定着から放浪へ 放浪から定着へ

アラスカ、ニュージーランド、タスマニアなどの自転車の旅、そのほか愛知奥三河のことなどについて書いています。

グラベルロードにロードホイールを - グラベルロードの可能性 -

実は11月の終わりにライド中、後ろから車に追突されてしまった。幸い怪我もバイクの損傷も大したことはなかった。ただバイクは念のため、診断に出している。

メインのロードバイクがそんな状況だが、身体は動くのでロードバイクには乗りたい。

そこで、妻の街乗り用にフラットバーで組んであったSOMA FABRICATIONSのペスカデロをドロップハンドルにして、ここ最近は乗っていた。

 

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タンゲプレステージのパイプで組まれたペスカデロは700c FAT PLUSでリムブレーキでありながら42cが入り、キャリアのダボなどもある。デザインがオシャレでしかも値段もフォーク込みで10万円程度と安かった。

「ゆっくり長く走る」に対応したバイク、とカタログにある。

私が普段乗るロードバイクもクロモリのロードだが、近代のネオクラシックと呼ばれる軽量で反応性も高いバイクで特性がまるで違う。

そんなペスカデロにいつものロードホイールを履かせ乗ってみると、初動は重いが(フォークもクロモリである)一度かかればなかなか走るバイクになり、それなりに楽しく乗っていたが、ブレーキに不満があった。

 

それはブレーキの効きが甘い、ということである。

ペスカデロは太めのリムを入れることを想定して作られており、通常のロード用のリムの細いホイールを入れるとブレーキキャリパーが届かない。そこでロングアーチのブレーキを入れるのだが、リアに関してはそれでも届かず、オフセットされたブレーキシューを入れているのだ。

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どうしてもブレーキ剛性が下り、高速(というほどのスピードは出なかったが…)で走ると事故の後ということもあり、ブレーキの効きが甘いのがストレスになってきた。

 

そんなときグラベルロードのリッチーアウトバックに乗ってみたときに「もしかしたらこれにロードホイール履かせたほうが、ペスカデロより走るのでは?」と疑問が湧いた。

前にキャンプツーリングで舗装路を長い時間走ったが、広めのリムに42cのグラベルタイヤでもよく走った。

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そんなとき、ランドヌールクラブ名古屋の金井代表から1月のブルベの試走の話が来て、いよいよグラベルロードのロードホイールでの運用を試す必要が出てきた。

 

普段からお世話になっているバイクショップ「Glocalbike」のバスマンさんに相談すると、ちょうど中古のロードホイールがあるという。さらにお友達がタイヤも出してくれたので、今日、リッチーアウトバックにロードホイールを履かせ軽くテストライドに出た。

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リアセンターが長いのが特徴のリッチーアウトバックグラベルタイヤだとあまり目立たないが細いロードホイールに細いロードタイヤを入れるとそれがよくわかる。

 

時間が限られていたので、近所の多米峠から浜名湖をかすめ、本坂峠を抜けるルートを試走に行く。

 

普段より軽いホイールと細いタイヤというだけで、面白いように走る。スピードが出るのが単純に楽しい。私はグラベルロードでオンロードを走ると速くて時速25キロというところだが、すぐに時速30キロぐらいまで出た。ロードバイクと遜色ない印象だ。

 

ちなみにギアだが、私はキャンプツーリングで不自由ないようフロントはダブルにしており、フロントはアウター46T、インナー33T、リアは11-42。

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ロードタイヤで走ってみて峠の下りはもう少し重たいギアがあってもいいかと思ったが、私は重たいギアは踏まず回転重視なので、これでも良いと思った。

 

走りながら思ったのが、ブルベに最適なのでは、ということ。

昨年参加した300キロのブルベの際、旧富山村から霧石峠までの上りでギアを使い切ってしまったので、このくらいのギア比ならもっと上りで余裕が出るだろう。上りで余裕が出るということは、長時間のライド中にそれだけ体力に余力が出るということになる。

また、ロードよりアップライトなポジションなので、長時間のライドにはよりいいのではないだろうか。

 

とにかく想像以上によく走った。

 

今年は5、6年振りに400キロのブルベを走る。もしかしたらグラベルロードで出るかもしれない。それほどの可能性を感じた。

 

ふと、私はトム・リッチーのバイクとロングライドをこよなく愛した私のヒーローの顔を思い浮かべた。

 

「それもいいと思うよ」

 

あの人ならきっとそう言うだろう、そう思った。