定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

春の香り - 奥三河ライド -

前日の雨は朝には上り、日中は気温が上がるようだ。ダモンデの仲間に誘われて奥三河の花の名所を巡りながら、3月3日にオープンしたばかりという設楽町のベーグル屋さん「ベーグルSan」を目指し、ロードバイクに乗ることになった。

 

前日の雨が空気中の水蒸気を流したのか、雨上がりの朝は景色の色が濃くて、こういう日はいつか旅をしたニュージーランドを思い出す。ニュージーランドはすぐ天気が変わるのに、一度晴れるとカラッと眩しく晴れるのだ。

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景色は見慣れたの山に囲まれた田園風景だが、普段とは違った爽快感を感じると同時に、なんだか懐かしい感覚になった。

ニュージーランド、また行きたいな。

 

豊橋の郊外をスタートして、仲間とサドルトークをしながら峠を二つ越える。今回はいつものタツマくんに最近ロードバイクが楽しくて仕方がない上野さんと私の三人。

 

5月にダモンデの仲間たちとロングライドのイベントに出る予定をしており、年が明けてからは月に数回、100キロ以上の距離を乗るようにしている。

また、在宅勤務の日は仕事が終わってから近所の山を何本か登るようにしていることもあって、この2年ほど落ちる一方だった体力も少しずつ戻りつつある。

やはり、何か目標があるというのはいいな。

おかげでこの日も私にしてはなかなかいいペースで走れたと思う。

途中のコンビニで軽く補給をすると最初の目的地、長篠の河津桜まではさして時間は掛からなかった。
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ここ数年、長篠の河津桜は訪れる人が急激に増加している、と聞いていたが、なるほど確かに多い。

特に旧田口線のトンネルから撮影したがる人が多く、トンネル内から撮影しないでと看板が出ていた。奥三河に人が来るのは嬉しいが、こういうのは複雑だ。我々はバイクを降りて少し写真を撮ると歩いてトンネルを抜け、この場を後にした。

 

次に目指すのは川売の梅の里である。

長篠から鳳来寺山の参道まで少し上る。いつも上らなくて済むようにパスするルートだが、今回のルートだと他に選択肢もないので上る。このあたりは久しぶりだ。

新城の玖老勢まで出るとあとは海老まで旧田口線の廃線跡を行く定番ルート。川沿いの道で車が少なくて走りやすい。

海老の集落に出ると川売に向かって細い道を進んでいく。例年であれば、奥に向かう車で渋滞し、車がたくさん駐車してあるのだが、今年は梅まつりは中止となっているため、そうした様子もない。車で行くことができる一番奥まで行くと、狭い駐車場に停められるぐらいの数の車がいたが、そこまで多くは感じなかった。先に寄った長篠の河津桜の方が狭いエリアに人がたくさんいたのを見たせいかもしれない。
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梅の花は満開に近かった。

自転車を押しながら歩くと梅のいい香りがした。

春が来たのだな。
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梅の花を堪能した我々は川売を後にし、次はいよいよ設楽町のベーグル屋さんに向かう。設楽町に抜ける稲目トンネルは自転車で走っても楽しいところではないので、稲目トンネルの手前から与良木峠を越えるルートを取る。

 

緩く上る峠道はなかなかどうして悪くない。

峠道はやがて与良木トンネルの手前で集落に出る。

花の名所もいいが、奥三河のこうした普通の集落に咲く花が好きだ。
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三河の人は家の庭で梅や桃を育てている。

山間の風景に溶け込む花はとても優しい。花の名所もいいが私はこうした花を抱いた奥三河の集落の風景が好きだ。

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集落で少し休憩すると、与良木トンネルに向かった。

与良木トンネルを抜け、設楽町に入る。快調に降っていくと後ろから「ここじゃない?」とタツマくんから声がかかる。

ベーグルSanである。


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我々が自転車を降りると、店のご主人が「すいません、今日はもう終わってしまって…」と申し訳無さそうに言った。

私はタツマくんと上野さんに笑いかけた。

「サイクリストあるあるだな。気合い入れて来たものの、もう売り切れのパターン」

残念ではあったが、オープンしたばかりのお店なのでそういうこともあるだろうな、と思っていたのでそこまで落胆はしなかった。

それでも幸い、奥さまが試食でよろしければどうぞ、とキノコの乗ったベーグルとハーブティーを出してくれた。

ガーリックの効いたキノコとベーグルがよく合う。美味しい。

「これ、ワインいりますね。」思わず奥さまにそう言ってしまった。

そうそう、ニュージーランドを旅してたころは昼から飲んでたな。

 

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少し店の中を覗かせていただいた。古い民間をリフォームしたと思われるセンスのいい内装。

 

次はベーグル買えるといいな。

 

お腹を空かせた我々は、清崎のファミリーマートで補給か八雲苑で食事という選択肢も考えたが、我らがヤングキャッスルまで行くことにした。

 

道は基本下りで、しかも新城の玖老勢までは風も追い風でかなり進んだ。そこから先もいいペースで走ることができ、想定よりも早くヤングキャッスルにたどり着いた。

 

ヤングキャッスルでは迷わずカレークリームパスタをメガサイズで注文。

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お腹を空かせていたので、メガサイズのパスタをペロリと食べてしまった。

 

ヤングキャッスルでダモンデ山田さんやりょーこさん、他のお客さんとしばらく話す。こうして友達と話す時間は大切だ。最近特に思う。

 

食後に山田さんが柑橘系のソーダを出してくれた。

3月にしては暑い日にはピッタリの爽やかさだった。