定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

四尾連湖から富士五湖へ - 甲州・富士山ソロキャンプツーリング -

 

前回のブログで話が飛んでしまったが、旅の続きの話をしたい。

 

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早朝、テントが明るくなって自然と目が覚める。テントから這い出して、四尾連湖を見る。朝の四尾連湖は張り詰めた朝の空気に包まれている。空は素晴らしい快晴だ。

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コーヒーをたっぷり淹れ、コーヒーの入ったマグを持って湖畔に出る。

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山の斜面に朝日が照らす。湖面に陽が刺した場所からは朝霧が立ち始める。

 

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静かだ。



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コーヒーを口にしながら、四尾連湖を一周散歩する。私は歩き出した。

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私が泊まった龍雲荘のキャンプ場のとなりにはSUPをやっているショップ兼カフェがあった。紺色のお洒落な建物が目を引く。

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カフェを通り過ぎ、そのまま湖沿いに進んでいく。猫じゃらしのような白い花が咲いている。見たことない綺麗な花だった。

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四尾連湖は周囲1.2キロしかないのでゆっくり回ってもすぐに半分ほど来てしまった。

 

ちょうど水明荘のキャンプサイトの前である。まだ6時前だが、こちらのお客さんは起きていて、湖の方を向いて椅子に座っている。わかっているな。

私は「おはようございます」と声をかけて前を通り過ぎた。

 

四尾連湖はとにかく水が綺麗で透明度が高い。泳いでいる魚の種類が分かるほどだ。

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歩いてきたところを振り返ると朝日が昇ってくる。

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ああ、朝よ。

 

これほど心が穏やかで、そして満ち足りた静かな朝は本当に久しぶりだ。

 

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水明荘の建物の前を横切り、私は自分のテントに戻った。

 

朝の素晴らしい散歩のあとは朝食。

フリーズドライのスープにご飯を入れるだけの簡単雑炊を作る。

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私は朝食のコッフェルを持って桟橋に行った。湖を間近に見ながら食べる朝食は格別だった。

 

洗い物を済ませ、テントを撤収。

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意外とすぐに撤収出来そうだ。

水明荘のお客さんを見かけたのでそちらに行ってみる。もう売店は開いているようだった。中に入ると「ゆるキャン△」のキャラクターのパネルがあった。

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他にもいろいろゆるキャン△関係のものや商品が置いてあった。好きな人にはたまらないだろうな。

他にも地域のパンフレットが置かれており、ほったらかしキャンプ場のパンフレットなど、私はいくつか気になったパンフレットを貰っていくことにした。

 

朝から素晴らしい時間を過ごすことができた四尾連湖を後にする。

 

まずは精進湖に向かう。

 

四尾連湖から昨日上って来た道を降りていく。キャンプ場からいきなり加速していく。なるほどこの斜度はきつい。

 

昨日は見ている余裕はなかったが、道から谷の下の集落が見える。

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下りの景色を楽しんでいると、ピストバイクで登ってくる人がいた。この斜度をピストか…朝からすごいものを見た。

 

山を降りると県道36号で西へ。道からは甲府盆地を望むことができた。天気も素晴らしい。

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道はやがて川沿いになる。

 

川沿いの道でやや上り基調だが、車も少なく走りやすい。日差しが強くどんどん気温が上がっていくが、日陰は涼しくて気持ちが良かった。

 

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川がよく見えるところで少し休憩する。たまたまあった郵便局が「下九一色郵便局」だった。

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上九一色は有名だが、なるほど下もあるわけだ。田舎の静かな川沿いの集落といった趣きだった。

 

下九一色の郵便局からしばらく走り、飲み物を補給した。山間で飲み物を補給するときのお馴染みダイドーの自販機である。自販機の置いてあった建物がいい感じだ。日本の田舎のという感じがたまらない。

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やがて川沿いの道が終わり、国道358号に入る。急に車が増える。考えてみれば三連休の初日だ。車が多くて当然である。

 

上九一色で温泉に併設された直売所に入る。手作りのヨモギ餅と炊き込みご飯のオニギリ、それから枝から外れたブドウのパックを購入。オニギリとヨモギ餅はすぐに食べてしまう。

ブドウは数粒食べてハンドルバッグに入れておいた。みずみずしくて皮も薄くて食べやすい。贅沢な補給食だ。

 

ここまで来れば精進湖まであと少しだろう、とタカを括っていたが、大間違いだった。

道はどんどん上りになっていく。暑さと狭い国道を走るたくさんの車が辛い。これはかなり上るな、私は覚悟を決めた。幸いというか何というか、昨日の四尾連湖までの上りで免疫が出来ており、何とかなる、と確信していた。

 

実際かなりの上りだったと思うが、止まることなくずっと一定ペースで上り続けた。連休初日ということもあってか、車も多い。それから観光バス。道は決して広くないので、大型バスが通るとヒヤヒヤする。

 

小1時間ほど上っただろうか。やっとトンネルが見えた。路肩は広くないが少し休憩。先程買ったブドウがうまい。

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トンネルを抜け、少し行くと湖が広がる。精進湖だ。

 

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精進湖の湖畔を少し走り、そのまま西湖へ向かう。ロードバイクに乗ったサイクリストと何人もすれ違う。富士山一周か富士五湖巡りをしているのだろう。私も一度やってみたいな。

 

西湖に出る。

 

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観光地らしいお店が周囲に増えてくる。湖畔沿いの道を行き、更に河口湖へ。

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河口湖は正に観光地といった感じだ。バスフィッシングも盛んなところで釣り客も多いが、サイクリストも相変わらず多い。私は河口湖を西から東へ。南側から回った。

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道の駅で買い物をしていると何人もサイクリストを見た。ロードバイクかレンタルがあるのかebikeの人も見かけた。

 

河口湖からは富士吉田に向かう。今日の昼は吉田うどんに決めていた。しかし、思ったより時間がかかってしまい、昼を随分過ぎてしまっていた。富士急行富士山駅の前に観光案内所があったので入ってみる。観光案内所の前に置かれた青いカラーコーンが富士山柄になっていて可愛い。

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観光案内所にどんなパンフレットがあるか、応対がどうかなどついつい観察してしまう。さすがに富士山エリア、英語のパンフレットが充実している。そういえば富士吉田に入るぐらいから急に外国人旅行者を多く見るようになった。

カウンターの女性に今から食べられる吉田うどんの店と山中湖方面の温泉を訪ねる。昨日お風呂なしだったので今日は入りたかった。

温泉は山中湖のそばにあるそうで、うどんのほうは目の前の富士急のビルの中にあるらしい。

 

富士急のビルはよくある駅ビルで、地下のイートインスペースに吉田うどんの店はあった。

自転車に乗っている日は躊躇なく大盛りを頼める。

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太いうどんはつるっといくというより「食べる」といった感じだ。悪く「すりだね」という唐辛子と山椒の辛味調味料が味噌仕立てのつゆとよく合ってうまい。バッチリ完食した。昨日に引き続き満足なランチだ。

 

ビルの屋上に富士山の展望デッキがあるようなので、行ってみる。昨日次女に富士山の写真を頼まれたが、方角が悪いのか全く見えない。さすがに展望デッキに出れば見えるだろう。

 

デッキに出る。富士山が見えるはずのところには、厚い雲しか見えない。なるほどそういうことか。

 

私は写真を撮り、イメージを描いて妻のケータイに送った。すまん、次女よ。明日晴れたらちゃんとしたのを送るからな。

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富士急のビルでちょっとした買い出しと家族への土産を買っていたら思いの外、時間を取られてしまった。今日泊まるキャンプ場は予約を受け付けておらず、先着順なので早目に着きたかった。

 

遅めの昼食と買い物のあと、山中湖に向かう。だんだんと雲行きが怪しくなって少し降られる。山中湖まで平坦かと思っていたが、じわーっと長く上っている。

ここの上りも予想していなかったので、なかなかぐったりした。

 

山中湖の手前で日帰り温泉に寄る。

ここも天気がよければ富士山が見えるはずだが、富士山は雲に隠れたままだ。温泉には外国人も多かった。温泉を堪能した後、少し行くと山中湖に出る。目指すキャンプ場は山中湖の東にある、みさきキャンプ場というところだ。

 

キャンプ場に到着。

 

受付に行き、チェックインを済ませる。ゴミは持ち帰りで一泊3000円。奥のほうは空いている場所があるはず、と言われたが、それらしいところがなく、敷地の中かよくわからないところにテントを張った。

キャンプ場はきのうの四尾連湖と打って変わって、大混雑だ。テントとテントの間が狭い。それに音楽をかけたり、なかなか騒がしい。翌日の移動距離を考えてこのキャンプ場にしたが、こんなに人がいるとは思っていなかった。東京圏からの客が多いようだが、これでキャンプして楽しいのだろうか。もっと区間を広く取ることもできるのだろうが、それでも客が来るからいいということか。なかなかボロい商売だな。

 

テントを張ったあと、ビールを買いにコンビニへ行く。何かの大会があるのかジャージ姿の大学生くらいの人でコンビニはごった返していた。

 

ビールだけのつもりだったが、揚げ物コーナーにポテサラちくわ天があったので思わず購入。晩ご飯は充分にあるのだが。

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テントに戻り、少し薪を集める。今日は一人用の小さなネイチャーストーブでささやかな焚火だ。

 

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ビールを飲みながらゆっくり夕食を作る。

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今夜はトマト系ソースにドライハーブを入れたペンネだ。

いつもどれだけ茹でたらいいか分からない。次からは100グラムずつに小分けにしてこよう。

 

やや多かったペンネを食べる。まだビールとつまみがあるのだが。

そうだ、次女に謝らないと、私は家に電話した。

次女に富士山の写真撮れなくてゴメン、と言うと「お父さんあの写真ケータイで描いたの?」と送った写真のほうが気になったようでその話ばかり聞いてくる。次女らしい。明日晴れたら本物の富士山の写真を送ると約束した。

 

焚火の火を強くし、真空パックになった鶏肉を焼く。

脂が燃えて火が大きくなる。

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小さい焚火でもなかなかいいな。

相変わらず周囲は騒がしいが、疲れているので、ビールが回ってすぐに眠れることだろう。

 

明日は富士山が見えるといいが。