定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

設楽町のカツ丼と東栄町のパン屋さん - 秋の奥三河ライド -

いつも奥三河のことを話題にしながら、最近は新城より北に行っていなかった。

家族から自由な時間を貰ったので、半日、設楽町東栄町を自転車で回ることにした。

 

朝、長男に呼び止められスタートが遅れたため、車で新城市の鳳来エリアまで移動する。夕方は『風の自然学校』のサイクリングで浜名湖に泊まりで行っている長女を湖西市まで迎えに行くため、遅くとも3時には車に戻ってくる必要がある。

制約はあるが、時間が取れて幸いである。

まずは四谷の千枚田を目指す。

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少し前にショップからロードバイクのホイールをレンタルしており、最近はこのホイールのテストをしている。カンパニョーロのBORA WTO60だ。リムハイトが高く、巡航性能の高いホイールだが、この手のホイールは山岳エリアには向かないと言われる。山での使用感を実際に試すいい機会だ。

 

時間的制約もあるので出来るだけ平坦なルートを選んだこともあるが、テストホイールの効果で多少の上りでもよく進む。練習不足でスピードが出ない分を補うには十分な性能だ。

最近にしては少し暖かで、素晴らしい晴天だ。ときおり強い風が吹く。

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周囲の山々はまだ紅葉していないが、もう少し北に上がれば色づいた山の木々が見られるかもしれない。

 

仲間とよく走る旧田口線廃線跡を北上し、四谷の千枚田の入り口に来る。もう稲刈りも終わって静かなものだが、それでも何組かの観光客の姿があった。

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正面に見える鞍掛山は頂上付近が赤く、紅葉が始まっている。

いつもなら上の駐車場に寄り道するところだが、今回はそのまま千枚田を抜け、設楽町との境にある仏坂峠に向かう。

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仏坂トンネルを抜け、設楽町神田地区に出る。川沿いの下り坂をスピードに乗って降りていく。

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色付いた木々が目に入り、自転車を止めて河原に降りていく。紅葉した木々とその間から見える空が美しい。

再び自転車にまたがると国道473号との合流地点に出る。時間はもう昼近い。そのまま東に向かい、東栄町に抜けようかとも考えたが、たまには設楽で昼食を食べようと、西に向かい、設楽町の中心部を目指した。

 

ほどなくしてJAの加工場の手前にキノコの置物が並んでいるのが見えてきた。

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こんなのいつの間にできたのだろう。

自然に囲まれたこの設楽の風景の中で、原色のペンキで塗られたキノコはなかなかのインパクトだ。

キノコ好きで奥三河の観光の仕事をしている友人に写真を送ると、地元で有名な方のものらしい。まだ土地に余裕がありそうなのでまだ何か増えるのではないだろうか。

 

岩古谷トンネルを抜けて、設楽町田口に出る。

昼はカツ丼を食べようと思っていた。設楽町では今、設楽ダムが建設されており、新グルメとしてダムカレーを売出し中だが、私が前から注目しているのは、カツ丼である。理由はよく分からないのだが、設楽町でカツ丼というとソースカツ丼が出てくる店が何軒もあるのだ(もちろんお馴染みの卵とじの店もある)。今回はうなぎが名物の富田屋でカツ丼をたべようと思っていたのだが、日曜定休であった。

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そしてすぐそばの多津美屋本店もやはり定休日。

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日曜日の設楽町は食堂が開いていないとは聞いていたが、ここまでとは思っていなかった。

私は前に日曜日に行ったことのある「喫茶芳水」に行くことにした。私は再び岩古谷トンネルまで戻った。芳水は旧岩古谷トンネルのそばだ。

 

芳水は幸い営業していた。

しかし、女将さんが手術されるそうでしばらく休業されるようだ。

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店に入ると私はソースカツ丼芳水オリジナル(しょうゆ)を大盛りで注文。普通盛りは小ぶりなので普通に食べる人なら大盛りがいいだろう。

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ソースカツ丼なのかしょうゆ味なのかよく分からない名前だが、甘めのタレが食欲をそそる。ソースというよりみたらし団子のタレに近い感じか。

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いっしょに出できた赤だしの味噌汁に半熟卵が入っていたのが嬉しかった。
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充実のランチを終えると再び神田まで戻ることになった。

全く、日曜日の設楽町ランチ難民問題のおかげで余計に時間がかかってしまった。下調べが甘かった自分が悪いのだが。まあ芳水が安定の美味さだったのでよしとすることにした。

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私は岩古谷トンネルの下りから、その勢いに任せてペダルを踏み続けた。すぐに神田に出る。設楽町神田から東栄町までは下り基調の道で非常に走りやすい。道はやや狭いが、視界もそこまで悪くないのでスピードも出る。ここで時間を稼ぎたいところだ。

しばらく行くと前を行くサイクリストがいたが、すぐに追いついてそのままパスした。

 

道はやがて東栄町に入る。東栄町に入ると空が開けた。月地区である。

たまには寄りたいダイナー月猿虎の店の前を一瞬で通り過ぎ、そのまま踏み続け、国道151号と合流する中設楽の交差点でようやく止まった。多少時間は稼げたようだ。

 

次の目的地は廃校を利用した施設「のき山学校」である。

のき山学校にはカフェの他、手作りコスメ体験ができる場所だ。雰囲気のあるところで本来であれば、ゆっくりしたいところなのだが、今回は時間がない。

 

のき山学校は「軒山」という小さな山の中腹にあり、そのアプローチはなかなかの急坂だ。私はギアを軽くし、一気に登った。

 

のき山学校に着くと、広くはない駐車場は車でいっぱいだった。これからコスメ作り体験があるのだろう。ちょうど車から降りて来た女性たちがそんな会話をしていた。

そんな女性たちは汗だくの自転車乗りのオッサンをどう思っただろうか。

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入り口でナイスなスリッパに履き替え、校舎に入る。私の目的はコスメ作り体験でもなければ、カフェでもない。ここに入る東栄町まちづくり協会である。

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私は協会の会員なのだが、近頃は東栄町に来ていなかったので、今年の会費をまだ払っていなかったのだ。事務所には幸い、知り合いの事務局長さんが見えたので、会費をお支払いし、久しぶりにお話しすることが出来た。

東栄町は「美」をテーマに観光に取り組んでおり、近々開催されるツアー「BEAUTY TOURISM TOUR」のことなどを教えていただいた。都合が合えばぜひ参加したかったが、残念ながら家族でキャンプに行く週末とバッティングしていた。事務局長さんとお別れをし、次は街中にあるパン屋さん「杏の家」に向かう。

「杏の家」は今年7月にオープンしたパン屋さんで、前からInstagramをフォローしていたが、とにかくパンが美味しそうで一度行ってみたかったのだ。

場所は東栄町の本郷と聞いていたが、はっきりとは分からない。唐揚げのうまい「山正」の横を抜け、もう一本中の道に出ようとしたら山正のとなりが杏の家であった。

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外観がとてもかわいい。

ちょうどドアを開けてくれたご主人に招かれるようにお店に入る。

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店内には焼き菓子とパンが綺麗に並んでいた。

私は焼き菓子もパンもかなり好きなほうである。この日から店頭に並び始めたというシュトーレンを選び、あとは直感的に食べたいと思ったお菓子とパンを買うことにし、ご主人と話してオススメのフォカッチャとバタールも買うことにした。

Instagramで見て、前から来たかったと言うと奥から奥様が出てきて、アカウント名を聞かれたので答えると後でわざわざお礼のメッセージを送っていただいた。

 

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帰宅後、買ったパンやお菓子を家族と分けて食べたがどれも美味しかった。自家製酵母のフォカッチャは特別なハーブでも使っているかのような独特の風味があって印象的だった。ワインのお供にもいい。

 

杏の家を後にすると、後はスタート地点の駐車場まで戻るだけだ。

いつもであれば、東栄から県境を越え、静岡県側に入り浦川経由で、新城川合から望月街道をのんびり帰るのだが、いかんせん時間がない。

再びホイールの巡航性能に任せて国道151号をひたすら南に向かってペダルを踏んだ。

 

我ながらなかなかのペースだったと思う。

 

何とか長女の迎えに間に合いそうな時間に車に戻れたのだが、その後の撤収に手間取ってしまい、結局、長女のお迎えには遅れてしまった。

 

膨れっ面の長女に「遅い!」と怒られてしまった。

私は平謝りである。

それから「風の自然学校」の代表、よっしぃにも謝っておいた。全く申し訳ない。

 

帰りの車で長女のサイクリングの様子を聞いていたが、長女は疲れて寝てしまった。

私も久しぶりに爽快な疲労感を味わっていた。