昨年に引き続き、今年のゴールデンウィークも愛知県内で過ごすことになった。この状況下では仕方ない。私の仕事はカレンダー通りのシフトとなっているが、平日のこの日、私は休みをもらうことができた。
今年のゴールデンウィークは、雨が降ったりやんだりを繰り返すようだが、幸この日は晴れ。子供たちは学校に行ってしまったので、妻と2人で、鳳来寺山の麓にある旧門谷小学校で開催されている「パッサージュの10日間」にいくことにした。
「パッサージュの10日」はゴールデンウィーク期間中旧門谷小の校庭にパン屋さんとコーヒー屋さん、それから日替わりでいくつかのお店が出る。
詳しくはこちら
https://instagram.com/midorino_passage?igshid=1bju5xvmhe7d4
このブログでも数回紹介しているが旧門谷小学校は自然に囲まれた静かな場所だ。
時折イベントが開催されたりして、私は年数回訪れている。
どの季節に行っても、心地よい風が吹き抜ける素敵な場所だ。
駐車場の状況がわからなかったので、鳳来寺山の表参道の入り口に近い駐車場に車を置き、表参道を旧門谷小に向かって歩き始めた。
この辺まで足を伸ばすのは、1ヵ月ぶりぐらいだろうか。その間に新緑が深くなり、春の終わりと言うより夏の入り口に近づいているような感じだ。
駐車場の心配をしていたが、旧門谷小のとなり、旧鳳来寺高校の敷地が駐車場になっていた。
表参道から校門までのアプローチが木々に覆われ、どこか遠くの世界の入り口のようだ。
会場の旧門谷小に着いた。
いつもと変わらない佇まいだ。
入り口を入ったところのカレー屋さんのブースで友達が働いているのに妻が気がついた。
「こんにちは」
声をかけると、向こうは一瞬キョトンとしたが、しばらくして「あー!」と声をあげた。
マスク姿で久しぶりに人に会うと分かりにくいものだ。少し近況を伝えてると、パンを買うなら早いほうがいいとアドバイスをもらった。
早速妻とパン屋さんに並ぶ。
焼きたてというカンパーニュを半分とバナーヌというバナナのパウンドケーキ、それから友人にお土産のチョコチップクッキーを購入した。
パンを詰めてもらいながら、カンパーニュのライ麦の配合の話などを聞いた。
他には小物を売るお店などが出ていた。
東栄町から来たという出店者の方と話す。私は東栄町でよく立ち寄る場所の話などをした。
こういうお店の人との何気ない話をするのは久しぶりだ。
一通り店を見ると妻と私はベンチに座り、特に何かをする訳でもなく、しばらくぼーっとしてときどき思い出した様な話をした。
「あのイチョウの木が好きなんだよね。」
私は妻に言った。
ここに来るたびに校庭の隅にある大きなイチョウの木の写真を撮っている気がする。
それからしばらくパッサージュを訪れる人や店の人の様子を観察したり、周囲の景色を眺めて過ごした。
どのくらいベンチに座っていただろう。
私たちは新緑のパッサージュを後にした。
特に何かしなくていい。
いろんなことは忘れて、どこか懐かしくて心地よい風が吹くあの場所にいるだけで、なんとなく優しい気持ちになれる。
また来たくなったら来ることにしよう。
私にとってそういう場所なのだ。