ではなかった。
スパイダーアームが届き、早速、用意していたチェーンリングを取り付ける。アウターは私がお世話になってるもう一つのショップ、Glocalbikeの店主、バスマンさんから提供してもらったFSA、インナーはAmazonで買った6750のアルテグラである。
余談であるが、クランク本体を買うと、組み付け用のチタンプレップが付いてくる。
アウターがやや重い印象だが、それでも全体重量としてはデュラエースより軽い。
そして、いよいよ組み付けである。
組み付けはクリスキングのBBを注文したGlocalbikeのバスマンさんにBBの交換と共にお願いした。はじめは、BBさえ交換してもらえれば、あとは自分でやればいい、と思っていたが、予想以上に細かいところで調整が必要だったので結果的にやってもらってよかった。
まず、シマノとの大きな違いとしてスピンドルが24mmから30mmになるため、当然BBの外径も大きくなる。これまではシルバーカラーのBBを使用していたが、細いクロモリのフレームに合わせたときに目立つのが心配だったので、フレームと同系色のネイビーをチョイスした。
BBを交換してもらい、いざ、クランクを入れようとするが、入らない。私のフレームがクロモリという特質上、パイプが薄いせいだと思うが、BB下のワイヤー受けのネジの出っぱりが左右のBBの間のスリーブに干渉していた。
バスマンさんはすぐさまワイヤー受けのネジにワッシャーを足し、短いネジに交換してくれる。
ネジの問題は解決したが、それでもまだ上手く入らない。そもそもどうも入口のところでスリーブが当たるようなので、自己責任でスリーブを外してBBを取り付けたたころ、上手く入った。
バスマンさんは説明書に書かれた締め付けトルクにしだかって一度仮組みをし、フロントディレーラーを微調整。変速調整をしていたバスマンさんがクランクを回しながら「手で回した感じが軽い」と驚いた様子で言った。
また、プリローダーでガタがないよう締め付け具合も調整してもらうが、BBとクランク軸の間が隙間がややあったので、ノンドライブ側にBB付属のスペーサーを入れてもらった。
作業用スタンドからバイクを下ろし、バイクを見てみるとチェーンリングのせいもあってか、なかなかマッシブな見た目になった。
ペダルを付けてもらったときに気が付いたが、ペダルを付ける部分の溶接がクランクより少し出ていること、それからクランク自体がやや厚みがあるので、シマノと比べてQファクターが広くなっているようだ。
まだビンディングシューズで乗っていないが、クリートの調整は必要だろう。もっとも、私はタイムのペダルを使っていて、これ以上Qファクターは狭くならない。
とりあえずGlocalbikeの周囲を普通の靴で軽く乗ってみたが、少し乗った感じでは硬さを感じるというより、ダイレクト感が増し、軽量化した効果か回しやすくなったと思う。
諸々の使用感は週末のライドで確認することとしよう。
実際に組み付けるまで長い道のりだったが、なんと言っても見た目が非常によい。とりあえずはそれで十分である。