定着から放浪へ 放浪から定着へ

自転車の旅、そのほかの旅について書いています。

God is good -cycling NewZealand -

あっという間にNZに来てからおよそ1か月近くが過ぎ、3月になってしまった。寒くなる前にそろそろ南島に行かないと、と焦ってくる。

 

ワンガヌイの朝はまったりと食事をし、朝から自転車屋へ行ってみた。秋冬のウェアを探してみたがいまひとつこれと言うものがない。この日の目的であるパーマストンノースはまずまずの大きな街だ。ウェア類の購入はとりあえずパーマストンノースまで持ち越すことにした。

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ワンガヌイからは国道が首都のウェリントンまで伸びている。

当然このルートは車が多いのが予想されるのでこちらを外し、やや遠回りにはなるが、Martonという街を行くルートをとる。

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丘陵地帯に広がる小麦畑が眩しい。

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ある教会の前で見つけた看板

マートンはクラシックな街並みの小さな街だった。次のFeidingもそうだったが、このあたりの街はそんな感じであるらしい。

マートンで昼食。カフェを探したが、混んでいる店が多かったので、お客の少ないの少ないおしゃれな店に入った。

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非常に感じの良い店だったが、値段のほうもなかなかだった。

店の女性が感じよくメニューをいろいろ説明してくれる。

ノンアルコールカクテル 5ドルとフィッシュフライとチップスが10ドル50セント。

昨日1日30ドルを上限と決めたものの、 1日めにして目標達成ならずと言う感じになってきた。

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値段は高かったものの味もとても良かった。しかし、量明らかに足りなかった。

すすめられたノンアルコールカクテルはキウイフルーツベースのちょっと不思議な味。先程の店員の女性にレシピを聞くと「ちょっと待って」と言って何かボトルを持ってきた。これとレモネードを割るだけだって。

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作り方がどうしても気になったので、ちょっと勇気を出してレシピを訊いてみたが、うーん。なんだか残念。

食事はおいしかったが、なんとも微妙な感じになってしまった。

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昼食後はフィールディングへ向かう。フィーリングまでは追い風。言うことなし。

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フィールデイングも小さい街だが、美しいところだった。こういう日本であまり知られていない街をゆっくり歩いてみたいものだ。

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フィールディングを後にすると、そこから風は向かい風。まるで進まなくなってくる。さらに、空もだんだん曇ってきて気分が落ち込んできた。サイクリストの気分は本当に天候次第だ。

 

何とかパーマストンノースに到着。

 

インフォメーションセンターでアウトドアショップとキャンプ場の場所聞く。アウトドアショップはネイピアでもお世話になったNZ大手のカトマンズと、もう一軒ローカルの店を教えてくれたが、結局迷子になってしまい、カトマンズにしか行けなかった。

カトマンズでテントを見る。色は若干好みじゃないが、サイズ、重量はまずまずのものを見つける。カトマンズの店員に、今旅をしていて新しいテントを探していると言う話をすると、このテントは来週から末から60%オフになるぞと言われた。そんなセール情報、先に話していいのか?

とはいえ、来週までここに留まるわけにもいかない。

来週まで待てないと言うと、来週どこにいるんだと訊かれ、来週はそうだなぁ、きっとウエリントンか南島に渡っているぐらいだ、と伝えるとウェリントンにも店があるからそこで買えばいいとアドバイスを受ける。

ニュージーランドの人はどうしてこうもいい人多いが多いんだろうか。

タイミング良くセール期間中にカトマンズにまた行けるか分からないが、行けるならば買ってしまおかと本気で考えた。

 

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街の中心からあまり離れていないところにキャンプ場があった。

南島に渡る準備もあり、2泊することにした。

支払いをクレジットカードでしようとしたら、手動の複写機でカードのインプリントを取られて笑った。キャンプ場自体は快適に過ごすことが出来た。

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ピクニックランチとダートロード - cycling NewZealand -

朝、目が覚めるとテントがビシャビシャになっていた。雨が降ったわけでもないのにフライシートはおろかインナーもかなりびっしょりだ。

テントは学生時代からキャンプツーリングに使用していたものでもう長いこと使っている。防水がかなり落ちてきていた。ポールも一度折れてしまったことだし、買い替えも考えなくてはいけないかもしれない。とりあえず、次回に街に滞在する際には防水スプレーを買おうと決めた。

 

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山岳地帯ということもあり、朝は寒かった。ずっとビンディングのサンダルを使ってきたが、トレッキングシューズタイプのものにそろそろ変える時期だろうか。防寒ウェアの手持ちがあまりないので、そうしたものの購入も検討する必要があるだろう。

 

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この日のルートは引き続きダニエルのオススメルート。

メインのハイウェイを避けて走るルートだ。しかし、今回初の長いダート区間があり、少し緊張した。この約40キロのダートは今思えば、路面もそう悪くはなかったので、そんなに臆病になる必要はないのだが、初の海外のダートだったのだから、ビビっていたのだろう。

 

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実際に走ってみると、砂が浮いたところで何度か滑りそうになり、それなりに神経を使った。こんな道ばかり走って世界を回っている人がたくさんいると思うと尊敬する。

でもちょっとスリッピーな路面を走るのどこ楽しかった。

 

この日はルート上にカフェがなく、この旅で初めて昼食をカフェ以外のところでする。集落の教会のそばの草地に腰を下ろし、昼ご飯にした。

 

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ランチメニューは朝、ライティヒの街のベーカリーで買ったサンドイッチと手持ちのトーストブレッドにハチミツを塗ったもの、それからいつか買ったりんご。あと、もちろんその場で湯を沸かして淹れるコーヒー。それでちゃんとお腹いっぱいになった。安上がりの割に満足出来た。こういうのも悪くないな。

 

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ダートロードを抜けて、この日の目的地であるWhanganuiに到着。街の角に立つアイリッシュバーが洒落ていて気になったが、思いのほか疲れていたので、キャンプ場に向かう。街の真ん中を流れる川の両岸にキャンプ場がそれぞれあった。ただ、どちらも街の中心部から数キロ離れていてキャンプ場までたどり着くのにまた疲れてしまった。

 

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いつものようにパスタを茹でて夕食を済ませて、日記をつけながらお金の計算をしてみるとすでに予定よりかなり使い込んでいた。この日以降、1日の出費は30ドルまでと決めたが、何だかんだで達成されることはあまりなかった。

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Tongariro National Park - Cycling NewZealand -

タウポから南に向かう。そのまま南下を続け、北島の一番南に位置する首都ウェリントンから南島へ渡るためだ。

 

タウポのキャンプ場で会ったオランダ人サイクリストと話していたときに、これから南島に向かうと言うと「なにやってるんだ、行くならquicklyだ」と言われた。

そこはquicklyじゃなくてhurry upじゃないのか、と見当違いのことを思いながら話を聞いていたが、南島は私が思っていたよりも寒いらしい。

南半球のNZでは、赤道に近い北の方が暖かい。日本でいえば九州とか四国の感覚だろうか。タウポにいたのは2月の終わりでちょうど夏が終わるころだった。

少し、急いだほうがいいかもしれない、そう思い始めた。

 

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タウポからTurangiまでの50数キロを走ったこの日の記録はほとんど残っていない。宿泊したYHA(ユースホステル)のキャンプサイトが9ドルで安かったが、ビールで12ドル使った、ということぐらいだ。

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トンガリロのモニュメント。世界遺産である国定公園の玄関口


 YHAに着いたとき、台湾と日本の女性がいて、いろいろ話をしたはずだが、そのあたりのことは記録には書いてない。台湾の女性とまずまず会話が出来ていて、いっしょにいた日本人女性が驚いていたのは覚えている。私の英語は大したことないが、ワーキングホリデーの後、旅をしている日本人が、私以上に話せないケースをその後もよく目にした。

 

この日のことで一番記録残っているのは、夜、キッチンで一人、食事の支度しているきに、高校生ぐらいの若者がバスで大量に到着して、大騒ぎしてかなり参った、ということだ。

集団に対する生理的な嫌悪感からなのか、集団と言うものについて、自分が個で動いていることとと対比して長々と考察をノートに書き綴ってあった。その考察も、いま読み返してみると、相手に文句を言えずに悶々としていたのをそれらしく考察風に書いてあるだけで、読み返してもさして内容はないに等しいものだった。

ただ当時、「旅」というものに対して、愛読していた野田知佑の影響で「旅は一人でするもの、仲間でワイワイ騒いでいるやつらは仲間内で楽しむだけで終わってしまう」という考えが根本にあり、仕事を辞めてNZに来たという小さな自尊心から、自分が嫌悪していた旅における集団というものに対して過剰な反応を示したんだと思う。

 

この日の旅の記録はほとんど残っていないはそんな訳だ。

 

それでもこうしてブログに起こしてみると思いだすもので、騒ぎの後、「うるさくしてごめんなさいね」と、言ってくれた引率の先生がオークランド在住の年配の日本人女性で、修学旅行のようなもので来ていたと教えてくれた。

 

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翌日、トンガリロナショナルパークの中を走るルートを進む。ダニエルおすすめのルートだ。世界遺産でもあるこの国定公園は雄大な山々が連なり、トランピング(トレッキング)などのアクティビティで有名なエリアだ。美しい景色を沢山写真に撮った。

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ナショナルパークというそのまんまの名前の街に出るまでずっと長い長いのぼり。しかし山岳地帯にあって緩い上りが中心でよかったが、終始重たくないギアを踏み続けて、なかなか疲れた一日になった。

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この日はとても寒く、上りでも時折レインジャケットを着て走った。レッグウォーマーやアームウォーマー、ウィンドブレーカーといった秋物の装備が必要になってきたことを肌で感じた。しかし、NZの気候を甘く見ており、そういったものをあまり持っておらず、またそれ以上荷物を持つ余裕もなかった。当時まだ自転車の後部にしか荷物を積んでおらずフロントキャリアまだ付けていなかった。大きな街に行ったらまた装備を何か買わないとな、と思った。

 

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後半の下り基調の道のおかげで、夕方前には、この日の宿泊地Raetihiに着いた。行きの飛行機で見た映画『Elizabeth Town』に出てきそうな小さな街だ。

 

 

 

キャンプ場に行くと黒い犬が吠えながら、こちらに向かって走ってくる。オーナーだろうか、女性が犬を制しながらこちらに近づいてきた。「ごめんなさいね、テント?」

キャンプ場は小さかったが、キッチンがとても清潔で好感が持てた。客も私ぐらいしかいないようで、とてもゆっくりできた。

 

時間が早いので街のバーに飲みに行った。こちらも静かなもので私以外の客は若者1組だけだった。日記を書きながらビールを飲んでいると、 私の好きなジェイムズテイラーの曲 がかかった。なんだか心がとても安らいだ。

若者達の方を見ると、1人だけジェームズテイラーを知っているようで、彼もまた懐かしそうに曲を口ずさんでいた。

 

 

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オレンジチョコチップアイスとハイネケン -Cycling NewZealand -

起床。いつも通りの7時過ぎのダラダラ起きる。
当時はトリノオリンピック真っ最中で、キャンプ場のキッチンでぼーっとオリンピックのテレビを見ながら朝食を食べていたらいい時間になっていた。

 

この日予定していたコースは100キロ未満のはずなので、余裕、と思っていたのもあり、ダラダラしていたが、走り出すと意外と距離が伸びない。

 

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カフェを見つけて少し早い時間にランチにありついた。

そこは蜂蜜の生産をしているところがやっているらしく、机に蜂の巣の観察板のようなものがあった。

 

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日本でもよくニュージーランドの蜂蜜を見かけるが、ここもそうしたところの一つらしい。

 

カフェを後にし、再びペダルを踏む。

この日の大きな目的はワイオタプという、様々な色彩の温泉があるところだった。

ワイオタプの入り口にはちゃんと自転車置き場が有り、こうしたちょっとした自転車インフラがしっかりしているのはさすがニュージーランド、といったところだ。サイクリストの地位が日本よりもはるかに確立されている。

 

近年、ようやく日本も自転車インフラの整備が進んできたが、本当にようやく、という感じだ。

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ワイオタプでは入場料がかかったが、Top10キャンプ場の会員証でディスカウントが効いた。

 

園内はなかなか広かった。一周回るのに小一時間といったとこだろうか。

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緑とオレンジの有名な池を見たりして、のんびり見て回る。

途中、行き会った日本人が写真を撮ってくれた。

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ワイオタプより後は緩い登り基調の道が延々続く。
暑さも手伝ってかなり辛かった。

 

Golden Springsというところで休憩。大好きなTipTopの看板を見つけた。
チョコミントが食べたかったが、残念ながらチョコミントのケースは空だった。
代わりに食べたのはオレンジチョコチップ!
なかなかのオレンジ色だった。

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アイス休憩


ニュージーランドの道は走りやすいところが多いが、何もないところが続くので
休むきっかけを作りにくい。

そのため、集落もピクニックエリアもないと休憩もせずに走り続けてしまうことがある。
疲れてしまったのは、休憩が上手に取れなかったせいだ。
この日はそんな典型だった。

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どうやらNZの温泉地帯らしい



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タウポの近くで。ホワイトウォーターのアクティビティをやっていた

 

タウポの街に戻った。

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前と同じキャンプ場だったが、やけにTTバイクを持った人が多かった。

どういうことかと思い、ネットカフェに行くと
「タウポトライアスロン選手割引」と書いてあった。

なるほど。

ネットカフェに入ったとき「トライアスリートか」と聞かれたが、私は馬鹿正直に「違う」と言ってしまった。今なら間違いなく「YES」と言っただろう。サッパリ泳げないが。


ネットカフェの後、前にも行ったバーBar Villinoへ。

夕方の少し早い時間に行ったので、バーは空いていた。

カウンターに座り、ハイネケンを注文。

ここで飲んだハイネケンが今まで飲んだどのハイネケンよりも美味かったと思う。

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ほろ酔いでバーを後にし、いい気分でキャンプ場に戻った。

 

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ローカルライダー -cycling NewZealand -

朝からロトルアのマウンテンバイクパークへ。

とにかく広かった。

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普通の登山道の入り口のようなものがあるだけかと思っていたが、
想像していたのと随分違った。

どちらかというと山の国定公園のような感じで、
中央に広いダブルトラックの道があって、その脇に、様々なレベルと種類のトレイルが点在していた。

トランピング(ハイキング)、ホースライディング(!)、マウンテンバイキングと
それぞれ種類によって使っていいトレイルが決められており(共用エリアもある)、
きちんと棲み分けがされていて、感動した。

日本では残念ながら、マウンテンバイクに関しては
そこまでのフィールドもない。最近ようやく管理されたところが増えてきたのが現状だ。

 

各トレイルの入り口には、入れる種類とトレイルの難易度が示されていて、
パークの奥に行くほど、難易度が高いようだった。

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私以外にも海外から遊び来たライダーもいた。
好きな人なら来たい場所だろう。


地図を見ても、どこにいったらいいかわからなかったので、
ローカルのマウンテンバイカーについて行くことにした。

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女性と男性の二人組で、女性の方は名をトレイシーといった。

ダブルトラックを奥にぐいぐい登っていく。

視界が開けた。

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山の中腹が開けていて、ここを起点にさらに奥に行けるようになっているようだった。
水場もあって、飲み水を汲めるようだ。

トレイシーが「こっち」とさらに登っていく。
両脇を開いて力強くダンシングで登っていく様子は友人のクロカンライダーそっくりだった。


けっこう速いペースだ。毎日走っていたからいいものの、練習不足だったらついて行けなかったと思う。
連れの男性は登りが辛そうだった。


山頂のトレイル入り口で休憩。

トレイシーはジャージの背中のポケットからバナナを取り出して
ぺろっと食べると、バナナの皮を茂みにポイッと投げ捨てた。

すると「行くよー!」と勢いよくトレイシーは下り出した。

連れの男性に続いて最後尾で下る。

トレイル自体は整備されており、非常に走りやすいが、テクニカルだ。
このコースはそこそこ上級者コースらしい。

男性の背中は見えるが、トレイシーはほとんど見えない。
必死になってついていくが、じわじわ離されていく。

焦ったところに、大きなキャップがあって、
それに気がつかなかった私は思いっきり吹っ飛ばされて一回転した。

アドレナリンが出続けていたのか、さほどダメージも感じず、
すぐ乗り直し、二人を追った。とにかくスピードに乗り続けたくて仕方が無かった。

トレイルの出口で二人は待っていてくれた。
トレイシーはけろっとしたものだったが、男性の方は「彼女、すごいだろ。おれ全然ついて行けないよ」と肩で息をしながら言った。

二人は「これから仕事に行くから、もっと走りたかったら誰か捕まえてね」と颯爽と去って行った。

 

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ニュージーランド、なんて国なんだ。

日本の男子クロカンエリート並のの女性ライダーが、
朝トレイルライドをしてから、仕事に行く。

こんな日常を送っているなんて。

ロトルアのトレイルを堪能できたのも満足だったが、トレイシーたちと走れたことも本当に良い経験だった。

トレイシーたちと分かれた後、数本イージーなトレイルを回ってパークを満喫してキャンプ場に戻った。

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キャンプ場に戻る途中、前日行ったバー、Hennessyを覗いたが、かなり混み合っていたので入るのを諦めた。


代わりに、ロトルアでもう一つ楽しみだったロトルア名物の温泉へ。

温泉、といっても趣は温水プールだったが。
お湯に体をつけることが出来るのはやはりいい。

若い男性が、年配の男性と話しているのが聞こえてくる。
どうやらどちらも旅行者らしい。

若い男性の方は、友達といろんなところへ行って、いかにも旅行を満喫しているといった感じで年配の男性の方は、そんな彼の話を聞きながら、自分の話を少しし、「若いっていいことだ」と言っていた。

温泉での記憶は、温泉自体の印象より、彼らの会話のほうが記憶に残っている。

 

旅の記憶とはそういうものだろう。

 

キャンプ場に戻り、この日誕生日を迎えたルティアにメールを送った。

彼女は南島へ行くと言っていたが、もう着いただろうか。

テイクアウェイとアイリッシュバー -cycling NewZealand -

スカイダイビングを堪能したタウポから北のRotoruaに向かう。
ロトルアには楽しみにしていた温泉がある。

ルート的には下り基調で風もなく、11時を回る頃にはタウポから40kmほど進み、Reporoaという小さな町で昼食。

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[町の中央のランナバウトのオブジェ]

エッグバーガーとチップス、コーヒーで締めて7.8ドル。安い。
安い上にチップスはすごい量があり、毎日走っていて、おなかが空いているにもかかわらず、食べきることが出来ずに、夕食で残りを食べた。

店の場所が気になり、ロンリープラネットと記憶とグーグルストリートでそれらしい店を見つけた。Reporoa Takeawaysだと思う。

主要街道から外れているので、タウポ~ロトルア間を行く機会があっても、ほぼ通らないだろうが、オススメだ。

いかにもNZといったtakeaway(持ち帰り専門店)だ。

 

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この日の道はなぜかとても楽に感じた。

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緩く長い登りもあったが、ガンガン踏んでも
あまり疲れた感じがしなかった。

タウポから90km弱、5時間半となかなかいいペースでロトルア到着。

大きな街だ。

 

タウポより大きいのではないだろうか。
観光客も多かった。日本人も見かけた。
関西なまりの日本人に話しかけられる。

もっと話がしたかったが、向こうは時間がなさそうだった。残念。

 

インフォメーションセンターに行くと、他の都市と同様、とても混雑していた。並んでマウンテンバイクパークのマップをもらう。
ロトルアはマウンテンバイクの世界大会が行なわれる場所で、広大なパークがある。
こちらには明日行くことにする。

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 [インフォメーションセンターにあったバイクスタンド。タイヤ幅が2種類あってびっくり。さすがサイクリングへの理解が違う]

 

街の中の自転車屋を見たりしながら、キャンプ場へ。
キャンプ場はしばしばお世話になるTop10グループのキャンプ場だ。
この系列のキャンプ場はなんだかんだでよく使うので会員になったほうがいいかな。

受付の女性に、オススメのバーとリカーシップを聞く。
郊外は夜、治安があまりよくないので、出歩かない方がいい、と教えてくれた。

どの道、まだ明るし、夜はキャンプ場のパブリックスペースで日記を書きながら飲むほうが性に合ってるから、明るうちにバーに行こうと決めた。


テントを張り終えて、受付の女性が教えてくれた「Hennessy's Irish Bar」へ。
人生初めてのアイリッシュバーだ。
ギネスとキルケニーが目を引く。私はキルケニーを注文した。

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[バー ヘネシー。こちらもグーグルによればまだ店はあるらしい]

明るい時間帯は空いていてよかった。

素敵な店だ。

なぜこういうバーには、美人のかっこいい女性がカウンターの中にいるのだろう。

こんな店のビールが美味くないはずがない。
明日も来よう。

 

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skydiving - cycling NewZealand -

「行くぞ!」ハッチの開いたプロペラ機から、あっけなく私は空中に放り出された。

すさまじい速度で落ちていく、いや飛ばされていく感じだった。

 

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************

 

8時20分にスカイダイビングの会社が、キャンプ場まで迎えに来てくれるはずだったが、時間になっても、一向に迎えが来ない。

どういうことかと思い、キャンプ場のフロントで聞くと、スカイダイビング会社に連絡してくれた。

曇りで朝一番のフライトはなくなったそうだ。次の時間11時20分のフライトに変更してもらう。キャンプ場の人が親切で本当によかった。自分では何もできない。

 

空いた時間を利用して午前中は街で必要なもの買い求めた。

書店でおしゃれな手帳見つけ、購入。

日記は日記で書いているが、それとは別にその日の出来事を一言、二言で簡単に書くのには使えるだろう。

 

自転車屋にも行くが、期待したほどの品揃えではなかった。ニュージーランドのデザインのレザージャージが売られていて、そのうち1着買いたいなと思った。

それから学生時代から愛用していたビンディングのサンダルがだいぶボロボロになってきていたので、warehouseに行き、削れた靴のかかとを直すパテのようなものを買って、サンダルを直した。

 

キャンプ場に戻り、スカイダイビングの会社が迎えに来た。

フライトの前にいろいろ説明されたが、私には英語が難しくて、ほとんど良くわからなかった。

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料金に応じて1,500フィートと1,200フィートのコースがあり、私は1,200フィートのコースを選んでいた。

 1,500フィートのコースの後、1,200フィートのフライト始まるまでだいぶ待たされた。

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 出番が来たようだ。

 

飛行機に乗り込み、すぐにフライト開始。どんどん高度が上がっていく飛行機から景色を見ているだけですごい、と思ったが、そこからがもっとすごかった。

 

やがて飛行機のドアが開かれ、意外とあっさりと、他のお客さんが順番に飛び出していった。私は飛行機で1番最後だった。私といっしょに飛ぶインストラクターのグレッグがカメラを回しながら行くぞと言った。

 

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案外あっさりと飛行機から飛び出したものの、落下中、思った以上に体が動かない。

自由落下が終わりやがてパラシュートが広がる。

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落ちるスピードがゆっくりになって、ようやく落ち着いて景色が見られるようになった。レイクタウポが眼下に見える。

ああ、あれが私が越えてきた山々だ。美しいな。

 

グレッグはパラシュートの紐を引くと言うので、言われた通り紐を引く。するとパラシュートが旋回し始めた。回りすぎてちょっと胃が気持ち悪くなってしまった。

だがそうした状況の中で、もっと楽しみたいというが気持ちとせめぎあう。思えばスカイダイビング本当に一瞬だったと思う。

 

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地面がだんだん近づいてくる。

そして、無事に着地。

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終わった瞬間はもうこんな怖いこと言わないんだろうな、と思ったがしばらくすると思い出してゾクゾクする。

また機会があったらきっとやるに違いない。

 

スカイダイビングの興奮が冷めやらぬまま、午後は手紙と日記を書きにバーに行った。

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昼間の静かなバーで1人、ハイネケンを注文し、手紙を書き日記を書いた。

 

そして、スカイダイビングが終わった後にもらった証明書を眺めていると、それを見たバーの女性が、「スカイダイビングやったの?」と聞いてきた。「そうだよ」と答えると、「私はいいわ」と言って彼女は笑った。

一杯飲んだらで店を出るつもりであったが、一杯目を飲み終わった瞬間、彼女が「ハイネケン、おかわり?」と言うのでつい注文してしまった。

 

いい店だ、また来よう。

Taupoへ向かう道 -cycling NewZealand -

不思議なキャンプ場を出発。

 

近くの店が9時に店が開くと言うので、開店を待っていたが、そこで売られていた商品は普通の店より1、 2ドル高く、次の街Taupoまで食料の補給は我慢することにした。

旅は長い。ビールを減らせない分、ちょっとしたところでの節約が重要だ。

 

あまりの登りは無い、というキャンプ場の息子の言葉を信じ、飲み物はコークが半分くらい残った2Lのペットボトルに水を足し、走り出した。

 

スタートから登りで辛い。諦めてローギヤでコロコロ踏む。

 

やがて道は平坦な感じになった。

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 【月が小さく見える】

 

しばらく行くとビューポイントの看板。

滝があるようだ。

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ビューポイントには観光バスがたくさんいた。バスツアーが休憩に使うのだろう。

 

車でやってきていた老夫婦に話しかけられる。英語はまぁそこそこ通じる。この英会話の能力だけが旅の問題といっても過言では無い。

 

 

そこからは何もないところをひたすら進む。

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景色もあまり変化がない。道もゆるくゆるく上っていたりするが、気になるほどでは無い。ただ風が強いのだ。

その強い風のせいで、ほとんど進まなかった。

前日から心許なかった食べ物も飲み物も、もうほとんどなくなってしまった。

ナッツバーを二本とネイピアのカフェで食べずに残してあったミント系のチョコ食べてごまかした。

その後、一軒カフェを見つけるがクローズドの看板。

仕方ない、次のカフェを目指す。

 

果たしてカフェはあった。

期待して入ったカフェだったが、味はイマイチで店の人の愛想もなかった。こんなものか。

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カフェの後もやる気をなくすような、ただただ平坦な道が続く。

 

暑い。

 

景色がなんだかサバンナのようだ。

 

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やがて見えてきた。海、いや湖、Lake Taupoだ。

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違う風景が見えて、急に元気が出てきた。再びペダルを強く踏む。 

 

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【風が強いのか木の枝が上を向いていた】

 

 

キャンプ場に到着し、チェックイン。

 

タウポでは一つチャレンジしたいことがあった。

 

それは、スカイダイビング。

 

タウポのスカイダイビングは有名である。NZに来る際、ぜひやったほうがいい、と言われていたこともあり、正直、ちょっと怖かったが、やってやろうと思っていた。

 

キャンプ場の受付のおばさんはいい人で、スカイダイビングのことを聞くと、早朝の安い料金の予約を取ってくれた。

これからも頼るのおばさんかな。

 

キャンプサイトではネイピアで私を見たと言う人に話しかけられた。こんなこともあるもんだな。

 

それからオーストリア人のサイクリストに会う。

ランドナーのようなシクロクロスのようなツーリング車に乗っていた。

しばらく情報交換する。向こうが調子を合わせてくれるのもあると思うが、サイクリストとはある程度話が通じるのはなぜだろう?

 

私はこれからまだ南島へ向かうと言うと、「何やってるんだ、quickly !」と言われた。この「quickly 」の使い方は正しいのか?なんて思いながら、なぜ急がなければならないのかと聞くと南島はこれからどんどん寒くなると言う。

 

そう言われても南島に行くのはまだまだ先だ。

 

一応、ネイピアで寝袋やら買い足したがそれでも不十分なんだろうか。まぁそのときはそのときだろう。

 

食事を済ませ、テントに潜ると、翌日のスカイダイビングに期待と不安を抱きながら眠りについた。

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【ここまでのルート】

 

不思議なキャンプ場 - Cycling NewZealand -

ダニエルとルティアという素敵なサイクリストたちと別れ、再びひとりになった私は、しばしの休息を終え、ネイピアを後にした。

 

ネイピアからは海岸線を離れ、内陸のTaupoに向かう。

 

ネイピアからはしばらく平地が続く。

数日休息を取ったとはいえ、しばらく酷使し続けた膝の心配があったので、ペースはゆっくりとしたものだった。

 

道はやがて山岳に入っていく。

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ときおり休憩をしながら、ネイピアで買ったリンゴを齧った。

 

山道を走っているとアールデコフェスティバルに出ていたのだろうか、クラシックなオープンカーに乗った初老の夫婦が私を抜き去りながら、思いっきり手を振ってくれた。

私も思いっきり手を振り返した。

 

そう、一人でも、いつも誰かが応援してくれる。

 

こうやって元気をもらえば少しくらい膝が痛くても、ペダルは踏める。ペダルを踏めさえすれば、私たちはどこへでも行けるのだ。

 

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食事が出来そうな小さな集落があったが、さほど空腹でもなかったのでそのままパス。

すると、そこからずっとカフェも何もなかった。

 

そうなると腹が空いてくる。手持ちのもので、すぐ食べられそうな食料と言えば、ネイピアで買ったミューズリーバーが2本と、朝ごはんの残りのトーストが2枚、ヨーグルト、パワージェル、それから捨ててしまおうと思っていた潰れたキウィフルーツが残っているだけだった。

 

比較的大きな街の間の移動と思って、食料をあまり持ってこなかったが、こういうこともあるので、食料の予備はしっかり持っておかないといけないな、と改めて思った。

 

そういえば、ルティアはあれこれ食料を持ち歩いていたが、あれは見習わなければいけない。

 

残っていた食料を食べ、パワージェルを飲むと思いの外、すっきり飲めて驚いた。非常に味が濃く、普段はそのままだとなかなかか飲めないものだが、それほどに疲れていたのだと思う。こういうときに消耗していたことを自覚することは多い。

 

 

補給の後、あまりやる気が起きずに、だらだら走っていたが、峠の中ほどで空を見上げると太陽の回りに虹の輪が出来ていた。

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自転車を降りて、カメラのシャッターを切った。こうした景色との出会いが私の旅だ。

 

この日、三つ目の集落にたどり着く。少し先にアイスの店「TipTop」の看板が見えた。


「あぁ、アイス」

私は、店に吸い込まれていった。

 

アイス屋のおばさんは客にジョークを飛ばしながら、アイスを盛っていた。

私はクッキーアンドクリームをシングルで注文。シングル当時1.6ドル(120円ぐらい)だったが、ボリュームはサーティーワンのレギュラーダブルぐらいの印象だ。私が疲れた顔をしていたので、おばさんがサービスしてくれたのかもしれない。

 

アイスは最高にうまかった。

ほんとうにTiptopのアイスは美味しいと思う。

 

TipTopの集落から、道は大半が下りだった。やがてキャンプ場がある集落に着くが、肝心のキャンプ場が見当たらない。

 

どうしようか困ったところで、バーの外で草刈りをしていた男性に声をかけると「ここだ」と教えてくれた。
 
やれやれ。

 

バーに入ると、店の奥から年配の女性ひとり出て来た。先ほど草刈りをしていた男性の母親だろう。キャンプしたいというと10ドルだという。敷地の奥がキャンプ場になっているらしい。


まだ日は高かったが、ビールを頼んだ。

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ああダニエル、君の習慣はすっかり私のものになってしまったよ。

しばらくして、息子も戻ってきて、カウンターを挟んで話す。

客は私だけだ。

 

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自転車で旅をするなんて信じなれない、といった内容のよくする会話をしたと思う。

あと、店から30分ほどトレイルを歩くとHotspringsがあると教えてくれた。

ビールを空け、テントを張り、洗濯物まで片づけると、まだ日も高いのでHotspringsまで行くことにした。

 

トレイルの入り口までは分かりやすかったが、いざ道に入ると分かりにくく、何度も迷いそうになった。ほんとうに合っているか不安になりながら、歩き続けると
すこし開けた場所に出た。

 

そこには自然の中にいきなり不自然につくられた二つの浴槽が。

しかし、浴槽はカラだった。

私は周囲を探し、蛇口でもないか、と思ったがそれらしいものは発見できず、あきらめてバーに戻った。

 

バーで「バスタブは見つけたが、emptyだったよ」と、珍しく「empty」という単語がすぐ出てきて、我ながら驚いたが、そう言うと息子の方が驚いた様子で「ほんとうか、そんなはずはない」とわめいていた。


「悪かったな、あとで、プールに水を入れてやるよ」と彼は言い、ビールを一杯ごちそうしてくれた。


もう一杯飲みたかったが、息子はなんだがソワソワしていて、早く出て行ってほしそうだったので諦めてバーを出た。

私がバーを出た後、バーを閉めて母と息子は犬を車に乗せて出かけて行ってしまった。

 

その後も客は私一人だった。

 

夕食を食べながら、プールに水を入れてくれないか期待して待っていたが、結局、プールの水は入れてくれなかった。

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夜になり、外で涼みながら日記を書いていると蚊が増えてきた。

 
トイレに立つと、トイレの中はにおいもなく、明かりがあり、思いのほか快適であった。

 

他に客もいないことなので、私はトイレで日記の続きを書いた。

 

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眩しすぎる街 -cycling NewZealand -

海外で旅した街でどこが印象的だったか、と聞かれるとパッといくつかの街が思い浮かぶのはたいてい海辺の街だ。NZではピクトンやグレイマウス、タスマニアではセントへレンズやローヘッド、デボンポートなど。

 

日本の好きな場所を思い浮かべると、信州とか奥会津といった山深いところが浮かぶのに不思議なものだ。

 

なぜなんだろう、目を細めてしまうほど眩しい日差しや海の青さが強烈にまぶたの裏に焼き付いているからだろうか。

いや、それよりもそこで過ごした時間が穏やかで、心安らぐ自由な時間であったからではないだろうか。

 

***************

 

それぞれの旅に戻ったダニエルとルティアを見送った私は一人、ネイピアの街を見て回った。

 

小高い丘に登ると、街が一望できた。

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ネイピアはなんて美しい街なんだろう。

 

アールデコ建築の街並みとエメラルドグリーンの海。

しばらく飽きもせず、丘の上から見える街を眺めていた。

 

この2日間歩き回った街を見ていて、2日前にダニエルとビールを飲んでいたバーの建物が目に入った。

 

「今日、まだビール飲んでないな。」

私は立ち上がると眼下に見えるバーに向かった。

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ビールをタップで注文。NZだけかもしれないが、ビールをボトルや缶で買うより、店で生ビールを飲んだ方が安い。

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バーの店内から外を眺める。ネイピアの街はまだ祭りの喧騒に包まれている。

ジョッキを空けて、ようやくほろ酔いになった私は再び街の散策に出た。

 

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街の外れで後ろ姿がかっこよすぎる紳士を見つけ、写真を撮った。

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そしてそのまま海に出た。

 

地元の若者たちだろうか。

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楽しそうに語り合う彼らは、いろんなものを放り出して旅をしている私のにはあまりに眩しい光景だった。

 

 

 翌日、私はしばしの休息を終え、再びペダルを踏む日々に戻っていった。