定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

マーガレットリバー - Cycling Western Australia -

LS Merchantsからコウラマップは目と鼻の先だった。メインストリートのある丘の上を中心に南北に街の主要な店が立ち並ぶ。地方の街といった感じだが、観光客も多い。

コアラマップのあるマーガレットリバー周辺はワインはもちろん、チョコレートも有名。

さて、どこから行こう。

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まずは腹ごしらえ。メインストリートにベーカリーが2軒あり、そのうちの1軒に入った。f:id:independent-traveller:20250319085033j:image

ベーカリーにはパイからスイーツまで様々なものがショーケースに並ぶ。
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これは何を注文するか決められてないパターンである。何人か他のお客さんを先に通し、私はどれを注文するかしばし悩んだ。


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何とか注文を決め、カウンターに並ぶ。アジア系の店の女性が「決まった?」と聞いてくる。

「ああ。 ソーセージロール、マッシュルームとチキンのパイ、それからモカチーノをください」

 

ソーセージロールにケチャップをつけるか聞かれたのでお願いした。必要かどうか分からなかったが郷に入れば郷に従え、である。


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恥ずかしい話だが、今までウィンナーロールを食べたことがなく、てっきりウィンナーがパイ生地に巻かれているものかと思ったら、挽肉にハーブやスパイスを混ぜたものをパイ生地で包んで焼いたものだそうだ。
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ウィンナーロールはいろんなスパイスの味がして美味しい。また帰国したら作ってみたいな。付けてもらったケチャップは結局使わなくても美味しかった。

 

マーガレットリバーといえば有名なのはワインとチョコレートである。

メインストリートあるチョコレートハウスでチョコレートを自宅用に購入し、さらにPeacetreeというワインショップへ。 直前に寄ったLS Merchantsと違い、クラシックな印象のワインが並ぶ。赤白それぞれ1本買う。

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これで数日前にVineyard 28で買ったワインとLS Merchantsで買ったワインと合わせて、ワインが手元に6本。

そのままメインストリート沿いのポストオフィスに入り、ワインとチョコレートは自宅に送ることにした。

送料は100ドルもかかってしまった。この金額でワインが4,5本買えたのではないか。

いや、ここで無理すると帰りの飛行機で重量制限に引っかかり、追加料金を取られるかもしれない。それよりはマシだろう。

昔、アラスカの帰りに土産を買いすぎて規定重量オーバーで300ドル追加で払った痛い経験がある。今回はこれでよかったとしておこう。

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コウラマップからはwadandi trackに入る。私が使っているガイドブック「Lonely Planet」が発行しているオーストラリアのサイクリングルートガイドにも掲載されている道で、バッセルトンでマイケルが教えてくれた道でもある。

起点のコアラマップから終点まで 全長31キロに渡って整備されている。

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未舗装だが、ほぼフラットの道で道幅は車1台分ぐらいあるだろうか。非常に走りやすい。グラベルバイクなら全く問題ない。これは良い。

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調べたところによると、もともとバセルトンからオーガスタまで伸びていた鉄道の廃線跡らしい。

 

今は昔のようにバッセルトンからオーガスタまでトレイルとして伸ばす計画があるそうだ。おそらく約100キロ。壮大な計画だ。

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トレイル上には歩いている人もいるが、自転車もときどき走ってくる。

1人のマウンテンマイカーのじいさんが、後ろから私を抜き去りかっ飛んでいった。しばらく頑張ってついて行ったが、置いていかれてしまった。

しばらくしてトレイルと普通の道がぶつかるところに車にマウンテンバイクを積んでいるのを見つけた。

こんないいトレイルがあるなんて羨ましい。

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ワダンディトラックを半分ほど来ると、マーガレットリバーの入り口だ。

 

今回の旅の目的地。マーガレットリバー。

これまで訪れたウェストオーストラリアの街はフラットのところが多かったが、ここは坂の街だった。

 

街がとても明るい。

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街の名前の川、マーガレットリバーに向かって下り坂道になっているメインストリートの端に立ち、通りに並ぶ店を眺めた。

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まずはどこから行こうか。

 

私はファッジファクトリーに入った。

ここはお友達のオーストラリア人のアレックスがファッジの店があるよと教えてくれたところ。

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ファッジはせいぜいカフェに行くと数種類あれば良い方だが、ここはすごい種類があった。

店に入るとすぐに笑顔の素敵な店の女性が試食を一つくれた。

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フレーバーも見たことないものばかり、私は土産に数種類のファッジ、それからチョコレート(これもいいのがあった)を買うついでにチョコミントアイスも頼んでしまった。

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英語で久しぶりにアイスの注文をした。昔、アイスはニュージーランドでよく食べてたな。

懐かしい思い出に浸りながら、もう一回やりたいことリストをまた1つ片付けたなと思った。

 

そこからインフォメーションセンターへ行く。明日乗るバス停の確認と土産探しが目的である。

 

西オーストラリアの西南端にあるCape Leeuwinからバッセルトンの西にあるCape Naturalisteまで続くトレイルのマップを購入した。

 

西オーストラリアの自然の美しさやトレイルが豊富にあることなど、いろいろ教えてくれ、私の旅のキッカケを作ってくれた友人のダモンデ山田さんへ何か私から旅の動機となるようなものを土産に買いたかったのだ。

 

会計をしながらカウンターのおじさんに「バス停はどこにある?明日バスをキャッチしてパースに戻るんだ」言うと、

「一本となりの通りだ。コースルの隣だよ。」と地図を見せて教えてくれる。そんな話から私の旅のことを聞かれる。そこから更に買ったマップのことに話が及び、「このルートは6日間だ。向こうの彼女も行ったよ」とカウンターのとなりにいた若い女性の方を向くと、彼女は笑顔で小さくうなずいた。

かっこいいな。こういう人と普通に出くわすから旅はやめれない。

 

そのまま近くのスーパーで買い出し。ビーフステーキが安かった。その他いろいろ合わせて19ドル19セント。

レジのおばさんが「19dollars and 90cents、ノー、19centsだわ!失礼!」と会計を言い間違えて爆笑していた。「大丈夫だよ」と笑っておいた。こういう些細なことも思い出である。

 

それから街の南にあるキャンプ場へ行く。予約なしで問題なし。

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指定された私のテントサイトの隣は、マウンテンバイカーらしく、トレックのマウンテンバイクが置いてあった。

オールバニーなど南部の都市を車で回ってトレイルライドしているらしい。うらやましいな。

聞けば、サブマリナーで日本に行ったことがあるらしい。いろんなやつがいるな。

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一通り片付いて、あとは食事して寝るだけでもよかったが、夕食には少し早い。

マーガレットリバーの街の名前の由来であろうマーガレットリバーの川を見に行くことにした。

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こちらも名前に恥じない美しい川だった。
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どことなく北海道思い出させる風景だった。
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こんな素敵な川のそばに暮らしているなんてなんて豊かな暮らしだろう。羨ましい。
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川沿いの道には道路を回って行ったが、周囲には普通にトレイルが走っていた。散歩している人。それから自転車で乗っている人。
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この辺りのトレイルとワンダンディトラックはが交差してるらしい。グラベルバイクで充分楽しめる位のフラットなトレイルだった。
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トレイルの出口にはレンタルをやってるバイクショップもあった。

 

マーガレットリバーに架かる橋に「Margaret River」の看板を見つけた。
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今回、旅の候補地はいくつもあったが、最終的にここに行こうと決めたのは ダモンデ山田さんからこの「Margaret River」という街の名前を聞いたときだ。

後からついていた理由はいくつかある。インド洋の側を毎日走れるとかワインの産地とか。

 

ただ今回の旅で目的地を決定付けたのはこの「Margaret River」という美しい街の名前だ。

 

自分で「マーガレットリバー」と口にしてみて、この美しい響きの街がどんなところなのか、自分足で行って実際に見てみたい、そう思ったのだ。

 

実際に訪れたマーガレットリバーはその美しい響きに相応しい、明るく美しい街だった。

 

私は自分の直感を信じてここまで来ることができたこと、またそれが自分のやり方である自転車での旅というスタイルでできたことを心から嬉しく思った。

そしてわずか300キロ程度でしかないが、ここまで来ることができた自分が少し誇らしかった。

 

マーガレットリバーに来て、本当に良かった。