定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

原田橋へ - 天竜•奥三河ライド -

設楽町神田まで来るともう昼を回っていた。

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神田にはダモンデクルーが流行らせたインスタスポットがあるが、そこでの撮影もそこそこに東栄町に向かって走り出した。みんなお腹が空いてきたのだ。

 

神田から川沿いに東に進むと東栄町の月地区に出る。そこまでの道は森の間を抜ける下り基調の快走路。日陰を吹く風が冷たい。日が差しているところはかなり暑いのだが。

月地区まで出ると視界が開ける。このあたりの風景も好きなところだ。広い敷地の民家には梅や花桃などが植えられ、春の訪れを教えてくれる。

月地区も一気に走り抜け、東栄町中設楽の交差点に着く。久しぶりの信号だ。

 

この日のお昼は東栄町に少し前にオープンした囲炉裏バーのランチの予定だったが、行ってみると週末はやっていないようだった。残念。

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とにかくお腹が空いていたので、すぐに近くの山正に行くことにした。

東栄町のグルメといえば、清流巡り利き鮎会でグランプリを受賞した振草川の鮎が有名だが、それと共に特産の鶏肉もある。

東栄町ので鶏肉を食べるときは「レストランさかた」か「山正」の唐揚げと決めている。どちらもタイプが異なるので全く別物のと言っていい。

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山正で早速唐揚げ定食を注文。えーしとOKNOくんも唐揚げ、タツマくんは安定のカツ丼、S藤くんとエースくんはチキンカツ定食である。エースくんはライス大盛り。

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何度か食べたことのある私とえーしは、OKNOくんに偉そうに「口の中ヤケドするから気をつけて」と言っていたが、なんてことはない、注意していた我々もヤケドしていた。

箸で掴むのがやっとな大きさの唐揚げ。衣がカリッとしていて、噛むと中から鶏の油が出てきて旨い。そしてヤケドするのである。

この唐揚げ定食の潔いところは、サラダもなにもついていないところ。一応パセリとカットレモンは添えられているが、あとはご飯と味噌汁、それに漬物。とにかく肉を食べろという感じが男らしい。でも何故かデザートのコーヒーゼリーが付いている。まあありがたくいただくのだが。

 

久々に食べることができてよかった。素晴らしい。

お腹いっぱいになった。ごちそうさまでした。

 

山正を出ると更に東に向かう。

途中に2018年にオープンしたパン屋さんがあるので寄ることにする。パン屋さんは「ピッコロパン屋」というお店で、年配のご夫婦が経営している。金土しか営業していないので、なかなか行くことができないのでいい機会だ。

 

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店に行ってみると、感じのいいご主人と奥様がこの日はもうあまりパンが無い、と申し訳なさそうにいう。私は家族への土産に残っていた天然酵母のパンと焼きたてのライ麦パン、それにクッキーを買った。値段がビックリするほど安い。どれもひとつ100円台だ。

結局、みんな焼きたてのライ麦パンを買い、その場で食べていた。

私は帰宅して家族と食べたが、ライ麦パンといっても酸味は強くなく、焼いている方の人柄の出た優しい味のパンだ。またたくさんパンがあるときに来よう。

 

ピッコロパン屋を後にし、佐久間方面へ。大千瀬川沿いに南下していく。道は緩やかに下りになっていてよく走る。川原に巨大な白い岩がゴロゴロしており、独特の景観を作り出している。緑色の澄んだ川の水とのコントラストが美しい。

 

また山の斜面に目を移すとこちらにも早咲きの山桜が鮮やかに咲いている。

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道は浦川を過ぎると原田橋のアプローチに入る。橋のかかる谷のところまで上がっていく。

原田橋は5年ほど前に新しい橋を架け替える際、崖崩れで橋が崩落し、浦川と佐久間の間は分断された。その後、仮設橋が設けられ、自動車は渡れるようになったが、自転車は通ることができなかった。そのため、浜松の天竜区と奥三河を自転車で行き来するのにルートが非常に限られていたのだ。

 

生活道として使う地元の方にとってはもちろんのこと、我々サイクリストにとってもこの原田橋の開通は悲願であった。

 

原田橋に着くと、警備の人に止められる。この日はまだ片側交互通行での供用で、数日後に全面供用になるという。そのため、自転車は歩いて渡って欲しいとのこと。

 

我々は自転車を押して原田橋を渡り始めた。

 

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橋はかなり高いのでところに架かっており、橋の柵もあまり高くないので、歩くとスリルがある。


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遠くに沈下橋が見える。あれが仮設橋だろう。川の増水で度々流されたりして、現在の沈下橋になったらしい。むしろ自転車であちらを走りたいものだ。

 

原田橋を渡り、佐久間ダムへ。

 

ダムに向かうので、当然のようになかなかの上り。19の夏にここを通って、キャンプをしながら東北まで自転車で旅をしたのが懐かしい。

 

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佐久間ダムには思った以上に観光客がいた。

我々同様、人混みを避けて外に出ているのだろう。
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久しぶりに間近で佐久間ダムは大きかった。

まさに大型インフラと言った感じである。予想以上に迫力があった。

よく見るのは奥三河の大島ダムと宇連ダムはもっと小ぶりだ。

 

ダムの上の急斜面に張り付くように電力館があるので見に行く。

 

ダムサイトから文字通り見上げるとあるのだが、なかなかの急坂だ。私は迷わずギアを軽くし上まで上がる。その日全く変速していなかった(!)エースくんもついに変速を余儀なくされた。

「あれは無理ですね。」諦めたようにエースくんが言ったが、ここまで変速していないことのほうが驚きだ。


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電力館内は見学中止になっていたが、ダムカードは配っていた。地味にダムカードが増えてきた気がする。

S藤くんが観光地によくある日付の入った「佐久間電力館」の看板の前でタツマくんに写真を撮ってもらっていた。こういうの好きらしい。S藤くんおもろいな。

 

昼の後、休憩らしい休憩をしていなかったので、自販機で三ツ矢サイダーを買う。冷たく甘い炭酸が心地よい。

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さて、あとは帰るだけである。再び原田橋まで戻り、ややスリリングに自転車を押して渡り、浦川方面に向かう。

浦川駅にはちょうど飯田線が停止するところだった。それを横目に浦川の商店街を南に坂を上がっていく。

「ここ雰囲気いいんですけど、カフェも何もなくて立ち寄りが出来ないんですよね。」

タツマくんが言う。なるほどその通りである。

私は浦川で休憩するときはもう浦川駅に行ってしまうが、お金を落とす場所がない。

 

浦川から再び東栄町に戻るまではやや上り基調。ライド時間が長くなってきて疲労が溜まってくる。

東栄駅のあたりで一旦休憩しようと思ったが、まだ元気なエースくんとOKNOくんが飛び出していった。

東栄駅から池場の坂を越えればコンビニがある。

彼らはそこまですぐに行ってしまうだろう。

 

残ったメンバーはゆっくり池場の坂を上り、上で小休止した後、コンビニまで一気に降りた。

 

エースくんがコンビニの前で待っていてくれた。

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コンビニで甘いものを買う。少しオーバーカロリーな気がするが、疲れているときは身体の欲求を素直に聞いたほうがいい。

コンビニを出る頃には日が少しずつ傾いてきた。

国道を離れ、三河大野まで飯田線沿いの望月街道を行く。下り基調でスピードがよくでる。少し砂利の浮いている場所もあったが、それはそれで楽しめた。

 

三河大野のそばまで来ると白いダモンデTシャツの人が歩いている。誰かと思えば、だわり屋の鈴木顧問であった。奥三河の人間関係は狭い。行けば必ず一人は知り合いに会う。まあこれが奥三河に行く理由でもあるのだが。

 

それから県道69号に入り、新城市街まで戻った。みんなは桜淵公園に車を置いてきたが、私は市役所のところに車を置いたので、船着小のところでみんなと別れた。

 

こんな素晴らしい晴れの日に仲間とライド出来て最高だったな。

一人駐車場に向かいながら、改めてそう思った。